ちば環境情報センター
2001.4.6 発行    ニュースレター第45号
代表:小西由希子

目次
  1. 「千葉県環境研究センター」ができました
  2. ポンコツのつぶやき
  3. ソーラーエネルギーを利用して
  4. チェルノブイリ15周年救援コンサートに向けて
  5. 「ストップ地球温暖化千葉推進会議」誕生!

「千葉県環境研究センター」ができました

千葉県環境研究センター企画情報室 小倉 久子 

 すでに新聞や「県民だより」で発表されておりますが,今まで環境研究所(大気,騒音),水質保全研究所(水質,地質),廃棄物情報技術センター(廃棄物)の3つに分かれていた千葉県の環境関係の研究機関が,平成13年4月1日から統合されて千葉県環境研究センターという名称になりました。
「ダイオキシン問題等,複雑・多様化する環境問題に適切に対応するため」というのが統合された理由です。今までは,水質保全研究所というのは全国に一つしかなかったので,その名前がなくなるのはちょっと寂しい気がします。でも,水,廃棄物,というような狭い見方でバラバラに考えるのでは,環境問題はなかなか解決せず,これからはもっと総合的に取り組む必要があるので,組織の統合は前向きに受けとめたいと思っています。また,できれば,お役所特有の「縦割り・たらい回し」というのも少しは解消するかと期待しています。
実際には,施設の統合(ひとつの建物にまとまる)は少し先になります(未定です)ので,当面は今までどおり,大気,騒音,廃棄物が市原で,水質・地質は稲毛で仕事をしております。電話やFAX番号(下記)も変わりませんので,なにかあったら,お気軽にお電話ください。 せっかくの機会なので,(旧)水質保全研究所の仕事の一部を,「平成11年度千葉県水質保全研究所年報」からご紹介させていただきます。

「県内公共用水域における化学物質の検出状況」(藤本千鶴他 著)

千葉県水質保全課が行っている水質モニタリング調査(1993〜1997年)の結果から,県内の川・海・湖沼の化学物質による汚染状況を整理したものです。農薬系の化学物質(チウラム,シマジンなど)は県北東部,非農薬系(トリクロロエチレン,ベンゼンなど)は県北西部で多く検出されていました。非農薬系化学物質の多くは事業場が排出源で,検出率,検出濃度ともに減少傾向がみられ,農薬系物質の検出濃度は環境基準を超えることはなく,地点検出率も低いという結果でした。最も検出率の高かったジクロロメタンの検出状況を次の図に示します。(図省略)
千葉県環境研究センターのホームページhttp://www.wit.pref.chiba.jp/には,その他の調査研究の題名リスト,千葉県の川や沼の水質情報,大気や廃棄物についての情報など,いろいろ載っておりますので,是非ご覧ください。また,上に紹介した報告の原文など,もっと詳しい資料が必要な方は,コピーをお送りしますので,電話かFAXで小倉までお申し込み下さい。
6月の環境月間には,各部で研究施設を公開しています。そのときには改めてご案内させていただきますので,是非お越し下さい。
千葉県環境研究センター
 *大気部,廃棄物・化学物質部,企画情報室:   市原市岩崎西 1-8-8  TEL:0436 - 21 - 6371,FAX:0436 - 21 - 6810
 *水質・地質部: 千葉市美浜区稲毛海岸 3-5-1  TEL:043 - 243 - 2935,FAX:043 - 243 - 2960


ポンコツのつぶやき

千葉市稲毛区 平田 和博  

私は生まれてから、いや製造されてから10年になります。ところどころ傷がついていたりへこんだりしていますけれど、まだまだ元気で走れます。これも、主人の面倒がよいからでしょう。時々、主人が「税金が上がるから、替えようか」と言っているので、気になります。なんでも、古い自動車は燃費が悪いという理由で、税金を高くするとのことのようです。
 日本では9年程度で廃車にして捨てていますから、私のように10年も使っていただければ満足しなければならないでしょう。でも、私たちの仲間は10年やそこいらでは壊れません。修理すれば、もっと走れます。それなのに、あきたからとか型が古いからということで捨てられてしまいます。まだ、使い捨ての考えが改まっていないのでしょう。ちなみに、自動車先進国の欧米では15年間も使うそうです。
 私を買われてから5年間、主人は奥さまや子供さんを乗せてあちこちにドライブして楽しみました。私も張り切って走りました。5年目のことです、2回目の車検の時、主人は私を手放そうとしたのです。流行のRV車に買い替えようとしたのです。ところが、主人はリストラに遭い、それどころでなくなりました。それからは、主人は私をとても大事にしてくれ、奥さまの買い物やたまのドライブ程度で満足するようになりましたし、あまり飛ばさなくなりました。そして、街中でリッタ−当たり9キロ走ると自慢しております。おかげさまで、私は助かりました。主人はあと5年は乗ると言っております。
 私たちが造られ、利用されそして廃棄される時に、地球環境に負担をかけるばかりか膨大なエネルギ−が消費されます。そのようなことを、少しお話しましょう。
 私たち1800ccクラスの自動車は、重さが約1.5トンあります。製造し販売されるまでの環境負荷をエネルギ−に換算しますと、おおよそ5000万kcal *@になります。使用期間9年で廃車にする場合は負荷が年間555万kcal になり、十五年間で年間333万kcal になります。その差は年間222万kcal になり、ガソリン300g*Aに匹敵します。主人は月々50gのガソリンを買っておりますから、あと5年間乗れば地球の負荷を半年分軽くすることになります。でも、私たちのガソリンエンジンは熱効率が悪く30%以下なのです。ですから、なるべく乗ってほしくないのです。
 それから廃車を処理する時、鋼材は再利用されるとしても、450s(30%)のプラスチックやゴムなどのほかに有害物を含んだ廃棄物が出ます。それら廃棄物は埋め立てられております。日本では、年間500万台廃車されておりますから、150万トン以上の有害な廃棄物を埋めていることになっております。おそろしいことです。人々は廃車のリサイクルと考えているようですが、まだまだのようです。
 国土の狭いうえに資源の乏しい日本を考えますと、古いからとすぐ捨てるのではなく、出来るだけ大事に乗って1年でも長く使ってもらいたいものです。スクラップにされる私たちのことを考えて、物を大事にしていただければと思っております。
 注*@薄鋼板の製造消費エネルギ−がおおよそトン当たり1,000万Kcal なので、そのほかのプラスチックや化学繊維、アルミや銅などエネルギ−高消費材を1台当たり4,000万kcal と推定した。
 注*Aガソリンの発熱量10,500kcal /s、比重0.7とした。


プレーパーク(冒険遊び場)へどうぞ!!
ここは、自然の中で大人も、子供も自分の責任で自由にあそぶ、遊び場です。
木にのぼっても、ブランコに揺られてもよし、こもれびの下で本をよんでもよし、どろんこになってもOK!!
 あなたも自然の一部になって、思いきり遊ぼう!!
■日時:4月22日(日) 10:00〜14:00
 ■場所:四街道総合運動公園
■連絡先:四街道にプレ−パークを作る会 043-433-0987(古川)まで

ソーラーエネルギーを利用して

船橋市 深山 隆祐   

3月3日、東京の代々木で行なわれた「環境NGO活動入門講座」の分科会の1つ「ソーラーエネルギー利用のニッカド電池充電器を作ろう!」に参加し、太陽光を利用した充電器作りに挑戦してみました。頭の痛くなるような議論や説明など全くなく、子供の頃の工作を思い出すような楽しい時間を過ごすことが出来ました。
太陽光をエネルギーに変えるというと、屋根に設置するソーラーパネルがおなじみですが、石油などの化石燃料を利用したエネルギーに比べて安定した供給は難しいし、エネルギー量も多くないと言われています。でも、家庭で利用する電力などには十分活用出来るのだそうです。しかし、現状ではソーラーエネルギー発電のシステムが十分には行き届いていないという事実も知りました。「昼間に降り注ぐ天然でクリーンな太陽のエネルギーを捨て(利用せず)、夜には照明などのために化石燃料から発電された電気を買うというとても無駄な行為をしている!」という分科会の講師の言葉がとても印象的でした。
参加者の中には、太陽光とは別に太陽熱を生活の中に活用している、テレビでおなじみの鳥居ヤス子さんがおり、その人の話も聞くことが出来ました。「ソーラークッキング」といって、空き缶など身近な物を利用して、太陽の熱で料理を作ってしまうのです。温泉卵や焼き芋くらいなら、誰にでも出来るそうです。写真を見せてもらったり実際の話を聞いて、いろんな料理が作れるというすごさに驚かされました。難民キャンプのようなところでは、あき缶でなく簡易的なソーラークッカー(黒くした鍋)を作り、実際、調理されているようです。また、欧米ではこれで学校の給食を調理しているところもあるそうです。鳥居さんのHPも是非ご覧になってみてください。    (http://plaza12.mbn.or.jp/solarcooking/)
原始時代のような生活にあこがれている僕ですが、この分科会に参加して改めて太陽の恵み、自然の恵みのありがたさを感じる事が出来ました。僕が製作した充電器もうまく出来、家ですでに活用しています。もう電池(単3)を買う必要がなくなりました!


チェルノブイリ15周年救援コンサート「チェルボナ・カリーナ千葉公演」に向けて

千葉市稲毛区 岡 美由紀  

1986年4月26日、ウクライナで起こったチェルノブイリ原発事故。その年だけで31人の生命を奪った大惨事に大きなショックを受けましたが、さらに放射能の被害は全ヨーロッパに及び、深刻な農作物汚染を引き起こしました。「パスタは当分食べられないね」と妊婦中の私の友人は、不安な表情でつぶやいたものです。
それから15年たって最悪の原子力事故の衝撃は薄れつつありますが、ウクライナやベラルーシなどの被災地では、経済状況の悪化もあって事態はむしろ、より深刻になっています。放射能災害が他の事故や天災などと全く違うのは、事故の処理にあたった作業員の子供など、事故の後に生まれた者たちの健康も侵されていくことです。目にも見えず臭いもしない放射能が環境中に放出されれば、それは何万年も残留し、生きとし生けるもの全てに取り返しのつかない傷跡を残してゆく―時間の経過で決して癒されはしないのです。―
世界的には、チェルノブイリ以降大きな方向転換がなされたように思います。特にヨーロッパでは脱原発のみならず、経済成長よりも環境を重視する市民の世論が大きくなり、今や循環型社会へとシフトする方向性は主流になってきています。
その中で日本の現状を見ると、とても不安になります。50以上の原発が稼動し、さらに建設も予定されていますが、チェルノブイリの子供たちの苦しみが、明日の日本で繰り返されないと断言できるでしょうか?
友人の子供は今では中学生、背丈も母親を追い越して美しい少女に育ちました。彼女たちが安心して将来の生命を育むことのできる社会を築くために、チェルノブイリの痛みを風化させることなく、向き合っていかなければと思っています。

チェルノブイリ15周年救援コンサート音楽団
「チェルボナ・カリーナ」

日 時:4月21日(土) 14:00〜
場 所:千葉市民会館大ホール 共 演:ナターシャ・グジー他
前売り券:1,500円(子供1,000円)
主 催:チェルボナ・カリーナ千葉公演実行委員会
連絡先:043-255-7530(青木)
手づくりのイベントです,ボランティアスタッフ募集中

「ストップ地球温暖化千葉推進会議」誕生!

八千代市 松尾 昌泰

昨年11月19日に開催された環境シンプジウム2000千葉会議の第1分科会(テーマ:地球温暖化防止を考える)がきっかけで、参加者同士が、シンポジウムの盛り上がりをその場限りに終わらせずに、多くの人が一層力を合わせ、継続して検討や推進などの活動をしていこうということになりました。
分科会参加者の有志で数ヶ月の設立準備がすすめられ、3月27日に設立総会が開催され「ストップ地球温暖化千葉推進会議」(代表 河原啓佑)が誕生しました。発足したばかりなので、歩きながら考え、考えながら歩く活動になりますが、主として次の通です。
1.千葉県地球温暖化防止活動推進センター(今年2月1日設立)と連携した市民レベルの活動をしていく。
2.広く推進活動(学習会や出張推進など)をおこなう。
3.温暖化防止に対する諸提案や、目的達成に向けた広報、そして同時に1人でも多くの賛同者を増やしていく。

地球温暖化は、自分たちの行動や成果が、直接目に見えないだけに、それだけ取組みにくい課題です。したがって、一層、多くの市民の方々、市民団体、行政、企業などとの、ネットワークとパートナーシップを広げていくことが大切だと思います。 
           (問合せ連絡先 047-34-8726 内山明治事務局長)


第2回「能満谷津で野草を食べよう会」
昨年好評だった、ちば環境情報センター主催の能満谷津(市原市)で野草を食べる会を、本年も同じ4月の第三日曜日に開催します。
春ののどかな日差しのなか、おもいおもいに谷津をゆっくり散歩しながらの野草摘み。湧き水が流れる土水路には絶滅危惧種のホトケドジョウがたくさん生息しています。
昨年食した野草は、タラの芽とハリギリの芽(てんぷらにしてうまかった),ノビル(みそあえ)。そしてセリ,クレソンはゆでました。タネツケバナのサラダを、ボール一杯平らげた方もいました。食後はタンポポコーヒーでしめました。食べた野草は全部で15種類でした。このメニューには「ビールだ!」と思い、事前申し込みの方(運転手はだめよ)には冷えたビールを実費で用意しておきます。駅まで車の方は参加者の同乗をよろしくお願いします。
日 時:4月15日(日) 10:00〜16:00
集 合:JR八幡宿駅前 10:00
参加費:500円(ビール飲まない方は300円)
持ち物:マイはし,持ち帰り用タッパー,地面に敷くシート,水筒(マイコップ兼ねる)胃薬はいりません。
主 催・申し込み先:ちば環境情報センター 
TEL&FAX 043-223-7807
谷津田を200%楽しもう!
@谷津田でワイワイ米づくり

とうとう念願の田んぼづくりが始まります!
日 時:4月28日(土) 10:00〜16:00
場 所:緑区下大和田谷津田
集 合:ちばフラワーバス 中野操車場バス停
(JR千葉駅10番バス停より)(国道126号沿い)
持ち物:汚れてもいい服装、帽子、長靴、昼食、飲み物、雨
(あれば、くわ・スコップ)
参加費:300円(保険代),小雨決行
主 催:ちば・谷津田フォーラム

A第3回「こだわってメダカって陶芸教室」野外編
下大和田の谷津田で川遊び(午前中)をしたあと、メダカやフナ,カエルを観察して「はし置き」などの焼き物を作ります。
日 時:5月 6日(日) 13:00〜16:00
(川遊びは10:00〜12:00)
集 合:中野操車場バス停13:00(JR千葉駅10番バス停よりちばフラワーバスで45分,520円)<国道126号線沿い>
講 師:林 理氏
持ち物:汚れてもいい服装,タオル,(あれば粘土べら,粘土板)
参加費:500円  申し込み:4月27日まで(定員20名)
主 催:ちば環境情報センター 
申し込み先:@,A共に「ちば環境情報センター」まで
TEL&FAX 043-223-7807

編集後記:今年の桜は史上2番目に早く開花したとか。雪桜にはビックリしましたが、谷津田に産みつけられたヒキガエルの卵塊からは、もう可愛いオタマジャクシが泳ぎだしています。 いよいよ春本番です。   mud-skipper