ちば環境情報センター
2003.9.8 発行    ニュースレター第74号
代表:小西由希子

目次
  1. 印旛沼でカヌーをしながら水環境学習
  2. カヌー講座に参加して 
  3. 私 の エコライフ
  4. −ごみの話(制度改革)−
  5. 旅と環境 その9 北海道の風車
  6. EM菌の体験を通したメッセージC
  7. 田おこしの歌 
  8. CEIC運営委員から8田んぼで遊ぼう!
  9. 谷津田レンジャー養成講座始まる

印旛沼でカヌーをしながら水環境学習

2003年8月24日、快晴の夏空の下「NPOによる公募型環境学習−カヌー体験と水環境学習−(主催:千葉県,企画・運営:NPO法人ちば環境情報センター)が行われました。
参加者は23名。午前中は、印旛沼中央排水路でのカヌー教室。講師に瓜生達哉氏迎え、佐倉市カヌー協会の指導により、カヌーを楽しみました。カヌーをしながら、飲料水にもなっている印旛沼の汚れ具合や水の臭いなどを実感できました(中には味わった参加者も)。
午後は佐倉ミレニアムセンターで印旛沼を中心に、飲み水についての現状,問題点等の講義を受けました。講師の藤本千鶴氏の実践的で分かりやすい話に、参加者は運動後の疲労感も忘れ、真剣に耳を傾けていました。最後にちば環境情報センターの小西由希子代表の司会で、今私たちができる水環境保全などについてみんなで意見を出し合いました。
楽しみながら水環境について考える、有意義な講座になりました。          (事務局)

カヌー講座に参加して 

市原市 南川 忠男 

24日のカヌー講座に参加して、初めてのカヌーは操るのに苦労しましたが、カヌーと水辺に充分親しみました。
佐倉カヌー協会の方々も親切に教えて頂き感謝しております。1ヶ月まえから図書館で本を借りて、バドリングの勉強をしておりましたが、実物で難しさがよくわかりました。
午後は藤本さんの印場沼の水の講義ではカヌーで遊んだ水が千葉市民の水になっており、汚染の原因や対応の仕方を教えてもらいました。カヌー実体験と座学との組み合わせがよかったです。同じことが市原市とその原水の高滝湖、君津市と亀山湖、袖ヶ浦市と上の池でもできればいいなあと思いました。
※HP最近の話題に、カヌー教室の様子が写真掲載されていますので、ご覧下さい。


私のエコライフ

東京都江東区 中瀬 勝義 

私のエコライフはバブルの時に始まった。自動車駐車場料金が急上昇することになったからだ。屋外駐車場が立体駐車場に変わり、2万円が5万円になると言う。年間60万円を駐車場に使うのは勿体無い。その分皆とお酒を飲んだ方が良い。当時でも余り車を使う生活ではなかったからそうすることが出来たかと思う。
1.自転車
自動車がなくなると自転車になった。土曜や日曜日に市谷や四谷に出かけることが多かったことから、出かけるのはほとんど自転車になった。家から約1時間までは自転車で出かけるようになった。幸い姉の息子の古い3段ギアの軽自転車を貰うことが出来た。
 自転車は生活を自転車のスケールに変える。近くの図書館や講演に出かけるのに便利である。自動車とは異なり、遠くには行かなくなるが、地元のことが判るようになる。
エコライフには大変好都合な時間スケールかと思う。時に自転車で歌舞伎を観に行くことがある。歌舞伎は高いものと考えている人が多いが、立見席ならば1席千円位で観劇できる。1時間か2時間を楽しみ、交通費なし、半日の楽しみが過ごせる。
2.太極拳
7年前広島に単身赴任した。早速土日のために、区民会館に出向き、時間つぶしを捜したところ、気功・整体・太極拳なるクラブがあった。元々、座禅などに興味を持ち、上智大学の座禅教室に通っていたこともあり、直ぐに馴染めた。現在は家の近くに河川公園と木場公園があり、毎朝の散歩と太極拳で約1時間費やしている。大きな公園の中で木や草原を見て、空気を感じ、呼吸をゆっくりとすると、自然と一体になったような感じになる。今の生活の中で最も落ち着いた、心休まる、充実した時である。
テニスやゴルフの教室にも通ったことがあるが、それに比べれば、太極拳はただで充実感を味わえるありがたいエコライフである。
3.屋上野菜畑
単身赴任を行うと、如何にエコライフが難しいかを悟らされる。買い物に出かけるとスーパーにはパックされた物しか売られていない感がある。1週間も家事を行えば、発泡スチロールだらけになってしまう。昔、子供だった頃には八百屋も魚屋も新聞紙で商品を包んで、売っていた。ビニール製品など無かった時代である。それが化学製品万能時代になり、何もかも衛生関係からか過剰包装になってしまっている。エコライフをどう始めたらよいか困惑する。
最近、生ゴミ処理機を購入した。当初は生物方式を予定していたが、近所への臭いや虫の繁殖を考慮し、電気方式にした。これでゴミが半減することになった。そればかりか有機肥料・土が毎日生産される御褒美まで頂けることになった。その土をプランターに集め、屋上で農園ならぬ野菜畑を始めた。今年の夏はナスやキュウリがそこそこ収穫できた。これからは一年を通して、野菜畑が継続できるようなシステム・リズムを創り上げたいと感じている。
 ゴミが半減することは大変貴重なエコライフである。ゴミ問題に多額の費用を要する自治体は何処も大変困っている。そのゴミが半減すれば税金が相当助かることになる。無駄なエネルギーも削減できる。大いに検討を進めるべき課題である。
4.国のしくみ
日本は欧米に追いつけ・追い越せと念仏を唱え、戦後を駆け巡ってきた。その間農業国は工業国に変わり、農業人口は5%前後にまで下がり、食料品は多くを外国から購入することになった。これは、工業製品を外国に買ってもらうための政策であり、根本的な農業・食料政策が不在なためである。食料とエネルギー資源は重要な戦略物資であり、 独立国としては政治の重要なマターにも係わらず、政治家も国民も避けて通ってきた。
国内の土木工事も地元活性化の名目の下、借金漬けになっても続けてしまっている。
日本は本当のことを避けて通ることが多く、ツルネン・マルティ氏によると「ウソがまかり通る国」と評されている。政治家のモラル、企業のモラル、個人のモラルいずれも似たような実態であり、最近の事件が続々と続いている。
これからの日本はお隣の中国の経済発展の影に、静かな低成長をゆっくりと進めることが大切と思う。経済サミット等に参加する必要性は無い。世界で100番目の国で十分かと思う。環境に優しい、人に優しい、心豊かな落ち着いた国であれば良いように思う。人は言う、こんな小さな国に1億人以上の人間が生きていくためには、北欧を参考には出来ない。しかし、そのアイデアを基に創意工夫で期待の国を創造することこそがこれからの課題である。エコライフはそのための重要なキーワードかと思う。
(お願い) 現在エコライフを勉強しています。お近くでエコライフを実践している方をお知りの方は情報など、お教え頂けると幸いです。


−ごみの話(制度改革)−

千葉市環境事業総務課 神崎 広史

平成12年度の全国のごみ量は約5,236万t、1人1日当り1,132gで前年に比べやや増加しました。リサイクル率は14.3%と5年前に比べ4.5%伸びましたが、総量はなかなか減りません。処理に要した経費は約2兆3、708億円、国民1人当たりに換算すると18,700円であり、ごみ処理経費は地方財政にとって大きな負担となっています。
このような中で、ごみ処理の制度改革で大きな成果をあげた事例が注目を浴びています。東京都の日野市では、「ごみ改革」として、平成12年から、可燃ごみと不燃ごみの有料化(大袋80円/枚)、ステーションでの回収から戸別回収への変更、回収回数の見直し、食品トレイなどの容器包装ごみや剪定枝の回収の開始などを行いました。その結果、2年後には、家庭から出る可燃・不燃ごみ量を48%減量し、資源物量を3倍に増やすことができました。なお、平成13年度のごみ有料化の歳入額は約4億4千万円(清掃費歳出の約1割相当)で、剪定枝の収集、再資源化経費など「ごみ改革」の経費の一部に使われているとのことです。
この「ごみ改革」の特色は、ごみを減らすために、ごみ有料化を導入してライフスタイルの見直しを迫ったこと、回収回数・方法を見直して資源を出しやすく、逆にごみを出しにくくしたこと(可燃は週3回から2回、不燃は週2回から1回へと減らし、資源は月2回から隔週へと回収回数を増やした)にあります。資源回収の品目を追加するだけといった単発の施策ではなく、ごみを減らすための様々な施策を組み合わせて、相乗効果が得られるようにしたことが成功の要因であると考えられます。ごみの有料化については、千葉県内でも約6割の市町村で導入済であり、今後も拡大していくことが予想されます。
日野市の例から学べたことは、ごみ有料化の歳入をいかに活用してごみ減量・資源化に効果のある事業を推進していくかといった全体のシナリオが大切であるということです。ごみ有料化については賛否両論がありますが、関連する政策全体を見て市民一人ひとりが総合的な判断をしていくことが必要であると考えられます。


旅と環境 その9 北海道の風車

千葉市稲毛区 平田 和博

6月の末、北海道の道北、利尻礼文サロベツ国立公園に行って来た。今年は最高の人手だと言っていたが、広大な北海道だけあって人がまばらであった。このところ世情不安定のため、若い人は沖縄へ、年寄りは北海道にということになっているそうだ。花の楽園というだけあって、クロユリ,ユキワリソウ,キンバイソウ,エゾカンゾウなどが咲き乱れていた。花図鑑を片手に、花々の観察を楽しんだ。それにしても、高山植物がこんな低地に群生しているとは驚きであった。
稚内から利尻島へ行くとき、カモメが群がってきた。どうしたのかとデッキにいってみたら、観光客が菓子を投げていた。野生動物にエサをやってはいけないことだが、見ていておもしろいから困る。礼文島では銭形アザラシの群れが海岸近くを泳いでいたし、あちこちでエゾジカを見た。宗谷岬の放牧場で、馬と鹿が仲良く牧草を食べていたのには思わず笑ってしまった。厳しい環境のためか、道北はまだ自然が豊かである。
それからオホーツク海側でも日本海側でも、風力発電の風車をよく見かけた。幌延町には、28基(発電容量2,100kw)の風車が丘の上に並んでいるのは壮観だった。翼の長さが30メートルというからすごい。それらが広大な北海道の景色にとけこんで、風物詩になっている。頑張っているなと思うと、心が温まった。


EM菌の体験を通したメッセージC

市原市 今野 正子 

EM泥だんごを川へ投入していたらヘドロ臭さがとれ、トンボが群れをなして飛び回り、「偶然かな」と思う不思議な体験がありました。EM生ごみ堆肥を畑に投入し続けると、手が吸い込まれるように入ります。庭には鳥が舞い降り、クワもピカピカ、手も荒れることなく、犬もその場に座り動こうとしないんですよ。おもしろいですね。
でも体験した事柄よりも、まず自分の生き方が変わりました。家庭菜園から下水道に関心が集まり、今は川の浄化をしながら神崎川下流域で、ごみ拾いや草刈をしています。また、ごみをすてられない環境をつくるため、コスモスを植えています。
草刈をしてきれいになるとさらに良くしたいと人の心は動くもの。周囲の人達も少しずつ変化していると思います。新しい生き方は小さなグループや地域社会から生まれます。次々出てくるごみを処理しながら、つくづく地域環境問題ではなく人間環境問題と思います。
私の体験から、「気づき」が重要と思い、気づいたら自分らしく人に伝えることです。私の活動はほんの小さな種ですが、市原市の神崎川を美しく花一杯にと夢みています。流域の皆さん、応援してくださいね。
*この連載は今回で終了です。@〜Bは、62、65、69号ニュースレターに掲載されております。


田おこしの歌 

千葉市稲毛区 志自岐 百々代 

田起しの谷津に柳じょのとぶ中を子どもも大人も一日百姓
田起しの終えた田の面に空映り蛙の声を晴れ晴れときく
「二種類の蛙の声を聞き分けよ」 一瞬しずかうぐいすの声
杖をつき畦あゆむとき人の手の何本も出て支えられたり


CEIC運営委員から8
田んぼで遊ぼう!

千葉市緑区 高山 邦明

千葉に引っ越してきて、小さい時に立科の祖母の家でカエルやメダカ採りに熱中したことを思い出しながら近くの田んぼへ行ってビックリ。メダカがいない!カエルの種類が少ない!それに子どもが遊んでいない!それがきっかけで情報センターにお世話になって3年半、素敵な仲間と出会い、下大和田谷津田プレーランドプロジェクトを中心にいろいろな活動をする機会を得ました。ひとりでも多くの人に自然の楽しさ、すばらしさを伝えたいと思いながら、気づくといつも参加者以上にのめり込んでいる自分がいます。やっぱり自然はすごい!TVゲームしたり、塾へ行ってる暇があったら、田んぼで遊ぼうよ!


谷津田レンジャー養成講座始まる

2003年度千葉県NPO活動提案募集事業採択事業「谷津田レンジャー養成講座」(企画・運営:NPO法人ちば環境情報センター)の第1回・開講式と「谷津田を感じよう・谷津田の生きもの」(講師:倉西良一氏)が、8月23日16:00から千葉市緑区下大和田の谷津田で行われました。
この講座は、開発や農業後継者不足で失われつつある谷津田の現状を認識し、谷津田を守り、谷津田の大切さ・楽しさをみんなに伝える、谷津田の専門家を養成することを目的としています。内容も、米づくり・座学・宿泊研修・アクションプラン作成など、自然体験から学術的な講義までの様々な講座が予定されています。谷津田に対する関心度の高さからか、県内各地から予定人数の2倍近い38名もの受講希望者がありました。
第2回「千葉県の谷津田と自然保護」(講師:中村俊彦氏),「谷津田の暮らしと歴史(座学編)」(講師:白井豊氏)は8月30日、県立中央博物館で,第3回「水田のかかし作り」は8月31日、下大和田で実施され、谷津田の価値や楽しさを実感しました。(事務局)


編集後記:10年ぶりといわれた冷たい夏が終わろうとしています。ヒグラシ,アブラゼミ,ミンミンゼミ,ツクツクボウシが同時に鳴いています。雨が多かったせいでしょうか、千葉市や佐倉市ではメダカが大量に発生しています。天候や乱獲による減少が心配されますが、環境さえ残っていれば生物の回復力は絶大です。mud-skipper