ちば環境情報センター
2004.1.7 発行    ニュースレター第78号
代表:小西由希子

目次
  1. ちばのたね ━環境問題に興味のない若者の取り組み━
  2. 古着ものがたり
  3. 下大和田谷津田斜面林の手入れ始まる ―下大和田に新しいページが開かれました―
  4. 心のよゆうがけしきを変える「私たち家族と谷津田との出会い」
  5. 「割り箸回収からはじめよう!飲食店エコ化キャンペーン」

ちばのたね ━環境問題に興味のない若者の取り組み━

千葉市稲毛区 宮川 沙弥香 

2001年10月、「千葉の人と自然にいい!と思ったことを何でもしてみよう!」と意気込んで結成したちばのたね。何のイベントもない月もあったりしましたが、みなさまの支えでようやく2年を迎えることができました。月に一回イベントを企画するのはそれぞれの仕事も忙しく、とても大変なことでした。それでも続けてこられたのは「楽しい」の一言につきると思います。そう、ちばのたねは楽しいことをしています。これからも楽しいことをし続けていきたいと思っています。
ちばのたねには、まったく環境問題に興味のない人もいます。それって、とってもすばらしいことだと思うんです。環境問題に興味のある人が取り組むのは当たり前ですね。でも、「楽しい」ことは環境問題に興味がなくてもやりたい、と思いますよね。畑仕事で汗を流すのが楽しい、収穫してさらにおいしい!青空の下みんなで海岸のゴミを拾って海をきれいにする。家族のための安全なお味噌をつくる。自然の中で自然と仲良くなるゲームをしてみる。環境問題って楽しいことだらけな気がします。確かに、世の中にはゴミが溢れかえっていて、森林もどんどんなくなっています。でも、大きな問題に取り組むには自分の周りに目を向けることが最初の一歩だと思うのです。
そんな思いを胸に、今年のちばのたねはいろんなことを新しく出会う人たちといっしょにしていきたいな、と思います。恒例の畑、3月の味噌づくり、春と秋のクリーンアップキャンペーンの他にも新しい企画を練っています。また、稲毛の浜で毎月「レジンペレットを拾い隊」(仮称)を行います。もちろん拾うだけでなく、オプションも考え中です。みなさんも是非、こんなことしたい!をいっしょに実現させていきましょう。連絡先…090-6107-5951,sayasayasaya@hotmail.com


古着ものがたり

八日市場市 萩原 真紀

皆さんはニュースレター第76号の古着回収の記事をご記憶でしょうか?記事提供者の三井さんはインドネシア留学中で、私の自慢の友人の一人です。彼女と私のいつものメール交換から始まった今回の古着回収について、続報をお知らせしたいと思います。
お陰様で12月31日現在約60s、ダンボールにして6〜7個の古着を集めることができました。後半は送料の関係もあり、お断りするほどの問い合わせもいただき、本当にありがとうございました。また送料カンパの方も総額14,396円ご協力いただきました。インドネシアへ例えば15sの荷物を一番手頃な船便で送付しても6,800円かかります。2003年中は12月25日に船便で約16sのダンボールを一つ、7,400円で送付することが出来ました(かなり欲張ったため、一応ガムテープで補強しましたが無事に彼女の元へ届いてくれることを祈るばかりです)。頂いた他の古着につきましても準備でき次第送る予定です。私たち日本からの幸せが少しでも少しずつでもインドネシアの子供たちに届けば本当に嬉しいです。どうもありがとうございました。
また、第2次古着回収のお問い合わせや学校全体で取り組みたいという先生からのとてもとても嬉しい声もかけていただきました。こちらにつきましてはただ今検討中です。始めは日本で余っているものを少しでも喜んでくれる人たちのもとで再利用してもらいたいという私たちの思いでしたが、送料や受け入れ側の問題もありこのまま継続していくのは難しいと思われます。またいつまでも送る・与えられるの関係では服の再利用はできても未来へ続く解決にはならないようです。これからは日本の子供たちとの心の交流も考えています。路上生活している彼らとの交流に興味をお持ちの方いらっしゃいましたら下記アドレスまでご連絡下さい。
国境を越えた貧富の差には私たち先進国によって牛耳られている経済のしくみ自体に問題がありますよね。日本にいる私たちにできること、古着回収にプラスしてもっと世界全体に目を向けること、そして宣伝広告やブランドイメージに惑わされることなく本当に必要なもののみを手に入れ、私たちだけがおいしい汁をすうことのないよう賢い消費者になることではないでしょうか。話がそれましたが今回の古着回収やカンパにご協力頂いた方、本当にありがとうございました。また機会がありましたら、続・続報や子供たちからの声もお届けできればと思っています。2004年、私たちの頭上に広がっている青く平和で幸せな空ができるだけ多くの人にも届きますように。
問い合わせ先:miracle-trees@happy.email.ne.jp (もしくは、NPO法人 ちば環境情報センターまで)


下大和田谷津田斜面林の手入れ始まる
 ―下大和田に新しいページが開かれました―

千葉市緑区 網代 春男

下大和田の谷津田は、水が豊富で、土水路があり、メダカやアカガエルなど生きものがたくさんいて、谷津田環境がよく残っています。
ここでは、2000年2月20日に第1回の「谷津田見学会」を行い、以降2回目からはゴミ拾いも兼ね定例観察会を毎月実施、47回を数え今日に至っています。
2001年4月からは稲作をやめた田んぼで生きものにも優しい田んぼ作りを始めました。
同年のサポート研修会でYPP(谷津田プレーランドプロジェクト)を立ち上げ、2001年6月24日にこどものための「どろんこ田んぼづくり」を実践行動第1弾として実施、以来田んぼの作業も組み込みながら、昨年12月23日の第31回「古代米のもちつき」まで、毎月開催、老若男女が大勢集う楽しい催しになっています。
こうして、田んぼの面積こそ僅かですが、昔からの稲作に思いを馳せ、野草を愛で、メダカやアカガエルと遊び、ここに大勢の方々が集う様は皆この環境が気に入って、好きになって、ごく自然に参加者の環境への意識を深めた意義はとても大きいものと思います。
谷津田の環境を支えている水の涵養域は台地上の畑や森林や斜面林であり里山一体のものです。古来、人がかかわって作ってきた斜面林の人の生活と結びついた循環の仕組みを、小さいながら取り戻したい。いつも弁当を食べている田んぼ際の斜面林の荒れた状態を見るにつけ思い、この斜面林もなんとかしたいと皆で話し合っていました。
ここで、NPO法人ちば環境情報センター事務局の福満美代子さんが頑張りました。法務局へ行って地権者探しがはじまりました。幾度も足を運び、地権者を探し出し、連絡を取り、折衝、とうとう口頭での了解を頂き、千葉県が進める里山条例に基づく協定書も交し、県へ申請する運びまで漕ぎ付けました。
福満さんの熱意思いの強さ,ひたむきさ,粘り強さの賜物です。
地権者の方とよく話し合いながら双方が喜び合えるお付き合いをして継続することを何より大切にしたいと思います。
田んぼに向うトンネル手前に手入れがされた林があります。道端にはリンドウやヤマハッカやヒヨドリバナなどが咲き乱れます。ホタルブクロが一杯の季節もあります。道すがら林床のクサイチゴを口にしながら田んぼに向ったこともありました。ミョウガもありました。
 下刈りと適切な間伐で適当な光が入ることで眠っていた植物が目を覚まし復活して来るでしょう。キンランやギンランも目を覚ましてくれるでしょうか?想像するとわくわくします。
 大きくなりすぎた木や繁りすぎた雑木を切ってシイタケを作ってみたい、炭を焼いてみたい、などなど次から次と夢が膨らみます。
 生活態様や経済構造が変えられ、谷津田での稲作や斜面林の利用は置き去りにされ谷津田環境は荒廃してきました。専門家から見れば私達のやっている田んぼや斜面林の手入れはままごとのように写るでしょうし、正にままごとですが、谷津田が大好きな素人だからこそいつの日か、たった一つのシイタケが口に入ることを夢見て楽しみながら無償の作業がきるのが私達だし、強みでもあります。何より環境に少しは良いことをしているという自己満足もあります。
 さあ、今年から作業開始です。 ニュースレターイベント情報で日程を確認してご参加ください。


心のよゆうがけしきを変える
「私たち家族と谷津田との出会い」

千葉市美浜区 牧野 良枝

谷津田って何かねぇ、やつでんって読むのかねえ、やつだぁ〜?谷津干潟と何か関係あるのかねえ?
そんなこんなで始まった我が家と谷津田の出会いは、会社の回覧で募集していた、ちば環境情報センター企画の「子供環境講座」のご案内のお知らせだった。こんなに安くて盛りだくさんの内容を誰がここまで面倒見てくれるんだろう?とにもかくにも夫婦は心配しながら二人の子供を送り出した。
子供ってどう育てるのが一番いいかなんて自分が生きてきた事しか知らない手探りの勝手な育児だけどやっぱり自分たちが経験してきた事、自分が凝縮された景色を子供たちに残せないって寂しい事だよねって思っても、出来上がった景色の中で何かを楽しませるという一方向の発想しかなかった私たち。時間に追われ、互いを思いやるばかりで何がたりないかなんて気付きもしなかった。そうやって引っ張るところまでしか引っ張れないなんて、毎日身を切る思いで何かを殺して肩を寄せ合い生きてきた。

子供がケガをしたと連絡をもらい帰って来たとき、ケガをする(もちろんその後のキチンとしたケアを踏まえた上で)経験を引き受けてくれた谷津田(運命)に感謝した。夫婦だけの育児は頭ではわかっていても、ケガをさせないよう,つらい思いをさせないよう,人に迷惑をかけないよう、そんな環境を与える為にないなら自分たちで作ってしまって、いつも損な役回りでしか自分を発揮できなかった。いつしかそんな窮屈で空回りの育児から、娘がケガをした事でふっと肩の力が抜けた。ケガをしてこんなに親身になってくれる人と場所がある。ケガをして目の前真っ暗で帰って来たナイーヴな娘たちが、谷津田って何だったの?どうだった?のお話で、目を輝かせて話す姿に、ケガをする寸前の喜びを見、その後のケガでまた真っ暗な気持ちが楽しかった今を支配した時、絶対家族でその時の気持ち、それがあったからこうなったってプラスの気持ちに書き換えてあげよう、想い出に変えようって思った。
家族の谷津田デビューは11月29日の「谷津田の暮らしたんけん」。何がなんだかわからないまま、でもなんだかそこに集う人と場所に癒されていく。
目線が,話題が,感覚が、何もかも一緒!!
ガチガチだった心と体、谷津田でゆっくり溶かしたい。子育てをする前に自分たちの心がもっと自由でなくてはならなかったんだなあと痛感。谷津田って何だって思っていたのに、もう娘たち以上に谷津田にはまっている。自分たちが育った景色がそこにあって、それを共有する意識が明日ヘの活力となって、なんだ簡単じゃんって、頭掻いて「へへへ」です。
ここまで追い込まれるにはそれなりに紆余曲折があって、でも人間ってそういうものじゃないかなって、谷津田と出会ってそう思います。
次はいつ行けるかなって夫の反応。おやおや、休めないと言いつつ、間髪いれず12月23日「古代米のもちつき」です。タイミングがわからず戸惑う夫。(私たちの性格なら)やりたい時にやれる事をやればいいんだよという妻。それを気持ちよく受け入れてくださる谷津田の自然とそこに集う人々。
ケガをした娘?心の傷も体の傷もすっかり癒え、もうそこには留まっていたくはない様子。今を大切に生き、何かを待ち望んでいる。それはきっと親や親を取巻く環境、それは未来への期待感だったり、それに対する安定感の表れだったりするのではないかなぁ、と勝手に思ったりしている今日この頃です。


「割り箸回収からはじめよう!飲食店エコ化キャンペーン」

市川市 岩丸 利恵

6月に研修会で割り箸リサイクルを今年の活動目標としてから、伊原さんとともに、お祭りで割り箸回収BOXを設置したり、割り箸アートの講習会を開いたりと、ささやかながら活動を始めて早半年。ここでもう一度、活動を始めた目的を思い出し、さらなる展開へと向かうべく、このたび新たなキャンペーンを実行することにしました。
 使い終わった割り箸を捨てずにリサイクルすることは、モノを大切に思うココロを育んだり、ゴミを減らしたりと、有意義なことです。しかし、どんなに使用済み割り箸を回収したところで、生産量を減らさない限り、中国や東南アジアの森林伐採を抑えることはできません。そのために私たちにできる事は、できる限り割り箸を使わないこと、割り箸に限らず買い物をするときは、どんな資源を使われているのか、生産工程でどれくらいのエネルギーを使用しているのか、などを考えて、なるべく環境負荷の少ないものを選ぶことです。
このキャンペーンは、飲食店での割り箸回収をきっかけに、環境に配慮した店作りをしていってもらい、さらには来店されるお客様に、このように環境のことを考えて行動できる人になってもらうことを目的としています。
主な活動内容は、
@割り箸回収に協力してくれる飲食店を探す。
A環境配慮型のお店つくりができるよう、お店の人と一緒にアイデアを考え、実行する。
B地域のお祭りや、学園祭などのイベントで、割り箸を回収する。
可能であれば、企画段階から参加し、ゴミを出さないイベントにする。などです。
まずは、マイ箸を持ち歩く,使い終わった割り箸は持ち帰って洗う(王子製紙で紙に生まれ変わります),近くの飲食店の方に協力してもらう...などなど。ひとりでするも良し、仲間を集めてするも良し。もし、私たちと一緒に行動する気持ちがあるなら、ちば環境情報センター事務局へご連絡下さい!お待ちしています!


編集後記:暖かい正月を迎えました。今、我が家のリビングは窓を開け放した状態で21℃もあります。これも地球温暖化の影響なのでしょうか。昨年は記録的な冷夏で、米が不作,11月は反対に暖かい日が続き、野菜ができすぎてしまいました。今年は、気象を含めておだやかな世界であって欲しいものです。    mud-skipper