ちば環境情報センター > ニュースレター目次>ニュースレター第128号
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千葉大学法経学部経済学科 1年 山田 賢宏
僕は昨年の8月から11月あたりまでおよそ10回余り、ちば環境情報センターの活動を体験させて頂きました。様々な活動をしていくうちに僕なりに学び得たものがあったので、聞いてやってください。
まず、「ボランティアは奉仕活動ではなくて趣味」と感じました。初めての活動、エコ体験スクールでお子さんが参加されて、最初は僕が面倒を見てあげなきゃと意気込んでいましたが、活動に参加していると、いつの間にかお子さんと一緒に夢中に遊んでいました。その後の活動でも、子供さんの世話をするというよりは一緒に活動する、遊ぶという感じで、純粋に楽しかったです。これらの活動によって、子供さんとの接し方をいつの間にか学び得、多くの活動で自然に触れられました。かかし作りやザリガニ釣りを初めて体験したときの喜びは今でも思い出すだけで楽しいです。今や僕には「奉仕」という視点を違える言葉は無くなっていました。
次に、谷津田などの自然に触れ、自然は本当に大切で環境破壊は絶対にしてはならないと思いました。谷津田では澄んだ川にしか住めないというメダカや、カブトムシ、貴重な植物を見せて頂き、とても感動しました。ちば環境情報センターで活動に参加しなければ絶対に見ることはありませんでした。また、環境保全のために一人一人でも出来ることを割り箸プロジェクトやエコクッキングで学ぶことができました。
さらに、NPOで実際に活動されている方々に接することが出来たこともありがたかったです。皆さん活動されているときはとても生き生きされていて、とても楽しんでいることが伺えました。しかし、その一方でNPOの経営の大変さをも伺い知ることになりました。
活動を終えてから、僕は自然を破壊してはならないと常に考えるようになり、(恥ずかしながら)レジ袋を断ったり、牛乳パックをゴミ箱に捨てずにリサイクルしたり、ゴミの分別をしっかりするようになりました。谷津田のような素晴らしい自然がずっとあり続けるように、環境のことを常に考えて生きていきたいと思います。加えて、僕は今後、千葉大学でボランティアサポート企画室という、学内のボランティア参加のサポートをする機関の室員として活動することになりまして、ちば環境情報センターで学ばせて頂いたことを基に頑張っていきたいと思っています。最後に、小西さんをはじめ、ちば環境情報センターの方々には本当にお世話になりました。本当に貴重な機会をありがとうございました。
千葉市緑区 網代 春男
2008年2月8日、ちばコープ自然体験グループのネイチャーウォークのボランティアスタッフとして東庄県民の森、夏目堰周辺バードウォッチングに行きました。総勢29名、今回は交通の便がよくないのでバスで出かけました。
夏目堰に来ているコハクチョウが近くの広大な干潟八万石の何処かで採餌しているに違いないと目を凝らせていると、走っている道路からも肉眼で見えるようなところにいました。130羽ほどが田んぼでひたむきに餌を食べていました。
100メートルばかり離れたところに豚舎があり、人影がありますが、白鳥たちは豚舎の人を意識していません。そこで、豚舎の方に断り、豚舎に接している農道から観察しました。
白鳥の周辺にはタゲリ、ムナグロ、ノスリ、ハヤブサ、と、私は鳥に夢中で気づかなかったのですが、仲間が豚舎の奥さんからダンボール箱いっぱいのウズラの卵をもらっていました。移動するバスの中でその話が披露されました。
もらった卵は「ウズラ模様がきれいに入っていない。殻の色が良くない。大きい小さい」などと言う理由で商品にならないもので、ウズラ飼育業者が豚に食べさせてと毎日持ってくるのだそうです。無料でです。ウズラ飼育業者は中国産に押されてやっていけないので間もなく廃業をするとのことです。
もらった卵はバスの座席ごとに備えてあるゴミ入れの袋にそれぞれ欲しいだけ入れて、それでも残ったものは段ボール箱ごと運転手さんに持ち帰り願いました。29名が欲しいだけとってもまだ残ったのですからすごい量です。
家に帰って早速、洗って、茹でて、お澄ましや炒め物に入れたりして食べました。新鮮で、大変おいしいものでした。何しろたくさんあって殻を剥くのも大変で残りはとりあえず、冷蔵保存しました。
ウズラの卵はもともと白かったり、茶色かったり、斑も決まった形があるものではありません。大小だってあるのが当たり前です。こういう卵が市場から抹殺されているのです。
私は卵の殻の色や模様で市場に出せないなんて知りませんでした。当日の参加者も皆知らず、悲憤慷慨でした。と言うことは消費者が望んでそうなったのではないように思えます。
では、卸業者の事情なのか、販売業者の事情なのか、何故こんなことになっているのか。
ちょっと突き止めたくウズラ飼育業者の話を直接聞きたいと思い、後日、豚舎の奥さんを訪ねました。
豚舎の奥さんは快く部屋に通してくださり、ご主人もコーヒーを入れてくださるなど応対していただきました。養豚の話などもお聞きして1時間くらいもお邪魔してしまいました。
しかし、ウズラ飼育業者を紹介していただくことについては何らかの支援の話ではなく、ただ、話を聞くだけと言うのでは、と、一度は電話機を取られたのですが迷われた末、結局紹介していただけませんでした。
切羽詰って廃業の方向で奔走している方を慮ってのことのようでしたので、こちらも思いとどまりました。
結局問題の所在はわかりませんでした。
またまたウズラの卵をいただいて、家には卵があふれているのですが市販の卵とどう違うのか比べたくて、東急ストアーで10個入り1パックを81円で購入しました。確かにウズラの卵のまだら模様と言うのが入っているものだけのようでした。
生産地は愛知県豊橋市。愛知でもウズラ模様がないものは商品価値がないと言う扱いのように思えます。と言うことは業界全体のことのようです。
食べられるのに商品として扱われず、捨てられる。遠くから運ばれて来たものが店頭に並ぶ。CO2排出も多くなる。もったいない話です。
曲がったキュウリ、規格外の人参・大根と同じようなことがウズラの卵でも起こっていたのです。本質の内容以外のところで、標準化・規格化がされ、普通でないものとされ、排除される。こうしたことは動植物の世界にとどまらず、人間社会でも強まっている事象のように感じられてなりません。これは恐ろしいことです。
市原市 山口 由富子
大きな夕陽が真っ赤に燃えて西の空へ。
カラスが鳴きながら寝ぐらに向かい、スズメの集団はグジュグジュというくぐもり声を、こんもりと繁った藪のなかに埋めていく。
穏やかな一日の終わり。あたりは静かな夜のとばりが降り始め、暗い闇がゆっくりとあたりを包む。
でも、これは昔の風景。いまは違います。24時間営業の店が増え、加えて、クリスマスだ、正月だ、夜桜見物だと、何かと理由をつけてライトアップする企業や行政までが増えてきました。
しかし、そのライトアップは、ほんとうに必要なのでしょうか? 電気のムダ使いであり、地球温暖化に拍車をかけていることではないでしょうか?
関係者は「発光ダイオードを使っているから影響は少ない」と言うかもしれませんが、問題はそれだけでは済まされないのです。
ライトアップのための豆電球を体じゅうに巻きつけられた樹木にとっては、眠りたくとも眠れない、それはまさに拷問です。人類のため、自然環境保全のために、多いに貢献している樹木に対して、それは非礼であり、それ以上に人の手でジワジワと絞め殺そうとしている行動としか思えません。
杜の都・仙台は、戦後の街に市のシンボルとしてケヤキを植えて50年。その成長を見届けている81歳の樹木医Y氏は、厳しい環境のなかよく育ってくれたと語る一方、“光りのページェント”として、そのケヤキ並木に5億というおびただしい豆電球をとりつけ、市民にアッピールすることを認めています。「子どもに対する愛情」と表現していますが、確かに可愛い我が子を着飾らせ、お披露目したい気持ちはわかりますが、樹木医であるあなたは、わかっているはずです。間違った愛情は、子どもを、自を、ダメにするということを。
夜の闇は、生き物にとって大切なときです。
昼があり、夜があり、その長さや温度の変化により、植物は季節を数え、動物は暗闇に眠り、また夜行性動物は暗闇を利用して捕食活動をします。人間にとっても、“寝る子は育つ”の言葉通り、眠ることにより成長し、疲労を回復し、心の安定を得ています。
夜という時を大切にしましょう。24時間営業は病院と警察と消防署だけでいいではありませんか。今は、食欲も物欲も夜の街をさ迷いさえすれば、すべてが満たされるようになっています。だから現代人は計画性がなく工夫がなく、我慢することが出来なくなっているのです。
それでは経済の発展が望めないとか、就労の場が少なくなるとかの声が上がるかもしれませんが、それも必要なものは必要とされ、一時的な経済社会の冷え込みはあっても、総体的にみれば、人の心の安定に伴う経済効果は必ずあるはずです。
昔は、国を挙げて取り組んでいたタバコ産業も、その弊害がわかった今は、社会の片隅に追いやられました。
理想的な循環型社会である江戸時代に、現代を戻すことができないのでしたら、せめて夜の暗闇は取りもどしたい。
それが、自然環境に優しく、地球温暖化防止策に有効であり、青少年の健全育成にも効果的であることは間違いないのですから。
非を非として認める勇気と英断を、企業・行政にも期待します。
新米主婦のえこ日誌 G
山武郡大網白里町 中村 真紀 |
発送お手伝いのお願いニュースレター4月号(第129号)の発送を 4月 7日(月)10時から事務所にておこないます。 |
編集後記: 昨年が暖冬だったこともあってか、1,2月はひときわ寒さを感じました。3月になって柔らかな日差しにも春を感じるようになりました。谷津田ではニホンアカガエルのオタマジャクシやメダカたちが泳ぎ始めました。ウグイスが囀り、アオジなどの冬鳥が少なくなりました。いよいよ命の春本番です。 mud-skipper