ちば環境情報センター ニュースレター 

ちば環境情報センター > ニュースレター目次>ニュースレター第155号 

2010. 6.7 発行    代表:小西 由希子

目   次

  1. ちばの里山里海SGA(サブ グローバール アセスメント)その1.SGAって、なんだ??
  2. 環境自治体会議 ちっご会議に参加して-5月26日~28日-
  3. 第7回 里山シンポジウムが終了しました
  4. 健康の維持と環境 ある男のつぶやき
  5. ちょこっと工夫でエコクッキング その8  ~エコでおいしい「だししょう油」~

ちばの里山里海SGA(サブ グローバール アセスメント)
その1.SGAって、なんだ??

千葉県生物多様性センター 千葉市美浜区 小倉 久子 

 もう、ずいぶん前になりますが、環境学習の講座で、一緒に参加していた年配の方から「やたらに横文字・カタカナ語を使うな」というお叱りを受けたことがあります。それなのに、性懲りもなく横文字の題名で書き出したことを、どうかお赦しください。
 まずは、この横文字の説明から始めましょう。アセスメントとは「評価」。良い,とか悪い,とか。サブグローバルとは、グローバル(地球全体)ではなく、もうちょっと狭い範囲(今回は日本)を指します。
 全部つなげると、「ちばの里山里海(の生態系)について、今どうなっているのか、どうしてこうなったのかを調べる」という意味になります。現在も健全な生態系が保たれているのか、それとも劣化してきたのか、いつ頃から、何の原因でそうなったのか。各地の生態系の様子をチェックする、すなわち「生態系の健康診断」なのです。
 21世紀になった記念に(?)、地球上のあちこち(34カ国)で調べたのが始まりなので、英語の言い方になってしまったようです。このときには日本は参加しなかったのですが、2010年10月に名古屋で生物多様性条約第10回締約国会議(CBD COP10)を開催するので、それに間に合わせるために、遅まきながら日本でも有志が集まって調べてみることになりました。

 全国では、北海道,東北,北信越,関東・中部,西日本(里山),西日本(里海)というクラスター(地方)グループができ、関東・中部クラスターでは(千葉,横浜,宇都宮,名古屋)の4地域(サイト)が手を挙げました。
 大学の研究者が中心となってチームを組んでいるのが多い中で、千葉では生物多様性センター・県立中央博物館の中村俊彦先生率いる県職員メンバーが、県の実状をしっかりとデータで裏付けた評価をしています。また、県戦略でも言っているように里山だけでなく、里海,里沼という切り口からも生態系評価を行っていることが特徴です。

 関東・中部クラスターのグループは「里山里海と都市、その将来に向けて」という題名で、大都市東京の発展により関東地方がどう変わっていったのかを評価しました。都市が発達するにつれて、里山が宅地になり、里海は埋め立てられました。都市が発達すると人口が都市に集中し、里山は手入れする人がなくなり、荒れ放題になりました。千葉県は都市化と過疎化の両方の地域を持っています。里海,里沼もあるし、評価のやりがいがありました。
 今月は、そもそもの部分を書いただけで、いただいた字数を使ってしまいましたので、内容については、来月号から「里山・里海・里沼」の順にご説明していきます。どうぞよろしく。

環境自治体会議 ちっご会議に参加して-5月26日~28日-

千葉市中央区 小西 由希子 

 環境自治体会議は、環境政策に積極的に取組んでいる約60の自治体が集まり情報共有をして、環境政策をすすめていこうとするもので、平成5年に設立され今年で18回目を迎えます。会議は毎年各地で開催され、それぞれ地域ごとに特色のある分科会が開催されています。私も1996年の斜里会議から参加し、今年で5回目になります。
 今回は、筑後市・大川市・ 大木町(いずれも福岡県)の共同開催で、全体会では「生命の世界を取り戻す」と題した内山節さんの講演がありました。
 環境問題への関心は高まってきており課題は皆わかっているし、解決したいと思っているができない。回答を出していかなければならない。「環境問題って何だろう。最終的に目指すものは?」と問うて、「私たちが生命活動の結びつきにかかわっていることを意識することではないか。」と話され、戦前の地理学者三沢勝衛について紹介されました。

 三沢は戦前旧制諏訪中学(現在、諏訪清陵高校)で教鞭をとった教師であり研究者だったそうですが、中学校(高等学校)までの地理教育は郷土教育でよいとの徹底した独自の理論を持っていたそうです。「郷土の歴史や自然、文化などを知り、そこに住む人の思いがどこから来ているのかをしっかり学ぶことで、そこにかけがえのない世界があることを知る。世界はその連続の中にあることを知る。郷土のかけがえのなさがわかると、他の土地にもかけがえのなさがあることがわかる。それで世界(=社会)ができていると学ぶこと、しっかり知ることが大切だ。」と。そして、住んでいる土地、すなわちそこの自然を生かしていくことを大切にしたそうです。
 かつて人は、それぞれの土地の行事・祭りなどの文化的要素を取り込みながら生きてきて、自然の生命活動の中にあった。小さな農村では、自然と人間の調和、生命活動がつながっていることは見えやすいが、都会生活では人間の生命活動のつながりがわからない。いろんな人の生命活動がどこかでつながっているのだが、そればばらばらにしか見えない。あちこちですすめられている森林ボランティアなどを通したさまざまな取り組みは、現代の新しい行事や祭りであり、こうしたことを各地域で確認しなおすことが必要だ,といったお話でした。
 私が谷津田に身を置くだけで心が洗われ豊かな気分になれるのは、そこに生命活動のつながりを感じられるからでしょうか。

第7回 里山シンポジウムが終了しました

ちば環境情報センター事務局 

 5月16日(日)、和洋女子大学にご協力いただき「里山と都市-まちづくりと生物多様性の保全-」と題して開催されました。都市化がすすんだ地域の里山保全のさまざまケースが紹介されましたが、市民からの政策提案やさまざまな形の保全活動への関わりなど、内容も大変豊富でした。市民側のいっそうの自立が大切だなと改めて考えさせられました。
5月22日は生物多様性の日でしたが、里山保全こそ生物多様性保全につながる道だと改めて確信しています。
里山条例ができた当初からみると、地域の活動は着実に広がっており、仲間も増えて、種から芽を出した苗は根も枝も元気に広がりを見せています。こうした活動が生物多様性を支える力になっていることをもっともっと多くの人に伝えていきたいと思います。

健康の維持と環境 ある男のつぶやき

千葉市花見川区 岡村 淳輔 

 大分以前に知人から、つい最近はTV番組から簡単に出来る健康法、我々60才過ぎの特に男性には耳傾けていただきたい、そんな話を聞いた。一見健康と環境がどう結びつくか、風が吹けばおけ屋が儲かる式の話では決してない。なに、話は簡単。毎日の生活のなかで家事にしろ何にしろ、こまめに身体を動かしなさいということ。家の内外の掃除、室内の整理、庭木の手入れ、雑草とり、落葉集め、ごみ出し、などなど。それらを毎日決められたルーチンワークとしてやることが健康維持になるそうだ。身体を動かせば、思いのほか普段使わぬ筋肉を使い脳の活性にもつながるらしい。心地よい疲労を感じ清々しい気分になる。決して渋々やってはならないそうだ。そう言えば健康手帳に曰く、ストレス解消動くに限る、なんてあった。
他人事ではない。以上は自分に言い聞かせていることでもある。
さて以上のこまごまな作業を通して多少は環境の浄化につながることは明白であろう。今日いくら科学・技術の進歩があるとは言え、びん・缶・ペットボトルの仕分け、可燃物と非可燃物の仕分けなど人手に負うところが大である。この世の中全てが放って置くと楽な方向というか、安定な方向に向かうというか、きれいな水と砂があれば混ざり一様になるとか、拡散する、純粋さを失うというか、乱雑・でたらめな方向に行きがち。以上は大分以前に取り沙汰されたエントロピーとやらの話である。これらはエントロピーの増大を示しており極めて自然のなりゆき、そして不変の真理、π=3.14・・・の値とか、アインシュタインの相対性理論よりも真理をついたものとか言われている。いまいるこの部屋、これを足の踏み場もなく散らかそうものなら1分とかかるまい。その反対に整理するとなると大変。
元に戻すに余計なエネルギを要するであろう。まずは嫌気が先に出る。泥水を純粋と不純物に分けることはエントロピーを減少させることになるが、それに費やすエネルギが外界にとってはエントロピーの増大になり結局は地球の温暖化に結びつく。要は純粋なものは大切にすること、汚さぬことだ。そのためにも我々人間が日々心がけ、こまめに動き、整理・分類することが必要に思う。人間は低温燃焼の極めて熱効率の良い、クリーンでしかも知的な原動機である。身体を動かせば健康にも良い。
さらにここに付け加えるなら我々人間は足るを知れ、ということ。その点では動物の方が利口とも言える。過剰梱包とかサービス、過剰な品質と精度、無駄なことが多すぎる。
エントロピーの増大はまた我々日常の振舞いと重ね合わせて考えられる。若い頃の純粋さが失せてきた感ある近頃である。 ・・・大分つぶやきが長くなってしまった。


ちば環境情報センター総会と交流会 の お知らせ


2010年度総会を、下記の日程で実施いたします。2009年度の活動実績報告や会計報告、2010年度の活動予定や予算など審議します。
  総会の後は、お菓子などをつまみながらの交流会を予定しています。初めての方も大歓迎です。皆様の御参加をお待ちしております。

日 時:2010年6月26日(土)13:30~16:00  
    <総会13:30~15:00、
     交流会15:00~16:00>
場 所:NPO法人 ちば環境情報センター事務所
    千葉市中央区中央3-13-17
    TEL&FAX 043-223-7807
交流会参加費:500円

    

ちょこっと工夫でエコクッキング   その8
~エコでおいしい「だししょう油」~

                   千葉市緑区    江澤 芳恵
 暑い日が多くなり、そろそろ、そうめんやざるそばを食べる機会が増えてくる頃なので、今月は「めんつゆ」のお話をしたいと思います。結婚当初は市販の「めんつゆ」や「白だし」を水でうすめたり、しょう油や砂糖を加えて適当にアレンジし、めんやてんぷらのつけだれに使っていた私。その後、ティーパック式の「だしパック」を経て、今一番多用しているのが手作り「だししょう油」です。
 だししょう油の作り方は簡単です。しょう油、みりん、かつお節、各1カップを鍋に入れ、煮立て、冷めたらかつお節を漉して、昆布10cm角を入れるだけです。(婦人之友より)出来上がっただししょう油は筒状の保存容器に入れて冷蔵庫で保存しています。水を使っていないので長持ちします。(どれくらいもつかは、はっきりわかりませんが、だめにしてしまったことは一度もないので、かなり長くもつはずです。)
 このだししょう油、めんやてんぷらのつけだれとして使うのはもちろんのこと、煮物の味付けにも使えますし、甘い卵焼きに入れたり、青菜の胡麻和えに入れてもおいしいです。化学調味料は一切使っていないので安心して使えます。基本の味付けは、しょう油とみりんが1対1ですが、甘さを控えて作っておき、メニューに応じて砂糖やみりんを加えてもいいと思います。また、だししょう油を作る時、漉して残った味付きかつお節や、いっしょに保存容器に入れておいた味付き昆布をそのままお料理に使えるところがエコで気に入っています。だし殻っぽくなく、おいしいのです。味付きかつお節はそのまま青菜と和えたり、おにぎりの具にしてもいいです。ちょっと味に変化をつけたい時は、味付きかつお節にお酢を混ぜて和え物に使うとさっぱり味になります。子どもたちには、味付きかつお節+マヨネーズ+ブロッコリーやオクラの和えものが好評です。一方、味付き昆布は細く切って浅漬けに混ぜるとだしが利いておいしくなります。
 簡単に作れて、だしを取った後のかつお節や昆布もおいしく使えるからゴミも出ない。しかも、安心な手作り「だししょう油」。是非、一度作ってみてください。

発送お手伝いのお願い

ニュースレター 7月号(第156号)の発送を 7月 7日(水)10時から事務所にておこないます。
発送のお手伝いをしてくださる方を募集しています。よろしくお願い致します。


編集後記:6月に入ってもさわやかな風が吹いています。梅雨入り間近のこの季節のじめじめ感がなく、夏の高原にいるようです。気象情報会社「ライフビジネスウェザー」によると、太平洋高気圧の張り出しが弱いため、梅雨前線が北上せず、関東地方の梅雨入りは6月中旬頃になり、7月には豪雨も予想されています。要注意ですね。  mud-skipper