ちば環境情報センター ニュースレター 

ちば環境情報センター > ニュースレター目次>ニュースレター第157号 

2010. 8.6 発行    代表:小西 由希子

目   次

  1.  千葉市地球温暖化対策実行計画案策定について
  2. 第15回「都川川遊び」に参加して
  3. 生き物のにぎわいまるごと体験と、「生き物のつながり」生物多様性マップづくり事業
  4.  10年の試行錯誤
  5. ちょこっと工夫でエコクッキング その10  ~保温調理のススメ その2~

 千葉市地球温暖化対策実行計画案策定について

ストップ地球温暖化千葉推進会議 千葉市若葉区 内野 英哲 

 わが国の地球温暖化対策として低炭素社会実現に向けて大規模な再生可能エネルギー導入促進計画が示され、家庭部門でも太陽光発電、地域風力発電、高効率給湯器、次世代自動車、省エネ家電、高断熱住宅などへの高額な投資が有効と言われております。この投資は数年後には回収でき、更に市場雇用の創出につながる便益をもたらすと期待されています。
 千葉市は平成7年に環境基本条例規定に基づき環境基本計画を策定し見直しの新計画を平成23年度よりスタートします、その一環として新地球温暖化防止実行計画、自動車公害防止計画の策定の準備をすすめ、6月27日に市民との意見交換会が開かれました。市民、事業者約30名が参加され計画案の説明の後出席者から色々な意見提案がなされました。
 千葉市の温室効果ガスCO2の排出状況は平成2007年度現在全体で18.609千トン2000年比+4.0%(1990年比+9.8%),産業部門-3.7% (+1.4%) ,業務部門 +16.7%(+84.8%), 家庭部門+15.2% (+48.8%)と全体での排出割合は比較的少ないものの業務部門と家庭部門が大幅に増えています。

 これまで排出削減が進んでこなかった中小企業、サービス業などの対策に大企業から資金や技術の提供を受け認証された削減量を国内クレジットで売却できる制度もスタートしております。
 また県は中小企業向けに断熱窓及びLED照明普及促進事業補助金制度の申請を受け付けており、店舗などにおける簡易省エネマニュアルを作成し、 CO2削減効果のある太陽光発電設備、省エネ照明設備の設置、熱源機器の新設導入などの実例を紹介しています。
 環境マネージメントの指導に商工会議所が中心になりエコアクション21の講座も開かれております。中小企業と家庭部門対策はある程度共通した所があり、冷暖房、照明などの電力、給湯、車のガソリンなどが主なCO2の排出源となっており、どこから主に排出されるのか、排出量を把握することが削減対策の第一歩と考えます。
 家庭部門の削減には多種多様な対策方法がありますが家庭からの排出の内訳は左図の通りです。
私たちの生活をもっと快適にと国は経済効果と地球環境をよくするためエコポイントの導入や税の優遇措置などでエコハウス、エコカー、省エネ家電の買い替えを奨めております。この時期に買替えや、リフォームを考えている人は高性能製品を選ぶことは大切ですが、このような高額な投資をしなくても生活の工夫で温暖化防止対策となるCO2が削減でき、その結果光熱費が減少し、家計は大いに助かります。その一部を次ページの表で紹介します。
 効率が良いから、光熱費がかからないからと言って無駄な浪費をしていてはなんにもなりません。本当に地球環境に良いものを選び上手に使う賢い消費者になりましょう。

投資額ゼロ  ・・・・・・・・・・
〈省エネ意識、無駄をなくす)
見てないテレビ、人のいない部屋の照明、エアコンを消す
電気湯沸しポット、電気カーペット、炊飯器保温はこまめに使う
暖房便座は低温に使う時だけON 
井戸水、雨水、残り湯などを庭の打ち水に有効活用
食器手洗い、洗濯などの給湯温度を低めに
近くの車利用はやめ自転車や徒歩で 
500~1000円程度 ・・・・・・ スイッチ付コンセント、白熱電球を蛍光灯形に替える
すだれをつるす、つる性植物で緑のカーテン
3000~5000円  ・・・・・・・ 蛍光形電球を4~6箇所、風呂の残り湯利用の簡易ポンプ
窓に断熱フィルムを貼る、スイッチ付コンセントを2~3箇所
1~3万円  ・・・・・・・・・・・ 冷蔵庫、エアコン、ガスコンロ等買替時に高性能品を選ぶ〈差額〉
雨水タンク設置〈補助金利用〉
30万円程度  ・・・・・・・・・ 太陽熱給湯システム設置
ガス給湯暖房機をコージェネ設備、ヒートポンプ給湯機設備

地球温暖化対策は短期、中期、長期の視点に基づいて取り組みを要す人類全体の課題です。技術革新、社会の仕組みづくり、国民の意識改革と行動の変化が必要です。出来ることからはじめてみませんか。 〈資料参照:エコ住宅研究家 濱啓介氏〉

第15回「都川川遊び」に参加して

 2010年7月18日、第15回「都川川遊び」(主催:NPO法人 ちば環境情報センター)が青空の下、都川多部田橋上流で実施されました。参加者の舟生(ふにゅう)和美さんから感想が寄せられましたので掲載いたします。


山武郡大網白里町 舟生 和美 

 ‘川遊び' 心踊る響きです。小学生時分、夏休みというとよく川遊びをしたものでした。子ども達と一緒にあの楽しさを味わいたいと思い今回参加をしました。

 よく晴れた、その日夏の太陽を全身にあび、ヌルッとした土や小石を踏みしめながら川を進むのは、なんとも気持ちよく、楽しいものでした。子ども(1才)を抱っこしていなければ童心に帰ってドボンと飛び込みたいくらいでした。
 上の2人の子ども達も水着を着てやる気満々!!泳いだり、ジャンプしたり、おおはしゃぎ。メダカやザリガニ採りも夢中になっていました。川と一体となって、親子共々楽しい時間を過ごせて大満足な1日でした。

生き物のにぎわいまるごと体験と、「生き物のつながり」生物多様性マップづくり事業

 千葉県では、NPOによる生物多様性の保全・再生、持続可能な利用等に関する先導的な取みを支援する、生物多様性モデル事業を行っています。ちば環境情報センターはこの事業に応募し採択され、下記の通りテーマを決めた観察会と生態系マップ作りを行います。どうぞご参加ください。スタッフも募集中です。(事務局)

8月 1日 観察会「木の樹液に集まる虫を探そう」 (終了)
ヘイケボタルや樹液に集まる昆虫たちを観察する。
9月 5日 観察会「セミやトンボのからだのしくみ」
飛ぶしくみ、食べるしくみはどうなっているのか、顕微鏡で見てみよう
10月 3日 観察会「クモ・バッタ・カマキリ」
食う、食われる、生き物のつながりを観察しよう
11月 7日 観察会「稲刈りあとの田んぼで見られるいきものたち」
カヤネズミの巣を探そう
12月 5日 観察会「いきものたちの冬支度」
木の割れ目を覗いてみよう、渡ってくる鳥たち
2011年1月 まとめ 生物多様性の学習会と生物多様性マップづくり 
「自分たちで探した生き物のつながり、生態系マップをつくろう」
全期間 里山・谷津田のゴミ拾いと整備
毎月の観察時にゴミ拾いと手入れを行い、自然環境の保全を行う。

10年の試行錯誤

習志野市 津山 彰彦 

 ちば環境情報センターに入会して今年で10年、また、会社員時代に日本全国で莫大なゴミに直面し、環境漫画家を志して10年目の節目でもあり、日ごろ下大和田の谷津田などでいろいろご教授頂いたお礼も兼ねて、以下の環境省「こどもエコクラブ」のニュースレターで連載している里山漫画を掲載させて頂きます。
 学ぶ気持ちがないと”情報”の入った漫画は多くの人の心をとらえないのですが、かといって、情報を人間ドラマに変換したエンターテイメント漫画やアニメはどれだけ人気は取れても真意は伝わっていません。なので、なんとか漫画を一般教養レベルまで引き上げたいと前例のない方法論を模索しています。10年の試行錯誤で、人気がじわじわ上がってきているので方向性はまちがっていないと思っています。自分の性格が房総半島の暴走人間で、日ごろ、いろいろご迷惑お掛けしてすみません。なんとか呆れず、今後ともよろしくお願い致します。
 世の中、大不況で守りの体制になり停滞感が漂っていますが、私は無理・限界・無謀と言われることにこそ、次の時代を切り開くヒントがあると思っています。火事場の馬鹿力でチャレンジを続けます。

*今回、4コマ漫画「がんばれ!地球マン」はこの漫画を掲載したこともあり、お休み致します。


ちょこっと工夫でエコクッキング   その10
~保温調理のススメ その2~

                                                     千葉市緑区    江澤 芳恵 

 今月も先月に引き続き保温調理についてお話します。
 先月、「保温調理初体験の方は手軽で失敗のない汁物から」とお話ししましたが、その次に試していただきたいのが煮豆です。煮豆というと、長い時間をかけてコトコト煮る、というイメージを持っている方が多いかもしれません。でも、保温調理を使えば、長い時間をかけなくてもおいしい煮豆が作れます。
 作り方はとても簡単です。煮始める前に一晩水につけておいたり、アクをとるためにゆでこぼす、などの手順は豆の種類によってまちまちなので、豆の袋の裏などに書いてある煮方を参考にしてください。普通の煮方と違うのは、柔らかくなるまで火にかけて煮るかわりに、沸騰したら10分ほど煮て、その後火を止め包み物グッズに包んでおく、というところだけです。

 包んでおく時間は、豆の種類や量、鍋の質によってかわってきますが、300グラムの豆で、だいたい2~3時間ぐらい。2~3時間包んで豆が柔らかくなっていたら、ゆで汁を少しだけ残して捨て、お好みの味付けをします。その後、もう一度火にかけ、沸騰したら火を止めて味を含ませ、完成です。2~3時間包んでおいても、まだ豆が固い場合は、もう一度火にかけ沸騰させ、さらに1~2時間包んでおけば、豆は柔らかくなります。
 完成までに時間はかかりますが、火にかけている時間はごくわずかですし、保温調理している間に、他のおかずを作ることも出来ますし、外出することも出来ます。また、時間をかけ徐々に温度が下がっていくことで味もよくしみこみおいしく仕上がります。更に、最近知ったミニ知識ですが、沸騰し続けない調理法ということで栄養分の損失も防げるのだそうです。
 うれしいことがいっぱいの保温調理。煮豆と同様の調理方法で、野菜をゆでたり、カレーやシチュー、おでん、肉じゃが、ロールキャベツなど、いろいろ作ることができますので、是非、いろいろな料理にトライしてみてください。(保温調理している間は煮汁がほとんど蒸発しないので、肉じゃがなどを作る時には煮汁の量は多すぎないように気をつけてください。)各ご家庭の鍋と包み物グッズを使ってあれこれ試しているうちに、それぞれの料理の適当な保温調理時間や煮汁の量などがつかめてくると思います。保温調理に適した料理もわかってきて、少しずつ保温調理レパートリーが増えていけば、もう保温調理名人です!
 最後に、ひとつ、夏場の注意点を。夏場は保温調理している間に料理が腐敗しないように気をつけましょう。そのためには、細菌が繁殖しやすい温度帯(40℃前後)が続かないよう、こまめに温め直すこと、包む前はしっかり沸騰させることを心がけてください.毎日暑い日が続き、火のそばに長くいたくないなぁと思う今日この頃。こんな時こそ、火のそばにいる時間が短くてすむ保温調理を上手に使って、楽しくお料理しましょう!


発送お手伝いのお願い

ニュースレター 9月号(第158号)の発送を 9月6日(月)10時から事務所にておこないます。
発送のお手伝いをしてくださる方を募集しています。よろしくお願い致します。


編集後記:連日の猛暑が続いています。40年前は33℃というと驚いたものですが、最近は38℃とか39℃といっても「またか」という感覚になってしまいました。暑さを逆手に取り、地域のPRに使う都市まで現れました。千葉市でもクマゼミが鳴き、ミンミンゼミも増えているようです。気候と生きものの変化、この後どうなっていくのでしょうか。 mud-skipper