ちば環境情報センター > ニュースレター目次>ニュースレター第162号
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千葉市 小学校6年生 松下 武
ぼくは、2010年11月23日~24日に愛知県で行われたCOP10国際子ども環境会議に参加しました。
愛知県や名古屋市と政令指定都市の代表、そして、カナダ、アゼルバイジャン、マレーシア、ボリビアなど世界35カ国の小中学生が合計206名もいました。その中で、日本人といろいろな国の子どもが10グループに分れて話し合いました。
テーマは、「地球の生物資源を持続可能な利用を進めるにはどのようにすればよいのか」と、「生物が生息している場所をよりよくするには」というものでした。ぼくたちのグループでは、「生物が生息している場所をよりよくするには」に ついて話し合いました。ぼくは、学校田んぼのある谷津田によく行くため、谷津田の生きものに関係する問題だなと身近に感じました。
ぼくは、「生物の生息地にごみを捨てない」や「畦、田んぼ、森の草刈りや手入れをする」とか「川に生活用水を流さない」といった意見を出しました。
外国からきていた子どもたちからは、「植樹をする」や「外来種をペットとして飼うなら責任を持つ」「ボランティア活動などで、生物が生息する場所のごみを積極的に拾う」などの意見が出ました。
そのあと、それぞれの意見に対しての質問や、具体的にどんな取り組みをしていかないといけないかについて話し合いました。話し合いでは、外国人が積極的に発言していて、とても自然にくわしいので、ぼくはびっくりしました。
ここで話し合ったことは、子どもが自分たちでできることと、大人にお願いすることに分けられて、次の日の全体会議で代表者がプレゼンしました。
この全体会議では、ブナの原生林で世界遺産になった白神山地での保全の取り組みについて調べた小中学生の発表や、外国から参加した人からの森林伐採についての発表がありました。環境についていろいろな問題があって、そのことについてみんながくわしく調べていて、ぼくはすごいなと思いました。
会議の最後に、代表者がぼくたちの話し合ったことを名古屋市長に提出して、COP10国際子ども環境会議が終わりました。
この会議に参加してみて、自然のことを一生懸命に考えている友達がたくさんいることにおどろきました。そして、人間が食物連鎖を保つためには、お金や人材、労力、時間などがかかり、とても難しいということがわかりました。ぼくがやれることは少しだけれども、学校田んぼの手入れのお手伝いなどをして、家の近くにいる身近な生物を絶滅させないようにしたいです。
千葉市花見川区 岡村 淳輔
去る日船橋公民館で、また千葉市生涯学習センターで首題に関し講演を聞く。両講演に共通するは温暖化防止として化石燃料に代わり太陽光を利用しようというもの。そしてこれを一般市民に展開していこうという官民一体の運動である。その活動の現状を知るべく参加した。
地球の温暖化や資源の枯渇問題に関しては古くから関心があった。私の若い頃は公害なぞの言葉もなく、煙突から黒い煙が出ていればそれは産業発展の証しとみなされていた。ふんだんにエネルギ資源を消費してきた。そんな時代だった。熱エネルギを動力とする機関(エンジン)の熱効率は動作温度の上昇が第一に重要で、そのため耐熱材料の開発が進められた。セラミック材料の開発はそんな理由から進められた。今この21世紀ではそんな話はとんと耳に入らない。今は地球にやさしいエネルギの利用である。私たちの頃は高温による性能向上、高速化を目指し、燃焼は完全燃焼を第一とした。化石燃料では完全燃焼により二酸化炭素(CO2)と水が生成される。それでよしとした。その後NOx問題があげられ、最高温度をなるべく下げ完全燃焼を目指した。依然としてCO2は問題にされなかった。今やCO2が地球温暖化として問題視されている。エネルギ源を地球にやさしい自然エネルギの利用に向けられている。
さてそこで太陽光利用技術が現状どれほど進歩、また普及しているか。ある市を例にとればエネルギの消費の最たるものは産業用と運搬・交通機関用で80%以上を占め、家庭用では10%そこそこである。温暖化防止運動はこの10%消費の家庭用エネルギを太陽光にとって代わろうとする。これは難しい話だ。産業界に目を向ければ太陽光を用いて鉄は溶けなかろう。トラックにソーラーパネルを取り付け走らせられようか。そんな悠長な真似は出来なかろう。
今、温暖化防止運動に多くの女性も参加し、時に先頭に立って運動を展開している。その姿勢大変よろしく思う。ただし、その運動の成果が大きく見られない。この種の運動はかように地道である。各家庭の電気およびガス料金からCO2排出が計算できる。それを月々記録しましょう。エコノートやエコカレンダーもあります。なるほど毎月の記録をとれば認識新たになる。しかし節約したとて産業用あるいは動力用に消費されるエネルギと比較すれば極めて微々たるもの。またこの運動が多くの人、特に若い人に浸透されてない、その認識がない。次世代の子らに温暖化の切迫感がない、もったいないの気持ちがない。直すより買ったほうが早い、安い、安心だ、の時代である。温暖化防止の運動はまずは運動の輪を広めることが第一であろう。それにつけても運動を進める者にとっても省エネ装置の設置に二の足を踏む。高価だ、効率が悪い、メンテナンス費用がかかる。15年もかけて設置費用を取り戻すなんてこれから自分がどうなるか分からない。装置の小型軽量化、コストダウン、光・電変換素子の効率向上など今後ともに課題である。そのような改善がなされてこそ普及がなされるもの。ソーラーパネルの光・電気変換の効率向上は多くは望めないそうだ。素子に稀有(レア)な材料を用いているが文字通り希有、潤沢にはない。高価である。安い材料で作れればと期待する。材料の開発は地道であるが期待したい。役所は設置に補助金を出し奨励するが、太陽光発電の技術にもう少し目を向けてほしい。
以上、地球の温暖化防止の一助として太陽光利用について記した。
最近の建物では断熱を考慮し、ソーラーパネルを取り付けたり、照明はLEDを使用し少しでも温暖化防止に努めている。既述の通りCO2排出の8割が産業界からである。一般家庭が運動を進めてもグローバルには温暖化防止というより、温暖化のスピードをゆるめる、そんな程度であろう。防止と銘うつなら大口消費者である産業界の努力が必要不可欠である。経営者自らが地球環境を考慮した経営方針の見直しが必要に思う。
市民運動として自然エネルギの利用をささやかながらやるのもよかろう。成果は地味であってもその姿勢尊ぶべしとしよう。この運動がこれから老若男女すべてに行きわたり、それが明るい町作りに寄与するならそれも一つの成果であろう。そしてこの活動は永遠に続けていかなければならない。そのためにも後継者を育ていくことが必要である。
大網白里町 池野 正則
前回までは集団婚の様子を紹介した。高度成長期に日本を丸ごと変化させた文化変容があったのだが、それはごく最近の1960年ころのことである。それまでは日本の農村は農村としての伝統的なあり方を継承していたらしい。
日本のほとんどの地域がまだ農業という生産方式の上に成り立っていたのだ。 経済の一番小さな単位は「家」だった。家というのは例えて言うなら船のような物で人間は生き残るためには船にしがみついていなければならなかった。家には田畑という生き残るための生産の要素が積み込まれていたからだ。
この家には婚姻関係にある男女とその子供という関係の人々が三世代ほど乗り組んでいる。しかし、前述したように家の主人公は婚姻関係にある男女というよりは田畑であった。その証拠に婚姻関係にある男女が育てる子供(しかも嫡子である場合が多い)は必ずしも二人の遺伝子を受け継いだ子供というわけではなかった。つまり、男女の愛情が核になって形成されている集団ではなく、継承するべき田畑をめぐって集まったユニットが「家」あるいは「家族」であった.
人間が生存していくために避けることができない田畑の所有は家族の内部の結束を強めるもので、逆に言えば他の家族とは緊張関係にあることになる。それぞれ内側に向けて閉じられている船が競り合っているのが村落の構造ということになる。この勢力関係が水の分配などの有利不利を決定するのであるから、当事者たちにとってはこの勢力関係こそが現実と言える深刻なものだ。
しかし、もちろんであるが競争関係ばかりでは村落として成立しない。その基本に村落は共通の目標を持った我々という存在であるという認識が必要である。それがなければ他の村落との競争や浸透してくる権力をはね返す力を全く持てないということになるからである。
もちろんであるが村落には寄り合いという議会がある。それに村をまとめるための宗教的な中心としての神社や、情念の発散の場としての祭りもある。表面的な感情はこれらの場で調整される。しかし真の共感は自分たちがその場に生きることを可能にする共有管理地を共有することに由来する。
やっと里山にたどりつきました。次の表を見てください。日本の農村の「内と外」という仕分け構造が分かります。この様な整理の仕方で見ると田畑と個別婚は「家族」と外部を分ける装置であり、里山と集団婚は「村落」と外部を分ける装置であると見えるわけです。対句をなして並ぶこの相似形の構造があまりに見事なのでこれがもっと深い部分で我々日本人の価値観を形成しているコアを理解する入り口の予感を得ます。
可憐な里山歩きに誘ってもらった後の酒の席でぼくが口を滑らせた「里山の存在は日本の伝統的な婚姻制度と深く関わっているのだ」というのはだいたいこのような発想を指していたのです。
事務局 小西由希子
著者の森岡節夫さんは、当会の会員で、南房総の谷津田を何年もかけてお一人で尋ね歩いてこられた方です。ものがたりの舞台は、安房・上総。地域の約8割が丘陵地で、米づくりには先人によって様々な知恵や努力が積み重ねられてきたところです。
しかし、食生活の変化による米離れで、長い年月の間に築きあげられてきた稲作文化はわずか数十年で忘れ去られようとしています。減反により耕作放棄地は荒れ地と化していますが、丘陵地での稲作という困難に立ち向かってきた人々の執念にまつわるものがたりがここには綴られています。
わずかに耕された田んぼ(山田)をくまなく歩き、それぞれの土地で長く米作りを続けてこられたお年寄りを尋ねて話を聞き、ていねいに書き留められたものです。調査地周辺の地図や山田の写真、また水を揚げる仕組みの解説など、詳しい資料も添えられています。先人が残した文化と伝統の余韻との筆者の言葉通り、ぜひ皆さんにもこの本を頼りに南房総を歩き、味わっていただきたいと思います。
コアブックス 3,800円(税別)
活動の柱は『しろ』と『くろ』山武市 木下 敬三『しろ』は、果樹園プレーパーク『しろ』、『くろ』はJR成東駅前市民農園『くろ』です。 『しろ』では、森林ヨガを初め、ツリークライミングの体験会と、年も迫って、日本ツリークライミング協会の公式、ベーシッククライマーの講習会を開催しました。 森林整備も大分、進めて戴いて、プレーパーク所もアズマネザサの全伐やツリークライミングの練習所の確保も出来ました。未だ未だ全域ではありませんが・・・ 隣接の谷津田では古代米の栽培、ワサビ、クワイ、マコモダケ、ハス等の水生野菜の栽培等々。『しろ』には小学生集団、子育てグループ、若者グループ、大人のツリークライミングのグループなどバラエティー豊富な利用者が来られるようになりました。 『くろ』は、JR成東駅前市民農園を今年の春に開園計画で、準備作業に入っています。JR成東駅の北口、山武市の表玄関ですが、駅裏でもあって30年以上も、誰も手を付けないので葦原になっています。放棄田を開墾して、水田・畑を市民農園にする予定です。駅裏全部が葦原返上とはいきませんが、何かの起爆剤に成ることを期待しています。 下記の通り開園準備のワークショップの募集です。駅から0m徒歩8分、踏み切りを通って駅裏へ500mの距離です。遠方でも電車で通勤?可能な市民農園です。お知り合いの方に教えてあげて下さい。ワークショップ会費の50%は、市民農園の利用料に充当します。なお、申し込み頂いた方には詳しい地図をお送りいたします。 イベント名:JR成東駅前市民農園開園準備ワークショップ開催日 :2011年1月22日,2月20日,3月19日 10:00~15:00参加費 :3,000円(1回1人)市民農園に加入の方は50%を農園利用料に充填します。(保険料含む) 持ち物 :作業用着替え,昼食,飲み物,タオルほか個人で使用するもの。道具類はこちらに在ります。 応募方法・人数 :毎回10人程度(申込順),お名前,住所,Tel,年齢等記入の上、下記木下敬三までfaxください。 開設者 :土屋力(地主) 運営団体 :JR成東駅前市民農園『くろ』 NPO法人オーガニックピースネットワーク 浅野禎信 (090-4459-3020)http://npoopn.jp/) さんむ・アクションミュージアム 木下敬三 (090-2723-1511, fax O475-80-2661) 姉妹施設 :果樹園プレーパーク『しろ』 |
編集後記 :あけましておめでとうございます。関東地方は、穏やかな新年を迎えました。それに反して、日本海側は記録的な大雪となり、鳥取県の国道9号では、一時約1000台の車が立ち往生。雪の重みで送電鉄塔が倒壊するなど、大変な被害があったようです。温暖で住みやすいこの千葉の台地や水を大切にしたいですね。 mud-skipper