ちば環境情報センター ニュースレター 

ちば環境情報センター > ニュースレター目次>ニュースレター第172号 

2011. 11.7 発行    代表:小西 由希子

目   次

  1. 子どもの未来を奪ってはならない
  2. 谷津田でキャンプ
  3. クロイワツクツクの声を聞いてきました
  4. 身の回りの化学物質シリーズ7 「臭いの化学物質」  
  5. 千葉県内の活動団体紹介 7

子どもの未来を奪ってはならない

子どもを放射能から守る会in千葉 代表 千葉市花見川区 長谷川 弘美

なぜ会を発足したのか 
 3月11日に起きた東日本大震災は、福島第一原子力発電所のメルトダウンを引き起こし、大地や海などに大量なる放射能が放出されました。チェルノブイリ原発事故で、ひとたび重大事故が起これば、その被害は極めて甚大であることを学んだはずですが、私達は今それを目の当たりにしているといえます。
 過酷事故はほとんどありえないとして、原子力を推進してきたわが国の対応は皆さんもご承知のように後手後手です。また自治体も、住民が声を上げ、やっと動き始めているというのが現状です。このような国や自治体に任せているだけでは手遅れとなるとの危機感から、子どもたちを放射能からまもるための活動に取り組もうと考え、4月末に会を発足させました。

   

取り組んできたこと
 調査と情報発信:事故後、子どもたちが土埃の舞う中や雨にうたれてスポーツをし、公園では砂まみれで遊んでいるがとても心配だ、あるいは遊ばせられないとの声が多く届きました。国は情報を流そうとせず、安全キャンペーンがなされるだけで、自治体も詳しい調査をしようとしませんでした。私達は、まずは放射能測定を始めました。住民からの測定依頼に順次応じるなどしながら、ブログでわかりやすいマップにして報告してきました。この他ブログではこれまで様々な切り口から情報発信に努めて来ており、多くのご意見をいただいています。
 学習・つどい活動:多くの方たちと放射能のもたらす問題を共有するため講演会や学習会などを開催しています。放射能の人体への影響、食品汚染、除染対策など次々と生じるテーマをとり上げてきました。また共催で行っている「放射能が気になるママの集い」には子連れの若いお母さんたちが沢山参加しています。
 行政や議会への働きかけ:本来放射能対策は国が方針を出すべきものですが、そうなっていない状況ではまずは地元の自治体が動くよう声を上げていくことが大切です。当会が提出した、子どもたちが活動する施設の放射能測定の充実と流通食品及び給食食材の放射能検査を求める千葉市議会への陳情が採択され、対策が一歩前進しました。

今後の課題
 文部科学省が公表した放射能の汚染マップでは、千葉市の北部は0.1~0.2μSv/hとなっています。この間、関東近辺で市民の調査によるミニホットスポットがいくつも発見されていますが、自治体対応はバラバラです。少しでも被ばくを軽減させるため、ホットスポットを探しきちんと対処してほしい。そのため市民と行政がしっかりと協力しあっていく関係を作っていきたいと考えています。また食品汚染は今後、内部被ばくの大半を占めていくと考えます。チェルノブイリ事故の後、ドイツでは各地に市民による食品放射能測定室が出来たように、地元千葉でたちあげられたらとも思っています。

 

谷津田でキャンプ

山武郡大網白里町 舟生 和美 

 ”キャンプがあります‘メールを見た瞬間に、私の目は輝き胸は、ドキドキ、わくわく。‘絶対に行きたい!’と思いました。
 さて、当日。初め豪雨だったものの、日ごろの参加された方々の行いが良いおかげで!!その後は雨に見舞われることなくキャンプ日和となりました。テントはり、その他の準備など3人の子連れのこともあり、あまりできませんでしたが、慣れていらっしゃる情報センターの皆さんにお任せできて(すみません)アウトドア初心者の私達は安心して気軽に参加する事ができました。

 

 さて、子供達(8歳、4歳、2歳)はというと、テントでお友達とおおはしゃぎ!なんでテントは、こんなにも楽しい気持ちになるのでしょう・・・。夕食にはおいしい焼肉や焼きそばなどを頂き、デザートにはスイカ。スイカの種飛ばし大会のお楽しみもありました。満腹になったところで渋谷さんを中心に火を囲んでの楽しい歌の時間です。皆で歌うと、なんだかすがすがしく晴れやか。とても温かい気持ちになれました。子供達も大きな声で熱唱していました。そして今夜の仕上げは花火。子供達もテンションあがりぱなしで、このまま泊まりたいようでしたが、諸事情で日帰り。そして翌朝まだまだ楽しみたい私達はキャンプ地へ。早朝は雑木林にカブトムシ、クワガタがうじゃうじゃ。長男は南川さん、たすく君と炎天下のなか谷津田かるたに大奮闘。賞品のウッドクラフトを手に入れ満面の笑みでした。大満足のキャンプはこうして幕を閉じました。
 キャンプでも米作りでも家の子供達は一貫して好きな事しかやりません。でも、それを許してもらえる情報センターの皆さん、谷津田の大らかさが大好きです。これからも谷津田の自然と素敵で個性的な大人の方々、元気な子供たちに会えるのを楽しみに、こちらの活動を続けさせていただけたらと思います。
 キャンプ主催の南川さんを始めとするご準備にご尽力頂いた方々にただただ感謝するばかりです。キャンプは私の(もちろん子供達も)夏休みのサイコーの思い出です。 

クロイワツクツクの声を聞いてきました

千葉市中央区 谷口 優子 

 毎年、房総半島南端の南房総市白浜の野島崎灯台周辺では夏休みの終わりごろから10月にかけて“クロイワツクツク”という奄美以南に分布するセミの声が聞けるそうです。地元では秋を呼ぶ風物詩となっているとか。ようやく9月25日にセミの声を聞きに行きました。車の窓を開けて、耳を澄ますも聞こえず。野島崎の観光案内所では「もう、いないんじゃないの?旧町役場あたりならいるかも。」といわれ、「道の駅」では「ギャーギャー鳴くセミ?いたとしても民家なんですよ。」とあまりいい返事が返ってきませんでした。地元紙では遠くからめずらしいセミの声を聞きに来る人がいる」、と書いてあったのにちょっとがっかりです。旧役場近くに車を停めてみたらアブラゼミに混じって聞きなれないセミの声がしました。ギーギーギーギー、グァングァングァングァン・・・ツクツクボウシとは程遠い、風邪をひいたミンミンゼミ、というよりエゾゼミ、リュウキュウクマゼミ?のような大音量で鳴いています。すぐ近くの民家の庭先にいるようでした。

 

 この地域のクロイワツクツクは20年ほど前に奄美から移植したサルスベリの木についてきたものが繁殖しているようです。生物多様性センターでも把握してはいますが、実質的な害はないので移入種でも駆除の対象にはならないとのことでした。山は越えず、白浜地区の平地の民家のビヤクシンなどにいるそうです。木の低いところにとまっていて人が手で採ろうとしても逃げないと聞いていたので何匹か退治するつもりでしたがさすがに民家までは手が出せませんでした。
 アブラゼミなどは7年目に成虫になるといわれていますが、飼育下とでは条件が違いますが2,3年で成虫になるという人もいます。「最近このあたりではツクツクボウシの声をめっきり聞かなくなった」、という住民もいて交雑の可能性も否定できません。中央博物館に問い合わせましたが、いまのところ不明とのことです。
 今はさすがにもういませんが、来年の夏休みのおわりにぜひ、聞きにいってみてください。

身の回りの化学物質シリーズ7 「臭いの化学物質」  

市原市 南川 忠男 

 臭いはその種類によって私たちの身の回りの環境を快適にしたり、逆に不快にしたりする重要な環境要素の一つです。公害苦情の中で最も件数の多いのも悪臭に対する苦情であり、人々の関心の高さがうかがえます。市原市では2009年15件の苦情が寄せられました。

 

 近年では、環境中の悪臭だけではなく体臭や口臭、ペット臭も人々の関心を集め、これらに対するグッズが市販されるようになりました。
 日本人のきれい好きと相まって、若い方々を中心に消臭剤の売り上げが伸び、外出先から帰ってクローゼットにしまう前あるいはちょっとした臭いにシュシュっとすることが多いと思います。ファブリーズにはトウモロコシ由来の消臭成分シクロデキストリンが入っており、その分子の内孔の直径は0.45から0.6nmでこの孔に臭い物質が包みこまれて床に落ちる。
 花王は「リセッシュ」を発売し、ファブリーズとしのぎを削っている。使用上の注意書きには人間やペットが吸わないようにと書いてあるので、気をつけて下さい。心の健康問題ですが、思春期・青年期に発症する病気に自己臭恐怖症があり自分の体臭に過敏になって自分が嫌われているのは髪や体の臭いのせいだと深刻に悩む病態です。早めに気付いてあげて下さい。
 
加齢臭発生の主な原因
 年齢を重ねるにつれて、皮脂腺の中のパルミトオレイン酸(脂肪酸)が増加し、同時に過酸化脂質も増加します。パルミトオレイン酸と過酸化脂質が結合、分解・酸化されてノネナール(C9H16O)という物質が生まれこれが加齢臭の原因です。又、皮膚の雑菌による分解でも臭いは発生します。臭さは後頭部から首後ろそして肩の背中側と脇及び胸上部が主な発生部位で、「お父さんの枕カバーが臭い」と言われるのは露出発生源が直に接触しているからです。下着の中に隠れていない部位は、今売れ筋のスティックタイプの加齢臭抑制・制汗に効果のある「ソフトストーン」がいいかもしれません。成分はミョウバンです。皮膚を酸性にするので雑菌の繁殖が抑えられ、汗も抑えるので臭いを抑える効果があります。

 私は重曹メーカーの会社員で、消臭に重曹が効果があることを知っています。重曹はアルカリ性の性質をもつため、加齢臭や靴の臭いを中和して消します。10年近く実施している靴の消臭方法は、一握りの重曹をキッチンペーパーに包み、2,3か所をセロテープで止めておき、使用後の靴の中にいれて保管します。蒸れた水分もゆっくり吸着するので、革も長持ちします。もうひとつの防虫には晴天祈願のお守り(赤松の一種の木で、虫が嫌がる成分があります)を背広の胸ポケットに入れております。重曹を材料に手軽に作れるデオドラント剤を紹介します。材料は
   ・重曹・・・大さじ2杯(掃除用でない細かい粒子)
   ・コーンスターチ・・・大さじ2杯
   ・精油(お気に入りのハーブオイル)・・・2~3滴
 重曹とコーンスターチを混ぜ合わせ、そこに市販の精油を2~3滴たらしてしっかり混ぜます。これをガーゼなどに取り、耳の後ろや首筋など加齢臭が気になる部分に使用します。手作りっていいですね。


千葉県内の活動団体紹介 7

                       

<団体名>   Seed Leaf・健やかな育ちを考える千葉の会

 私たちは、化学物質過敏症と闘っている・赤ちゃんの健やかな誕生と育ちのため奮闘している・自然や体のバランスを考えたいなど、様々な立場のメンバーが参加し今年の夏に設立したばかりの新しい活動団体です。
 
 有害な化学物質、といえばすぐに水俣病、イタイイタイ病など過去の公害を思い浮かべますが、一般的に今現在も世の中に出回っている食品、飲料、衛生用品や化粧品、殺虫剤など、さらには家や家具の建材にまで化学物質のオンパレードです。そして、明白な因果関係が証明されなければ、国は有害性を認めず、なかなか使用を見合わせることもなく、注意喚起さえされないことがほとんどです。また、国際的に「化学物質の有害影響を2020年までになくす」と決議されても、国レベル、地方自治体レベルまでその認識を共有し実行することがなかなかできていません。
 まず、私たち自身が学び、そして広め、また自治体や国に改善を働きかけていくという活動を計画しています。この夏には究極の化学物質である放射能でありますが、食品安全委員会が募集した「放射性物質の食品健康影響評価」にパブリックコメントを提出しました。
 また、市民ネットワークちば・中央の事務所にて、化学物質の学習会を開き、DVD鑑賞と患者の立場からの話を聞きました。そして、関心や理解を広めるためパンフレットを作成しました。
 千葉市男女共同参画センターで開催されるセンターまつりに、12月10日(土)午前中の部で「知らないと怖い化学物質の害」という講座を開催します。DVD上映とミニ講演、資料展示を予定していますので、ぜひお越しください。

<連絡先>

代表 中村 明子 080-4380-0846


 短歌

  「昭和の森」を源となす鹿島川 印旛沼までひた走る水
     急坂を下り開けし金色の 稲田の中へバスはとけゆく
                               志自岐百々代

【発送お手伝いのお願い】

ニュースレター12月号(第173号)の発送を12月7日(水)10時から事務所にておこないます。発送のお手伝いをしてくださる方を募集しています。よろしくお願い致します。


編集後記: 11月になっても上着を着ていると、日中汗ばむほどの暖かさです。朝の冷え込みも弱く、紅葉前線はなかなか下りてきません。奄美大島では2日、1時間に143.5㎜の猛烈な雨が降ったそうです。このところ原発事故に目を奪われがちですが、温暖化などの環境問題の存在も忘れないようにしましょう。 mud-skipper