〒263−0023 千葉市稲毛区緑町1−10−11 編集責任者:古川美之
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都川の環境を考える会 斉藤正一郎
現況、水源谷地と水棲生物が棲む土水路が激減しつつある現在、それがもつ希少性は増大しつつあります。千葉市の都川水系は72q2の流域で、0.5q以上の長さの谷地が38本あります。そのうち土水路がある谷地はたったの2本だけ。そしてその土水路は合計しても1.5qしか残っていません。また、千葉市内の鹿島川流域では0.5q以上の水源谷地の数は27本あります。その長さの合計は約73.8qになります。1つの谷地には用水路と排水路の2本の土水路がありましたから、その合計の長さは147.6qになります。ほかの水路は全部コンクリートの3面・2面の排水路に改修されてしまいました。だから、土水路の約89%が消滅したことになります。都川水系ほどではありませんが、ずいぶんと減ったものです。今も圃場整備が進められるたびに、土水路が減りつつあります。表にしてみると、
千葉市都川 | 千葉市域の鹿島川 | |
長さ0.5q以上の水源谷地 | 38本 | 27本 |
水源谷地の合計の長さ | 80q | 73.8q |
水源谷地内の水路の合計の長さ | 160q | 147.6 q |
消滅した水源谷地 | 26本 | 5本 |
土水路をもつ水源谷地の数 | 2本 | 9本 |
土水路の合計の長さ | 1.5q | 16.5q |
土水路の消滅率 | 約99% | 約89% |
この表から導かれることは,都川では99%が,鹿島川では89%の水路がすでに2面あるいは3面コンクリートの排水路になっているということです。その結果、
対策: ほとんどの谷地の奥には放置されて崩れてはいますが青線(国有地)といわれている土水路があります。この水路にユンボを入れて掘削するのです。上げた土砂で脇に観察路をつくります。水路の幅は1〜2m,深さにも変化をもたせます。年何回か農薬をまくので下流の水棲生物は殺されてしまいますが上流のこの土水路では彼らの生存が可能です。水棲生物の保護と繁殖に役立ちます。一目千匹のトンボが世の流れを変えてくれるかもしれません。また土水路の底から水が浸透するので地下水の涵養にもなります。
伊原香奈子
皆さんはこの市民の森をご存知ですか?会員有志(6人)で千葉市緑政課にこの森について尋ねてきました。『市民の森』は千葉市内に13ヶ所あります。これらはどんどん宅地開発が進む中で、"少しでも多く緑を残し、身近な自然として憩える場を作っていこう" と千葉市が呼びかけ、理解ある所有者から提供していただいている土地です。
維持管理は市だけで十分賄えるものではなく、所有者や地域のボランティアによって多くを支えられていることがわかりました。このように私有地を市が介入し保存を促しているところは全国でもまだ珍しく、市も手探りしながら進めているのだそうです。私有地ゆえに問題になってくる相続に対しても、買取や都市緑地化等で保存し続けられるよう市としても積極的な姿勢を見せてくれています。広さは6000uから55000u程と様々で、森の様子もその地形を生かしできるだけ手を付け加えない自然体維持に努めているためそれぞれが個性的です。森の中はそれが都会の中とは思えないほど静かで穏やかなときが流れています。皆さんも近くの市民の森を、ぜひ利用してみてください。鳥のさえずり、木々の香りの中で、森林浴を楽しんでみるのも素敵ですよ。利用はもちろん無料。ただし駐車場がありませんので公共機関を利用してほしいとのことです。
小学4年生の息子の社会科の授業で"清掃工場見学"があったのをきっかけに、身近なところで子どもたちにゴミや水のことを考える場を持たせてあげられないだろうか?と考えていたところ、牛乳パックで作る紙すきを思いつきました。さっそく先生にお話したところ、「親子レクの一環としてやってみましょう」ということになりました。事前にお母様方で練習しようと、ちば環境情報センターの小西さんにきてもらいました。当日までの準備はすべて子どもたちと先生・役員で進めましたが、作業中家庭でやっているリサイクルについて、子供同士で話をしていたと先生より伺いました。当日は工夫をしながらとても楽しそうにやっていた姿が印象的でした。また紙すきの排水もどのように処理すれば川を汚さずにすむか子どもに投げかけて、自分たちの出したゴミに対してもきちんと最後まで責任を持つことができました。
子育ても環境問題も、一人で考え抱え込むのではなく、皆で考え、人がやっているいいことを自分でもやってみる、小さな輪を少しずつ広げていくことの大切さは同じなのだと感じました。そして環境学習に関しても、この会のようにサポートしてくれるところがあるということは、本当に心強いものです。どうもありがとうございました。
市川の市議有志が、浦安市議の有志が相次いで三番瀬の開発計画の根本的な見直しを求めて、力強く立ち上がりました。この行動は、三番瀬の将来を憂えている人にはああやっと、という気がするかも知れませんが、意外なことと受け止めたり、見過ごした方もいるのではないでしょうか。三番瀬の存在は、頭の中で貴重な自然は守らなければと考えているだけでは(それが悪いというのではありませんが)、なかなか理解しにくい存在です。ただその前に立つだけでは平凡な砂浜、白砂青松というわけでもなく、はるか富士山が見えるでもない、開発の谷間に残された地味な砂地でしかありません。しかも砂浜への入漁券を売って、潮干狩りといってアサリを販売する船橋市はこの貴重な自然の名前を秘密にしています。看板の一枚も掲げてはいません。船橋海浜公園という三番瀬そのものの上にある公園で、三番瀬はどこ?と尋ねて教えてもらえなかったという実話があるくらいの秘境!でもあるのです。
でもいま三番瀬を訪れる人が増えています。三番瀬を守るグループはこの貴重な干潟に自分の足で踏み込もうとする方を歓迎します。足で、手で、鼻で、耳で、体全体で干潟そのものを感じてください。踏み込んでくれたあなたに干潟は沢山のお土産をくれるでしょう。
長谷川繁子
10月17日(土)ダイオキシン問題に取り組む市民グループが、家庭で使われている塩化ビニール製品のリストアップした冊子を作り、その取り組みを発表しました。おもちゃや包装材などの一部を燃やし、緑の炎で塩ビ製品か判定するものです。換気に気を配りながらも、300種以上1年かけての実験には、敬服させられました。私の家の内外に、承知ずみも無意識にも、多数の塩化ビニール製品があると知らされました。「作らない」という方針に始まり、代替品の紹介や、また労働、文部、建設、郵政各省への行政交渉、業界との話し合いを持ち、JRからも塩ビ切符全廃など精力的な運動、塩ビ製品の使用禁止の陳情を各地の市区議会に採択させ中央に反映させて、全国に波紋を投げかけました。
植村振作先生の心眼、ゴミ弁連梶山正三弁護士の"法律より条例"市民のパワーを示せなど諸先生の直截的、具体的な特別講演、その後のパネルディスカッションなど中身満載の一日は、すぐ瞼の重くなる私に一時の弛緩をも許しませんでした。
(長谷川さんからは小冊子「あれも塩ビ!これも塩ビ!−塩ビ製品&代替品リスト−」をご寄贈いただきました。センターにおいてありますのでお読みください)
千葉市立打瀬小学校 今井美枝子
海は地球の表面積の約7割を占め、古来から漁業や交通の場として利用され、また、人間の活動から生じる諸々の不要物を受け入れてきました。しかし私たちの生活は、海洋の浄化能力を超えるほどの汚染負荷を与え続けてきました。今では世界的に海洋汚染の進行が心配されています。
打瀬小エコクラブは、「幕張の浜にどんな漂流物があるのか調べ、それで何か作ってみよう」というイベントに参加しました。幕張の浜には前々日の台風の影響で、すごい量の流木がうち寄せられていました。それと同時に、ナベ,ペットボトル,ぬいぐるみ,使い捨てライター,お菓子の袋等のおびただしいゴミの量、それに何とお墓の塔婆まで拾ってきた子がいました。浜で遊んでいた人たちにも呼びかけて、ビーチクリーンアップ大作戦が始まりました。オーストラリアから始まったビーチクリーンアップは、世界のあちこちの浜辺で老若男女のボランティアが熱い活動を展開しています。日本国内でもだんだん広まってきました。国際ビーチクリーンアップのゴミの分別は120種類にも分けなくてはならないので、拾った後も大変な作業でした。結局、時間がなくて拾ったゴミで何かを作ることはできませんでしたが、1998年秋国際ビーチクリーンアップに参加できたことは良い体験になりました。
ーー参加した子どもたちやお母さん質の声ーー
幕張の浜には、友達とよく夏に遊びに行きます。けれどあんなにきれいだった海もいつのまにか汚くなっていたのでビックリしました。そしてゴミの多かった海をきれいにしてとてもよかったです。 これで夏また友だちと遊びに行けます。ゴミひろいは家族で行ったので楽しかったです。またやりたいです。 (M.S.) |
私は、海に沢山のゴミが落ちていたのでびっくりしました。 でも、ビン、カンだけではなく、家具まで落ちていたのでもっとびっくりしました。なぜ海に家具をすてなければいけないのかふしぎに思いました。これから海をきれいにしていきたいです。 (M.H.) | ||
海の近くに住んでいながら、シーズンオフの浜には滅多に行くことが無かったので、浜のゴミの様子には驚きました。砂の中に混じったプラスチックの粒粒などは排除することを考えると気が遠くなりますね。 あたり前のことですが、ゴミはゴミ箱に利用できるものはリサイクルに出す様に心がけたいですね。 (K君の母) |
海から吐き出したゴミにただただ茫然と立ちすくんでしまいました。「海」の美しいイメージだけでなく、この現実をきちんと見詰めて、明日を考えていきたいです。もっと大きなイベントにして、大勢の人の参加を募り、いろいろの事を考えて欲しいと思います。参加してよかったです。 (Aさんの母) |
井原奈美子
便利だけど燃やせば有害物質が出ると悪者扱いされてしまうレジ袋。そんな袋を回収してくれる所がありました。それは『 千葉市リサイクルバンク 』。現在千葉市内で唯一の回収拠点です。最近増えてきた有害ガスの少ないポリエチレン製や炭酸カルシウム入りのレジ袋ももちろんOKです。洋服を買う時に良くもらうような固めの色の濃いビニル製の袋でも受け取ってくれます。ほかにペットボトルや発泡トレー、電化製品等によく付いてくるような発泡スチロールも回収していますよ。場所は、京成千葉中央駅徒歩10分、セントラルプラザのすぐ近く( 旧扇屋ジャスコ千葉店跡地 )です。ぜひみなさんも持っていきませんか。
でも基本はやっぱり袋をもらわないことですよね。皆さん日ごろから心がけていますか?
15号に引き続き、環境シンポジュウム千葉会議に参加した会員の方からご感想が寄せられました。
「地球環境を知って」「今直ぐ行動をしよう」と始めた環境シンポジウム千葉会議は今年で第4回目である。私たちも茂原市より50名参加しました。帰りのバスの中で「参加してよかった。勉強になった」「明日よりごみを減らす気持ちが湧いてきたよ」と言われて昨年同様盛会で成功であったと実行委員に感謝し喜んでおります。
環境問題に係わるイベントは、市民の意識の高まりも強く参加者の熱意ある集いが本会でも感じられました。基調講演の恵先生のグローバルなお話から、私たち市民が取り込めるヒントを与えていただけたと思います。第一分科会は、みなさんに関心の高いテーマの「ごみとダイオキシン」にて多くの参加者がありました。盛りだくさんの内容で消化不良の様相であったことが残念でした。来年は焦点を絞って、参加者との話し合いをより多く取り入れていただきたいと思いました。
編集後記
最近、家のお風呂が気持ちがいい。竹酢液のおかげです。(いはらん)
秋はいつの間しか始まって、あっという間に冬になってしまう。この季節をうんと楽しもう。(古川)