ちば環境情報センター

1998.12.5発行 ニュースレター第17号

〒263−0023 千葉市稲毛区緑町1−10−11 編集責任者:古川美之


目 次
  1. 気候変動――お父さんもいっしょに考えて!!
  2. ドイツの環境教育に学ぶ
  3. 三番瀬わくわくワークショップ(三番瀬Do会議主催)に参加して
  4. ネイチャーゲーム初級指導員講座に参加して
  5. 千葉市 市民の森ガイド (その1) "柏井市民の森ルポ"
  6. ちば環境情報センター 環境行動実践講座活動報告
  7. 若松台幼稚園「こども自然教室」にスタッフとして参加しました
  8. ちば環境情報センターのホームぺージを担当して
  9. 事務局からのお知らせとお願い

気候変動――お父さんもいっしょに考えて!!

市原市 南 川 忠 男

11月14日にCOP4はブエノスアイレスで閉幕しました。昨年はあれだけ盛り上がったのに今年は地球の裏側での開催でもあり、市民の間の省エネマインドは進展していないようで、報道される情報も少なくマスコミもあまり取り上げなかったようです。
また、米国は議題予定になっていなかった途上国の負担を化石燃料会社のロビ―活動に屈し議場を乱してしまった。京都でも0%を譲らずだだをこねていた。京都で議題になった排出権取り引きはCOP6までにルールを確定することになりました。
この排出権取り引きは国内対策の補足手段とすべきであると以前合意がされたが、これを切り札にしようとしている先進国が多い。この国もロシアと手を結べば6%の削減は税金で解決できてしまう大きな抜け穴を作るかもしれない。抜け穴をなんとか抜けても、這い上がるのに国民に負担のかかる大きな落とし穴が待ち受けていることをわかっているだろうか.又、多くの市民はそれを予測しているだろうか。
昨年のCO2排出実績が10月に3.33億トンと発表され、COP3での日本の公約は−6%で、この数量はもうすでに+9%です。残り12年で15%削減しないと2010年に約束が果たせません。国のエネルギー見通しによると産業部門、運輸部門は伸び率が今後マイナスですが、民生は+0.8%としております。民生だけなぜか上がっております。快適な生活への移行している国民に遠慮して省エネしてくれと自信をもって言えないのだと思います。例えば、ISO14001を運用している会社にお勤めの方々がご自宅で少しの手間でちょっとした節電をやったり、近くのスーパーでレジ袋を断ったりすれば小さくてもみんなでやると大きな節約になり、回り回って無駄な税金を払わなくて済みます。
公約を達成するために現在53基ある原発を21基増やして74基にする予定らしいのですがスリーマイルの事故が日本で起こったら建設中の原発はしばらく完成しないでしょう。
多くの人は地球温暖化を深刻には受け止めていませんが、この夏揚子江の氾濫で約3000人、中南米のハリケーンで約2万人、那珂川の氾濫で7名が犠牲となっております。21世紀に近づくにつれ強風1回当たりの犠牲者の数が次第に大きくなってきており、この気候変動の大きさをいつ終わらせられるのか心配です。「人間は少しづつ悪化していく傾向に対応するようには作られていないのかもしれない。」とレスター・ブラウン博士は言った。
楽観的にみるとCOP10くらいで途上国も入れた厳しい法的拘束力のあるものができあがるのではないかと思います。ドイツにコンビニはありませんが、日本は48000店がひしめき合いいつのまにか終日営業となっています。この夏、買い物ガイド全国版作成のため君津市のあるコンビニを調べました。びっくりするような電力使用量です。全国合計で原発1.5基のフル出力に相当します.(因みに自動販売機260万台は原発1基分)快適な生活への移行が若干過剰なエネルギー消費に結びついております。みんなで考えていく問題だと思っております。


ドイツの環境教育に学ぶ

船橋市 長 正子
先日、ある高校のPTA研修会で自由の森学園の塩瀬治氏の「ドイツの環境教育に学ぶ」という講演会を聞きました。
ドイツと日本のハーフということで両国の国民性・文化の違いをよくわかっている方でした。その上で、戦後日本もドイツも敗戦国としてゼロから驚異の経済発展を遂げてきたのですが1970年代から両者は全く違った方向へ進み始めたというのです。すなわちドイツはこうした経済成長はほんとに人間らしいものなのか、コンクリ―トに囲まれた生活は人を幸福にするのかを問い始め、1976年にドイツ連邦自然保護法を作ったのだそうです。つまり、国土を開発で切り刻むのはやめ、多様な生物が住める国土を作ろう、開発の最終段階は自然を元に戻すことだというコンセプトで国土を再開発し始めたというのです。
川の三面張りのコンクリートを剥がし、学校の校庭や塀のコンクリートをやめ、ビオトープを作り、実のなる木を植えたそうです。また、アウトバーンの横にはけもの道を造り、さらにカエルやリスが通れる道を作ったそうです。
また家庭の庭や屋根の緑化にも力を入れ、それを請け負う自然復元会社があり、希望するとすぐデザインしてもってくるのだそうで、そうした家は減税の対象になるのだそうです。学校での環境教育も進んでいて最も大切なことは環境への情操・感性を養うことであり、思いやりを持つことだと認識されているのだそうです。
私がとてもうらやましく思ったのは、学校と植物園、動物園の連携が密で、いつでも利用できる体制にあるということです。(ドイツの学校は半日制なので課外活動時間は沢山ある)動物園は人と動物とがコミュニケイトする場所とされ、近寄ったり触れたりできるようにされているそうです。また,動物園の中には人類の祖先である類人猿の骨格や(頭がい骨)、ほら穴などが展示されているそうです。また植物園では種々の花々の匂いを嗅いだり観察できるように工夫されているそうです。
こうした環境に触れあうことで子どもたちは、人間も動物の一種であること、進化の過程で他の動物と違った能力をもつようになったが、しかし自然から離れて生きていけるわけではないことを認識できるようになるのだそうです。
日本では工業化が進み科学の力でどんな困難も克服できるかのようにつき進んでいます。しかし子どもたちは病み、生きる力をどうやって培うかが課題になってきています。ドイツの環境教育は大きな参考になるのではないでしょうか。自然の中で生き生きと遊ぶことが子どもにとっては一番大切であり、その経験が大人になった時、自然を守る行動にあるいは他の生物への思いやりを持つ基礎になるのではないでしょうか。そして生きる力になるのでは…。
ドイツの歩んでいる方向がうらやましかった講演会でした。しかし、うらやましがるだけでなく、強く意識して行動することが大切である。それだけで社会は変わると塩瀬先生は訴えていました。

三番瀬わくわくワークショップ(三番瀬Do会議主催)に参加して

茨城県 佐々木貴子

1 1月8日、"わくわくワークショップ"に参加しました。はじめ「三番瀬の浜ってどこにあるのかな?ワークショップって何をするのかな?」と疑問に思うとともに、「11月海に行くなんて?」と不安になってきました。なぜなら、私は釧路市生まれで夏でも海水浴をしたことがなかったからです。
前日、私はカイロや厚いセーターを準備しました。ところが当日は雲一つない青空、とっても暖かな陽ざしが三番瀬に降り注いでいました。浜に集まった多くの人ははじめ知らないもの同士で緊張していましたが、簡単なゲームをしたらいつしか同じ仲間になっていました。長靴を履いたおじさんが「申込みの時に長靴がいいと言われたので昨日買ったんですよ」とうれしそう。さっきまで「この天気のいい日に長靴を履いているのは私だけだわ」と母親に文句を言っていた女の子も今は笑顔です。子どもも大人も11月の海の中に素足で入って遊んでいます。私の常識や不安もいつの間にか変わって、気づいたら海の中でした。
午後からは、いよいよ布絵づくりです。グループに分かれて、午前中に味わった三番瀬への思いを、ベニヤ板一枚分の布地に布切れやボタンを張り付けながら表現していきました。この布絵づくりを通して三番瀬にいた仲間たちは"この干潟を残したいなあ"という思いを一層強めた様に感じました。みんなで作業するって、楽しいこと。そして、自分たちの思いや願いを一つの作品に表現し、それを完成させる喜びは大きいものです。次回はあなたもぜひ参加してみては如何ですか?


ネイチャーゲーム初級指導員講座に参加して

印西市 谷口 美和

環境問題が日常的に語られるようになって久しいですが、自然破壊等の環境悪化は止まることなく進んでいます。
そうした中、危機感を抱いた人たちが自然環境を守るため、様々な活動を行っているのも事実です。私も及ばずながら環境教育の重要性を感じ、ここ数年自然観察会等の活動に取り組んできましたが、その中で特に子供に対する環境教育の必要性を感じている今日この頃です。
そこでネイチャーゲームが何等かの役に立つのではと思い今回その指導員養成講座に参加することにしたのでした。
2泊3日のプログラムでしたが、現在登録されている105のネイチャーゲームの中で初級指導員になるために必要な20の基礎ゲームを全て体験することができました。勿論、ゲームの実践だけでなく、実習の後には必ず講義が控えており、概論、理念等の学習も含まれておりました。朝は6:30から実習が開始され夜間のプログラムも充実(懇談会、実践計画書の作成等)しており、中身の濃
い3日間でした。
ネイチャーゲームの目的は「自然への気づき」で、五感で自然を感じ、心と体で直接自然を体験することによって、自然と自分が一体であることに気づくことであります。
今回ネイチャーゲームに参加して感じたことは、それぞれのゲームがその名の通り『楽しむ』『感じる』『体験する』ことを目的にしていること、つまり実際に動物やその他の生き物になった感覚で行動したり、普段一番頼りにしている感覚の視覚をさえぎることで他の感覚を目覚めさせたり、自然の中でゆったりと時を過ごしたり・・・。そして私が何より大切だと感じたのは、各ゲームごとに参加者全員でそれぞれがその時その時の気持ちを交換し合う『わかちあい』でした。環境教育というとなんとなく堅苦しい雰囲気になりがちでですが、ネイチャーゲームは子供たちが自然に関心を持つきっかけ作りとしては最適かもしれません。
最後にレイチェル.カーソンが『センス・オブ・ワンダー』で述べている言葉を思い出しました。「何かを教えるためにではなく、いっしょに楽しむため・・・」「知ることは感じることの半分も重要でない・・・」


千葉市 市民の森ガイド (その1) "柏井市民の森ルポ"

千葉市花見川区 高嶋 政数

花見川区柏井町にあるこの森は、13カ所ある市民の森の中で最初(昭和48年)に指定された最も広い森です。総面積は56,763m2で、花見川団地に隣接し、近隣には花見川や花島観音、花島総合公園があり、市の自然歩道のモデルコースとしても親しまれています。台地と二つの谷からなっていて、谷筋には樹齢百年以上と思われるスギやヒノキの森があり、台地にはアカマツ、コナラ、イヌシデ、クヌギなどの林があります。
春にコブシの花が咲き競いまことに見事です。春・夏・秋と名の付いた広場があり、その間はにスギの木が聳えるつばきの広場と神々しいまでのヒノキの大木が聳え立つアジサイの広場のある谷があります。このあたりがまさに森林浴に最適な森といわれる由縁でしょうか。「たっぷり時間をかけて、ゆったりと散歩してみて下さい。さわやかな空気にひたり、胸いっぱいに空気を吸うことで自然の開放感を感じ、心身ともにリフレッシュできる」と説明板に書かれています。またここは森林浴に相応しい行き届いた掃除がされています。「みのり会」という近所の老人会の皆さんが十数人で毎週月曜日の午前中に掃除して下さっているそうで、自然保護を心掛け森の外から持ち込まれたゴミの処理をしているのだそうです。
初冬の今頃はいろいろな木の落葉が地表を埋めつくし、散策路をそぞろ歩く風情は何ともいえないものです。皆さんも柏井市民の森へぜひお出かけ下さい。
(交通機関)
・JR「新検見川駅」またはモノレール「スポーツセンター駅」より京成バス「八千代台駅」行「花見坂上」下車徒歩10分
・京成「八千代台駅」より京成バス「花見坂上」まで1km、下車徒歩10分
・注意:市民の森は駐車場がありません。


ちば環境情報センター 環境行動実践講座活動報告

環境ホルモン理解講座に参加して
千葉市花見川区 喜屋武 誠司

今回、環境ホルモン理解講座に参加させていただいて,南川さんの説明を聞いて参加者の皆さんといろいろな意見交換をするということができて,本当によい講座に参加させていただけたと思いました。
環境ホルモンの人体への影響や学習障害児の因果関係や自然界の動物たちの被害状況などを詳しく知ることができ、思った以上に汚染の影響がでていることに改めてびっくりしました。何が環境ホルモンを作り出したのかを考えたときそれは自分が自然界と共存共栄していることを忘れ便利さや快適さを優先して生活してきた結果であることに気づきました。そしてこの問題を被害者意識として捉えるのではなく自分は加害者であり本当の被害者は自然界にいて私たちに警鐘を鳴らしている動物たちやこれから生まれてくる子どもたちなのだということを考えさせられました。
この講座を通して改めて自分のら宇伏すタイルを考えなおしていかなくてはならないと思いました。ぜひまたこのような講座がありましたら参加させてもらいたいと思いました。


若松台幼稚園「こども自然教室」にスタッフとして参加しました

千葉市若葉区 栗林 裕子

もっぱらニュースレターの読者であったのですが、予てから興味のあった自然教室が若松台幼稚園で開かれると知っては、不安より好奇心が勝り、ついつい参加してしまったのです。
11月18日(水)、親子&スタッフ30数名でお日様いっぱいの自然教室が始まりました。お手々ブラブラ、ワキワキのアイスブレーキングで体をほぐし、鈴木ともちゃんのテンポの良い話にのせられて、自然の広場をキョロキョロしました。手にした色合わせシートには9色。思い思いの落ち葉や花びらを集め、8色までは何とか見つけられました。あれあれ、皆がぶつぶつと「ねえ、この青はどこにあるのかしら」「青い花ってある?お母さん」「あーぁ青だけ見つからないよ」アヒルの笛で集合し、見つけた色を見せ合いました。えっ、青を見つけた人がいたかって?上を見上げて一言。「空。持ってこられないけど。」そうですちゃんとありました。遅い秋からの贈り物は地面だけじゃなくて、高い空にも広がっていました。見つけたものは、かんむり・お面にペンダントと、立派な作品に仕上がりました。
子どもたちのユニークなお面やお母様方のベーシックなペンダント。今見つけたばかりの物がこんなに皆を楽しませてくれる。形にするって素敵なことですね。
「♪ぼくらはみんな生きている♪」手をつないで大きな輪になり歌います。今日にピッタリの歌詞でした。 命がつながっていることを、少しだけど体で感じた後で聞いた自然界の仕組みの話が、子どもたちの心の隅っこにとどまってくれることを願いつつ、あっという間の1時間半が過ぎていきました。お手伝いするつもりで参加したはずが、すっかり楽しませていただいて、参加者およびスタッフの皆様本当にありがとうございました。


ちば環境情報センターのホームぺージを担当して

八千代市米本 松尾 昌泰

はじめまして。この11月からちば環境情報センターのホームぺージの一部を担当しています。
今まで、いわゆるガチガチの会社人間でしたが、これからは、社会人間・地球人間でありたいと思っています。早朝、八千代市の中央を南北にはしる新川の堤防に沿って、飯綱神社まで散歩をしていると、季節の移り変わりと、太陽、大地、水など、自然の偉大さを特に感じます。
ホームページを担当して、いろんなイベントが、いろんな所で開催されているのに驚いています。環境問題に取組んでいるグループがいろんな所にあると思うと心強いし、もっと横とのかかわりを強くすれば、より一層大きな力となります。このためにもちば環境情報センターのネットワークの役割が重要になってくると思います。
ホームページには、毎月のニュースレター・イベントを必ず掲載していきます。イベントについては、今までは月一回のお知らせしでしたが、今後は、新しいイベントや変更をタイムリーに、ホームページでお知らせ出来るようになりました。ぜひご利用下さい。
そして環境問題のホームページをお持ちの方(又は団体)は、そのアドレス(URL)をご連絡頂ければと存じます。
なおちば環境情報センターのホームページは、 http://www2.tky.3web.ne.jp/~ceic/ です。


事務局からのお知らせとお願い

  1. ネイチャーゲーム: 環境教育教材を貸し出します。会員の中にネイチャーゲーム初級指導員になられた方が増えてきました。教材を会で購入いたしましたので活動の際ぜひお使い下さい。
  2. FAXで連絡ができる会員の方は番号をお知らせ下さい。(Fax:043-266-0383まで)
  3. 〈会費納入のお願い〉 98年度会費未納の方はお早めに納入下さるようお願いします。
  4. 〈ご協力の願い〉 事務局のお手伝い、カンパ(テレフォンカード、図書券、切手、書籍など何でもありがたいです)、投稿などお待ちしています。よろしくね!
送り先:〒263-0023  千葉市稲毛区緑町1−10−11  TEL&FAX 043-266-0383
郵便振替口座  00130-3-369499  ちば環境情報センター宛

ーー編集後記ーー

谷津田に群れていたメダカたちはもう冬ごもり。深みに集まりじっと春の訪れを待ちます。(まさ)
大草でノスリに会いました。寒くても鳥は元気です。どうしてかなあ。(ゆき)


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