ちば環境情報センター ニュースレター 

ちば環境情報センター > ニュースレター目次>ニュースレター第192号 

2013. 7.8 発行    代表:小西 由希子

目   次

  1. 「フタバから遠く離れて」上映会とお話会を終えて
  2. 第11回 ちば環境情報センター 環境活動実践ワークショップ報告
  3. ネイチャークラフトの作り方    PART.1 「椅子型フォトスタンド」
  4. 貝のよもやま話 9 -コタマガイ発生中-

「フタバから遠く離れて」上映会とお話会を終えて

子どもと一歩の会 茂原市 松本 みのり 

 6月22日(土)、福島県の前双葉町長の井戸川克隆さんをお招きしての映画の上映会とお話会を、大網白里市にて無事に開催することが出来ました。たくさんの方がそれぞれのネットワークやクチコミで広めて下さり、当日は、スタッフも含めると180人を超える方々に会場に足を運んでいただくことが出来ました。
 正直に言うと、私は初めて、双葉町の人たちが、埼玉県に集団で避難されたニュースを聞いた時には、原発の立地地域では、あらかじめ、避難の方法や行き先などが決められていたのだろうと思っていました。けれど、実際は、国からは避難指示が出されただけで、その後初めて、どこに逃げるか、どうやって逃げるか、どのように暮らしていくのかが、全て各首長の判断に丸投げされた状況だったようです。その中で、双葉町は、放射能の被害から子どもたちを守ることを優先して、県内51町村で唯一、役場ごと県外に避難されたのだそうです。

   

 井戸川さんは、町民、子どもたちの健康と未来を守るため、日夜勉強を続けられ、実際にチェルノブイリにも足を運ばれています。その上で、より安全な場所に仮の町を作り、町民が寄り添って暮らせるようにしたいと、あらゆる機関に働きかけてこられました。けれど、その努力は、すればするほど、「被爆はない、被爆の影響はない」ことにしたい人々からは疎まれ、一日も早い帰還と賠償を望む町民からは、反発もうけてこられたようでした。私には、井戸川さんの置かれた立場が、まるで、戦時中の「非国民」の扱いのように感じられました。
 井戸川さんがチェルノブイリに行かれた際、現地の病院で、その地域の子どもたちの9割に何かしらの慢性疾患があり、体育の授業はもちろん、立ったままでの朝礼すら成り立たないとの話を聞かされたそうです。その地域の放射線量をお聞きしたところ、持って行かれた線量計で、毎時0.2マイクロシーベルトほどだったそうです。千葉県内のホットスポットでもそれ以上の値が観測されていることを考えると、私もこれ以上傍観者ではいられなくなりました。子どもたちを被爆の被害から守るのに、井戸川さんや、一部の人の頑張りだけに任せてはいられないと思いました。
 原発事故後に双葉町民に降りかかった多くの出来事は、どの地域の人にも、起こりうる出来事だと思います。国民の誰が被害にあったとしても、同じような不条理な扱いが待っているということです。そして、いざ自分の身に降りかかった時に、周りがどのような反応や対応を示すのかを、今の自分の態度が表しているのだと思います。
 私は、今の子どもたちも、100年後の子どもたちも笑顔でいられる社会のために、おかしなことは、おかしいと、声を上げ、変えていきたい。小さな一歩をあきらめずに続けていきたい。
 これを読んだあなたもまた、自分の一歩を踏み出し、普段じっくり話をしたことのない人にこそ、思い切って話をしてみていただきたいと思っています。一人がたった一人を動かす、そのことを無駄と思わず続けていれば、いつの日か、オセロゲームの大逆転のように、世の中の流れをひっくり返せる日が来ると信じています。

第11回 ちば環境情報センター 環境活動実践ワークショップ報告

 第11回「環境活動実践ワークショップ」が2013年6月 8日~9日の1泊2日の日程で行われました。会場は、匝瑳市にある「コープみらい産直の家」。例年とは違い、親睦を深めることに重点を置き、その中でこれからの活動の方向性などざっくばらんに話し合いました。参加者の村田英津子さんから感想をいただきましたので掲載いたします。

千葉市稲毛区 村田 英津子 

 「古民家でバーベキューをしながら一泊のお話し合い、参加しませんか?」。地域新聞で知った田んぼのお手伝いをさせていただいたのがきっかけで、お誘いを受けました。
場所は匝瑳市「産直の家」。元は那須にあった古農家を移築した生協が利用者用に作った研修集合所だそうです。私が合流したのは日中の暑さの落ち着いた夕方。広い台所ではすでにバーベキューの準備が進められており、一通り施設内を見学・見渡す限りの緑や土の香り、風の心地良さを味わった後、私もひと仕事。買い出し班も帰宅、外の準備も整い程よく日が暮れた頃にバーベキューは始まりました。

   

 参加者の持ち寄った手づくりの米粉パンや漬物、自家製のお酒、皆で作った焼きそば・・・どれも絶品でした。そして尺八や珍しい南米の楽器の音に酔いしれながらの語り合い。とても楽しい夜でした。その後は屋内で今までの活動のスライド鑑賞。皆さんは過去を懐かしみ、新参者の私はコレまでの歴史を理解することができました。そして就寝。翌日、朝が得意の私ですら驚くほど皆さん早起き。早朝の海辺の散歩、さらに近所のラクダにご挨拶へ。「役に立たない植物名にはイヌという単語が付くんだよ。」「ラクダの踵はどこか分かる?」・・・さながら特別野外授業・・・歩く度に植物や生物の知識が増えてゆきます。宿に戻り、昨夜の残り物とサンドイッチで朝ご飯。皆で食べるおいしさをじっくり味わいました。
 そして自然界の食物連鎖を分かりやすくしたゲームをしたり、生物多様性のスライドを見たり、憲法改正についての意見交換。真剣な話し合いや笑いも含んだ雑談、知識も乏しく意識も薄かった自分にとって全てが興味深く、吸収すべきものでした。こうして鮮やかな思い出となった一泊の研修は終了しました。

 

 頭ごなしに社会問題や環境について言われるのではなく、こういった場で人や自然と触れ合い、何かを感じる事で一人一人の意識・世界は変われるのではないかと思います。初めてお会いした方もいましたが、仲間に入れていただき大変うれしかったです。ありがとうございました。


総会が終わりました     NPO法人ちば環境情報センター 代表 小西由希子

 6月30日、無事総会が終わりました。議案も全て承認いただき、今年度の活動も順調に滑り出しました。参加くださった皆様ありがとうございました。会発足後16年が過ぎ、ともするとマンネリになりがちですが、一つ一つの活動を丁寧に心を込めておこなっていきたいと思っています。今年度もよろしくお願い致します。
 総会後、会員の高橋克行さん(一般財団法人日本環境衛生センター環境科学部環境調査課)に「知っておきたいPM2.5の基礎知識」と題してお話しいただきました。タイムリーな話題で、多くのご参加をいただきました。

ネイチャークラフトの作り方    
PART.1 「椅子型フォトスタンド」

千葉市緑区 渋谷 雄二  

 私は、小枝やドングリ等の自然材料を使い、ネイチャークラフト作りを楽しんでいます。そこで・・・ 
このようなクラフト作りの楽しさをニュースレター愛読者の皆様と共有できればと思い、投稿させていただきました。

PART. 1の作品は椅子型のフォトスタンドです。

 ☆用意するもの  
  材料 杉板(厚さ1cm×横9cm×縦8cm)…1枚
椅子の脚用の小枝(径1cm×長さ5cm)…4本
背もたれ用の小枝(径5mm×長さ10cm)…2本
背もたれ止用の小枝(径1cm×長さ4cm)…1本
飾り付け用の小枝、木の実等…少々
  用具等 鋸,ナイフ,電動ドリル及びドリル刃(径 4mm,径6mm),金づち,紙やすり,グルーガン,グルーガンステック,木工ボンドなど。 
  ☆作り方  
 1 座席用の杉板(横9cm×縦8cm)を切断します。
 2 脚部(4ヶ所)と背もたれ用(2ヶ所)の穴(径5mm)、計6ヶ所開けます。
 3 脚、4本(径1cm×長さ 5cm)を取付けます。
 4 背もたれ用の小枝(径5mm×長さ10cm)、及び背もたれ止用の小枝(径1cm×長さ4cm)を取付けます。
 5 飾り用の小枝や木の実を付けて完成です。

 

貝のよもやま話 9 -コタマガイ発生中-

千葉港ポートパークかもめのクリーン隊 千葉市中央区 谷口 優子 

 先日、スーパーの鮮魚コーナーで九十九里浜産のハマグリのパックに1つだけ「コタマガイ」というアサリとハマグリの中間のような貝がまぎれているのを見つけました。その後、某デパートで「沖アサリ」として大量に売られていました。

   

 コタマガイは九十九里浜などの外海の波のやや荒い砂浜にいる二枚貝です。アサリやハマグリと同じマルスダレガイ科のなかまです。この貝は不思議なことに大量発生したかと思うと忽然と消えてしまう“まぼろしの貝”なのです。このところ九十九里浜で大量発生しています。九十九里浜のハマグリ漁は腰のあたりまで海に浸かってケタという道具で砂を掘りながら獲ります。3年前くらい前から九十九里浜のハマグリ(チョウセンハマグリ)が復活してきてしばしば店頭でハマグリを見かけるようになりました。山武市蓮沼でハマグリ漁をされている方の話によると、最近は獲れる貝の6、7割がコタマガイなのだそうです。

 

 数時間で30㎏~40㎏も獲れる時も。昨年は10:2くらいの割合だったそうです。コタマガイは砂の吐き出しが悪い、ハマグリよりも長持ちしない、知名度がない、身がかたい・・・・なかなかおいしい貝なのですが、ホンビノスガイ並みのお値段(100g60円ほど)で主に地元で売られているようです。
 デパートでさっそく買って食べてみました。アサリにくらべると大型ですが殻にふくらみがありません。貝の表面はすべすべしていて美しい柄をしているものもあります。貝にクセがあるという人もいますがわたしはおいしいと思いました。蓮沼では「ナメチョロ」と呼ばれているそうです。
 3年ほど前、金沢の近江町市場では宮城県産の「コタマガイ」を「アサリ」としてたくさん売っていました。ちょっとびっくりしたのを憶えています。また実家には大洗?のおみやげで買ってきた「コタマガイ」の大きな殻がとってあります。もしかしたら17年ゼミのように発生の周期があるのかもしれません。


【発送お手伝いのお願い】

 ニュースレター8月号(第193号)の発送を8月7日(水)10時から事務所にておこないます。発送のお手伝いをしてくださる方を募集しています。よろしくお願い致します。


編集後記:気象庁の梅雨入り宣言は本当か、と思える様な日が続きましたが、ここへ来てようやくアジサイが似合う空模様になりました。じめじめした梅雨時ですが、今年は比較的爽やか日が多いように感じます。もう少しで梅雨明け。いよいよ夏本番です。 mud-skipper