ちば環境情報センター > ニュースレター目次>ニュースレター第178号
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エネルギー政策を考える千葉市民の会 千葉市緑区 岐部 健生
放射能汚染のある食材を調理前に適切な処理することによって、放射性セシウムの体内への取り込みを相当量少なくすることは可能です。
放射性セシウムが検出された根菜類の場合、よく水洗いして、皮むきをすることに加えて、一度ボイル(アク抜き後、煮汁ごと捨てる)した後に、調理すると、かなりの放射性物質を除去することができます。
また、同じ植物でも、植物体の部位により、カリウムの含有率は異なりますが、本来カリウムを多く含む部位に、カリウムに似た性質の放射性セシウムが多く含まれる傾向があります。同じ食材でも放射性セシウムを多く含むことが考えられる部位については、多少の栄養素が抜けることには目をつぶり、細かくカットし、ボイルした後、調理することがお奨めです。
低線量被曝による私たちの健康へ与える影響については、未だに結論がでていません(学術的に究明中)。また、放射線に対する感受性には個人差があり、同じ線量を被曝しても影響が個人個人で異なることが考えられますので、放射線に対する感受性の高い人や若年令層(とりわけ乳幼児)の体内被曝量は少なくするべきであると考えられます。
【今が旬のタケノコの話題】
タケノコの通常のあく抜き処理は、竹皮の風味をタケノコに多くしみこませる為、タケノコの皮をつけたままで先の方を斜めにカットし、切り口から皮の部分に縦に1本切れ目を入れておこないます。放射性セシウムが含まれている可能性のあるタケノコの場合、できるだけ放射性セシウムを除去したいものだと思います。タケノコは植物の中でも硬い細胞なので、細かく輪切り(スライス)し、大き目の鍋に充分量の水を入れて、あく抜き処理を行うことをお奨めします。先端のやわらかい部分は姫皮といいますが、姫皮も取り外し、タケノコの先端部から薄くスライスすることが大切です。タケノコはやわらかいと思われるかもしれませんが、細胞が丈夫なので、そのままでは細胞内に蓄積された放射性セシウムを除去することは難しいものなのです。節と節が重なっている部分は特に細胞分裂が盛んで、細胞数が多くなっているので、特に薄くスライスしてあげることで取り込まれている放射性セシウムを除去しやすくすることができます。
※ 充分量の水について特に基準はありませんが、大き目の鍋に筍1本分(大きさによる)が目安です。タケノコの量によっては、2~3回水を換えて、あく抜きすることもお奨めです。
※ タケノコの細胞分裂が盛んな部分(主に先端に近い部分)は、細胞数が多く、細胞内に多く含まれるカリウムが多く含まれるのです。そのために、カリウムに似た性質の放射性セシウムも多く含まれることになると考えられます。
【具体的なタケノコのあく抜き】
① タケノコの皮を剥ぐ
② 姫皮の部分をカットし、家庭用スライサーでスライス
③ 姫皮の部分は、繊維を切断するように細く切る
④ タケノコの量と比較して大きめの鍋にタケノコを入れ、たっぷりの水を満たし、米ぬかを入れ、強火にかける
⑤ 沸騰したら、弱火にし、落としブタをして根元の部分が柔らかくなるまでゆでる。
⑥ タケノコが柔らかくなったら、湯を捨て、きれいな湯にタケノコを入れ、冷ます。
注意:圧力なべは使わない。
*通常のゆで方よりもかなりセシウムが減少すると思います。
【タケノコの話】
食用になるタケノコは、縦に切ると、皿を重ねたように節と節が連なって見えます。その節の部分で細胞の分裂が行われています。この時期のタケノコは細胞の数をどんどん増やしているのですが、細胞自身はあまり大きく伸びていかないのでタケノコもあまり伸びることは無いのです。この時期のタケノコの組織を調べると平たい細胞の集まりであることがわかります。タケノコが地上に顔を出すと生長が急に早くなり、細胞分裂よりも細胞の伸長が始まり、一日で1mあまりも伸びることもあるのです。
※ 「放射能汚染のある食材から、放射性物質の吸収を低減化する方法」については、「エネルギー政策を考える千葉市民の会」発行のブックレット「わかりやすい放射能と放射線の知識 ~汚染食品から子どもを守る方法~」著者:岐部健生 P32に詳しく紹介されています。
http://kawsimkib.tyanoyu.net/booklet.htm
ちば市民放射能測定室「しらベル」(ニュースレター177号で紹介)でもご購入いただけます。詳しい情報は下記のホームページでご覧ください。
「エネルギー政策を考える千葉市民の会」
http://kawsimkib.tyanoyu.net/
千葉市稲毛区 大倉 よし子
みなさま、連休は如何お過ごしでしょうか。さて、JEAN/クリーンアップ全国事務局も、下記の団体「アルガリータ・マリン・リサーチ・インスティチュート」の予定している海洋ごみ調査の航海に協力したり、東京に来航したときに行う海洋プラスチックごみについてのシンポジウムを共催したりして関係していますが、彼らの活動の一つをご紹介します。
航海の途中、乗り込んだ研究者たちとオンラインで直接話し、質問したりできるプログラムが企画されています。特に、学校関係者の方で興味がおありの方がいらっしゃれば、海洋漂流・漂着ごみ(特に、プラスチックごみ)について知る機会として参加してみたらどうかと思います。少々時期が迫っていて、クラス単位での参加を計画するのは難しいかもしれませんが。
以下、趣旨や参加登録について、連絡先などです。JEANのホームページのブログにアクセスしてください。(蛇足ながら、「シップ2ショア」の「2」は、英語の
"to" を引っ掛けたものです。「船から陸へ」というつもりらしいです)日本語の通訳がつきます。http://www.jean.jp/blog/2012/04/post-9.html
アルガリータ・マリン・リサーチ・インスティチュートシップ2ショア教育プログラム
北西太平洋を横断する航海にオンラインで参加
2012年5月1日~23日 北西太平洋ごみベルト調査(クワジェリン環礁から東京)
2012年5月30日~7月1日 東日本大震災ごみ調査(東京からマウイ島)
5月のシンポジウムに向けて,アルガリータ海洋研究所とのイベントが始まります。
私達の次の調査航海は、2012年5月1日にクワジェリン環礁を出発します。この航海の目的は、北西太平洋ごみベルト海域を漂流するごみ及び太平洋を東に移動している東日本大震災ごみ(特にプラスチックごみ)について調査することです。年齢を問わず、教師と学生、グループ活動の皆さんには、オンラインでこの遠く離れた場所での調査に参加することをご招待いたします。参加費は無料です。参加者は、リサーチ乗組員へ質問を送ったり、他国の参加者と意見交換をしたりすることができます。またリサーチチームは、地域のプラスチックごみ問題を扱うスチュワードシップの開発も指導いたします。さらに参加者は、航海の最後に修了証書を受け取ることができます。
参加登録受付中。オンラインで登録:http://www.algalita.org/ship2shore/registration
詳しいインフォメーションはホームページで:http://www.algalita.org/ship2shore/
質問はメールにて:ship2shore@algalita.org
ご参加をお待ちしています!!!
千葉市緑区 渋谷 雄二
私は自宅の小さな工房でネイチャークラフト作りをライフワークとして楽しんでいます。
そこで、この楽しさを少しでも皆様と分かち合うことができればと思い、このたびニュースレターに投稿させていただきました。
1.ネイチャークラフトとは?
最近、TVなどの情報で既にご承知の方も多いことと存じますが、小枝、つる、ドングリなどの木の実、葉っぱ等の自然物を使い制作者の自由な発想で創造力をはたらかせながら作る楽しいクラフトのことです。
(下の写真は左から工房、くまさんバッジ、どんぐりマウスです。)
2.ネイチャークラフトの良いところ
① 小枝・木の実・木の葉などの自然素材(小枝・木の実・木の葉など)に触れることにより、現代のおもちゃ(プラスチック・金属製品)にはない暖かさや素朴さを感じとることができる。
② クラフトを作る過程で創意工夫することにより創造力や創作力を養う。
③ 制作者本人だけのオンリーワンクラフトとなり、部屋に飾ったり遊んだりすることができる。
3.自然物を使ってどんなクラフトができるの?
動物,キーホルダー,ネームプレート,フォトフレーム,フォトスタンド,竹箸,竹とんぼ,竹笛,ストラップ,クリスマス,リース,壁掛けなど。
4.どんな道具を使うの?
はさみ,ナイフ,ノコギリ,キリ,木工ボンド,グルーガン,サンドペーパー,カラーサインペン(油性)など。
5.クラフト制作上の留意点
① 最初にどんなクラフトを作るのかを考えて決める。
② はさみ,ナイフ,ノコギリ,キリ等の使用する場合は使用方法を十分習得し、ケガなどしないように十分注意する。(小学校低学年以下は保護者の援助が必要です。)
※ネイチャークラフト教室について
6月から毎月1回(第一土曜日)に「ちば環境情報センター」の事務所でネイチャークラフト教室(定員は先着10名)を実施する予定です。
第一土曜日が祝・祭日の場合はお休みです。
詳しい内容につきましてはニュースレターの折り込みチラシでお知らせします。皆様の参加をお待ちしています。
カーネーション 捨てられなくて 花びらを 五十六枚並べています 欅にはけやきの事情 少しづつ色を違えて 清風にゆる |
寄贈ベルマークの延長について昨年4月からベルマークを寄贈して被災地の子供たちを応援しようとバルマークの回収活動をしてまいりました。おかげさまで、ちば環境情報センターとして1,079.6点寄贈することが出来ました。ありがとうございました。ベルマーク教育助成財団では、2011年度 年間集票点数が5億791万点余り集まり、そのうち217校へ各50万円相当の教材や備品の援助をされたそうです。 被災地はまだまだ支援が必要ですので引き続き寄贈ベルマークの回収することにしました。回収方法は今まで通りちば環境情報センター事務所です。ご協力をよろしくお願いいたします。 (千葉市緑区 齋藤 薫) |
千葉県内の活動団体紹介 10-八千代自然と環境を考える会-千代市 佐藤 素子「八千代自然と環境を考える会」は「身近な環境調査」と「谷津田に関わる活動」を行っています。今回は、「谷津田に関わる活動」について紹介します。 活動の舞台は八千代市東北部の保品間谷津の休耕田。きっかけは1995年、水田の基盤整備のため、湿地性の在来野草が大幅に減少するので、それらを移植保存する場所としてそこを無償でお借りすることができたことです。現地はカントウタンポポ、ツリガネニンジン、フユノハナワラビ、リンドウなど多くの貴重な在来野草が自生していましたが、さらにナガボノシロワレモコウ、ノハナショウブ、ミソハギ、イチリンソウなど164種の在来野草の移植を行いました。根ぐされを起こしたり、他の植物に負けたのかいつの間にか消えたものもいくつかあります。貴重種の周辺の整備は手刈りで行うので、移植したものの数が多いと管理が難しいですが、植物の勉強になり、とても助かっています。 また、現地は両脇に斜面林が残りしみだし水が豊富で、多くの野草の存在と共に多くの昆虫や鳥が訪れる素晴らしい環境で、単なる野草保護だけでなく、谷津田の生物多様性保全の場として活用していきたいと、トンボ池を掘ったり、2005年からは下大和田の田んぼから分けてもらった緑米で「ふゆみずたんぼのお米作り」も始めました。 谷津田の自然は若い世代にはほとんど知られていません。「ふゆみずたんぼのお米作り体験」として、田植えと稲刈りおよび収穫祭の参加者を市の広報で募集し、4家族の方が参加しました。収穫祭では収穫した緑米をお餅にして雑煮や黄な粉餅でいただき、新しいワラでしめ縄作りを行いました。 夏休みには「トンボを中心とした谷津田自然観察会」を開催し、半日の観察会で13種のトンボに出会え、谷津田の生物多様性を実感しました。参加された方は一様に八千代市にもこんな豊かな自然があったのかと驚かれ、是非、残してほしいと強く思われたようです。 現地は交通アクセスが難しく、公募事業の展開は難しいですが、少しずつ、若い世代の取り込みを図っていきたいものです。 |
ニュースレター 6月号(第179号)の発送を 6月 6日(水)10時から事務所にておこないます。発送のお手伝いをしてくださる方を募集しています。よろしくお願い致します。
編集後記: このところ、事故や災害が続いている。関越道のバス事故,白馬岳の遭難。6日には茨城県で死者が出るほどの竜巻まで。人知ではどうすることもできない事もあれば、避けられた事故もある。*5日に日本にある全ての原発が停止した。避けることができるはずの事故を再び繰り返さぬように、今、人知が問われている。 mud-skipper