ちば環境情報センター

1999.1.1 発行 ニュースレター第18号

 編集責任者:古川美之


目次

  1. 「めんどくさい」の背景
  2. 印旛沼のヨシはデカかった!
  3. 初めまして!松ヶ丘中学校ボランティアクラブです
  4. 『ケナフ』パルプづくりから紙すきまでの体験学習会を実施して
  5. 川野博士の豆知識その1  「一級河川と二級河川」
  6. 市民の森ガイド その2  四街道編   四街道郷土の森

「めんどくさい」の背景

市原市 平山 明彦

ある小学校でビオトープの整備を計画しています。校長先生と私でPTA役員の方へ協力を求めたところ、諸々の事情で協力出来ないとの回答でした。話の内容から察すると、「めんどくさい」というのが根底にあるようで幾度話をしても平行線なのです。私にはそういう人たちがしだいに問題意識の低い人のように見えて、いつの間にかこちらが教えこむというかたちになり結局ますます距離を作る結果となってしまいました。
「めんどくさい」との背景には、仕事とPTAの役員(これもボランティア)の両立はなかなか大変のようで、多忙なスケジュールを調整しながら、というよりは仕事(家庭)を犠牲にしながら、PTAの雑務や会合をこなしているという事情があるようです。また、小学生の親はとにかく忙しいようで、休日に自分の子供の世話を放り出してまでは、ボランティアに時間と肉体労働を提供するのはしんどいようです。この「めんどくさい」との意識が、問題意識をもつことを遠ざけているようです。
「自分が気がついて行動するのは構わないが、周りの人に問題意識を強要してはいけない」を念頭におき、急がないで行動していくことが、この「めんどくさい」との意識を和らげる方法かと考えています。
ある本に、「自ら気がついた人だけが、実際に行動する」と書かれていたことを思い出し、まさにこれだなと思いました。すなわち、知識として知っていたり人に教えられたりしても、自らの価値観や人生観の中で問題意識を持たないかぎりその人の行動を促進することはできないということなのでしょう。今後ビオトープ整備が「めんどくさい」ことから「楽しい」ことになるように活動したいと考えています。

-----ちょっといい話------

野生生物のすみかとなるビオトープ付き住宅「ヴィラガルテン新松戸」36戸が売り出された。この住宅は関さんの森に隣接し、人と生物が共存できる空間として期待されている。
会員の田中田玉江さんの手紙を紹介する。「こんにちは、いつもありがとうございます。 関さんの森を育む会が要望し、業者がこれに答えてくれた幸谷(こうや)のビオトープができ、先日開園式と植樹が行われました。今までの公園と違い、環境にやさしい公園として市の方も認めてくれたことが大きな前進だと思っています。新聞や住宅関係の本,TVにも紹介されました。
こんな場所がもっと増えると良いですね。どうぞよろしく!」


川遊び出前講座第4弾 : 「ヨシ刈り」報告

印旛沼のヨシはデカかった!

雲一つない青空のもと行われました。
当日は松ヶ丘中学校の生徒8名を含め3才〜64才までの参加者があり、最高4m85cmもあるヨシを100本余り刈り取りました。
このヨシを乾燥させて2月にヨシ笛を作ります。
今回ヨシ刈りに参加できなかった方も、あなたオリジナルのヨシ笛を作って、素朴な音色を沼を渡る風にのせて楽しみませんか?

初めまして!松ヶ丘中学校ボランティアクラブです

松ヶ丘中学校 ボランティアクラブ  顧問 野村みさ子

このクラブは去年の4月から活動を始めました。情報センターの小西さんを筆頭に、たくさんの地域の皆さんのご協力のもと、老人ホームや重症心身障害者病棟などでレクをして交流したり、自然体験をしたりしています。生徒が日常の生活ではあまり接しない高齢者や自然の世界を体験することで、様々な世界があることを知り、視野を広げてくれたらいいと思っています。
松ヶ丘中の子どもと川遊びに行った時、ザリガニを見て、「ぎゃー、こんなのがいる川に入りたくない」と叫んで、川から上がってしまった子どもたちがいました。「まずいよなー、これじゃコンクリートで護岸するだろうなー」と悲しくなる反面、「なんてやりごたえがあるのだろう」と思ったり…。(今ではその子たちも海で死んだクラゲをさわって遊べるようになりました。)わたし自身、自然を好きになったのは広島の田舎で毎日川や山で遊んでいたことが原点です。まずは、遊んで好きになってほしいのです。
また、障害者病棟のスイカ割り大会に参加したときは、ベッドで寝たきりの患者さんと接し、かなりのショックを受けたようで、当たり前だと思っていた自分の健康に感謝していました。日本の財産である子どもたちが、自然や、高齢者や、障害者と仲良く共生していってほしいと願っています。まだまだ初めの一歩をふみだしたばかりですが、たのしくやっていきたいです。
今後も機会がありましたらこのニュースレターにのっているイベントに、松中の子どもと一緒に足を運ばせていただきます。その時は、どうぞよろしくお願いいたします。


『ケナフ』パルプづくりから紙すきまでの体験学習会を実施して

エコフレンド  鈴木 智子

11月22日「さわやかちば県民プラザ」で、『「ケナフ」パルプづくりから紙すきまで、体験学習会』を実施しました。なぜ、「ケナフ」は環境に良いといわれてるのでしょうか?それは、

  1. 木材パルプとかわらないので「紙」の原料になる。
  2. 二酸化炭素の固定量が多く成長がはやい。

この結果、ケナフを紙の原料とすることで大規模な熱帯雨林の破壊をこれ以上進めず、地球温暖化もやわらげられるのではないか、となるのです。
ケナフを「紙」つまりパルプにするには、ちょっとした手間やこつが必要です。そこで、私たちの経験から学んだことを伝えよう!と、パルプづくりから紙すきまでの体験学習会を日本財団の助成を受けて実施しようということになったのです。
この学習会は今回で3回目。参加者6名のうち4名は環境教育に熱心な学校の先生方でした。地元の田中北小学校の5年生たちが9人もかけつけてくれ、とっても活気があふれる学習会になりました。先生役はもっぱら生徒さんが担当し、私たちはサブとして付く始末。かわいいちっちゃな先生がたくさんいて、学習会に参加していた大人の人達も自然と顔がほころんでいました。
参加してくれた方や、手伝いに来てくれたみんながとっても楽しく、主体的に取り組んでいたのが印象深く残っています。私はこういう時に「エコフレンド」というボランティアサークルをやっていて本当によかったなあ、とつくづく思います。環境問題はものすごく大きくて複雑です。1人の力なんて…と嘆かずに、みんなで出来ることから力を合わせれば、きっと未来は明るくなるかもしれない。そう思える瞬間なのです。これからも、こんな時間をどんどんつくっていけたらなと思っています。
99年度もひきつづき行う予定ですのでぜひ遊びに来てください!
「ケナフ」の手引き書「ケナフノート」を500円でおわけしています(送料180円別)。下記までご連絡ください。また、会員も大募集!一緒に環境について学びませんか?3才から70代のおじいさままでの、幅広い年齢層でアットホームな会です。月に1、2回活動しています。会費は年間2000円。ピザより安い!!

お問い合わせ「エコフレンド」事務局 〒273-0866船橋市夏見台4-17-35 平田方 FAX:0474-90-7430まで。

川野博士の豆知識その1  「一級河川と二級河川」

生徒:よく一級河川とか二級河川という言葉を耳にするけど、これってどう分けられているんですか。私は、川の長さや面積など大きさが問題だと思っていたんだけど、こないだ潮干狩りに小櫃川の河口へいったら「二級河川」て書いてあって、「こんなに大きいのになぜ?」って思ったの。
博士:そうだね、小櫃川は長さが80q以上あるのにね。逆に造谷川なんか長さ150mしかないのに一級河川に指定されているから、どうも大きさで決まるわけではないようだね。
生徒:じゃあどう決めているの。博士、教えて。
博士:ちょっと難しい話になるけど「河川法」という法律があって、それによると一級河川とは「国土保全上または国民経済上特に重要な水系で、政令で指定したものに係わる河川で、建設大臣が指定したもの」,二級河川とは「一級河川に指定された水系以外の水系で、公共の利害に重要な関係があるものに係わる河川で、都道府県知事が指定したもの」というふうに決められているんだ。
生徒:なんだかむずかしくてよくわかんないなー。
博士:要するに昔からみんなの生活に重要な河川で、国の管理下にあるのが「一級河川」,県が管理しているのが「二級河川」と覚えておけばいいんだよ。ただ、一級河川もその管理の一部を都道府県知事に委任することがあり、この委任された区間は「指定区間」とよばれているんだよ。また、一級河川や二級河川以外の河川で、市町村長が指定する「準用河川」なんていうのもあるんだ。
生徒:とても覚えられないよ。
博士:心配しなくても大丈夫。千葉県の一級河川は利根川水系以外にないんだよ。だからどこかで利根川や手賀沼,印旛沼とつながっていれば一級河川ということになり、都川,小櫃川,養老川などはどんなに大きくても利根川水系でないから二級河川だといえるんだよ。ちなみに千葉県には一級河川が84本,二級河川が131本もあるんだ。
生徒:ふーん。そーなんだ。ところで「水系」って何?
博士:じゃそれは次回ね。


市民の森ガイド その2  四街道編   四街道郷土の森

古川美之

千葉から佐倉に向かう途中、緑あふれる谷津の片すみに鳥がさえずり自然がそのまま残る森が、私たちの森になりました。1997年3月四街道鹿渡の森、獅子が鼻周辺が農家のご好意で市民に開放され、「郷土の森」が開設されました。四街道自然同好会の方が手入れされ、月1回観察会が開かれています。
細い山道からはいると竹林が続き、コナラの森が目の前に広がります。雑木林に陽が射し込みとても美しい。そして下り、また上ると右手に獅子が鼻城跡が広場のようにあり、実りの広場へと続いていきます。大人の足でゆっくり歩いて20〜30分ですが、起伏のあるとてもいいコースです。春にはキンラン・ギンラン・ナルコユリ・クマガイソウが咲き、夏には林高く新緑がざわめき、秋にはコナラの森のドングリで遊び、つるのブランコがゆれる。冬になると落葉の積もる中をザクザクと歩き、鳥のさえずりに耳を傾ける。「ようかいどうに故郷を見つけた」そんな思いにさせてくれる森です。ぜひお近くの方、足を運んでみて下さい。

交通機関 : JR四街道駅よりバスで旭公民館下車 徒歩20分

お 知 ら せ

おんじゅくまるごとミュージアム(春バージョン)

「人と自然の新しい出会い」をテーマに御宿の空間がミュージアムに変身します。
エコロジカルなアートとアクションをゆったり楽しみませんか。
1999.3/20〜5/31、御宿全域
主催:おんじゅくまるごとミュージアム実行委員会
連絡先:0470-68-3529永島

編集後記

毎月の活動にたくさんの方々が参加して下さりみなさんに支えられて会もますます元気になってきました。どうもありがとうございます。また多くの方々からカンパやテレフォンカードなどのご寄付、書籍・資料が寄せられています。運営委員一同心より感謝申しあげます。1999年もどうぞよろしくお願いいたします。風邪などひかないようにね!!


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