ちば環境情報センター > ニュースレター目次>ニュースレター第212号
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㈱高田造園設計事務所代表取締役 千葉市緑区 高田宏臣
ここは東京都国立市富士見台地区のサクラ通り。
4車線の道路全体が桜のトンネルとなる風景は、駅前の大学通りと共に、緑豊かな国立の街の象徴として、市民だけでなく、国立を訪れる人たちにとっても心地よい街のイメージとなってきました。
このさくら並木の誕生は今から47年前のこと。国立駅南側の都市開発整備の際、一橋大学に隣接する大学通りと共に、さくら通りの街路樹並木が植栽されました。
高度経済成長の日本、都市近郊の農地が次々と市街地へと生まれ変わる中、公園などの都市緑地と共に、日本の市街地における大量の街路樹の多くが、この時期に植栽されました。
国立さくら並木も同様に、植栽後半世紀を経て木々は大きく太く成長して道路を覆い、市民にとってかけがえのない環境、ぬくもりと落ち着きのある成熟した街の風景として育ってきたのです。
その桜並木が今、道路改修計画に伴う改変の危機に際して今、市民と行政とが大きく揺れ動いています。
今年の1月19日、二期工事が着手されるに伴い、一部の桜の伐採を強行しようとする国立市側に対して市民が立ちはだかり、伐採中止と話し合いを求めたのです。
マスコミや警察まで集まる中、現場に立ちはだかった大勢の市民は、これまで再三にわたって行政側に求めてきたとおり、国立市長との話し合いを求めましたが、この日、市長が現場に現れることはありませんでした。国立市側はやむを得ず工事を中断し、この日は引き揚げていきました。
私がこの日の騒動を知ったのはその翌日のこと、以前から、粗末に扱われる街の街路樹に対する扱いを改善してゆく活動をしてきた埼玉県の同業の友人から、「市民も桜並木を守るために今後どうしたらよいか困っている。知恵を貸してくれないか。」との要請を受け、その翌日に国立市さくら並木を訪れました。
その日は市民に集まっていただき、工事の問題点や樹木の状態などについて、整理して市民に説明の後、この工事を担当する国立市道路下水道課へと工事見直しの要請にうかがいました。
それからこの1カ月の間、市民、行政、市長との話し合いが継続し、何度も国立市へと足を運んでまいりました。
驚くべくことに、サクラ通りの伐採見直しを求める5000名近くのネット署名がわずか1カ月の間に集まり、それは今もなお勢いが衰えることなく増え続けているのです。
市民だけでなく、緑を愛する多くの人たちがいかに街の緑や街路樹について関心を持っているか、改めて感じます。
高度成長期に植栽されて大きくなった街路樹たち、それが今、日本中の都市部では、行政にとって管理上の厄介者とされて、道路改修の際に、次々に伐られているのが現状です。
街の大きな木はその街の歴史であり、環境であり、風景とて、しそこでの暮らしと共に歩んできた、かけがえのない命であります。
成長する木々、大木となった街路樹とどう向き合うか、この国立さくら並木の報告を通して、一緒に考えていただければと思います。
哺乳類研究者 香取市 濱中 修
1月23日(金)朝、学校に隣接する小さな鎮守の森から、ハクビシンが現れ、道路をゆうぜんと横切って、住宅街に消えていきました。一般のひとは、「見なれないネコが通った」と感じるだけで、きっと見過ごしてしまうでしょう。ハクビシンの動きはそれほどネコによく似ています。私は銚子市内の県立高校に勤めていて、この朝は登校指導にあたっていました。ハクビシンは夜行性ですが、朝まで活動しています。
ハクビシンは、木登りがじょうずで、カキなどの果実を好んで食べます。1998年9月15日、車にひかれた死体を香取市香取で拾いました。消化管からカキの種子がたくさんでてきました。掲載した絵は、この轢死体をもとに描いたものです。
ハクビシンは、畑のスイカに穴を開けて、中身を食べます。千葉県で、ハクビシンの分布が拡大した時期は、アライグマの分布が拡大した時期と重なるため、ハクビシンによる畑や果樹園の被害が、アライグマによるものとされることもあるようです。
ネコはネズミを捕りますが、ハクビシンはネズミなどの狩りが得意ではなさそうです。ハクビシンが補食するのは、おもに樹上にすむ節足動物やカタツムリなどです。
我が家新築ものがたり ~窓~
我が家の窓ガラスは二重窓です。最近ではさほど珍しくありませんが、見た目は普通のものと変わらず、外からの冷気を防ぎ、室内の温かさを逃がさず、防音効果もあります。何と言ってもこの時期嬉しいのは結露がないので水分でカーテンや床が汚れる心配がありません。少し重いのですが、とても快適です。 もう1つ、我が家の雨戸はブラインドのように閉めても風がぬける仕組みになっています。この雨戸のお蔭で女子供だけで過ごすことの多い夏の夜も安心して外の空気を取り入れ、気持ちよく過ごすことができました。もちろん普段は普通の雨戸のように使え、外気を入れたい時だけ開けられます。値段は通常の4倍くらいするようですが、クーラーのない我が家には必須アイテムでした。 次回は我が家のエネルギー事情について。夏をクーラーなしで乗り切った私たち、さあ、初めての冬は灯油やガスのお世話にならずに過ごせるでしょうか。お楽しみに。 【発送お手伝いのお願い】ニュースレター2015年4月号(第212号)の発送を 4月6日(月)10時から事務所にておこないます。発送のお手伝いをしてくださる方を募集しています。よろしくお願い致します。 |
編集後記: 今年初め、下大和田谷津田の上流域のごみ拾いをした際、水路に冬眠中のカメを見つけました。専門家によるとイシガメとのこと。アライグマの影響で在来種のイシガメは県内でもめったに見られないそうです。この貴重なカメをどう守っていくか、対策が急がれます。 mud-skipper