ちば環境情報センター > ニュースレター目次>ニュースレター第223号
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千葉市緑区 網代 春男
アニメ「あらいぐまラスカル」で有名になり可愛らしいことからペットとして盛んに飼われるようになりました。成獣になると性質が荒く飼いきれなくなり、アニメの結末通り放たれる結果となりました。それが増殖して特定外来生物に指定されるまでになってしまいました。
おもに農作物への被害、住居などへの侵入、巣くうなど生活環境への被害から駆除の対象になっています。また、近年は生態系への影響が大きく問われるようになってきました。(2月6日発行ニュースレター211号で濱中修さんが千葉県にすむ哺乳類①アライグマで生態、特定外来生物について詳しく解説されていますのでご参照ください。)下大和田でもアライグマの足跡が目立つようになってから喰われたと思われるカメの甲が畔に落ちていたこともありました。アライグマの生息域ではイシガメが壊滅状態にあるという話も研究者から伺い、危機感を持ちました。
ニホンアカガエルへの食圧も考えられます。半分喰われたようなカエルをしばしば目にしました。今年の2月にはたくさんあったニホンアカガエルの卵塊がほとんどなくなってしまったという事態も発生しました。アライグマはニホンアカガエルの卵塊も食べるということで、アライグマの仕業と考えています。
下大和田谷津の生態系維持のためにたくさんの方々と田んぼや山の手入れをしている私たちとしては看過ごせない事態であり、在来生物を守るために捕獲することにしました。
6月15日から箱わなを仕掛け、今日まで5頭を捕獲しましたが、ただ、田んぼに出現する個体を捕らえているだけでは駆除の成果は限られます。今後は周辺地域での聞き込み、生息範囲の絞りこみ、巣の所在の確認なども併せて行いたいと考えています。
主に水辺の生きものを餌にしていますので畔や田に残された足跡で生息していることが判ります。アライグマは手、足が人間によく似ていてこどもの手形のような足跡が残ります。他の哺乳動物にはない特徴的な足跡で、すぐ判別がつきます。(右写真参照)
巣は樹上の洞など自身では掘らず、フクロウなどの巣を奪うということですが人家の周辺では納屋や物置、普段人のいない神社やお寺などに巣くうということです。こうしたところでは柱や壁に爪痕が残ります。
これらの痕跡を見かけたら是非情報をお寄せ下さい。
生きものの命を大切に思ってきた私たちにとって命を奪う行為は大変つらいことです。現実に捕らえたアライグマは本当に可愛いです。悲しい目つきをしているようにも見えます。捕らえるとバナナを入れてやり、ごめんね ! と言いながら送り出しています。
アライグマの捕獲、殺処分については異論のある方もおありと思いますが谷津の(里山の)生態系維持のためにやむを得ず実施しています。是非、ご理解ください。
捕獲実績(2015年)
6月29日 雌幼獣(1.0Kg)
7月28日 雄幼獣 (2.3Kg)
10月16日 雄成獣(6.5Kg)
11月 7日 雄幼獣(2.6Kg)
11月16日 雄成獣(8.4Kg)
大網白里市 小学校4年 清藤 千紘
12月19日、初めてカラスのちょう査に家族で参加しました。まず、明治神宮に集まってからさわ先生の話を聞きました。(からさわ先生を見たとき、会ったことがあるかな、と思いました。しばらく考えていると、あ!!とひらめきました。アインシュタインです。)去年のカラスの数よりもへるだろうと聞いて、なんでかな、と思いました。
私はりっきょうの上で数を数えました。とても寒かったです。ねどこに入るカラスとでるカラスをかぞえました。最初のうちは、とても少なくちゃんと数えられましたが、ハトとカラスのちがいがあまり分かりませんでした。こらえきれないくらい寒かったので、さんぽにいったり、りっきょうの上でなわとびをしたりもしました。近くでは、デモやサッカーのおうえんなどをやっていたので、とてもにぎやかでした。
初めて知ったことは、ハシブトガラスとハシボソガラスがいるということです。数えたのは、おもにハシブトガラスです。ハシブトガラスは、都かいに住んでいることが多く、虫などを食べるそうです。ハシボソガラスは都かいではなくいなかなどに住み、くだものなどを食べると聞きました。見た目はハシブトガラスのほうがこわそうで、ハシボソガラスはやさしそうでした。暗くなってくると数えるのもむずかしくなりました。いっきに10わくらいとんでいくので、数えきれないこともありました。私はカラスは頭いいと思いました。なぜかというと、ちゃんとねどこを知っていて、暗くなるとそこに集まってくるからです。
次にカラスのちょう査があるのは2020年、5年後です。私は、5年に一度しかないきちょうなたいけんができてとてもよかったなと思います。5年後のちょうさもまた行き、もっとカラスのことを知りたいと思います。
千葉市緑区 小学校3年 松浦 樹
どんどやきの日、お昼ごはんとおしるこを食べ終わると南川さんにボートをもらいにいきました。ボートといっても園げい用の木札のような物です。TAとうら表にしっかり書きポケットに入れたのですが、おしるこのおもちをおかわりしてからボートの練習などをしているうちに足がはえたのか消えてなくなりました。仕方なく新しい物をもらいにいきましたが、ペンを他の子が持っていっていて、TAと書けず、2号は名なしになりました。
コースは田んぼのわきの水路です。スタートの時、きっと南川さんのことだから「よーい。」と「どん」の間を長くためるだろうと思ったけど、少ししかためなかったので、ぼくは、びっくりしてさい初出おくれてしまいました。
そこで、川の流れよりも早く進めるためにボートの横っぱらを叩いてとばして、どんどん前の子を追いぬきました。この方ほうだとしょうがい物の上をとびこえることができました。なんかんの三さ路のところは、別の道へ入らないようしんちょうに反対がわを通りやりすごしました。前をみるともうだれもいなくて、後ろによしすけくんがいました。3位の子とはだいぶはなれていました。
ぼくは、そのまま1位になって竹とんぼをもらいました。2016と書いてあっていい記ねんになりました。しかもこの竹とんぼはすごく高くとびます。来年も出場して1位をとり、2017年の竹とんぼももらいたいです。
<主催者 ちば環境情報センター南川より>
ボートレースはどんど焼きの時の恒例運動会の種目になって約10年になります。初代チャンピョンはあすみが丘の小学3年の山本君でした。セイタカアワダチソウの枯れ茎がボートをたたき進める役目があり、できるだけ水路の中央(水流が早い)に持っていき、水上の浮き枯草に絡まれないように約5分間腰を曲げてひたすらボートを注視して打ち進める耐久レースです。挑戦者来たれ!
哺乳類研究者 香取市 濱中 修
ネズミは、ドブネズミなど、人間の食べ物に依存して生活している“家ねずみ”と、人間の食べ物には依存せず、野山で生活している“野ねずみ”に分けられます。私は、大学生のころから、ずっと“野ねずみ”の生活を調べています。
日本の“野ねずみ”の中で、一番広く分布しているのは、アカネズミです。アカネズミは、千葉県内でも、もっとも数が多い野ねずみです。
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アカネズミの棲むところ
スダジイが優占する鎮守の森には、アカネズミとヒメネズミがたくさん棲んでいて、いっしょに生活しています。スダジイのどんぐりは、タンニンが少なく、私たちが食べてもおいしい。栄養価が高く、アカネズミ、ヒメネズミにとって、良質な食べ物です。
ヨシが生い茂る河川敷、宅地や工場用地などとして開発をしたものの、売れ残ってススキの草原になっている場所などには、アカネズミがたくさん棲んでいて、カヤネズミといっしょに生活しています。イネ科の草の種実や草原の昆虫などが、アカネズミ、カヤネズミの食べ物になります。
森林が伐採された跡地には、昆虫の食草が育ち、木イチゴなど、果実を付ける草木も増えます。アカネズミが食べる果実や昆虫が豊富にある環境に変わります。そのため、森林が伐採されると、アカネズミがそこに棲みついて、爆発的に増えることがあります。
クヌギやコナラが大きく育った雑木林やスギなどの人工林には、アカネズミも、他の種類の野ねずみも、ほとんど棲んでいません。食べ物がないからです。
クヌギやコナラのどんぐりは、タンニンが多く含まれます。人間は、タンニンが含まれているものを食べても、渋いと感じるだけで、健康をそこなったりしません。でも、ネズミのような、体が小さい動物は違います。タンニンを多く含むものを食べ続ければ、栄養を吸収できなくなり、衰弱して死に至ります。
昔の農村風景がそのまま残り、雑木林と畑が隣り合っている地域では、雑木林にアカネズミが棲んでいます。規格はずれのイモ類など、出荷できない根菜類は、畑の隅に捨てられます。アカネズミは、雑木林から出てきて、これを食べます。
キツネの主食はアカネズミ
野ねずみは、動物群集の食物連鎖の下位に位置します。いろいろな肉食動物の食べ物になることで、その生活を支えます。
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キツネは、アカネズミを捕らえて食べます。アカネズミはすばしこく地面を走ることができますが、敵が真上にいると、なぜか凍り付いたように動けなくなります。キツネは後ろ足で立ち上がり、このアカネズミに、上から襲いかかります。
アカネズミはキツネの主食です。アカネズミがたくさんいるところには、キツネが棲んでいる可能性があります。アカネズミが少ないところに、キツネはいません。
キツネは、江戸時代まで、千葉県内で普通に見られたようです。現在は、めったに見られません。キツネが減ってしまった原因の1つは、性能のよい猟銃が使われるようになったことです。もう1つは、アカネズミがたくさん棲んでいるところが減少したことです。
私は鳥のことがよくわかりません。でも、フクロウのなかまも、野ねずみを主食にしていますから、千葉県内で、フクロウのなかまがいるところには、アカネズミがたくさんいるといえるでしょう。
貝のよもやま話 24
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ニュースレター2016年3月号(第224号)の発送を 3月 7日(月)10時から
事務所にておこないます。
発送のお手伝いをしてくださる方を募集しています。よろしくお願い致します。
編集後記: 「ちば市民放射能測定室」が、 昨年12月末 閉所しました。4年間、子どもの健康を心配する多くの親御さんが来所しました。事故から5年、関心は薄れつつありますが、放射能の影響は続きます。事故を起こしてもなお原発を進める国を変えることはできないのでしょうか。 mud-skipper♀