ちば環境情報センター > ニュースレター目次>ニュースレター第225号
目 次
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市川市 小田 信治
●環境認証制度とは
環境認証制度は、企業等が自主的に行う環境配慮を第三者機関が認証することにより、対外的に環境の取り組みや製品等をPRする仕組みを言います。
我が国の環境認証制度は、1989年に環境省が作ったエコマークが最初で、当初は製品のリサイクルや有害物質の含有量などの環境配慮に対して認証が与えられました。現在、公益財団法人日本環境協会が運用しています。その他、木材の利用に関わる森林認証制度(FSC)、水産資源の利用に関わる認証制度(MSC)など、様々な環境ラベルがあります。詳しくは以下を参照して下さい。
https://www.env.go.jp/policy/hozen/green/ecolabel/index.html
●企業緑地の機能と課題
工場立地法や自治体の緑化指針など、企業が保有している敷地には一定割合で緑化が義務化されています。
緑地には様々な機能があります。企業緑地の存在自体が社会に貢献していると言えます。
しかしながら、樹木を植栽し、維持管理するには、毎年相当の費用がかかります。企業としては、緑地面積を規制基準ぎりぎりまでにし、維持管理の手間が少ない樹種(害虫や病気になりにくいキョウチクトウなどの外来種)が植栽されてきました。
●企業緑地の環境認証制度
名称 |
認証機関 |
概要 |
ラベル |
社会・環境貢献緑地評価システム SEGES |
公益財団法人 都市緑化機構 |
緑地の保全、維持、活用の全般について評価、認定 |
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いきもの共生事業所®認証 ABINC |
一般社団法人いきもの共生事業推進協議会 |
緑地の生物多様性の保全、維持、活用について評価、認証 |
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ハビタット評価認証 JHEP |
公益財団法人日本生態系協会 |
緑地の生物多様性の保全、維持、活用について評価、認証 |
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企業緑地の貢献度を見える化し、緑化で頑張っている企業のブランドを向上し、さらに企業の優良な緑地を増やすことができないものか。2010年に名古屋で開催されたCOP10(生物多様性条約締約国会議)では、生物多様性保全における企業の役割がクローズアップされました。こうしたことを背景に、以下の緑に関わる環境認証制度が制定されています。
●ABINCについて
ここでは、ABINC(きもの共生事業所®認証)について紹介します。ABINCの定義は以下のとおりです。
ABINC認証制度は、自然と人との共生を企業活動において促進することを目的に、(一社) 企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)が作成した「いきもの共生事業所®推進ガイドライン」及び「土地利用通信簿®」を認証基準として、企業における生物多様性に配慮した緑地づくりや管理・利用などの取り組みを、(一社)いきもの共生事業推進協議会(ABINC)が、第三者評価・認証するものである。 |
(一社)いきもの共生事業推進協議会は、以下の英文の略称でABINC(エイビンク)と読みます。
[英文名:Association for Business Innovation in harmony with Nature and Community]
設立は2013年12月25日で、役員には、東北大学教授・中静透(代表理事)、自然保護協会理事長・亀山章、元環境省大臣官房審議官・黒田 大三郎他、会員企業には、三菱地所、住友林業、日本設計、清水建設、環境コンサル他、11社が参加しています。
認証については、年1回実施し、現在まで3回の認証を行い、35事業所が認証されています。事業の種類としては、工場、研究所、事務所ビル、ショッピングセンター、マンションなどで、その中でマンションが多く、不動産会社によると認証を取得した物件は販売が好調になるとのことです。
詳細はHPを参照して下さい。
http://www.abinc.or.jp/
●生物多様性の評価方法
企業の生物多様性の取り組みは「土地利用通信簿®」を使って採点します。3つのカテゴリー、18項目について、事業者が提出した書類を審査員が「いきもの共生事業所®推進ガイドライン」で評価します。
この表の「技研」の欄は清水建設技術研究所の評価点で、ABINC認証を取得した際の得点です。
技術研究所は東京都江東区にあり、敷地中央部に約2,000㎡のビオトープがあります。都市での生物多様性保全技術の研究やシミズ・オープンアカデミーを開催し、学生や市民等を対象の環境学習や研修の場とて公開しています。このような取り組みが評価され、2015年度に認証を取得しています。
●ABINCに対する期待
ABINC認証に対する各セクターの期待は、デベロッパーでは不動産価値の向上とマンション販売促進、メーカーでは企業のCSRと社員の環境意識の向上、行政では生物多様性保全の推進(愛知目標の達成)と地域の生態系ネットワーク形成による都市環境改善等をあげることができるかと思います。
環境省の生物多様性国家戦略2012-2020や生物多様性条約第5回国別報告書等では、企業の取り組みとしてABINCが紹介されています。
2020年はオリンピック・パラオリンピックが東京で開催されますが、2010年のCOP10で採択された愛知目標の目標年(生物多様性の損失をストップさせる)でもあります。今後、企業がABINC認証の取得を積極的に行うことで、生物多様性保全の推進に寄与することを期待したいと思います。
千葉市稲毛区 石橋 紘吉
自分が子供の頃は物が無く、自分たちでいろいろ工夫して遊び道具や方法を見つけて遊んだものである。遊びと言うより生活の一部であった。
1.コマ廻し(秋、冬)
コマはベイゴマではなく、直径7~10cmの木ゴマで分厚い鉄輪をはめ込み、回転軸根には四角い鉄片を打ち込んだものであった。
遊び方は順番を決めて廻すが、相手のコマに力一杯打ちかけるものであった。鉄輪が無ければ軽くて簡単に弾き飛ばされるか、時には割られてしまうほど激しいものであった。コマの紐は今のように色々の紐は無く、藁縄で何回か使うとぼろぼろになった。木ゴマと鉄輪を買ってきて、鉄輪を火の中に入れて加熱し、それにコマを焼嵌め,更に水につけて木の膨張を利用して鉄輪が取れないようにした。
2.ラムネン玉(秋、冬)
これはビー玉のことで、ラムネのビンにビー玉が入っていることから「ラムネン玉」と呼ばれたと思う。
遊び方は地面に三角形の図形を描き、その中に各人3~5個のビー玉を出し合って並べ、三角形から約5m離れところに線を引き、そこから三角形にビー玉に当ててはじきだすのである。はじき出したビー玉はもらえるが、はじき出されるビー玉が三角形内のビー玉に触れるとアウトになり、その人はプレイが出来なくなる。それと相手のビー玉に当てれば当てられた人はアウトになった。かなり頭を使い技術も要する遊びであった。ポケットに何十個ものビー玉を入れて遊びに行き、時にはすっからかん、時にはポケット一杯となり楽しい遊びであった。
3.パッチ(秋、冬)
パッチとはメンコのことである。われわれは丸型のもので、当時はプロ野球選手の絵がほとんどであった。遊び方は3~4人で数枚ずつ出し合って裏返しにして積み上げ、順番にパッチを地面に打ちつけて、その時の風で積み上げられたパッチを崩して表返しをするものである。表に返したものはゲット出来た。出来るだけ風を送りたいので少し大きめの服を着たり、指先を地面にこすりつけるようにしてパッチを返したものである。このため指先が血だらけになることもあった。
自分の打ちつけるパッチが裏返しになると無効となり、そのため自分の打ちつけるパッチは油をしみ込ませ重みをつけ跳ね返ったりしないように工夫した。
こうした遊びも楽しいものであり、数百枚ものパッチを持っていた。
4.缶けり(冬、春)
この遊びは多くの人が経験したものと思う。農家の広い庭(どの家も籾乾しのため広い庭があった。)の真ん中に空き缶を置き、鬼の人が缶を護り,逃げ役の人を見つけ出すものである。鬼が逃げ役を見つけて缶を踏めば逃げ役はアウトとなり、逃げ役が鬼より早く缶を蹴れば、アウトの人も生きかえった。農家には納屋などあり隠れるところは沢山あり結構走り回って遊んだものである。
哺乳類研究者 香取市 濱中 修
畑に棲む野ねずみ
ハタネズミは、もともと草原で生活する野ネズミです。でも、日本は森林の国で、自然の草原は、火山やカルスト台地などにしかありません。
ハタネズミは、日本で農業が始まってから、生活圏を拡大しました。人工の草原である畑が、全土に広がったのです。
ハタネズミは、地中に迷路のように入り組んだトンネルを掘って、そこで生活しています。畑は、土が耕されていて、穴を掘りやすく、ハタネズミにとって、格好の棲みかになりました。農業の時代になって、ハタネズミは、人里の哺乳類になりました。
畑のうねにたくさんの穴が開いていれば、ハタネズミがいます。この穴は、ハタネズミの地下道の出入り口です。
ハタネズミの棲息地は、千葉県全域にあります。でも、どこにでもいるわけではありません。いるところには、たくさんいますが、いないところには、まったくいません。
草の葉を食べる野ねずみ
哺乳類は、種類ごとに、食物に適合した歯をもっています。ハタネズミは、草を食べる歯をもっています。
イネ科草本の葉には、ケイ酸の結晶が含まれていますから、それを臼歯ですりつぶすと、臼歯がどんどん摩耗してしまいます。だから、他の種類の野ねずみは、イネ科草本の葉を食べません。しかし、ハタネズミは、平気でこれを食べます。
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ハタネズミの臼歯には、歯根が形成されません。そのため、ハタネズミの臼歯は、一生、伸び続けます。だから、ハタネズミは、イネ科草本の葉も食べることができます。
ハタネズミは、夜間、地下道の出入り口から地上に出て、緑草を食べます。
ツツガムシ病を媒介する野ねずみ
ダニ類が媒介するヒトの感染症があります。ハタネズミは、そういうダニ類の宿主になっています。代表的なものが、ツツガムシです。このダニは、ツツガムシ病とよばれる風土病を媒介します。ヒトがツツガムシ病に感染して、適切な治療がなされなかった場合、死に至ることがあります。
ツツガムシは、ハタネズミの血を吸って生きる外部寄生虫です。ツツガムシが、ツツガムシ病のバイ菌をもっている地域があり、そこでヒトがこのダニに噛まれると、ツツガムシ病になります。
私が野ねずみの研究を始めたのは、山形大学の学生であった1972年です。山形市内で、初めて捕獲したハタネズミには、ノミやダニがたくさんついていました。
私の心に、ツツガムシ病が思い浮かびました。当時、山形県はツツガムシ病のバイ菌に汚染された地域でした。ハタネズミの捕獲個体から外部寄生虫を取り除く作業を、念入りに行いました。
最初に捕獲した個体のイメージは、現在も私の脳裏にあります。ですから、今も私はハタネズミが苦手です。
千葉県にはいない齧歯類
関東地方の他の都県にはいて、千葉県にはいない野ねずみがいます。スミスネズミです。
スミスネズミは、ハタネズミに近縁な種なのですが、極相林に近い、うっそうとした照葉樹林の中に棲んでいます。スミスネズミが、なぜ千葉県にいないのか、私にはよくわかりません。
関東地方のスミスネズミは、鹿毛に包まれているのが特徴の1つで、一部に「カゲネズミ」とよぶ専門家がいます。
リスとネズミは、同じなかま(齧歯類)です。ムササビは空飛ぶリスですが、こちらも関東地方の他の都県にいて、千葉県にはいません。
千葉県には、縄文時代の遺跡である貝塚がたくさんあります。そこからは、ムササビの骨が出土しています。ムササビは、縄文時代ころまで、千葉県にも棲息していたのです。
千葉県にすむ齧歯類のお話しは、これで終わりです。次回から、モグラのなかま(食虫類)のお話をします。
「下大和田YPP 親睦会に参加して・・・」千葉市稲毛区 青野 忠雄 昨年、春からの活動に家族で参加させていただいております青野です。今回、参加者の親睦を深める目的で、泊りがけでのバーベキュー、自然観察会に参加させていただきましたので報告させていただきます。場所は、匝瑳市にある「コープみらい産直の家」。周りを見渡せば、植木農園が広がり、なんとも静かでのんびりとした風景。建物はというと、広々とした庭に平屋建て、そして南向きに縁側が見えるというどこか懐かしい雰囲気(瓦屋根の上に24枚のソーラーパネルが載っているのが少し残念!)。広々とした畳敷きの部屋の中では参加者の子供たちが、かくれんぼ、鬼ごっこと走り回っていました。 ここの施設は、布団が無いことを除けば、生活するに不便はありませんが、目玉は囲炉裏と太い“梁(はり)”、釘も使わずに見事に組まれた柱には、口があんぐりと開いてしまいます。大人はといえば、囲炉裏を囲んでちょっと一杯。炭火で炙ったウルメや、ゆず味噌を塗った玉こんにゃく、自家製わさび漬けどれもこれも絶品、時間が経つのを忘れてしまうような一時でした。 翌日は、黒米(下大和田谷津田産)をまぜて炊いたおにぎり、炭火で焼いた立派な鯵、鮭。自家製味噌で作ったお味噌汁と朝からお腹がパンパンになってしまいました。朝の散歩(自然観察会)には、寝坊をしたため参加出来ませんでしたが、これからどんどん若葉が芽吹く良い季節になります。つぐみ(ムクドリサイズの渡り鳥)やホオジロも見られたそうです。 普段の活動もそうですが、つい見過ごしてしまっている小さな動物や草花に触れ、昔から伝わる生活の知恵に驚き、今では忘れかけている何かを見つける事が出来るYPP(谷津田プレーランドプロジェクト)! 今回の親睦会も、そんな楽しく、わくわくするイベントでした。 【発送お手伝いのお願い】 ニュースレター2016年5月号(第226号)の発送を 5月6日(金)10時から事務所にておこないます。 |
※会費納入のお願い2016年度会費の納入がお済みでない方は、同封した振り込み用紙の希望会員区分を○印で囲み、 会費(正会員5,000円,普通会員2,000円,賛助会員10,000円/1口)をお振り込み下さい。宛名タックシールに会費納入状況が記載されていますのでご確認ください(行き違いの際はご容赦ください)。なお、年度については4月から翌年の3月まで。複数年度の納入歓迎いたします。 郵便振り込み:振替口座は00130-3-369499 , 銀行振り込み:千葉銀行本店 普通 3627678 口座名義:特定非営利活動法人 ちば環境情報センター 代表 小西由希子 |
編集後記: 東京の桜が満開のニュースが届く頃、佐倉市城址公園ではまだ5分咲きでしたが、4月6日にはほぼ満開となりました。 花見といえば酒盛りがつきものですが、先日行った愛媛県松山市の松山公園では、飲酒風景は見られず、花見客は静かに弁当を食べたりゲームなどをしていました。 たまたまだったのかもしれませんが、伊予人の実直さを垣間見た気がしました。 mud-skipper |