千葉から御宿に向かう、日ざしが強くなったと思っていると目の前に眩しく輝く海と潮の香りがした。思わず深呼吸する程気持ちの良い日。ここ御宿で、第2回目の実践ワークショップが行われました。
昼からの御宿まるごとミュージアムの布絵ワークショップに続いて午後5時よりスタート。御宿ならではの夕食をいただきながらの自己紹介から始まりました。
昨年のワークショップの参加者が半分、新しい参加者が半分、計22名。初めて会う人、いつも一緒に活動している人、谷津に詳しい人、植物に詳しい人、様々な分野で活動している人々が集まり、自己紹介にとどまらず他個紹介も入り、賑やかに興味深くワークショップはスタートしました。その後、数人の方に昨年の活動報告と、活動していく上での問題点、課題も話していただきました。 明けて3日、早朝の浜辺のデート「浜辺のあしあと物語」として、朝の海を楽しみ、朝食後ワークショップ「提案、自分のやりたい活動への助っ人募集の呼びかけ」が始る。今後どんな活動をしていきたいかを出し合い、共通するテーマに別れてグループになり実践案「何をやるか、どのようにやるか」を作成しました。各自の活動内容に微妙な違いはあるものの接点を見つけて、実のある実践計画が出来上がりました。活動するフィールドは様々であっても活動しようとする情熱は参加者すべての人に共通であることを実感しました。
一人ではできないことも何人か集まれば必ずみちは開けることを知り、これからの環境活動の心強い糧をもらったようでした。午後からの谷津田の散策もワークショップの最後にふさわしいすがすがしいものでした。多くの方との出合いに感謝、ありがとうございました。 以下にワークショップで出た実践案を紹介します。
内容 | 参加者 |
1. 自転車通勤者のネットワークを作ろう | 南川、岡崎 |
2. 情報のやり取りをスムーズに、 マスコミ、他団体、行政とのかかわり方など |
鈴木、宮本、伊原 |
3. 谷津の保全に向けて 水辺の観察会の実施 メダカマップの作成 |
籠谷、金子、田中 |
4. 活動のための資金つくり、ネットワークつくり | 平田、高島、加藤、星野 |
5. エコバザーをやろう 松が丘中学のバザーでエコ作品をだそう |
川瀬、佐々木、野村、小倉,小西、古川 |
尚、会員の方で興味ある方は是非次回の実践ワークショップに御参加ください!!
研修二日目の発表会 |
御宿海岸での布絵ネイチャーゲームに家族参加させていただいてから研修会に顔を出した。多彩な人が集まっていておもしろいと思った。22人中7人は面識のある人であったが、初対面がわくわくする。
翌朝は2人組で自然観察、小倉さんと一緒になった。砂浜には海藻が打ち上げられている。アラメ、ワカメ、オオバモク、フクロノリ、ノコギりモク、ヒジキ、波の最前線に海藻片の軌跡が残る。彼女曰く「波の足跡だ」。陸と水界の生態系の境目である海辺にまつわる物語は多い。ネコザメ、アカメフグ、ウミスズメの遺体、ナヌカザメの卵の殻もあった。リュウグウノオトヒメノモトユイノキりハズシとも言われるアマモ、乙女の黒髪を想像させる海藻の一種だ。エビアマモ、イワヅタ、オオシコロも漂着している。海中からのメッセージに竜宮城を思い描くのは自然である。
逆の見方はどうであろう。水中の生物にとって陸上はどう映っているのか。人間の世界に憧れ、王子に想いをはせた人魚姫が現代にもしいたとしたら、環境問題に恐れおののいたに違いない。次のワークショップで、各自が提案のメモを出し合った。自動車通勤ネット,メダカ調査,予算獲得,エコバザー,情報サービスの5項目に集約された。ブレーンストーミングで参加意欲をかき立てて、事業計画も作り出してしまう方法である。
午後は谷津田の水路にメダカを訪ねた。休耕田も目立ち、ガマ、ヒメガマ、セリ、イグサ、キツネノボタンが勢いを増していた。田植えの済んだ稲を心配して畦畔の整備をしている農夫が1人いた。トウキョウダルマガエル、キンブナ、ホトケドジョウ、タイコウチ、タニシ、モノアラガイが水路に、農道脇にはヤマツツジ、ワレモコウ、マムシグサ、ホウチャクソウ、ムラサキシキブ、シロダモ、モウソウチクのタケノコもあった。マムシの遺体は農夫がしとめたものだろうか。GWの時期、一帯は行楽を求める人々で一杯になる。前日は谷津田を利用してオートキャンプ場をやっている農家を家族で訪問した。溜池は釣り堀に,休耕田はテントサイトになっていたが、田植えの済んだ水田にはオタマジャクシが泳いでいた。グリーンツーリズムをも経営戦略にすえた新しい農業を見た。
今回初めてスタッフとして参加しました。当日の打ち合わせで、布絵作りのグループ担当と知り一抹の不安が頭をよぎりました。
松林を抜け、海岸を一面に見渡せる丘に出た時、その不安はより大きなものに。期待に反して松林では面白い物に出会えず、メンバー(なぜか子どもばかり)の表情も今一つ。果たしてうまく作品にまとめ上げられるのだろうか。浜へ戻り、メンバーの感じたことを発表してもらうが、作品につながりそうな言葉がなかなか出てこず、どうしたものかと焦りを感じながらどんな絵を作るか意見を聞く。海・砂浜・ラクダと具体的なものはでてきたが、何か物足りない。そんな中、「海の中に島があって、その中にジャングルがあればいいな」とのアイデア。「本当はないけれども、こんなものがあったらいいな。」というアイデアに感心し、内心「やったぞ」と思う。これがきっかけで、グループ全体に元気が出てきた。全体のイメージもまとまり、いよいよ布絵作り。素材選びや、イメージをうまく表現するのに手間取ったりしながらも、なんとか作品が仕上がりほっと一息。橋の欄干に掛けられた作品を見たときには、不安と焦りが満足感に変わっていた。
ワークショップの最中は景色を楽しむ余裕なんてないやと思っていたが、不思議なことに、終わってみてあの海岸が鮮やかに頭に焼きついていた。目に見える景色だけでなく、景色を見て感じたことやイメージを他の人と分かち合う、いつもとは違った"景色の楽しみ方"を体験できたように思う。まだ体験したことのない方、ぜひ一度お試しを。
いつも面白い体験の場を提供してくださりありがとうございます。さりげなくアイデアを提供し、メンバーをリードしてくださったパートナーの方、そしてメンバーのみんなに感謝。(一度に10人近くの子どもの相手をしたのは今回が初めて。)
晩秋になると、日本各地の湖や池で大きな寒天質のオオマリコケムシの群体が浮かび上がり、はじめの頃は、その珍しさ・不気味さからニュースとして放送されました。図1は昨年11月に千葉県北部の古利根沼で採集したもので、長径が18cmほどあります。大きなものは1mを越えるものもあります。
このオオマリコケムシは北アメリカ原産の外来種で、日本では1972年に河口湖で初めて発見され、国立科学博物館の馬渡博士によって確認されました。その後、急速に分布範囲を広げ、時間とともに関西・四国・九州・北海道まで広がり、千葉県では、1976年に印旛沼、1981年に雄蛇ヶ池で発見されました(織田,1977)。
淡水に棲息し自ら移動することができないオオマリコケムシが、なぜわずか25年という短期間にこれほど分布範囲を広げることができたのでしょうか?
淡水産のコケムシは群体内に1mmほどの休芽を持っています。晩秋になり、寒さのため群体が死滅すると、休芽は池の中に放出され、そのまま冬を越します。春 になり再び水温が上昇すると休芽が発芽し、コケムシの小さな群体が生まれ、秋には大きな群体へと成長します。図2はオオマリコケムシの休芽で、平らで周囲にいかり状のとげが十数本あります。このとげは軟らかく藻などにからみつきやすくなっています。
オオマリコケムシが次々と出現した湖や池は、ヘラブナ釣りが盛んな場所で、大勢の釣り人でにぎわいます。釣り人は釣ったヘラブナを一時的に魚籠(びく)に入れておき、帰るとき放流していきます。このとき水面を漂う休芽が魚籠に付着していれば、釣り人は無意識のうちに魚籠に休芽を付着させたまま家路につくことになります。休芽は乾燥状態にもしばらく耐えることができるため、釣り人が再び別の池で魚籠を水中に投じ、休芽がたまたまはずれれば、翌年その池にオオマリコケムシが出現することになります。このように、オオマリコケムシの分布範囲の拡大のお手伝いをしていたのは、人間自身だったのです(織田,1977)。
図1 | 図2 ODA、1974より引用 |
参考文献 織田,1977(坂上澄夫教授退官記念論文集)
ODA,1974(動物分類学会会誌10号)
市民の森は、船橋市にもあります。その中の藤原市民の森〈約2ヘクタール〉と丸山市民の森〈約1ヘクタール〉の2つの森は、自然をこよなく愛する地域のおじいちゃんが一から築いてきた森です。今では彼の人柄や、鳥や植物の豊富な知識量に惹きつけられた多くの人達が一緒に手入れ(森のボランティア)や観察会をしています。私が参加した時もおじいちゃんは、「この植物は、今定植するのが一番いいんだよ」「土が固くなるから道の枯葉は掃かないようにしてるんだ」と、とても88歳とは思えない元気さで説明してくださいました。
自然を愛し、大切にできる市民が増えて欲しいとの願いを込めて手入れされているこの森は、とてもきれいで、また様々な植物が根付いています。そしてこの森を含んだ地域は現在、市と手を結び、『里山』にしていこうという計画が持ち上がっています。夢は今まさに一歩現実に向かって進み出そうとしているのです。
そんな森に是非足を運んでみてください!場所は、東部野田線「馬込沢駅」から徒歩10分ほど。今は新緑の時期、爽やかな風とおいしい緑の香りを楽しめます。また、定期的に行なわれている観察会や森のボランティアに参加してみるのもいかがでしょう?たのしいですよっ!
観察会・森のボランティアの問い合わせは、三神鶴吉(0474-38-6076)まで。
千葉市の郊外(若葉区)に谷当町という政令指定都市とも思えない「本格的な田舎」がある。この町に住む金親博栄さん主宰の「谷当グリーンクラブ」があり、その中には田圃で米作りをする「田圃部会」、林で作業をしながら楽しむ「森林部会」、そして畑で野菜を作る「畑部会」がある。
田圃部会では無農薬有機栽培の米作りをし、費用を負担する形で仲間が米を分け合う。主な肥料は田圃一面に咲くレンゲと付近の里山から集めた落ち葉で作る堆肥。田植えと稲刈りの時はにぎわう。自分たちで作った米、しかも農薬のない安全な米が口に入った時は格別の味わいと感慨がある。
森林部会は、里山の下草刈りや間伐の手入れをしながら、炭焼き・きのこ植菌などを体験する。竹林の間伐をした時には、竹で作った食器が昼食の器となる。近頃は竹炭作りにも挑戦している。近くの里山は野草と山菜の宝庫。春には「春の自然観察と野草」を味わい、秋には「秋の自然観察ときのこ」を味わっている。
ひとことで言うと田舎体験だが、気さくな仲間との飾らない付き合いに助けられ、勤務のない毎週土曜日曜は、9時から17時まで自然に接して一日を忙しく過ごしている。都市化の進展や自然環境の破壊が危惧される昨今であるが、自然に常に接した、こんな生活をいつまで続けたい。なお、興味ある方はぜひご連絡下さい。
<谷当グリーンクラブ>小林 敬 043-250-2597 ーー Eメール:TKOB@dp.u-netsurf.ne.jp
"水温む干潟へ生き物たちに会いに行こう"の呼びかけに、年のことなど考えずに参加。この干潟に私の足ではだめだとためらっていたが、みなさんの誘いと助けによって一歩一歩終に夢中でみなの後を追っていた。 泥干潟を掘り起こし、手に泥んこの飛鯊を見たときの私達の感動。一方飛鯊は巣に潜んでいたところを、急に明るみに出され、寄目を益々寄せた驚きの眼。それは一寸としたドラマでもあった。その他蟹,沙蚕,牡蠣など干潟の生き物にも会い、参加者一同大満足だった。 寄り目して わ我をみてゐたり飛鯊は 干潟千鳥の跡をたどりけり |
|
|
芝居になった三番瀬−つぶされた干潟は人間に何を訴える「虹の立つ海」公演実行委員会 小久保三番瀬を身近に感じてもらうために、100人展(絵画)、春を呼ぶコンサート、フラワー・アレンジメント展と、保全を願う多彩な活動が展開されています。来る7月15日葉、ついに干潟が芝居に登場。「…海や空気をよごしたりはぼくは、すこしぐらいしていたけれど、このしばいをみて海や空気をよごすのはもうやめます。海や空気をよごしていた人をちゅういします。…」(8才男感想文から) 面白くみているうちにあなたがたどりつく世界は? 《虹の立つ海》現代座公演 日 時:7月15日(木)18:30開演(予定) 場 所:船橋市勤労市民センター・ホール 入場料:¥3000(こども¥2000) ※チケットはCEIC(ちば環境情報センター)でも扱います。 |
6/16(水)千葉市若松台幼稚園にて自然教室をおこないます。 事前打ち合わせを6/3(木)おこないますので、幼児の環境学習に関心のある方はぜひご参加ください。 10時より、ちば環境情報センター事務所にて。 (連絡先:古川 043-433-0987 FAXも) |
編集後記
・水ぼうそうが治りもとどおり元気になりました!−とき−。(ときまま)
・先日、平山の谷津でオオタカとサシバに出会いました(mud-skipper)