ちば環境情報センター ニュースレター 

ちば環境情報センター > ニュースレター目次>ニュースレター第227号 

2016.6.8 発行    代表:小西 由希子

目   次

  1. ロケットストーブを作ってみませんか
  2. 里山シンポジウムin南房総が終了しました
  3. 千葉県にすむ哺乳類17  ヒミズ
  4. 下大和田谷津田で稲の種まき体験
  5.  貝のよもやま話 27   -千葉市推奨土産品「貝せんべい」-

 

ロケットストーブを作ってみませんか

大網白里市 平沼 勝男   

 4月、熊本県を襲った大地震、建物損壊2万267棟(一部損壊を除く)、避難されている方は最大で18万3882名に及んだそうです。今も8231名の方が避難所で暮らしています(5月31日現在)。被災された方々には、心よりお見舞い申し上げます。
 東日本大震災の記憶もまだ遠くはありません。日本は本当に自然災害が多い国ですね。いつ自分も災害に見舞われるかわからない、ということをこの地震が教えてくれたように思います。
 災害時の備えの一つとしてロケットストーブをご紹介します。ストーブといっても暖を取るためのものではなく、ガスコンロの代用となる調理器具です。その特徴は、燃焼効率が極めて良い、つまり少ない燃料で済むこと。燃料は近くにある木、細く割った薪などですむこと。そして自分で作れること。しかも廃品を利用して作るので安価にできることです(購入する部品もあります)。
     
  

<筆者の作成例>

用意したもの

 材料
  ペール缶(廃品)           2個(一斗缶でもよい)
  ステンレス煙突(直筒106㎜×830㎜) 1個(ホームセンターで購入 898円)
  ステンレス煙突(エビ曲げ型 106㎜) 2個(   〃     1個638円)
  五徳(なべを置く台)         1個(   〃    、1400円くらい)
  パーライト(断熱材として18ℓ)    2袋(  〃 園芸売場、1袋498円)
 ネジとナット             4組(上と下の缶の固定に使用)
 針金                 2m(五徳を缶上部のふたに固定)

 道具

  金切ばさみ
  電動ドライバー (ドライバー+ドリル)
  手袋(必須。ないと必ず手を切ります。できれば薄手の作業用)

 あって良かったもの
  ディスクグラインダー+切断砥石・・・なければ金切ばさみで頑張ることに
  (注、すごい音がします。厚手の皮手袋とゴーグルも必要)
 

  作り方ですが、実は筆者も今回が作るのが初めてでした。出来栄えは満足いくものでしたが、これが完璧かどうかはわかりません。ここでは一例として筆者の作成したロケットストーブをご紹介します。作るときに参考にしたのがインターネットです。ロケットストーブで検索するとたくさんの情報が出てきます。動画もあります。作りたい方はぜひインターネットで検索してください。


 ペール缶の入手方法ですが、エンジンのオイルを入れるものなのでガソリンスタンドや車の工場・ディーラーなどに頼むと貰えるようです。筆者はある漁港の関係者の方から頂きました。
 漁船のオイルを入れていた廃品です。二個としたのは、そもそもロケットストーブは煙突効果で上昇気流を発生させ燃焼効率を高めるものです。そのため二段式にして高さを確保しようと考えました。

里山シンポジウムin南房総が終了しました

NPO法人 ちば環境情報センター代表 小西 由希子 

 2016年5月15日、里山シンポジウムin南房総が、南房総市立綾南中学校和田校舎で実施されました。基調講演「地域の魅力のタンケン・ハッケン・ホットケン~「風の人」と「土の人」の出会いのデザイン~では、延藤安弘先生の謳うような語りに酔い、「南房総お国じまん」では、これまで知らなかった地域の魅力を知ることができ、地元のパワーに圧倒された一日でした。
 午前中には9つの分科会があり、私たちも「人から人へ~地産地消の食・郷土料理」を担当しましたので、簡単にご報告いたします。
 海の幸・山の幸に恵まれた南房総。親から子へと受け継がれてきたふるさとの味を伝えていく取組と、ご飯基本の「和食」中心で、地元食材を活用した南房総市の学校給食の取り組みも紹介しました。(参考「南房総市日本一おいしいご飯給食」)
 大山千枚田保存会の石田三示さんは、農民と消費者をつないで農業を理解してもらい、農産物価格を国が補償する仕組みを消費者が後押しすることが必要だ。現在は、棚田トラスト、酒づくりオーナー制度、綿藍トラスト制度、古民家改修など、衣食住に関わっている。新たに農家レストランをはじめた。昔は不便で、食材を確保できる距離は半日以内で行ける範囲であった。地元のものを調理して次世代に伝えていく義務がある。NPOがやるレストランは繁盛しても地元の八百屋が潰れては意味がない。農家レストランは地域の文化を伝える物語がないとだめ、とお話しされました。

   

 次に、農・漁業にかかわりながら、地域の女性たちと食農や海の体験を行っている押元真理子さん他2人の方にお話を伺いました。
 地元の食材を使って、都市の人々や子育て世代との交流を行っている「親子自然体験塾」(タケノコ堀、田植え、さつまいも植え、ビーチコーミング、おはぎ作り、もちつき、味噌作り体験など)。漁業体験は、ところてんや地元食材を使った昼食づくりなど。地元の人とのふれあいができる旅の観光メニューを増やしていきたいそうです。
 最後に、県の生活改良普及員として長年地元で仕事をされてきた古畑玲子さん。
 戦後は食糧増産と同時に労働再生産(衣食住の充実)に力が入れられた。昭和40年代で米が余り始め、専作経営(同じ作物を多く作る)がはじまり、構造改善事業も進められるようになった。
それまでは、「自分で食べるものは自分で作る」のが当たり前で、今の季節は何の種をまくとか、葬式はどんなものをどれだけ作るとか、親が子に、姑が嫁に伝えてきたが、50年代ごろから食の伝承ができなくなってきた。自分の家で作ったもの食べるのは「ただ」でつまらないもの、こんな食事をしているのは貧しいことなのだという認識があった。
 50年代後半から国は、「労働管理」「農家経営」「地域環境整備」「農産物利活用」の4本の柱を進めるようになった。自分は、農産物利活用(当時は地産地消や6次産業という言葉は使っていなかった)として、農村女性に「起業家促進」、「農業収入を得る女性を育てる」、「作ったものを加工して消費者に知らせる」よう働きかけてきた。
 「100円無人市」が出てきて「みっともない」といった意見もあったが、小遣い(現金収入)が得られ自分の銀行口座が持てるようになったことに喜びを感じた女性たちが、漬物などの加工品を直売に出そうと意欲を持ってきた。有人の直売所をやろうとする人も出て、営業許可の出し方なども指導してきた。
 地元の人にとっては「こんなつまらないものをどうして喜んでくれるのか」という驚きがあったが、自分の暮らしに自信をもつことが必要。これからは、地域の産業を考えると、1・2・3次産業がそれぞれ互いを考えて6次化をやることも大切である。

千葉県にすむ哺乳類17  ヒミズ

哺乳類研究者 香取市 濱中 修 

ヒミズは、どんな動物か

ヒミズは、モグラのなかまですが、モグラよりもずっと小型です。日本固有種で、本州、四国、九州の低地にある森林に棲んでいます。千葉県では、全域の森林に棲んでいると思われます。
生の落花生などを餌にして、ネズミを捕るトラップを、森林に設置すると、翌朝、トラップにヒミズがかかっていることがあります。モグラのなかまなのに、植物質のものも食物と認識することがわかります。
でも、私の調査では、捕らえたヒミズの胃の中から、植物質のものはでてきていません。ヒミズの主食は、「虫」です。
ヒミズの棲むところ
森林の林床には、落葉落枝が層をなして堆積しています。この層をO層(AO層)といいます。O層を取り除くと、黒っぽくて腐植質に富んだ、ふわふわの土の層が現れます。A層です。森林の土は、深くなるにしたがって、B層、C層に変わり、母岩に達します。
A層に、細いトンネルが、迷路のように走っていることがあります。ヒミズがつくったものです。ヒミズは、モグラよりもずっと浅いところにトンネルを掘って生活しています。

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ヒミズの体の特徴
ヒミズは、モグラと同じように、眼が退化しています。代わりに、アイマー器官があります。ヒミズは、アイマー器官を使って、落葉落枝の中や土の表層で生活する土壌動物を、それらが出す微弱な震動によって認知し、捕食しています。
ヒミズの前足は、モグラの前足のように、がんじょうなシャベルには、なっていません。軟らかい森林の土の表層に穴を掘るには、きゃしゃなつくりの前足でも間に合います。それに、ねずみ捕り器を地面の上に設置すると、それにかかるのですから、夜間、ヒミズは地上に出て、歩きまわる。だから、歩くのにも使える柔軟な足の方がよいのです。
モグラに比べて、ヒミズはしっぽが長い。これも何か意味があるのでしょう。

下大和田谷津田で稲の種まき体験

美浜区小学校2年 河野 真希 

 ぼくは、田んぼへいってなえどこ作りとたねまきをしました。

 

 おひるをたべた後田んぼのまわりをたんけんしに、あつまった人でいきました。はじめはみちがあったけどとちゅうからなくなってびっくりしました。
 あるいていたらバラのとげがあってささってしまいました。とっても小川がふかくてながぐつもほとんど水につかってしまいました。
 かえりはいきとちがうみちでいき、林があってとても体力がひつようなみちでしたが、ちゃんともとのみちにでられてよかったです。
 たんけんからもどると田んぼでたねまきをしました。足がはっまったりしましたが赤米をまいて手で上からおさえました。またいきたいです。


  

 貝のよもやま話 27 
  -千葉市推奨土産品「貝せんべい」-

  千葉港ポートパークかもめのクリーン隊 千葉市中央区 谷口 優子   

  千葉市のおみやげといえば明治40年創業、県庁にほど近い市場町にある老舗の豊月さんの「貝せんべい」が有名でした。先日、思い立ってこのお店を訪ねてみました。
 数年前に訪ねた時はかなりお年を召したおばあちゃんが出てきて「いまは暑いでしょ(夏だった)これを焼くのはあっついので夏はやらないの。それにこれ、おいしくないでしょ。でもね、千葉市の推奨品になっているから作らないわけにいかなくってねえ。」
       
作っている人がそういうのだから(笑)そうなんです。はっきり言って塩あさりを食べているようなかなり半端じゃないあさり感。これを貝の集まりで(房総貝類談話会)※披露しようと思ったのです。お店はやっていましたが、店主のおじさんが申し訳なさそうに「もう焼いていないんですよ。遠くから来たんでしょ。」とそこにあった文旦飴をくれました。
 食べたことのある方の評判はかんばしくありませんでしたが明治の味がまた一つ消えてしまいました。

総会のご案内 

 日 時:6月18日(土)10時~12時
 場 所:ちば環境情報センター事務所
 内 容:2015年度の活動実績報告・会計報告,2016年度の活動予定・予算などの審議
総会後、懇親会を予定しています。軽く飲食しながら、情報交換などいたしましょう。当日受付、参加費300円。

 

【発送お手伝いのお願い】

 ニュースレター2016年7月号(第228号)の発送を7月6日(水)10時から事務所にておこないます。
発送のお手伝いをしてくださる方を募集しています。よろしくお願い致します。


 編集後記:「ひとりひとりにかけがえのない、いのちとこころがある。あなたは世界にひとりだけ。あなたこそ、たからもの。」 今、子どもに手渡したいもの、伊藤真さんの憲法の絵本「あなたこそ たからもの」   mud-skipper♀