ちば環境情報センター ニュースレター 

ちば環境情報センター > ニュースレター目次>ニュースレター第240号 

2017.7.7 発行    代表:小西 由希子

目   次

  1. 大気の汚れについてのアンケート結果より
  2. 「パワーシフト!自然エネルギーを重視する電力会社を選ぼう」~吉田明子さんのお話を聞いて~
  3. アゲハチョウ、ナガサキアゲハの子育て記 
  4. 魚採りと自然の変化(最終編)
  5.  連載ありがとう! 環境漫画家 つやまあきひこさん

大気の汚れについてのアンケート結果より

蘇我石炭火力発電所計画を考える会 事務局 小西 由希子 

 蘇我石炭火力発電所計画に関して千葉市内を中心に大気の汚れに関するアンケート調査を行いました。
(配布枚数1万枚、期間:5/1~6/30、回答数334人)

回答者の内訳は、以下のとおりです。
  千葉市中央区 53%、若葉区23%、稲毛区7%、
  美浜区6%、花見川区5%、緑区1%、市外5%

設問1 普段 空気の汚れは気になりますか。

    

設問2 JFE(蘇我)に石炭火力発電所計画があるのを知っていますか。
知っている 47.5%  知らない 52.5%

設問3 千葉市で発電している電力の7割以上が市外で消費されている現状の中、市内にこれ以上火力発電所が必要と考えますか?
必要ない 96.2%  他県のために必要 3.8%

設問4 蘇我に石炭火力発電所ができることについて
反対 264人、賛成 2人、その他 1人

 ■アンケート結果からわかったこと■
 ・現在でも空気の汚れが気になる市民がたくさんいること
 ・これ以上の環境負荷は問題だと考えている市民が多いこと
 ・住宅密集地に石炭火力発電所ができるのは困ると考えていること
 ・(石炭火力発電所の計画があることをまだ多くの市民は知らないので)何よりきちんとした説明が必要であること

寄せられましたご意見の一部をご紹介します。
1.空気の汚れに関して気になることは?
 ・子どもの健康が気がかり
 ・風向きによりとにかく臭うので、洗濯物を干すのをためらう
 ・中央区問屋町で清掃の仕事をしている。雑巾がべたべたでバケツの水が黒く砂鉄の様な物が底に残る。
 ・ベランダが真っ黒、鉢物の葉に積もるほど。
 ・窓の隙間から黒い粉が入る。
 ・窓を開けるとすぐに家の中が黒くザラザラになる。
 ・掃除をしても1日でベランダや窓・網戸など黒い粒子が付着して真っ黒に汚れる。
 ・車庫に屋根があるのに白い車が真っ黒になる。
 ・車の上に鉄粉がつもり錆びる

2.市内にこれ以上火力発電所が必要と考えますか?
 ・そういう計画があるのなら、きちんとした説明が欲しい。
 ・千葉市の中心部、住宅の近くで火力発電所の新設は論外です。
 ・現状でも煙や汚れが気になるのにこれ以上無理。
 ・蘇我地域にこれ以上負担をかけるべきではない。川鉄公害の記憶は消してはならない。

3.蘇我に石炭火力発電所ができることについて
 ・計画そのものについて周知を徹底させること
 ・原発の廃棄物、火力発電所と環境に悪いものが次々と千葉に計画されることに疑問を感じる。
 ・今ですら黒い粒子が家の中まで付着しているのにこれ以上、住まいが汚染されるのは大反対。住宅地に近すぎる!!
 ・世界では地球温暖化により石炭火力が見直されている中で次代に逆行しているのではないか。到底賛成することはできない。
 ・発電コストばかり優先しないでほしい。CO2排出制限は世界の常識。
 ・スポーツ施設が隣接しているのに何故、蘇我なのか?

 回答くださった皆様に、紙面をかりて厚くお礼申し上げます。どうもありがとうございました。
 石炭火力発電所問題にはこれからも取り組んでいきますので、今後ともご協力をよろしくお願いいたします。

                                 連絡先〒260-0013 千葉市中央区中央3-13-17
                                     ℡:090-7941-7655

「パワーシフト!自然エネルギーを重視する
電力会社を選ぼう」~吉田明子さんのお話を聞いて~

市原市  南川 忠男 

 6月18日、ちば環境情報センター総会が実施されました。総会の後、事務所1階で吉田明子さん(国際環境NGO FoE Japan)の電気の話を聞いていて、18年前のCOP3のことを思い出しました。自転車で京都を目指してリレーするキャンペーンがあり、市原市内の15㎞くらいを仲間と走りました。あの頃は電源の40%は原子力発電であったが、変わりましたね。今動いているのは川内1,2と高浜だけです。そして昨年電力の小売り自由化となり、我々消費者が電力会社を選べるようになりました。パワーシフトというお題で消費者が再生エネルギーなどを売る会社にシフトできるようになりました。400近い会社が小売りをしていたり、準備をしており、その中には「じぶん電気」のように一軒家の方のみの契約で太陽光発電設備を20年契約で設置してもらい、契約後はその設備がもらえるそうです。

   

 27年前にこの会社があれば、私は新築の家に太陽光発電を付けられたと思います。長女が4年前に新築するときに太陽光までは資金が回らない同じ悩みを抱えていたが、
 返済不要の投資をしました。「じぶん電気」や「みんな電気」という会社を設立した方々は意気に燃えていると思います。残念ながら、大口契約者との取引が多く、BMWやIKEAも100%再生エネルギー会社にシフトしました。世界の流れになってきている。
 パワーシフトの手続きは簡単で、総会の翌日ある会社に契約を検討開始した方がいました。個人契約だと少し割高になるが、安さばかりを求めると既存の電力会社はコストの安い石炭火力に向かうことになる。
 電力消費が震災以降減り続けている実情から消費者側が少し電気が高くてもよいからという意識が広まったり、あるいは再生エネ会社に契約変更することで社会が変わると思います。
 私は会員である生協が設立したパルシステム電力にシフトしようと計画しています。もうあと3年で失われた30年と言われないように、吉田さんが講演で配布した再生可能エネルギー会社一覧表の会社(ロゴがかっこいい)のご発展をお祈りします。

アゲハチョウ、ナガサキアゲハの子育て記 

船橋市   長 正子 

 エリックカールが書いた「はらぺこ青虫」という絵本をご存知でしょうか?
私は、子供が小さい時に、何度も読み聞かせました。小さな黄色の卵からいくつもの変身を経て美しい蝶になるのは、とても感動的でした。絵もとてもユニークできれいでした。

 私の家の庭に柚子の木があり、春になると蝶が飛んできて卵を産みつけていきます。
 それは何度も見ていたのですが、そんなにたくさんの蝶は飛んでいません。たぶん近くに雀の巣があり、彼らに食べられているのではないかと思っていました。
 昨年の5月、植木屋さんに頼んで、木を剪定してもらうことになり、ふと柚子の木をながめたら、たくさんの黒い幼虫と青虫が見つかりました。このままでは切られた枝とともに捨てられてしまうと思い、捕獲し、飼育ケースに入れて観察することにしました。

   

 昆虫を入れるケースに少し土を入れ、水を入れた瓶に柚子の木の葉を沢山いれました。
 4~5日後に黒い幼虫は葉っぱを食べて青虫になりました。7~10日後さらに沢山の葉っぱを食べて蛹(さなぎ)になりました。姿が見えないので、逃げたのかな?と思ったら、
 蓋の裏に蛹がくっ付いていました。一本のクモの糸のような糸で身体を支えていました。その蛹の色も次第に変色していき、もうダメだったのかな?と思いました。
 しかし、あきらめかけた、5日~1週間後、外出して帰宅したら、飼育ケースの中で出してくれ~!と言わんばかりにアゲハが一頭、騒いでいるではありませんか!あわてて蜜のある花がないかと探して近くにあったアジサイの花を入れました。そして写真を撮りました。
 そして、数分後、逃がしました。
 その後、近所の人の家にも青虫が見つかり、もらって育てたりして、真っ黒なナガサキアゲハも育てました。全部で5~7頭位育っていきました。

 その後、不思議な体験をしました。玄関で友達と話していたら、アゲハが私の頭近くを旋回し、そして、あっという間に私の腕に近寄って止まるかのようにして、そして、パッと去っていったのです。まるで、「お母さん、ありがとう」と言っているようでした。
 友達もびっくりしていました。

 今年も青虫を見つけ、育てています。でも気候条件が昨年と違うのか、数が少なく、また成育が遅いように感じます。

 みなさんも、柑橘系の木や山椒の木を注意してみたら、アゲハの赤ちゃんがいるかもしれません。育ててみると、かわいいですよ。

魚採りと自然の変化(最終編)

千葉市稲毛区 石橋 紘吉 

 稲作も牛馬の力から耕運機・田植機・稲刈機・脱穀機・・・、小型から大型へ、堆肥から化学肥料へ、害虫駆除に農薬が・・・DDTに始まり強力なパラチオン・・・農薬が撒かれると赤い布の目印が立てられ、田んぼの側を通ることも躊躇された。
 衛生面や労力面では大幅に改善されたが、同時に自然は失われていった。各学校にはプールが造られ、また、流通も盛んになり、川魚に頼っていた食生活も変わっていったというより、変わらざるを得なかった。
祖父の時代は、家に川舟を持ち、投網もあり、川魚を調理する道具も揃っていた。ウナギをさばく道具・川魚を焼くコンロ・干す道具など・・・
 自分は小さい時、祖母に連れられ川魚を商いとしている家へウナギや鯉を飼いに行ったことを覚えている。ウナギの捌きも鯉の捌きも見様見真似で憶えたもので今に役に立っている。
 このような思いでも自分の世代で終わりで、一回りはなれた弟の時代はプールの時代である。
 故郷に帰る度に田舎も年々様変わりしており、洪水の常習地帯は埋め立てられ宅地化・工業団地化されている。治水事業が発達した今でも、あの昭和28年のような大雨になればあの惨事は再び起こるような気がする。
 農家は高齢化が進み、子供の姿はほとんど見られなくなり、稲作も管理会社化が進んで委託栽培化していると聞いている。あの穀倉地帯が無くならない事をせつに願っている。

 

 連載ありがとう! 環境漫画家 つやまあきひこさん

     埼玉県草加市   伊原 香奈子
 2007年の夏から、このニュースレターに「がんばれ!地球マン」を連載してくれるようになってから、ちょうど10年になります。
 とても愛らしいキャラクターで、毎回楽しませてくれて、ありがとうございます。今では、小学5年生になった息子にも見せていますが、いつも興味津々です。わからないことを聞いてきたりして、漫画から話題が広がることもしばしば。学校では詳しく教わる機会もないので、とても素敵な学習教材になっています。
 幅広い環境情報を取り込んで、それをアレンジして漫画に起こす作業は、とてつもないご苦労があることでしょう。でも、その大変さと向き合いながら「環境漫画家」として生計を立てられている津山さんの作品からは、いつも熱いメッセージが伝わってきます。漫画の下に書かれる「作者談」に共感したり、へぇ~って感心したり、軽いノリのものからも、津山さんの思いを感じることができます。
 今回、またしばらく連載を休止するとお聞きし、とってもとっても残念ですが、またいつか、再開していただける日を心待ちにしていますね☆
 今までに100を超えるほどの4コマ漫画を描き続けてくださって、どうもありがとうございました♪
 
  

  <地球マン第1話(右)と添えられた文章(下)

4コマ漫画連載開始します
習志野市 環境漫画家 つやまあきひこ
みなさん、こんにちは。なぜか日本でただ一人、プロとして活動している変わり者の「環境漫画家」つやまあきひこです。
環境問題の解決の根本は「環境教育」だと思い立ち、会社員を7年前に辞め、漫画家になりました。
朝日小学生新聞・学研・小学館等で児童向けの環境漫画を描いています。
この度、このニュースレターに4コマ漫画「がんばれ!地球マン」を連載する事になりました。この漫画は過去、NTTが運営する「環境goo」という環境情報サイトで連載したものです。
環境漫画家になった頃のボクの環境問題に対する思いをブラックユーモアたっぷりに連載していきますので楽しみにしておいてくださいね。よろしくお願い致します。
    ※地球マンはしばらく連載をお休みします。
                 

【発送お手伝いのお願い】

 ニュースレター2017年8月号(第241号)の発送を8月7日(月)10時から事務所にておこないます。 発送のお手伝いをしてくださる方を募集しています。よろしくお願い致します。


 編集後記 :編集後記: 6月24日、下大和田ヘイケボタル観察会を実施しました。新月・無風という好条件の中、20時頃にはかつて無いほどたくさんのホタルが舞いました。これもひとえに、日頃から生きもののための米づくりに取り組んでくださっている皆様のおかげです。これからも、ホタルをはじめたくさんのいのちを育む活動を続けていきましょう。  mud-skipper