ちば環境情報センター > ニュースレター目次>ニュースレター第278号
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福島市 阿部 一子
2020年7月3日、梨畑に埋めてあった汚染土の運び出しが終わって,山砂で埋め戻された畑にシロツメ草の種を蒔きました。それが芽を出し、葉を広げて青々としてきました。
2011年3月、原発事故の後に放射性物質が拡散され、原発から約66キロ離れた梨畑の表土にも沈着しました。
教育・公共施設から除染が始まり、住宅除染と続いていく中で、福島市農業振興課が果樹園の表土除染モデル事業(環境省→県→市が計画・実施主体)をすると発表しました。
さくらんぼ・桃・梨・りんごの4園で実施。うまくいけば、次年度は9園に増やすということでした。それに手を上げて,運良く(?)モデル事業梨園第1号となりました。
たわわに実る梨(阿部農園 2012年8月18日 撮影:田中正彦 |
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除染は畑の表土を5cm削り取ります。それは、土壌の1番肥えたところを取ってしまうということです。何世代にも渡って受け継がれてきた梨畑です。放射能が降り注いだからといって簡単に諦めることはできません。やれることは何でもやって少しでもいい状態にしたいと思って手を上げました。
が しかし です。この除染事業によって梨の実にどんな影響が出るのか誰も予測ができないのです。梨の木や、梨の実に影響が出た場合は、なんとモデル事業を引き受けた私達が東電に損害賠償請求することになっていました。
2013年3月~6月初めまでかかって1.2ha(3600坪くらい)の梨畑の表土を5cm削り、土のう袋(1tの土が入るので別名トン袋・または触れコンバックとも言われています。)に入れて、1.5mの穴を掘り、そこに並べて上50cmを山砂で覆って、畑の中で保管。表土除染は終了となりました。
除染前は1時間当たり0.7~0.8だったのですが、除染後は0.1~0.2マイクロシーベルトに低下しました。
梨の実は、2012年1kg中3.51ベクレルの放射性物質が検出されたのですが、除染後は、0.8ベクレルになりました。やって良かった!!と心から思えました。
当時(2013年)福島市内には、仮置場が1ヶ所しかなく、汚染の入った土のう袋は、現場保管となっていました。3年以内に各地区に仮置場を作り、汚染土を運び出す予定です、と、表土除染の担当者から説明を受けていたのですが・・・。この地区に仮置場ができたのは、2019年でした。
それで、ようやく幼稚園・保育園、小・中学校の校庭から汚染土の運び出しが始まりました。「え~っ、まだそんな状態なの」と、びっくりされると思いますが、近所の中学校は今年3月に終わったところです。
さて、さて、さて、ここからが本文なのでした。
我が家の梨畑の汚染土の運び出しは、今年1月22日に始まり、2月末に終わりました。(運び出された汚染土は、仮置場へ集められ、そこから中間貯蔵施設へ移動。)
土のう袋が入っていた深さが1.5mの穴は、山砂で戻されることになりました。雑菌の少ない山砂で戻すということを環境省が決めているそうです。埋めてある土のう袋が10袋か20袋なら、山砂でもいいのですが、土のう袋は1辺が1mの立方体では竹に埋まっているのは630袋です。深さが1.5mで1m幅の6レーンで長さが100mのプールを想像してみて下さい。
これが汚染土を入れていた穴の広さです。他に穴を掘る重機や、土のう袋をつり上げるクレーン、それを運ぶ大型トラックなどが動ける広さも加わり、運び出しが終わるまで、何も作ることができず、7年間続けて来ました。作物の作れない7年間の保障は何もありません。
無駄な抵抗と知りつつ、7年分の草刈り労賃として、1mは、山砂でも、その上の50cmは畑の土で・・・、50cmがダメなら、その半分でも・・・、そのまた半分でもいいので、畑の土を戻して欲しいと納豆さながら粘っていたら(山砂は雑菌も少ないのですが、栄養分も無いのです。)
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な・なんと、2月末業者が撤退し始めたのです。「上からの指示がないので動けません」と他の現場へ行ってしまいました。
運び出しの終わった友人に尋ねると、皆、埋戻しは山砂でした。私は、畑の土を入れてもらうのは、無理なことのように思えて、半ば諦めかけていましたが、「オレは物分かりいい農民にはなりたくない!」と園主良造が市の農政課と納豆以上の粘り強さで2ヶ月近く交渉を続けました。
結果→プールのような穴は全て山砂を入れて埋め戻す。園主ががんばったおかげで、梨畑の土を県の農業試験場で分析してもらい、それに見合うだけの肥料を投入してもらえることになりました。(上の50cm部分に)
これで、やっと穴が塞がって、終わると思いきや、運び込まれた山砂の劣悪さに唖然としました。大・小様々な石が混ざっていて、畑として使えるようにして返すという意図が全く感じられませんでした。市の農政課に連絡して状況を見てもらい、石を取り除く作業(運び込みの業者)が始まりました。大きな石は無くなりましたが、熊手で集められる位の大きさの石は畑に残されました。良造・一子でその石拾いをしてシロツメ草の種を蒔きました。
これで終わりではなく、砂畑をどうするかの始まりになりました。原発の爆発事故は、初めてのことで、放射性物質の沈着した土を削り取るということも初めてのことで1つ1つを手探りでやっているということも、よく分かりますが、国策としての原発、その原発の事故で、国策としての除染ならば、仮置場が無く、汚染土を保管していた畑は、国が責任を持って元に戻すということにはならないのでしょうか。
千葉県立若松高等学校 四街道市 入村 信博
① カタツムリには性別がありません
一つの体に雄の生殖器官と雌の生殖器官を持っているという雄雌同体です。カタツムリは移動範囲が狭いので、性別が分かれていたらお互いが出会うことが難しく絶滅してしまう恐れがあるので雄雌同体になったという説が有力です。よって、カタツムリの産卵を希望するのであれば、2匹以上を一緒に飼育するようにしましょう。ただまれに1匹しか飼っていないのに産卵するケースがあります。これは体内に雄と雌の生殖器官を持っているからこその現象なのです。
カタツムリの産卵は5~8月が多く、土の中に卵を産みます。
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② 頭からフェロモン分泌
生殖期に性ホルモンを分泌する大触角の間にできるコブ状の突起物を頭瘤(とうりゅう)と言います。種類によっては出ないカタツムリもいるそうです。飼育上では、四か月の冬眠から覚めたばかりのミスジマイマイが食べることより先に頭瘤を出し、発情していることも有ります。
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③ 「角出せ、槍出せ、頭出せ」の槍って何?
カタツムリが交尾で突き刺す槍は相手の寿命を縮める 子孫を確実に残す戦略?
交尾相手に受精を促す分泌液を注入する為に「ラブダート (love dart)」と呼ばれる針を刺すカタツムリについて、東北大学の研究チーム(2015
, Kimura 他)が「コハクオナジマイマイ (Bradybaena pellucida)」を例に調べた所、刺した相手の寿命を縮める事が明らかとなりました。
カタツムリには雌雄同体と雌雄異体が存在するが、今回研究されたコハクオナジマイマイは雌雄同体であります。ラブダートを発射するカタツムリは、この霰石構造の炭酸カルシウムで出来た槍を交尾相手に突き刺し、槍表面にある分泌液が精子と卵子の受精を助ける働きをします。
しかし、ラブダートは種によっては相手の身体を貫通する程の威力を持ちます。これを食らった相手は大丈夫なのでしょうか?木村らの研究チームは、コハクオナジマイマイが産む卵の数と寿命を調査しました。その結果、交尾の際にラブダートが刺された相手は卵の数が減少し、刺されなかった個体と比べ75%の寿命しか無かった事が分かりました。
なぜ子孫を残す相手の寿命を縮めるのか。これは、寿命を縮める事で他の個体と交尾する機会を減らし、より確実に自らの遺伝子を確実に残すための戦略であると木村らは見ています。受精を助ける分泌液を注入する事で自らの精子が卵子に受精する確率は高まるのだから、その後早死にしても自分には関係ないのです。
寿命を縮める原因は、ラブダートが刺さった事によるものかそれとも分泌液に毒性があるのかは今の所不明です。しかし、ラブダートの威力は先述したとおり極めて威力の高い物もある事から、カタツムリはラブダートの威力を高める方向に戦略的な進化をしている可能性があると報告しています。カタツムリの交尾に関する最新情報でした。
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新浜の話32 ~開館の日~千葉県野鳥の会 市川市 蓮尾 純子 2020年9月24日。この日、市川市行徳野鳥観察舎;あいねすとがオープンしました。遠い海上にあった台風12号の影響で、静かな小雨が続くあいにくのお天気でしたが、106名の方々が入館されたとのこと。2015年12月28日からの無期限休館以来、実に4年と9カ月ぶりの再開でした。粘り強く歩みを続けられた関係各位のみなさまに深く感謝いたします。
さて、今を去ること41年昔。鉄骨コンクリート3階建ての行徳野鳥観察舎(2018年廃館・とりこわし)が開館したのは、暮れもおしつまった1979年12月26日のことでした。軟弱な地盤のため、まさつ杭と呼ばれる長さ18メートルのコンクリートパイルを多数(106本だったか)打ち込んで、その上にコンクリートを敷いた、言うなれば剣山をを逆さにしたような基礎構造。1階から3階まで通した十字型の鉄骨と、それをコンクリートでカバーした直径50㎝ほどの円柱。基礎から間近で見てきた建設工事は面白いものでした。 開館日が決まったのは、12月に入ってからのこと。何故年内にこだわったのかはよくわかりませんが、さいごの1週間ほどの突貫工事は、はたで見ていてもはらはらするほど。内装や塗装の仕上げなどですが、早朝から夜中まで。前の現場で足指を骨折してしまわれたというペンキ屋のご主人はわらじ履きであたふたと作業をされていました。 開館直後、観察舎の二階から三階に向かう階段のすぐ下の床に、私たちが「わらじ虫」と呼んでいた大きなわらじ痕が出るようになりました。拭きそうじで消しても、すぐにまた現れるのです。たぶん溶剤か何かで床面のプラタイルに薄い傷痕がついてしまったのでしょう。ほとんど徹夜で作業をされていたペンキ屋さんは、開館日の式典の間もおひとりでらせん階段の裏を塗っておられました。何度消しても浮かぶ「わらじ虫」は、あわただしい開館の象徴のように見えました。 おまけに、開館後の体制。面積だけでも数倍に拡大された新観察舎ですが、スタッフは私と亡夫嘉彪の二人だけ。観察舎、野鳥病院、保護区をどう維持してゆけばよいのか。 新スタッフの紹介④新監査 中島 ふみこ
ちば環境情報センターには「割りばしプロジェクト」に参加するようになったのがきっかけで会員になりました。 あの時伊原さんのおなかにいた息子さんも中学2年生になりました。 人魚姫はプラスチックごみがあまりに多くて王子様がいる岸にたどり着くことができませんでした(新しい童話だそうです)。世界中の海がプラスチックのごみでいっぱいになっていることに心を痛めています。今年度より監事になりました。よろしくお願いします。 |
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ニュースレター2020年11月号(第279号)の発送を11月6日(金)10時から千葉市民活動支援センター会議室 (千葉市中央区中央2-5-1 千葉中央ツインビル2号館9階)にておこないます。新型コロナ感染に十分注意して実施しますので、ご協力お願いいたします。
第248回 下大和田谷津田観察会とゴミ拾い 2020年9月6日(日)
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<小山町での活動>
☆千葉大学大学院の学生さん、土気NGO、YPP小山町による3者会談(9月2日)
千葉大学デザイン文化研究室の高橋真央さんからの依頼。千葉市観光プロモーション課と共同で実施している「緑区の魅力についての調査」の一環との事。土気NGOさんの古民家にて、千葉大学の学生さん、土気NGO、YPP小山町、三者集い、小山町の爽やかな風を浴びながら、活動、歴史、ビジョン等について情報交換を行った。
参加9名(大学生4名) 報告:赤シャツ親父
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☆9月7日より稲刈り開始、大椎小学校の稲刈りは9月29日に実施
9月7日、実りの進んだコシヒカリから稲刈りを開始しました。8月に入ると連日最高気温30℃越えの好天気に恵まれました。草刈りは追いつかない勢い、気温が上がる時間帯を避け早朝作業をこまめに行いました。9月18日、おだの一つが丸ごと飛ばされる強風が来襲しました。気温は急速に下がり秋雨も続き稲穂の転倒対策が忙しくなりました。大椎小田んぼの稲刈りは2度の延期後、28日に無事終わりました。子どもたちも、大人たちも、たっぷり実った稲穂を前に、嬉しそうでした。 報告:たんぽぽ
☆令和2年度 第1回ふれあい自然観察会への協力(9月26日)
千葉市より協力依頼があり案内役として、赤シャツ親父とたんぽぽが帯同した。水辺の里公園内からYPP小山町の管理する田んぼ周囲へと回った。子どもたちが参加していたこともあり、田んぼ内の水生生物採集を体験してもらった。気温が低めであったこともあり、トンボや、カエルはあまりみられなかったものの、水生カメムシ3種、トンボのヤゴ5種、甲殻類3種、など、次々と日常見慣れない生物が出現し、子どもたちのみならず、親たちからも歓声が上がった。
参加14人(大人11人、小学生3人) 報告:赤シャツ親父
【谷津田・季節のたより】
下大和田町
9月 4日 モズの高鳴き始まる。イノシシにマイ田んぼの畦を荒らされる。
9月 6日 飴色の秋型ヤマトシリアゲ発生。
9月13日 彼岸花開花 報告:網代春男
小山町
9月期初旬、最高気温30℃超えの残暑続き、山からはツクツクボウシ、アブラゼミの声健在。
9月11日、秋雨前線停滞による強雨、18日、強風来襲、以降、日に日に気温降下。
9月22日以降、最低気温20℃以下、セミたちの声は一切消え、山からは一斉にクサヒバリの声響く。モズの高鳴きも目立つ。
※ 彼岸花開花は9月19日、9月26日時点では、赤米、緑米の実り具合は途上。 報告:赤シャツ親父
<下大和田谷津田>
場 所:千葉市緑区下大和田谷津
集 合:現地。初めて参加する方は駐車場や会場をご案内しますので事前に網代(あじろ)090-2301-0413までご連絡ください。
交 通:JR千葉駅 10番 成東あるいは中野操車場行きのちばフラワーバスで中野操車場バス停下車。
徒歩5分で現地。<千葉駅発8:25,8:40など、所要時間45分>料金は550円。
・第255回 下大和田YPP「古代米の稲刈り」
緑米、赤米、黒米を収穫します。
日 時:2020年10月24日(土)9時45分~15時 雨天順延
持ち物:弁当、飲み物、長袖長ズボンの服装、長靴(できれば田んぼ用長靴)、軍手、帽子、敷物など
参加費:小学生以上100円
・第256回 下大和田YPP「古代米の脱穀」
日 時:2020年11月7日(土)9時45分~14時 雨天、乾燥具合によって延期
持ち物:弁当、飲み物、長袖長ズボンの服装、長靴、軍手、帽子、敷物など
参加費:小学生以上100円
・下大和田 森と水辺の手入れ
日 時:2020年10月18日(日)9時45分~12時 雨天中止
持ち物:弁当、飲み物、長袖長ズボンの服装、長靴、軍手、帽子、敷物など
参加費:無料
・第250回 下大和田谷津田観察会とゴミ拾い
日 時:2020年11月1日(日)9時45分~12時 雨天決行
千葉市との共催の観察会です。トンボの調査も兼ねて秋の谷津田を巡ります
持ち物:筆記用具、飲み物、長袖長ズボンの服装、長靴、帽子、あれば双眼鏡、ゴミ袋、午後まで活動する方は弁当、敷物。
参加費:小学生以上100円 共催:ちば・谷津田フォーラム
<小山町谷津田>
2020年10月期 小山町 YPP
10月5日をもって、今年度の小山谷津での小学校田んぼの活動は終わる見込みです。以降、メンバーによる稲刈り及び保全活動を小規模に継続致します。ご興味がある、または活動体験をご希望の方は、当方のe-mail までご連絡下さい。 赤シャツ親父 e-mail; tomizo_i@nifty.com