代表:小西由希子
目次
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八千代市 松尾 昌泰
11月末のギリシア観光の際に、アテネとアムステルダムの環境について、自分の目で直接、見たり聞いたりしてきたことを報告します。(1)ギリシアのアテネ
(1-1)雨水の利用―――見学した古代遺跡の中で、雨水を屋根から集める受け具(ライオンの口から雨水が出るように彫刻した大理石)を2箇所で見た。太古の人の知恵に驚いた。
(1-2)市内の自動車の規制―――アテネ市内の道路は自動車が多く渋滞気味。その車にも乗車規制がある。登録番号で奇数と偶数に分け、今日は奇数車だけ、明日は偶数車だけと云う規制である。多くの人は奇数と偶数の2台の車を持ち、交代で乗っているという。それが本当なら、1台は全く遊んでおり無駄になっていることになる。
(1-3)路面電車は健在―――路面電車は健在。しかし電車網と運行頻度の充実は必要。
(1-4)ポイ捨てのゴミ―――アテネ郊外の山道では、車からのポイ捨てのゴミやトラックで運搬したと思われる大型ゴミが見受けられ、(日本より悪くないが)残念だった。
(1-5)遺跡の酸性雨対策―――ギリシアでは遺跡の酸性雨対策が必要になってくると、ツアーの現地ガイドに聞いたが、今でも遺跡の保存には膨大な予算が必要であり、今後一層問題になりそうである。
(1-6)ホテルでは―――限られたホテルではあったが、さして環境に優しい対策は見当たらなかった。日本でも、ホテルは「客商売」であるのでまだまだであるが、それでも「エコテル認定」のホテルなどでは、節水、節電、ゴミ分別用ゴミ箱の客室への設置、トイレットペーパーの再生紙使用、生ゴミの肥料化などが始まっている。ホテル・旅館業界が一斉に環境に優しい対策を導入すれば、ホテル利用者への一層の啓蒙になるのと思う。
(2)次に、オランダのアムステルダム―――ギリシアからの帰途、乗換待ち時間の6時間を使ってアムステルダム市内を見学した。
(2-1)有効な自転車―――まず気が付くことは自転車が多いこと。自転車専用路や駐輪場所が整備され、日本のように歩行者や車の障害になることはなく、クリーンですばらしい。オランダに自転車のブレーキ構造は少し変わっている。ペタルを逆に回転させるとブレーキが利く。最近では日本と同じように、ハンドルでブレーキ操作する自転車が出回ってきたようである。
(2-2)しかも便利な路面電車(トラム)―――路面電車網は整備され、電車はひっきりなしに走っている。この市内のインフラと自転車専用道路、そして環境税により、車の利用が抑制されている様子。
(2-3)自動車は小型―――オイルショック以降は、小型車にほとんどが切り替えている。「喉元すぎれば」の日本人には、見習う必要がある。
(2-4) 導入済みの環境税―――このオランダに次いで、1999年はドイツとイタリアが環境税を導入し、数年後にはフランスやイギリスも導入すると聞く。ガソリンや天然ガスなどのエネルギーはCO2の排出量が多く、日本でも環境税(エネルギー税)の導入もよいかもしれないが、制度と税使用の透過性・公開性は前提だと思う。
(2-5)人にも優しいオランダ―――アムステルダム都心に老人ホームがある。買い物にも、美術館にも、文化的行事に参加するにも、便利がよく、「老人にやさしい」。言い換えると「人にやさしいオランダ」だと思った。酸性雨にさらされている エレクティオン神殿 |
千葉市緑区の土気周辺は、房総半島を三分する太平洋−東京湾分水界と土気−銚子分水界が接し、印旛沼に注ぐ鹿島川、太平洋に注ぐ小中川、東京湾に注ぐ村田川の源流地帯です。湧水が多く、土水路、斜面林と1セットそろった谷津田が残っています。今回、ご紹介する大藪池谷津は、越智はなみずき台団地(旧千葉東角栄団地)の調整池兼農業用水である大藪池の北東にあります。大藪池は周囲が2500m、面積28000u(上流18600uはヤナギ科の樹木とアシのはえる湿地)です。ウグイスなどのさえずりが聞こえ、時にはカワセミの美しい姿を見ることができ、団地住民の格好の散歩コースとなっています。もともと、大藪池自体が大藪池北谷地、大藪池谷地という2つの谷津だったそうです。宅地造成で大藪池北谷地は消滅し、大藪池谷地の上流部分がL字を逆さまにしたような形でひっそりと残っています。杉と落葉広葉樹の斜面林に囲まれた谷津は上流の幅が25m、下流100m、奥行き200m、面積約10200uで、水田が4分の1、他は減反に伴う休耕田と放棄田でアシが生い茂っています。谷津に立つと、静寂さの中に凛とした気配が感じられ心が落着きます。
谷津の奥には「大釜・小釜」と呼ぶ豊富な水量の地下水が砂を噴き上げる湧泉があります。周辺にはクレソンが密生し、リスやイタチなど小動物、サワガニ、ドジョウ、ナマズ、カワニナ、タニシ、アマガエルといった水生生物がいます。また、地主さんに聞いたところ、ホタルやマムシも多いとのこと。(草刈り中に手を噛まれることもあるそうです。)
現在、耕作している農家は1軒だけです。お話を聞くと、谷津全体が砂地で、「田が深く機械による耕作ができない」そうです。別に乾田化された田んぼがあり、「ここを耕すのは自分の代で終わり。体がきつくなってきたので放棄してもいいが、先祖から受継いだので途中で止めたくない」と話してくれました。実際、放棄された田んぼに入ると膝下までもぐってしまい足が抜けなくなります。谷津田の多くは、耕地が狭く条件も厳しいため、農家の高齢化と減反政策による休耕、その結果として放棄されるのもやむを得ないことかもしれません。以前、産廃処分場建設の計画があり、地主さんたちの頑とした反対により、すんでのところで現在の良好な環境が残りました。
昨年11月より、2名の地主さんの協力を得て、放棄田の一部約1600uを谷津の保全と環境学習に使わせていただくことになりました。千葉まちづくりサポートセンター、ちばMDエコネット、私の所属するProjectTOKEの有志で「谷津田創り隊」を結成し、第1回のワークショップ「こんな谷津田にしたいな」を12月23日に行いました。県内各地、東京、埼玉から30名が参加し、午前中は放棄田のアシ刈り、午後は布絵作りと、年末のあわただしさを忘れて過ごしました。アシ刈りは“無理をせずやれるところまで”といいながら、始めると湿地に足をとられ泥だらけになりながらも、けっこうハマッテしまいました。“初めて”という人が大半の布絵作りも、千葉大学環境システム学科の延藤安弘教授の指導で、ぼろ布と落葉や木の実を工夫し、グループでテーマを相談しながら各自の想いを表現できました。
今後、子供たちを対象にアシ小屋作り、日干しレンガ作りのWSを織り交ぜ、谷津の環境維持の利用方法、また地域の自治会、教育機関や市民グループと協力し、どのように活動を広げて行くのかを考えたいと思っています。
アクセス:外房線誉田駅から 千葉中央交通バス千葉東角栄団地行で終点下車 徒歩20分
船橋市 長 正子
「グリーンコンシューマーになるための買い物ガイド」が発刊されてから初めてのスーパー、コンビニエンスストア等の流通業界とグリーンコンシューマーとの交流会がひらかれました。スーパー側からはイトーヨーカ堂,ダイエー,ジャスコ,西友,オリンピック,生協など15社が参加し、議論がかわされました。
流通業界の言い分としては、@環境に優しい商品とはなにか、その定義をはっきりさせてほしい、A流通業はお客様へのサービスを第一と考えており、環境に良いからといって、いつまでも売れない商品をおいておくわけにはいかない、Bしかし事業活動による環境負荷はなるべく減らそうと努力しており、流通システムの合理化によりCO2の削減をめざしたり、事業ゴミを減らすべく努力している、そういう見えない部分を評価して欲しい、というものでした。
一方、消費者としては、商品の安さや便利差だけでなく、その商品の環境に与える影響や成分に関する情報をほしいと思っている,商品の寿命の長いものを買いたい,商品を廃棄したとき環境に与える影響を知って商品を選択したいと思う消費者が増えている,商品の情報を提供してほしい,環境に配慮した商品(古紙100%のトイレットペーパー、石鹸洗剤など)は消費者の選択の余地を残すためにも置いて欲しい、という意見が出されました。また、環境問題に説教区的に取り組む企業を応援するためにもグリーンコンシューマーをふやしたい、という思いを伝えました。
大量生産、大量消費がこれまでの経済の成長を支えてきました。しかし、これからは自然環境を大切にした消費者になってほしいと思います。そして、それには一人一人、の消費者の自覚にもかかっているといえます。21世紀にふさわしい消費者になりたいですね。
大網白里町 伊神 朋子
当日は青い空が広がり、とても暖かく、外へ出るには最高の日となりました。佐倉市印旛沼中央排水路沿いに茂るヨシは、長いもので435cm、太いものは1.75cmもあり、自宅の周りにあるヨシよりも、ずっと大きくて驚きました。自分よりも大きなヨシを見上げながら、長いものを選んで刈っているうちに、夢中になっていました。ヨシは、乾燥させてヨシ笛づくりに使われます。自分が刈り取ったヨシで作った笛は、どんな音色を奏でるのかと、今から楽しみです。刈り取ったヨシで作った笛は、どんな音色を奏でるのかと、今から楽しみです。ヨシ刈りの後には、どんぐりなどを使ったネイチャーゲームも楽しみ、普段の生活ではなかなか感じることのできない自然を感じ、気持ちのいい一日を過ごしました。
東京ビックサイトで12月10・11・12日、エコプロダクツ1999が、開催されました。これは環境に配慮された製品を紹介した大きな展示会です。
初めは、各分野での製品の豊富さに目を奪われ、たくさんの企業がそれぞれで開発したものをアピールしている姿に、ここまで環境問題というものが、企業を動かしはじめているんだなと感動しました。――しかし中には、環境規定ギリギリの商品をエコ商品と胸を張って出してるところや、すでに存在してた省エネ製品を新たにエコ商品と名称変えしたようなものも少なくないようです。もちろんそれらを否定はしませんが、私には「エコ」という文字の下で複雑に絡み合う企業の裏事情が感じられてなりませんでした。
今後も「エコ商品」という名の付くものはどんどん増えてきます。その中から私達は、何が『より良い「エコ商品」』なのかを見極めることが必要となってきます。名称や偏った情報に惑わされることない“見抜ける確かな目”を日頃から養っていく為にも、新しい情報や多角面からの情報に、常に敏感であることが大切だと思いました。
1996年12月に産声を上げた「ちば環境情報センター」が4年目を迎えました。
200名を超える会員の皆さんの環境問題への熱い思いと会の活動への力強いご協力、そして運営委員のチームワークによって活動を続けることができました。これまでの環境保全団体とは多少目的を異にした私たちの活動は手探りの3年間でしたが、仲間の広がりと活動の充実によって、いかに社会がそれを必要としているかを再認識するものとなりました。
当初は、環境事業団からの助成金が決定したものの会計処理の仕方も分からず、講座の参加者も集まらなくて苦労しました。次々に出てくる問題を運営委員で頭を寄せ合って一つひとつ解決してきました。途中から始めたニュースレターの発行も、人手不足で、気がついたら帰る電車がなくなっていたことも今となっては楽しい思い出です。こうしたい,ああしたいという私たちの思いは、多くの話し合いや失敗を経て少しずつ少しずつ形になってきました。多くの方々のおかげでここまでやってこられたことへの感謝の気持ちは、とても言葉では言い尽くせません。本当にありがとうございます。「やりたい」という思いが「信頼」という絆で結ばれることで、すばらしいエネルギーになることを知りました。
夢中で走ってきて、気がついたら3年経っていたというのがスタッフみんなの本音です。人間の成長でいえば幼稚園入学といったところでしょうか。そろそろ一人で歩き出す練習をしなければなりません。これからの課題として、会の運営については、経済的基盤の安定による事務局体制の強化・充実が必要と考えます。また、活動の展開においては、環境に関心のある人だけでなく、分野を異にする人々への働きかけがあげられます。
たくさんのご意見、活動への積極的なご参加をお願いいたします。また、運営を手伝って下さる方も常時募集中です。会員の皆さん、これからもどうぞよろしくお願いいたします。(ちば環境情報センター代表 小西由希子)
イベントのご案内
大藪池見学会 湧き水の豊かな大藪池を歩き、谷津田調査シートを使って調査したり、大きなホトケドジョウなど観察します。 日時:1/16(10時〜12時) 集合:JR土気駅10時 持ち物:長靴、弁当(ゆっくりできる方) 参加費:300円(資料代) 申込み:前日までに 電話&FAX:043-223-7807 主催:ちば環境情報センター |
白鳥に会いに行こう |
ヨシ笛づくり 日時:1/30(10時〜12時) 場所:ちば環境情報センター事務所 持ち物:なし 参加費:500円(材料費) 申込み:前日までに電話またはfaxで 電話&FAX:043−223−7807 主催:ちば環境情報センター |
環境教育学習会 (財)日本生態系協会の赤井裕氏を講師に、 地域における環境学習のあり方についてお話しいただきます。 学校や地域で環境学習に取り組んでいらっしゃる方、 これから取り組みたいと考えておられる方、ぜひご参加下さい。 日時:2/11(10時〜12時) 参加費:500円(資料代) 申込み:前日までに電話またはfaxで 電話&FAX:043−223−7807 主催:市民ネットワーク・ちば 環境部会 共催:ちば環境情報センター |
編集後記
暖かい正月で幕を開けた新しい千年。人間以外にはどうでもいいことです。今年もいろいろな環境問題に関わることになりそうです。
(mud-skipper)