ちば環境情報センター
2000.4.5 発行    ニュースレター第33号

代表:小西由希子


目次
  1. 第8回環境自治体会議「水俣会議」へのお誘い
  2. おこじょの森  in いちはら   
  3. すばらしい子供達
  4. 行徳可動堰架け替え工事とヒヌマイトトンボ専門委員会

第8回環境自治体会議「水俣会議」へのお誘い

環境自治体会議事務局 増原 直樹

来月5月24日(水)から26日(金)まで、熊本県水俣市で環境自治体会議の全国大会が開催されます。千葉からではちょっと遠いかもしれませんが、がんばって行く甲斐はあると思いますよ。会議の事務局を務める私がおすすめするのですから、間違いありません(?!)。

 水俣は皆様ご存知の通り、水俣病の名で世界的に知られる公害の発生地です。2000年という節目の年、20世紀から21世紀への橋渡しとなるこの年に、未来へ「このような事は起こしてはならない」「しかし、水俣では水俣病を乗り越えて、新たなまちづくりが始まっている」というメッセージを伝えるために、私たち環境自治体会議は水俣での全国大会開催を決めたのです。以上のような思いをこめて、水俣会議のテーマは「21世紀への伝言」となりました。

 さて、環境自治体会議は全国50の市町村から構成される環境政策推進のためのネットワーク型NGOです。「首長(市町村長)の市民運動」という表現で語られることもあります。全国大会には、50の自治体をはじめ、それ以外の自治体からも多数の首長、職員、議員が参加し、また各種の環境関連企業、市民団体、研究者など、多い年では500人以上が参加します。それ以外に、地元の住民の方にボランティアとして会議に協力していただき、大規模な交流の場ともなっています。

 水俣市の新しいまちづくりの視点は、やはり公害の経験をふまえて、環境に重点が置かれています。ごみ分別の種類は21種類に及び、市役所は昨年2月、ISO(国際標準規格)14001の認証を取得しました。また、地区ごとに昔からの習慣などを地区環境協定として定めたり、自転車をいかしたまちづくりなどにも取り組んでいます。

 水俣会議の内容と日程は次のようになっています。1日目、5月24日(水)は13時に開会し、水俣市から「環境モデル都市づくりへの挑戦」と題した基調報告が行われます。続いて、参加している全自治体首長によるリレートーク(名称未定)が予定されいます。夕刻には、以前から続いている環境水俣賞の受賞式が行われ、その後、「水俣の経験から〜生活の中に事件があった」と題する研究者を中心にした特別セッションが行われます。

 2日目、5月25日(木)は一日中がテーマ別の分科会にあてられます。会議のテーマ「21世紀への伝言」とごみの21分別になぞらえて、21の分科会が設けられます。第1分科会(以下、番号のみ)環境にいい住まい・建物の提供,2.住民参加と協働のまちづくり,3.あるもの探しから地域環境づくり,4.地域の生活文化創造,5.環境自治体づくりの先進事例に学ぶ,6.脱農薬・環境保全型農業のシステムを地域でどうつくるか,7.環境自治体づくりのシステム(環境ISO),8.環境に配慮した公共事業を考える,9.環境にいい暮らしづくり,10.物質循環に向けた地域戦略,11.ごみ減量と分別リサイクルのすすめ,12.自治体におけるダイオキシン対策,13.環境産業の創出と自治体の支,14.木質エネルギー導入の可能性を探る,15.自転車のまちづくりを目指して,16.新エネ・省エネをいかした先進事例に学ぶ,17.地球温暖化防止に向けた都市戦略,18.地域環境教育とエコシティ,19.中山間地の保全・デカップリング,20.流域連携による環境保全,21.生活づくりの現場からどれに出ようか、迷ってしまうくらいだと思いませんか?多くの分科会は、これまで通り、研究者が司会を務め、自治体の首長がコメンテーター、自治体の職員や先進的な企業の担当者が話題提供をするというスタイルで行われます。このように、立場を超えた人々が同じテーブルで議論し合うというのが環境自治体会議の大きな特徴だと思います。

 最終日、5月26日(金)は参加者による分科会報告の後、水俣宣言を採択し、閉会となります。その日の午後から翌27日にかけて、多数のエコツアーがオプションとして計画されています(当日のみのコース有)。

 会議の参加費は2万円(資料代、弁当代、交流会費、市内移動費等込み)ですが、学生に限りボランティアとして格安での参加を受け付けたいと思います。

【申込先および問い合わせ】水俣市役所 環境対策課TEL0966-63-1111(代)/FAX0966-63-9044

【ボランティア・分科会の内容に関する問い合わせ】環境自治体会議事務局TEL03-3263-9206/FAX03-3263-9463


おこじょの森  in いちはら   


すばらしい子供達

千葉市若葉区 井上 健治

3月19日、とても暖かい日でしたが、強風が吹き荒れる中、千葉市リサイクルフェスタ「リサイクルフェスタ in CHIBA」に参加しました。準備のため30分前に会場に到着したら、会場はすでに人,人,人のありさま。早くもフリーマーケットは熱気の渦でした。
私達は、衣類などのリサイクル販売,書籍の販売,子供達に段ボールを使った遊び,割り箸鉄砲,牛乳空パックの手作りおもちゃなどを紹介しました。
会場で感じたのは、リサイクルが不用品の交換、フリーマーケットからもう一歩踏み込んで考えてほしい、私達の生活がこの地球を破壊していることを感じて欲しい、やめる,減らす,再利用,再資源化を真剣に考えて欲しい事。
その中でも、子供達の発想がとてもすばらしい。手作りおもちゃでも感じましたが、段ボールのトンネルでは、製作から遊び方まで「エ〜こんなこと考えるんだ」と感心したり、感動したり。とどめが、段ボールの外側にらくがきを…またそのらくがきに感心したりでとても楽しい一日でした。
大人の社会は、欲,対立,悩み,競争の社会。ほとんど名前も知らない子供どうしが、みんなで楽しく遊んでいる。自分の能力,英知を100%フルに使ってワイワイがやがや、それを見ているだけでこっちも幸せな気持ちになり、また、あらためて子供達が楽しく幸せに暮らせる社会をつくらねばと思いました。美しい地球を環境を子供達に残していきましょう

環境相談窓口 リサイクルおもちゃで遊ぶ子供達

行徳可動堰架け替え工事とヒヌマイトトンボ専門委員会

                      北限のトビハゼを守る会 代表 田中 正彦 

第1回「ヒヌマイトトンボ専門委員会」が2000年2月2日、市川市の八幡会館で行われました。この委員会は、行徳可動堰架け替え工事(ニュースレター2899115日発行「行徳可動堰大規模改修計画を考える」佐野郷美参照)によって失われるかもしれない、ヒヌマイトトンボやトビハゼなどの生息地をどうすればよいかを検討する委員会で、昨年組織された「行徳可動堰懇談会」の専門委員会として位置づけられています。建設省江戸川工事事務所が音頭をとり、学識経験者や市民活動家など9名と建設省職員で構成されています。委員長は桜美林大学名誉教授の三島次郎氏がつとめており、私は「北限のトビハゼを守る会」代表として出席しました。
 当日は、「環境学習」ということで建設省の職員が10名ほど、討論に熱心に耳を傾けていました。環境保全,ミチゲーション等内容盛りだくさんでしたが、もっとも印象に残ったのは、次回からこの委員会を「全面公開の場で行う」という案が提出され、建設省を含めてメンバー全員が賛成したことでした。貴重種のデータなどは公開しないという条件はつきますが、従来なら密室で行われることの多かったこうした会議が、公になるのは意義あることです。これも時代の流れというものでしょうか。また、土木関係者が環境問題についてかなり真剣に考え(考えないと生き残れない?)、勉強しようとしているなということも印象的でした。
ともすると、対立しがちだった土木関係者ともよく話し合い、よりよい環境づくりを目指していきたいものです。


谷津田はゴミだらけ −ちば・谷津田フォーラムより活動報告−
4月2日千葉市緑区下大和田の谷津田で観察会とゴミ拾いを行いました。前回2月20日に行われた観察会の折りには、土地区画整理組合設立準備委員会や計画づくりをしている東武計画の方々との懇談会がもたれ、斜面林を含めて現況をできる限り生かしたまちづくりをしていきたいとの合意が得られました。またそのとき、地元の土気地区から参加した4名の方々を中心に、今後大和田地区に積極的に関わっていこうという意見が出され、活動を始めることになりました。
2回目の今回が、具体的な行動の最初です。総勢23名がゴミ袋片手に出発、拾い始めてみると何とゴミの多いこと。ただ歩いていたときにはそんなにあるとは気づかなかったのですが・・・。でも、谷津田にはヒキガエルやアカガエルの卵塊が多数見られ、コブシとフデリンドウの花も迎えてくれたすばらしい一日でした。
今後、観察会やゴミ拾いは定期的におこないます。開発と保全の相反するとてつもなく大きな課題ですが、こつこつとやっていけるところから取り組みたいと考えています。なお次回は、5月14日(日)、関心のあ  る方はぜひご参加を。(ちば谷津田フォーラム事務局)

谷津田観察をしながらのゴミ拾い こんなにゴミが集まりました

野草を食べて能満谷津を観察する会
日 時:2000416日 10:0014:00
場 所:市原市能満谷津
集 合:JR八幡宿駅西口10:00
参加費:500
主 催:ちば環境情報センター

ちば環境情報センター総会のお知らせ
日 時:2000610日(土) 10:0012:00
会 場:ちば環境情報センター事務所

3回サポーター研修会
環境に関心があって何かしたい人,仲間を増やしたい人,アイデアが欲しい人を対象に、
今年も恒例のサポーター研修会をおこないます。
実践計画を作って必ず行動に結びつけます。ぜひご参加ください。

会 場:ちば環境情報センター事務所(右地図参照)
日 時2000年5月27日(土) 10:00〜19:00
参加費:2,500円
主 催:ちば環境情報センター


編集後記:カタクリの花が咲き、ヒキガエルの産卵も一段落。遅れていた春がようやくやってきました。これから新緑の美しい季節、さあ外に出かけましょう。mud-skipper