ちば環境情報センター
2000.7.5 発行    ニュースレター第36号

代表:小西由希子


目次
  1. 東京湾・ハゼサミット報告
  2. な〜んて谷津田 9 宮市松子の谷津
  3. フッ素と虫歯は、フッ素は本当に必要か
  4. 市民や専門家の考えを反映させた癒しの環境を
  5. 第10回全国ネイチャーゲーム研究大会を終えて
  6. 第3回総会を終えて
  7. 子育ての環境 子ども遊び場プレーパークにまなぶ 

東京湾・ハゼサミット報告

東京都江戸川区 田巻  誠

「いのちの海・東京湾を市民の手にとりもどそう」「最後の江戸前有明北十六万坪の埋め立てを見直そう」をスローガンに東京湾・ハゼサミットは、東京・千葉・神奈川の自然保護団体170名(31団体)を集めて2000年6月10日に開催されました。

東京湾・ハゼサミット(2000.6.10) 170名もの参加者が集まった

最初はハゼの稚魚や生物が豊富な有明北・16万坪の水中ビデオ上映。次は、工藤孝浩氏(神奈川県水産総合研究所)の基調講演でOHPとスライドを使った東京湾にすむ魚の種類とハゼの生態系の説明、そして、神奈川県金沢八景・平潟湾が浚渫と水路開放によってハゼ釣り場を復活させた教訓と、京浜臨海部を市民の手に取り戻していく今後のプランについて熱い説明がありました。
続いてパネラーの発言に移り、開発法子氏(自然保護協会)からはOHPを使い、東京湾の埋め立ての歴史と三番瀬の干潟・浅瀬の説明があり、環境アセスメントでは自然と共存する地域づくりや文化・環境・将来のビジョンを含めた視点でチェックするべきとの話しがありました。続いて安田進氏(屋形船・つり船晴海屋)はビデオも使い、16万坪がハゼなどの稚魚を守るべき希少な浅瀬であること、そしてこれまでの交渉の中で、開発者側から「埋め立てれば海岸線を増やすことになる」など自然の価値を全く認めない呆れた発言もあり、変えていこうと発言しました。最後のパネラー前田直哉氏(都政ウオッチャー)からは、有明北では埋立て周辺道路や基盤整備を含め莫大な資金が投資されること、都財政として大きな問題があるとの指摘がありました。
そして、会場からの発言になり、WWF Japan花輪氏よりハゼサミットの当日行われた16万坪現地見学会での水域のすばらしさの感想が述べられた。次に水門が閉め切られてから3年になる長崎県諫早湾干潟の問題、千葉三番瀬の101fの埋立計画の問題、千葉小櫃川のダム計画と盤洲干潟のホテル開発の問題、有明北に絶滅の恐れがある希少なエドハゼが生息する問題など参加者から次々とアピールされた。
パネルディスカッションのまとめとしては、工藤氏からハゼ釣り場など市民に身近な親しめる自然環境をつくりながら東京湾の自然を取り戻していこうとの話しがありました。
集会の最後には、東京湾・ハゼサミット宣言を採択し、シンポジウムを終了しました。
このシンポジウムで採択された宣言は、6月28日に東京都港湾局・東京都知事・環境庁、6月30日には運輸省に行き、当日資料と共に当局へ手渡しました。
この東京湾・ハゼサミットで得た成果を無にすることなく、今後は東京・千葉・神奈川の市民団体が大きく手を結び、東京湾を市民の手に取り戻す新たな運動を作って行きたいと思います。


な〜んて谷津田 9 −一宮市松子の谷津−

千葉県立茂原農業高等学校
 農業土木部 2年 長谷川 佳告,高仲 伸幸 1年 浮階 純一
農業土木部顧問 富田 英二

私たち農業土木部員は今年度より、「環境保全型水田整備を目指して」と題し、谷津田の環境保全機能についての研究をスタートしました。研究のきっかけは、茂原市内の水田のほとんどが、あまりに真っ直ぐに整備され、水路はすべてコンクリート張りになっており、このような効率性重視の「直線的に整備する土地改良」に疑問を感じたからです。私たちはまず、茂原土地改良事務所の農業水利班に相談に行きました。すると「一宮町松子の谷津田はまだ土地改良をしていないので、調査するとおもしろいのでは」とのアドバイスをいただき、調査を開始しました。

「松子」の付近:
道路から視準しているので方位(北)が逆です。そのため図面が逆さになっています。

谷津田の現況
谷津田のある長生郡一宮町は、九十九里浜の南端に位置し、東に美しい砂浜、西に丘陵台地をひかえた気候温暖な地域です。松子の谷津田は自然で緩やかなカーブを描く畦や水路に囲まれ、昔ながらの美しい風景をつくり出しています。
私たちはまず、谷津田の形状を知る必要があると感じ、トータルステーションを用い、現地の平面図を作成しました。
生物調査では、谷津田に隣接する水路の松子川を中心に行いました。川には、トウヨシノボリ、トウキョウサンショウウオ、土手にはタコノアシ、ミクリ、など貴重な生物が見られました。6月上旬からは、夜になるとフクロウの声を聞きながら、数は少ないですがゲンジボタルが観測できます。この調査を通して谷津田を中心とする水辺は、生物たちの生息の場として重要な空間であることがわかりました。
谷津田の土質
 谷津田の土の状態を知る第一歩として、土粒子の密度試験などを行い、そのデータを用いて三相を計算で求め三相分布図を作成することにしました。この図から谷津田の土の方が土地改良している水田より気相(空気)、液相(水)の間隙部分が大きいことが読み取れました。

間隙が大きいので、保水力があり、有機物などの養分を豊富に含んでいると言えます。逆に、排水が不良で湿田状態のため機械が入りづらく、労力がかかると言えます。地主の片岡さんにこのことを聞くと「機械が入りづらいので手作業が多くなり年寄りには大変だ」と言っていました。
研究のまとめ
1.谷津田にはなつかしいふる里の景観が残されている→景観保全
2.谷津田は貴重な生物の生息の場である→
生物生息域
3.谷津田に隣接する土水路(松子川)の水質は良好である→水質浄化機能
4.谷津田の土は肥沃である→養分保持力
 この研究を通して、谷津田は環境保全機能を備えた素晴らしい水田であることがわかりました。しかし、同時に農作業に手間がかかり作業効率が悪いこともわかりました。谷津田を次の世代に渡すためには、農家の人が快適に作業ができ、なおかつ自然にやさしい水田整備が必要であることを強く感じました。
夏休みからは、松子川の流れの形態(瀬や淵の流速・流量の測定など)を調査し、最適断面の設計を試みたいと思います。なにか良いアドバイスがあれば学校までご連絡下さい。


フッ素と虫歯は、フッ素は本当に必要か

市原市 荒山 春美

「もし、何かの拍子で、歯みがき用よりも大量にペーストを飲み込んだ際は直ちに医者に行くか中毒センターに連絡して下さい。」・・・・・・・この文章をご存知ですか?
これは1997年にアメリカ合衆国の合衆国食品薬局(FDA)によってすべてのフッ素入り歯みがき剤(塗布用ゲル、練り歯磨き、粉末)及び洗口剤、予防的治療用ゲルに対して「警告」をラベルに記載することを義務づけた為アメリカで販売されている歯みがき剤のラベルに記載されている内容を日本語に訳した文章です。
1994年には世界保健機関(WHO)でも斑状歯なしに虫歯予防は出来ないとし「六歳以下の子供へのフッ素先口は禁忌」という見解を出しています。世界中で水道水フッ素化が進んでいるとの議論も有りますがヨーロッパ諸国では水道水のフッ素化を中止している国も少なからず存在します。現在実施を完全に中止している国名をあげるとスエーデン、フィンランド、デンマーク、オランダ、ベルギー、旧西ドイツなどが挙げられます。
水道水フッ素添加による集団的虫歯予防の歴史はアメリカで1945年、色々な経緯(単純に虫歯予防の為だけでは無く政治的要因も有る)の元、始まりました。アメリカで普及しているのに何故今まで日本(色々な面でアメリカの植民地化している国なのに)では使用されなかったのか。フッ素は水、土壌中、また食品等の中にも含まれていますが、火山活動の活発な表層土壌にはより多くの量のフッ素が含まれており、終戦後ダグラス・マッカーサーから水道水フッ素化の指示を受けたが「我が国は火山国でフッ素濃度の高い国土で有る」という地球科学者達の意見を示して受け入れしなかった経緯の中現在に至っています。
さて水道水フッ素化、フッ素入り歯みがき剤等の効用は前月号で紹介されていたように虫歯予防に効果を発揮します。(効果は予防率50〜60%程度と言われています。)しかし反面、危険度は全く無いのかとの疑問も出てきます。
現在フッ素の毒性は慢性、急性中毒を引き起こす量、遺伝毒性有るか等々、完全には解明されていない事が多いのですが統計学上研究によりフッ素を摂取し続けると病気になる確率が非常に高くなる事は多くの科学者、医学者の研究のおかげで判明して来ました。紙幅の関係でそれぞれ具体的な数字を挙げて説明出来ませんが主な病名は、
班状歯・・・萌出前の永久歯(乳歯にも出る)が血流によってフッ素の為にエナメル質の形成が阻害されて起こるエナメル質形成不全となったフッ素歯牙障害。
ダウン症候群・・・発達・成長の障害が主症状と言われており手指・耳の変形のほか、しばしば先天性心臓病を伴う。高齢出産に多いと言われていますが統計学上で検討するとフッ素化地域で2倍にもなる事が確認されて来ています。その他発ガン性、ホジキン病、非ホジキン病、骨フッ素症等が発病する確率が高くなります。このような事からフッ素は危険が伴う物質で判断出来ないのは摂取量だけです。水道水のフッ素化は「必要無い」、「摂取したくない」と考える個人の選択の自由がまったく無視されますので絶対に反対です。
最後に今を生きる皆さん、情報は視点が変ると同じ情報でもこのように大きく変ってしまいます。情報過多の現在、発信されている情報には見えてこない部分もたくさん含まれています。片方だけの一方的な情報で安易に判断する様な事は避けたいものです。
(参考文献 週刊金曜日   http://www.jca.ax.apc.org/kinyobi/ 2000/2/18NO303号 無断転載をお断りします。)


市民や専門家の考えを反映させた癒しの環境を

  千葉市中央区 内藤 若葉

2002年竣工予定で建て替えになる千葉市立病院(青葉の森)は、現在計画が進行中と思われますが、この病院に、療養の環境(癒し)に配慮した空間作りと、病院に文化の営みを関わらせていくことを、一市民として提案しています。
病院は特殊な場であるため配慮は必要なものの、かけがえのない生命を扱う重要な公共空間です。文化の関係者や、自然、環境の専門家、また利用者である市民の、横断的な知恵を反映させ、その空間の質を、心の行き届いたものに高めて行くべきと考えています。
たとえば庭園は、ヒーリングを意識し、かつ、ビオトープ的な要素をとり入れ、バードサンクチュアリを、アーティストと市民参加で設計する…。県立博物館のビオトープや野鳥観察所も近接しているので、このようなことが実現したらおもしろい試みにはならないでしょうか。新しい時代にあった病院のありかた,その可能性を、ともに考えませんか。


「第10回全国ネイチャーゲーム研究大会」を終えて

         市原市 山口 由富子

まずは冒頭に、「ネイチャーゲーム」について説明いたしますと、1979年アメリカのナチュラリスト、ジョセフ・コーネル氏が五感を使い自然を体験することにより、自然の素晴らしさや大切さに気づき、その感動を分かち合うという、自然体験プログラムのことをいいます。
その研究大会が、先月26日から三日間。富浦町の大房岬少年自然の家において、実施されました。北は北海道、南は沖縄まで、加えてインドネシア(2人)ドイツ(5人)からの参加者も加えますと200余名にいたりました。基調講演には、印西市在住のナチュラリスト、ケビン・ショート氏を迎え、海の素晴らしさを充分に語っていただきました。
私は、二日目のワークショップ部門を担当しましたので、そのことを特に取り上げて報告いたしますと、フィールドは富浦町のとなりの館山市にある周囲1キロ、面積4.6haの沖の島。ここは鷹の島が関東大震災で地盤隆起し陸続きとなったことから、自衛隊基地建設がなされ、その土砂の流出により更に陸続きとなった小島で、生物の多様性には目を見張るものがあります。
そのフィールドを、自然観察の部門としてケビン氏に磯の生物を、植物関係を青木氏(県立安房高校教諭)、潮だまりの生物を宮本氏(県立山武農林高校教諭)、昆虫を八巻氏(館山市立船形小学校教諭)に依頼し、沖の島の豊かな自然を存分に味わっていただきました。また、ネイチャーゲームの部門としては、浜に打ち寄せる漂流物を素材に、それぞれのアートを楽しみ、また同時にその漂流物が何を語りかけるのかその便りを聞こうと言う「海からの便り」。一滴の滴に始まり、気体・液体・固体と様々な形に姿を変えて地球上を循環する水の存在そして役割を表現する「水の冒険」。タイドプール(潮だまり)をじっと観察することによりその生物の多様性の発見と感動を分かち合う「私の潮だまり}という、三つのアクティビティを設定しましたが、海の幸に恵まれているはずの静岡からの参加者の方からも、「海の素晴らしさ、有り難さを実感した。」という高い評価をいただき、連日の労の報われる至福のひとときを過ごすことが出来ました。


第3回総会を終えて

                    千葉市美浜区 佐々木 典子

ニュース・レターを創刊号(1997.8.1)からパラパラとめくってみる。確かな3年余の歴史が詰まっていて、人の力とはすごいものだと感心する。イベントの情報量は倍増し、字数も倍になり、「ルーペで熱心に読んでくださる人もいるんだろうな」と、老眼になりつつある私は思う。
"多くの人の環境へのエネルギーがより具体的な活動に向けられるようサポートすること"という当センターの役割を大切に、これからも活動したい。250名の会員の皆様、これからもご支援,ご協力お願いします。


会員の声(委任状に寄せられた皆さんからのご意見、敬称略)

・入会したものの2月に子どもが生まれ大忙しの毎日です。ちっとも催し物に参加できませんが、いつか そのうち ゆとりができたら 親子で参加させて頂きたいと思っています。 江澤 芳恵
・いろいろお世話になりありがとうございます。なかなか出席できず心苦しいですが、引き続きよろしくお願い致します。 平山 健治
・いつも何の行事にも参加できずに心苦しいですが、今後ともニュース送付をよろしくお願い致します。ISO14001の記事は、私にはむつかしかったです。 青木よし子
・2年間ご苦労様です。今後も益々のご活動を願っております。 井上 健治
・先日長柄町の中野氏宅へ行き、苗をもらって植えました。角川 浩
・皆様と仲良く活動したいと思います。  川瀬 一世
・いつも楽しそうなイベント、企画がたくさんあって時間があれば参加したいと思っています。 岩城妃佐子
・しっかりした編集のニュースレターを毎回楽しみにしています。  秋元 靖匡
・毎月のイベント情報楽しみにしています。参加できるのは1・2件という現状ですが、環境問題の流れを知るというメリットがあります。  服部マリ子
・活動の状況はニュースレターで拝見しています。これからの予定がもう少し早くわかると良いなあと思っています。幅広い活動を続けていってください。 石川 清子
・一年間ごくろうさまでした。パートナーシップが進んでいることが紙面からも充分感じられます。会報の内容はほんとにレベルが高いです。会員であることに誇りが持てすね。いつも欠席ですが、佐倉で里山保全すすめます。 小野由美子
・大変ご無沙汰してます。実は4月下旬に自転車で5分程のところに60坪程農地を借りることができ、クラインガルテンにはまっています。農文協の本など首っぴきで無農薬有機栽培虫食い大歓迎野菜を作ってます。男爵、メークイン、里イモ、ヤマイモ、トマト、胡瓜、南瓜、インゲン、コーン、サツマイモetc。 瓜生 達哉


子育ての環境 その2 子ども遊び場プレーパークにまなぶ 

     四街道市 古川 美之  

こどものあそびってこれでいいの?そんな疑問をもとに、6月20日四街道でこどもの遊びを考える学習会が開かれました。世田ヶ谷でプレーパーク(冒険遊び場)や自主保育に関われてこられた矢郷恵子さんをお招きして、子供にとって遊びとはな何か、親として関われることは何かを探ってみました。自分の子どもの時の遊び場を思い出してみると、近くの空き地での花つみ、笹舟つくり、川でざりがにつり、水遊び、泥んこだんごのおままごと、缶けりやかくれんぼなどなど。遊んだところの地図を書き出してみると意外にも何十年も前の事をハッキリ覚えているに驚き、こんなによく遊んでいたんだな−と子どもの頃にタイムスリップしたようでした。誰でも遊びの原風景をもっていて、それは川や土、自然に囲まれていたのでした。
 では、今の子どもたちの遊びはどう変化しているのでしょうか。生活環境、自然環境の変化に伴い、ゲームなど家の中での遊びがふえ、外遊びが減ってきているようでした。でも確かに子ども達は外遊びが大好き。缶蹴り、泥んこ、基地づくりなどなどをやっている子も多いことに気付きました。昔と変わっていたのは遊び場でした。
 住宅地の開発により、たんぼや原っぱが宅地になり、林お寺などの遊び場が減って、作られた公園やコンクリートの道路、団地の中などの場所が遊び場になっていました。そして、必然的に遊びの材料も、石や土、虫などの自然のものから少しずつ人工的なものに変わってきていたのでした。大人とのかかわりもそうです。以前は親の目から離れて、大きいお兄ちゃん達や近所の人たちと自然に遊んでいた。いまは子どもどうしの関わりも少なくなり、その上、親に時間的にも管理されることが多くなってきているのです。冒険することが減り、わくわくすることが少なくなってきたようです。
しかし子ども達の自由に遊びたい冒険したいという気持ちは成長するときにとても大切で、冒険し少し大きなハードルをこえる所に成長はあるのです。そんな子どもの要求に答えてくれるのが、プレーパークです。プレーパクとはプレーリーダー(遊びの指導者)が常住している冒険遊び場で、泥んこ遊びをしたりかまどで火をおこしたり、木の上に基地を作ったり、一般の公園でできないことがここではOK。スライドで世田ヶ谷プレーパークやスウェーデンのプレーパークの紹介をしていただきました。いつもはダメと言われている泥んこ遊びや、水遊び、冒険遊びを実に生き生きと自由にやっているのです。木登りしている子、そのそばでがらくたで何かを作っている子、傘をさして空想にふける子、枠にとらわれず自分なりの楽しみを見つけている子どもの目は、どの子も生き生きとしていて力強く見えました。
子どもの頃の充分な遊びは大きくなってからも原体験として心の中に残り、「生きる力」になるんだと思います。四街道でも是非、既成の公園のわくをこえた冒険遊び場が欲しい、のびのびした自主保育をやってみたいという思いが高まってきました。行政が何もしてくれないのではなく、私達のやりたいというきもちを基に実現していきたい。それには管理の事、事故対策の事、地域との関わり等、学ばなければならないことがたくさんあります。まずそこからスタートです。子育て中の人、そして世代を越えた地域の人たちにも是非協力をお願いしたいと思います。
 『あの頃の遊びたのしかったなあ』と何十年後に今の子ども達が思い出せるよう、今住んでいるところが遊びの原風景になれるように、私達大人は子どもの遊びに関わっていきたいと考えています。
*世田ヶ谷プレーパークは遊休地を住民の力でかり、3年間冒険遊び場として使っていたことが実績となり行政を動かし、経費(プレーリーダーなど)と場所を区が提供し住民が運営している所です。ここを利用して、小学校にはいる前の子どもを自主保育しているところもあります。プレーパークは全国に増えつつあります。


事務局からのお知らせ−NPO検討委員会をつくりました!

1998年12月にできた特定非営利活動促進法により、千葉県では現在団体が認証されています。NPOに認証されると、法人格を持つことができますから、団体の名前で、財産を持ったり、契約を結んだりすることができます。収益事業も行うことができます。 
 しかし、反面、所轄官庁(千葉県)に毎年、事業報告書、財産目録、収支計算書、役員名簿等を報告しなければいけませんし、それらの書類を事務所に備え付けておかなければいけません。また登記もしなければなりません。事務的に大変な作業が加わることになります。
 法人税も払わなければならないようです。(収益がある場合)NPOを取得した場合のメリット、デメリットを整理して、考えていかなければいけませんが、ちば環境情報センターが取得すべきか否か、検討しようと思います。ご意見のある方、ご助力していただける方、いらっしゃいましたら、御連絡ください。お願いします。
(連絡先:TEL&FAX  長 047-447-5392,福満 043-256-3448)


ヒメテンコケムシ発見!

千葉市稲毛区 西澤 康男   

 ニュースレター第30号に掲載された高山さんの『な〜んて谷津田4「大藪池谷津」』を読み,6月7日に淡水産無セキツイ動物の調査に出かけました。 初めて訪れた大藪池谷津田は、静寂に包まれ、小川のせせらぎ・鳥のさえずりが響き,別世界のようでした。
 淡水産無セキツイ動物を探す目的で,谷津田の小川や大藪池下流の水路でタニシを20個採集しました。持ち帰って顕微鏡で調べたところ、大藪池のすぐ下の水路で多数のヒメテンコケムシという小動物が見つかりました。70〜80本もある触手を大きく広げ、あやしく動かしていました。

ヒメテンコケムシのコロニー

 ヒメテンコケムシは淡水産コケムシの一種で,環境庁のレッドデータブックで希少種に指定されている動物です。かつては手賀沼や古利根沼でたくさんとれましたが,今ではみることができなくなってしまいました(織田、1990)。今回の調査で,大藪池の下流で見つかったということは、大藪池谷津から流れ出る湧水が貴重な自然を守ってきたと考えられます。しかし、まだまだ調査地点が少ないので、ヒメテンコケムシの分布範囲をさらに調査する必要があります。
 ヒメテンコケムシは、1匹(個虫という)の大きさが2〜3mmで,数十匹が集まって白っぽい半透明の群体を作っています。 群体は柔らかく、群体全体の大きさは1cm程で,タニシの殻に付着していました。ニュースレター第22号のオオマリコケムシとは同じ仲間で,分類上、コケムシ動物門被口綱に属します。


環境教育講座第3回「地域と環境教育」
日時:2000年7月9日(日)
場所:千葉県立中央博物館研修室(入場無料)
講師:小西由希子氏(ちば環境情報センター代表)
主催:千葉県立中央博物館
連絡先:環境教育研究科TEL 043-265-3167
都川の教材を一緒に作りませんか
先日小学校5年と中学校2年で、千葉市の都川をフィールドに総合的な学習のお手伝いをしました。準備をしていて気づいたことは、なんと、子供向けの資料がほとんどないことです。都川をテーマに、総合学習でも利用できる教材づくりをしたいと思っています。一緒にやってみませんか。ご協力いただける方はぜひお声をおかけ下さい。小西由希子
(事務所にご連絡下さいTELl&FAX:043-223-7807)
ちば・谷津田フォーラム勉強会
「調整池・調節池と自然保護」

【内容】環境を保全した調整池のあり方,関係法など中村俊彦氏(千葉県立中央博物館,ちば谷津田フォーラム代表)を交えての勉強会.今後の自然保護に役立てよう!
日時:2000年7月14日(金)18:00〜20:00
会場:千葉市文化センター第2会議室
  (会場が変更になりましたのでご注意ください)
参加費:300円(会場費,資料代)
主催:ちば・谷津田フォーラム
連絡先:ちば環境情報センター
TEL&FAX 043-223-7807
第7回 江戸川・坂川シンポジウム
    21世紀に向けた「豊かな川とは何か」

【内容】講演とパネルディスカッション
講演1.「豊かな川とは何か」君塚芳輝氏
   2.「トビハゼの生態」 田中正彦氏
日時:2000年7月22日(土)12:30〜16:45
会場:松戸市女性センター(入場無料)
主催:江戸川の自然環境を考える会
連絡先:自然通信社 TEL 047-368-2777(昼間)
手伝って下さい!次号ニュースレター37号の発送作業を8月7日(月)10時から事務所にて行います。短時間でもかまいませんので、ぜひお手伝いください。

編集後記:6月30日千葉市の谷津田に行ってきました。水を張った田んぼには、生まれたてのメダカがウジャウジャ!でも大きな親の姿はほとんどありません。命が次世代へ受け継がれていく季節です。    (mud-skipper)