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千葉市花見川区 岩田 峻
千葉県に住む人達にとって、地熱エネルギーと言っても馴染みが薄いと思う。しかし避暑や紅葉見物に、遠く北海道や東北の自然を訪ね、温泉巡りを楽しむ人は少なくない。実はこの温泉も、火山国日本が有する数少ないエネルギー資源の一つで、浴用以外にも、家屋の暖房、野菜や花の温室栽培等に利用されている。
私は今の勤務先に入社以来、金属鉱床・石油・天然ガス等地下資源の探査に携わってきたが、1978年以降、秋田県の湯沢市という所で、発電を目的とした地熱エネルギーの開発に従事している。地熱発電を簡単に説明すると、かつてのマグマ活動に伴い地下の岩石中に蓄えられた熱によって加熱された高温熱水(温度200℃以上)を、深さ1,500〜2,500mのボーリングを行って地表に採り出し、そのエネルギーで発電を行う。1997年現在、我国は世界で第五位の地熱発電国であるとはいえ、全国の発電量の僅か0.5%程度を占めるに過ぎない。原子力や火力発電に比べその発電規模が小さい割には探査・開発コストが高いことが、開発促進の大きな障害となっている。私の現場では現在2.88万キロワットの地熱発電所が稼動しているが、これを十基併せてもその規模は大型火力発電所一基にも及ばない。
しかしそれでも、開発に携わる我々にとっては魅力のある仕事である。第一に、直接見ることの出来ない地下深部の地熱資源を探り当てるという行為そのものである。特殊作業となると遠く海外からも多数のエンジニアが応援に来てくれる。第二に、地熱資源が、半永久的に再生可能な純国産のエネルギーで、しかも炭酸ガス排出量が、石油や石炭火力発電の数十分の一しかないクリーンエネルギーであること。そして第三に、例え2.88万キロワットとはいえ、地元湯沢市内全ての一般家庭の消費量を大幅に上回る電力が、自分たちが住む緑豊かな大地に眠る自然エネルギーの恩恵により供給されていることである。
これらの事実と地熱発電の仕組みを、折々見学に来る地元の小・中学生達に説明すると、彼等の表情が自然にほころぶ。それを目にした時が、長年、5メートルにも達する積雪と300度を超す地下の高温エネルギーの脅威に接してきた私達にとって一番嬉しい瞬間である。我国のエネルギー問題・環境問題は極めて複雑になっているが、このように自然と調和しながら、東北の一地域からクリーンなエネルギーを生み出すことも誇るべきことと自負している。ブナの原生林を背に働き、温泉に浸かり、採れたての山菜やキノコを肴に、これまで惜しみなく応援して下さった地元の人達と語り合うと、都会人の、時として片寄った環境議論とは比べものにならない大自然との付き合い方を教えられると云ったら読者の皆さんに失礼であろうか。余談であるが、これまで暗中模索しながら進めてきた如何に苛酷な業務よりも、現場周辺に育つ毒キノコの判別の方がはるかに難しい。地域の人達は、いとも簡単にそれをやってのける。
行楽にお出かけの際、是非、東北や九州他に点在する地熱発電所の見学をお勧めしたい。
千葉市稲毛区 平田 和博
わが家の近くにシャンゼリゼ通りという道路がある。名付けたのは私である。道路は片側一車線で、広い歩道も付いている。この道には凱旋門もコンコルド広場もないし、ベネトンやシャルル・ジョルダンのような店もない。畑の中にポツンポツンと家が建っていて、畑には大根やネギが栽培されている。所々に雑草が茂っていて、犬の散歩にかっこうな場所である。
何年か前、フランスへ仕事で行ったときのことである。つばの広い黒い帽子をかぶり、黒いマントを着た女性が前をさっそうと歩いていた。時々ひるがえるマントの赤い裏が、貴婦人を連想させた。濃い栗色の髪で、小柄だったのもよかった。
私は急ぎ足で歩き、追い越し様にチラッとのぞき見した。紳士の体面を維持しながら盗み見するのは、なかなか難しいことである。品のある年配の婦人だったのでいささかがっかりしたが、「ボンジュ−ル ムッシュ」婦人はにこやかにあいさつした。私もあいさつしようとしたら、異様な感覚が靴の裏から伝わってきた。私がいやな顔をしたので、婦人は「ムッシュ 何々」と心配そうに聞いた。それでなくてもフランス語は不得意なのに、足の裏に神経が行っていたからさっぱりわからない。仕方なく、「メルシィ マダム」と言って苦笑いした。
私が靴の裏を道路でこすっていたら、婦人は去って行った。その後ろ姿はまるでワルツを踊っているようだ。さすがはパリジャンだと感心した。盆踊りでは、踏んでしまう。そういうことで、わが家の近くの道を近頃はあまり下を見なくてもヒョイヒョイ歩けるようになった。
船橋市 越川 重治
『白鳥に会いにいこう』でたくさんの方々が参加してくださりありがとうございます。ハクチョウの優雅な姿は昔から古今東西の人々に特別な気持ちを湧き上がらせ,神話の中や伝説のなかでも大きな位置を占め,人々を魅了しつづけています。今回の企画でもハクチョウのその神秘的な白い姿を見るだけでだれもが感動したのではないでしょうか。
本埜村のハクチョウは,餌付けにより年々飛来数が増加し今年は最大数で271羽を記録しました。昨年は147羽でしたのでその増加のペースは加速度的です。そしてここの環境では自然の餌は,ほとんど無く,餌付けにハクチョウたちは頼りすぎており,その生態も本来のものとは遠い姿になっております。水質も個体数増加のためけっして良い状態ではなく,伝染病等が出た時は特に心配です。
ハクチョウを守る会の方々による周辺の環境整備や熱心なハクチョウ保護の精神には,とても頭が下がる思いです。その精神がハクチョウと人間との共存の道へと発展していってほしいと思います。
本埜村でもこの白鳥の郷を地域振興の目玉として考えているようなので,その計画がただの観光地ではなくハクチョウと地域の人々と環境がうまくかみあったものになることを期待したいと思います。
(2001年2月6日 ちば環境情報センターホームページ 談話室より)
白鳥 千葉市美浜区 塚本 美恵子 コホッ、コホッ声を揃えて白鳥は 水走り翔つ白鳥の水飛沫 白鳥の浮寝の嘴を胸にさし 白鳥の胸を背して睦み合い 一枚の白鳥の田に飽ず佇つ |
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(2001年2月4日 撮影 松尾) |
四街道市 古川 美之
2月4日、四街道総合運動公園のキャンプ場で、「1日プレーパーク」開催され、幼児から小学生の親子127名が参加しました。プレーパークとは冒険遊び場のこと「火を使ってはいけない」とか「穴をほってはいけない」など普通の公園にあるような禁止事項を設けず、自分の責任で自由に遊ぶことのできる遊び場です。子供たちがもっと自由に、自然の中で世代を超えて遊ぶことができたら自然の大切さや、命の重さを感じることができるだろうという思いで、昨年から準備を重ね、第1回目の開催にこぎつけました。主催は四街道にプレーパークを作る会です。
参加者それぞれが、思い思いに遊びを見つけて楽しんでいました。遊び場には木のブランコや竹馬、落葉のおふろなどがつくられ、お父さんにノコギリの使い方を教わりながら竹とんぼや、木の工作をする子もいました。山の斜面をそりで滑り降り、段ボールで大きな家もできていました。お昼にはかまどに火をおこし、すいとんやおしるこ,参加者が用意したさつまいもも、やきいもとなってみんなおいしそうにほうばっていました。
子供も、大人もみんな自然のなかで思いきり遊ぶと笑顔になります。最初恥ずかしかったお父さんも最後まで子供たちとどろんこになって遊んでいました。
こんな楽しい遊び場ができたのは、自然を感じたいという思いが集まり、いろんな人の協力があったからです。そして多くの人が参加してくれたのはやはり、子供も大人もいい遊び場を求めているのでしょう。
土の臭いを感じ、風を肌で感じるプレーパークにぜひ参加して下さい。助っ人も大募集しています。次回は4月22日(日)開催予定です。
千葉市花見川区 伊原 香奈子
団体活動で、学校で、職場で模造紙(B紙)を使うことってありますよね。これからはそんな時に、駅などに貼られているような大きなポスター紙の裏を利用してみませんか?厚手の紙なのでマジックの裏写りの心配もないし、敗れにくい。各種イベントや学校祭、ワークショップなど、多種多様に使えます。(ちなみに私はA4サイズにカットして名刺の台紙に利用)
ちば環境情報センター2階には、そんな大きな紙がいつでも使っていただけるように置いてあります。持ち帰り自由ですので、大いに使ってみませんか?もちろん裏紙だから環境学習としても大活躍ですヨ!
千葉市若葉区 井上 健治
去年の秋に行われた環境シンポジウム2000千葉会議の第2分科会で産声をあげた会、『ごみゼロネットちば21(通称GONET)』。分科会参加者の賛同を得て、元気よく動き始めました。会の立ち上げの様子は、ちば日報の紙面に取り上げていただけ、幸先の良い(?)スタートを切ってます。3月は早速、第1弾企画を開催!まだまだヨチヨチ歩きの小さな会ですが、皆様のお力を受けながら元気に育ってまいりたいと思います。暖かい御支援とご協力をよろしくお願い致します。
☆☆ 環境トピックス ☆☆
プラスチックごみの処理施設 〜柏市〜
柏市内の家庭や事業所から排出されるプラスチックごみの保管施設とリサイクル(原料化)施設が『併設』という形で建設された。公園や街路に置かれている擬木(再生プラスチック製)などの原料を製造。総事業費15億円。4月から本格稼動する。 <詳細:千葉日報2月27日>
ISO14001取得 〜市原市〜
市原市の福増クリーンセンターと平蔵の廃棄物最終処理場が認証を取得。収集運搬から処理過程、焼却灰のリサイクル、最終処分場の延命まで、というトータルなシステム構想が評価された。廃棄物の発生抑制や、リサイクルの推進、開かれた清掃工場による環境学習や啓発活動にも力を入れたいとしている。 <詳細:千葉日報2月24日>
コアジサシの繁殖地整備 〜千葉市〜
千葉市の鳥コアジサシの保護に、市は予算案に整備費9百万円を計上し、本腰を入れる構え。開発予定地で繁殖してる現状に、自然保護団体から「いずれ市内から姿を消すかも」の懸念の声。コストを全くかけない『ありあわせの繁殖地』を用意したもののコアジサジが繁殖地として選ばなかったという過去をもつ。「今回の用地もあくまで暫定的なもの。他にも適地があれば行なっていきたい」と話している。
<詳細:千葉日報2月25日>
保存活動がピンチ 〜成田市〜
成田市北須賀の甚兵衛公園にある松の森。日本の名松100選に選ばれた松の森を守るため、約20年間マツクイムシ防除などの手入れをしてきたが、このところ活動打ち切りの声があがってきている。「一度枯れたら取り返しがつかない。市内には300年を超える松(13本)の森はここしかない!」と、活動継続を訴える。 <詳細:千葉日報2月26日>
ちば・谷津田フォーラム第2回ミニシンポジウム −私たちの望む「都川」のかたち− 改修計画が進められている都川や都川遊水池の保全について、一緒に考えましょう。 日 時:3月24日(土) 10:00〜12:30 場 所:千葉市生涯学習センター研修室3 千葉市中央区弁天 3-7-7 定 員:40名 参加費:無料 主 催:ちば・谷津田フォーラム 共 催:ちば環境情報センター 連絡先:ちば環境情報センター TEL&FAX 043-223-7807 (この企画は第8回千葉市「学びを楽しむ日」の参加事業です。) |
観察会「都川の春を感じよう」 さわやかな春の日差しの中、大草から坂月付近まで都川の土手に沿って、湧き水や生き物を観察しましょう。 日 時:3月25日 10:00〜15:00 場 所:都川・大草から坂月付近 集 合:大草バス停10:00 参加費:300円(保険代) 持ち物:弁当,長靴 主 催:ちば環境情報センター TEL&FAX 043-223-7807 |
第2回「カタクリの花とヒキガエルの産卵を見に行こう会」 日 時:3月29日 10:00〜14:00 場 所:泉自然公園 集 合:泉自然公園駐車場10:00 参加費:300円(保険代) 持ち物:弁当 主 催:ちば環境情報センター TEL&FAX 043-223-7807 |
編集後記:今年の冬は例年になく寒かったような気がしますが、これでも平年並みとか。そういえば12月は暖かかったですね。日差しもだいぶ強くなって、そろそろガマ合戦の始まる季節です。 mud-skipper