ちば環境情報センター
2001.8.4 発行    ニュースレター第49号
代表:小西由希子

目次
  1. プレーパークってなあに? 
  2. 谷津田プレーランドプロジェクトの活動状況
  3. 夏休み子ども環境講座
  4. YPP谷津田プレーランドプロジェクト 「みんなで作ろう!田んぼの守り神?かかし」

プレーパークってなあに? 

四街道にプレーパークを作る会代表 四街道市 古川 美之(みゆき) 

プレーパークとは冒険遊び場のこと。子どもたちが整備された公園よりも、空き地や廃材置き場などの方が生き生き遊んでいるのを見つけ、デンマークから始まったもの。日本では東京、世田谷区が20年程前よりはじめ、現在は全国で100ケ所程になります。公園の一角を借りたり、空き地を利用したりと形態は様々ですが、既成の公園の禁止事項を取り除き、自然を相手に泥んこになったり、火を起こしたり、ノコギリやとんかちで何かを作ったりと、子どもたちが自分の創造性をいかして冒険しながら遊ぶ場です。
テーマ"自分の責任で自由に遊ぶ"。とかく禁止事項が多い現代、大人は子どもの自由までも管理しようとしています。子どもの豊かな感性を大切にし、溢れ出る創造性と興味の固まりを、かたちにする手伝いをしてあげるのが大人の役目だと思います。ケガをしたり、けんかをしたりする遊びの中で、人との付き合方、生きる術、生きる力を身に付けていくのでしょう。
いつもはワンパクすぎる子も、学校では引っ込み思案の子も、自然のなかではのびのびとその子の良さが発揮でき、心も体も解放されるのです。木に登ってもよし、火をおこしても良し、泥んこになったりハンモックに揺られたり探検したり、なんでもokな遊び場、それがプレーパークです。
四街道市でもプレーパークを開いています。自然豊かな四街道市でも自然の中で自由に遊ぶ子どもの姿は少なくなりました。土の臭いや、風のそよぎを体で感じて遊んでほしい。いろんな体験をして大きくなって欲しい。心の原風景や自然体験の引き出しをいっぱいもって大人になってほしい。そんな思いで四街道にも自然豊かなプレーパークを月1回開いています。 総合運動公園のキャンプ場や、四街道郷土の森が遊び場です。 
今年2月より始め、少しづつですが、プレーパークを楽しみに来てくれる子どもたちも増えました。そして準備をするスタッフ、遊び場を手伝ってくれる、遊び上手な大人たちの協力も多くなってきました。ちば環境情報センターの「2001年こんなことしたいワークショップ」でも、この会を提案し、多くの方にプレーパークの遊びのリーダーとして参加してもらっています。自然観察やネイチャーゲームもあります。
これから・・・
四街道の自然豊かな地の利を生かしたプレーパークを続け、どこかに常設していきたいと考えています。それには行政との関わりもでてくるでしょうそこに行ったらいつでも遊べる。大人も子どもも自然の一部になれる場所。自然の一部になることによって、自然への感謝、ひいては環境への配慮がされていくのではないでしょうか。次回は9月3日、四街道市皇生霊(みむすび)神社で10:00から行います。たくさんの参加者をお待ちしています。お近くの方是非協力して下さい。たくさんの笑顔が待っています!!


谷津田プレーランドプロジェクトの活動状況

千葉市緑区 高山 邦明 

5月に昭和の森で行われた第4回ちば環境情報センター研修会で立案された「谷津田プレーランドプロジェクト(略して、YPP;ニュースレター第47号に計画の概要掲載)」では、その後、6月と7月に2回の活動を行いました。その様子を報告します。
第1回は6月24日に「泥んこ田んぼづくり」をしました。10時に下大和田に集合した時は小雨模様でしたが、昼過ぎには日差しが出るほどに回復し、作業をするにはちょうど良い天気でした。ミニコミ紙などで紹介されたこともあり、33名と実にたくさんの方が集まってくれました。そのうち、子供が9人、幼稚園から小学校高学年まで、元気一杯のちびっ子で最初から大いに盛り上がっていました。泥んこゾーンに割り当てた田んぼでお父さんはもちろん、お母さんもちょっぴり子供たちも参加して、鍬をふるい、田を起こしました。そこに小川から水を入れましたが、畦のあちこちに穴が開いていてその修復が大変。稲を植えた田んぼで畦の大切さを感じていたところですが、ここでもそれを再認識しました。水がたまった田んぼに、子供たちは最初は恐る恐る入っていましたが、すぐに泥投げがはじまり、顔も頭も全身泥だらけの大騒ぎ。大人はとても近寄ることができないほどで、遠くから泥と戯れる子供の姿を頼もしく眺めていました。最後に子供たちを集めて、泥んこコンテストをやりました。この泥んこ田んぼは、その後、幼稚園児を対象とした環境教育活動にも利用され、大変役立っています。
谷津田の自然に親しむアクティビティとして、「カエルもみんなも大ジャンプ大会」も行いました。カエルを捕まえて、めいめいがユニークなニックネームをつけ、体長、体重を測って用意したカードに記入。ジャンプはカエルだけでなく、人もジャンプし、体長の何倍飛んだのかで競いました。なかなかジャンプしないカエル、カエルが苦手なお母さんに向かってジャンプするカエル、真剣にジャンプする大人。ワイワイ楽しい時を過ごしました。人間は到底及ばないカエルのジャンプのすごさを改めて感じました。
第2回はうだるような暑さの中、7月21日に実施しました。3連休の中日にもかかわらず、子供11人を含む27名が参加しました。テーマは、「葉っぱで染めて見つけよう谷津田カラー」、草木染めです。
まず、めいめいが染めに使ってみたい植物を田んぼの周りで摘みました。葉っぱの煮えるにおいに、ほとんどの子は「くさい!」と言っていましたが、植物によって臭いが違うこと、同じような緑色をしていても煮汁の色、染まる色が違うことに気づきました。絞り染めにも挑戦し、うまく四角や丸の模様ができて拍手喝采。草木染めを初めて経験する方がほとんどで、大人も興味津々でした。鮮やかな黄色のオオアレチノギク、優しい黄緑色のヨモギ、柔らかなクリーム色のクズなど、いろいろな谷津田カラーのハンカチが染め上がりました。
自然との触れ合いアクティビティは、「何でも釣りたい!会」。最初に釣りの対象となる生き物に関するイラストを使った「本物は誰だ!」のクイズを出し、答えは釣った人に教えてもらうことにしました。たとえば、「カエルの手の指は何本?」(ご存じですか?)。用意した餌と糸に自分で探した竿を使って、みんな真剣な顔つきで釣りに挑戦。残念ながら釣果はザリガニだけでしたが、すんでのところでメダカやトンボを取り逃がした人もいました。子供たちは釣ったり、捕まえた生き物をじっくり見ながら観察カードに書き込んでいました。用意した顕微鏡で見たトンボの目の美しさにはみんな感激しました。
まだ、2回だけの活動しか行っていませんが、子供たちが泥んこで思いっ切り遊んだり、生き物をじっと見つめたり、生き物と戯れたりする姿を見ると、谷津田を活動の場とすることの大切さを改めて感じます。また、子供だけでなく、大人も十分楽しんでおり、谷津田での遊びが、その自然の豊かさ、大切さに気づくきっかけになると確信しています。参加者にリピーターや新たな顔ぶれが見られるのが毎回、楽しみです。まだ、スタートしたばかりで思ったとおりにいかないことも多々ありますが、成果も反省もしっかり記録に残して、次につなげていこうと考えています。次回は8月19日。「みんなで作ろう!田んぼの守り神?かかし」の予定です。皆さん、ぜひ、ご参加下さい。


夏休み子ども環境講座

千葉市稲毛区 中村 彰宏

7月28日(土)〜29日(日)に、夏休みのイベントとして定着してきた「夏休み子ども環境講座」が柏市「柏の葉さわやかちば県民プラザ」で行われ、スタッフとして参加しました。今回の参加者は、小学校4年生〜中学校1年生までの22名で女の子が多く、リピーターが半数を占めるなどの人気ぶりで、スタッフもちば環境情報センターの精鋭15名前後での1泊2日となりました。初参加の僕も、今回は2つの活動の担当を任され、とても緊張したスタートでした。
まず最初のアイスブレーキングでは、自分の背中についたカードの動物を当てる「私は誰でしょう」、名前を呼び合いながらのキャッチボール、自分が森の生きものになって森へのお誘いの手紙を書く「森からの招待状」の3つを行い、お互いの緊張をほぐすことができました。
次は「ゴミ」についてみんなで話し合い、「物を大切にしよう!」となったところで、「エコクッキング」。普段は捨ててしまうスイカの皮などを利用したりして、みんなでわいわいと料理を作りました。子ども達もずっと真剣に料理をしていて、それぞれが達成感を感じた料理づくりでした。スイカの皮や野草のてんぷらなど、最初は「これって食べれるの?」といってた子も、一口食べたら「おいしい!」と大喜び。おなかいっぱい食べた後は、自分で作った料理のレシピを大切に持って帰りました。
休憩した後は、暗くなったところで「ナイトウォーキング」。普段は体験することの無い夜の散歩では、はしゃぎ回ったり、ねっころがって夜の音を聞いたり、それぞれに素敵な時間を過ごしました。部屋に戻ると後は入浴して寝るだけとなるのですが、宿泊する部屋がとてもゴージャスで子どもは大はしゃぎ。中には午前1時まで起きてたという子もいて、夏の夜の思い出を満喫していました。
2日目は、3つの活動コースの中からそれぞれやりたい事を選び、それでできたグループで活動をしました。雑草で紙づくりと草木染めのグループでは、ヨモギなどから紙を漉いたり、試行錯誤しながら一生懸命染め物をがんばりました。ソーラークッキングと自然工作のグループでは、太陽の熱でピザができて大喜び。工作も、人形のペンダントや竹とんぼなどを真剣に作ってました。生きもの遊びと観察のグループは、いろんな生きものを見つけたり、プランクトンを顕微鏡で見たりと、たくさんの発見をしました。最後にはそれぞれのグループで活動発表。一生懸命考えて発表できました。聞いていた子も、「次はあれやりたい!」と興味津々。
2日という長くも短い時間の中で、子どももたくさんの体験ができたし、スタッフも色々と学ぶことが多く、お互いに成長できたイベントでした。今度は何をしようかなぁ♪


YPP谷津田プレーランドプロジェクト 実践行動第3弾
「みんなで作ろう!田んぼの守り神?かかし」

暑中お見舞い申し上げます。この暑さの中、みんなで植えた稲はグングン大きくなり、出穂の準備を進めていることと思います。そこで、お米を守ってくれる"かかし"作りに挑戦したいと思います。子供も大人もみんなでユニークなかかしを作ってみましょう。田んぼの生き物しらべや泥んこ遊びもやります。お楽しみにネ!

日 時:8月19日(日) 10:00〜14:00  ※小雨決行
場 所:下大和田谷津田(千葉市緑区)
集 合:中野操車場バス停10:00
(JR千葉駅10番成東行きちばフラワーバスで45分,520円)
持ち物:かかし用の古着・古帽子など、もしあれば工具(のこぎり,小刀など),弁当,飲み物(暑いのでたっぷり必要です。一人1リットルぐらいのつもりで!),敷物,長靴,軍手,着替えなど
参加費:300円(保険代)
連絡先:高山邦明(TEL&FAX:043-294-9656 e-mail:kuni@eastcom.ne.jp)
主 催:ちば環境情報センター   共 催:ちば・谷津田フォーラム

YPPでは「メダカ・トンボ池」,「水草池」,「なんでも広場」,「泥んこ田んぼ」の造成,谷津田ジオラマの制作,谷津田祭りなどなど、米づくりだけでない谷津田利用のしかたを考えていきます。みなさんも一緒に「谷津田プレーランド」を創造していきませんか。


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     <e-mail>QYK16306@nifty.ne.jp
【発送お手伝いのお願い】
ニュースレター9月号(第50号)の発送を9月7日(金)10時から事務所にておこないます。発送のお手伝いをしてくださる方を募集しています。よろしくお願い致します。


編集後記:うだるような猛暑が続いた7月。平均気温は3℃も高かったとか。暖かかった冬といい、このまま地球規模で気温が上昇していくのでしょうか、それとも一時的な出来事なのでしょうか。 mud-skipper