ちば環境情報センター
2002.5.8 発行    ニュースレター第58号
代表:小西由希子

目次
  1. 大栄町でおこなわれた「ちば環境再生計画意見交換会」
  2. CEIC・トワイライトサロンに参加して
  3. 笑顔で自然とのふれあい「野草を食べる会 」
  4. フリーマーケットに参加しませんか?   

大栄町でおこなわれた「ちば環境再生計画意見交換会」

 八街市 網代 宏和

3月27日、大栄町での環境再生基金についての話し合いが行われましたので、内容を簡単にまとめてみました。この話し合いをもとに4月17日に県の人たちと話し合いを持ちました。
大栄町での話し合いはとてもシンプルでしたが、参考になることが多くありました。千葉や船橋や東葛地区ではどのような話し合いがもたれているのか、意見交換ができると話の広がりや深みが増すように思います。県側との話し合いももっと具体的で積極的で前向きになっていくように思います。点在する環境再生計画の話し合いが、ネットワーク化して県民全体に伝わっていくことを期待してお知らせします。
大栄町での話し合いはこんな感じでした。まず個人個人の意見を聞く。それから問題点を掲げ、自分達にできることを決めていく。最後に県側にやってもらうことをあげる。簡単に言うと、「おら(われわれ)はこれやるから、おめえ(県側)はこれをやってくったいよ」ということです。
話し合いで決まった具体的な活動の方向を述べます。基金の柱は3本です。
(1) 菜の花計画を継続のための採算の取れる道として模索したい。
(2) 現存する自然環境を残し、守り、育てること。
(3) 環境のことを県民に伝えていくこと。
大栄町では、この3本の柱に沿って以下のような方向で県側と話し合っていくようです。
(1) 県の菜の花計画を大栄町でも進めていく。菜の花を1へクタール栽培し、油絞り機を1機基金から出資してもらい油を取る。油絞り機は、町の所有として町民の誰もが使えるようにする。お金を稼くというよりもまず自分達の食べるものを自分達で作るというスタンスをとる。
(2) 北総地域(香取、印旛地域では)のホタル、めだか、かわせみをはじめとした生き物マップをつくる。そして生き物を守る活動を進めていく。
(3) 子供達に農業を伝えていく。子供達にまず知ってもらい、子供から親へと順に意識を持ってもらえるような教育活動を行う。
以上の3点について概算で事業費を請求していくという方向です。3点それぞれに担当者を決め、県側に文書を出して話を進めていくようです。環境を守っていこうという方向は県側もわれわれも同じです。建設的な話し合いをしていくことが環境を守る近道のように思われます。


CEIC・トワイライトサロンに参加して
−地域通貨を考える−

千葉市稲毛区 中村 彰宏 

4月19日ちば環境情報センターの第2回CEICトワイライトサロンに出席しました。参加者は13名で、千葉市,佐倉市,習志野市,市川市をはじめ、遠くは埼玉県から騒音被害者の会の方もみえて夕暮れのひととき、環境についてのおしゃべりを楽しみました。
特に、千葉まちづくりサポートセンターの栗原さんからは、現在行われている地域通貨「ピーナッツ」を活用したまちづくりの現状や、将来性などについての詳しい報告をしていただきました。参加したかったけれどできなかった方のために、ちょっと専門的なことも入ってしまいますが、地域通貨についての報告をします。
地域通貨とは、国の貨幣にはとらわれずに、地域ごとの人・店で流通する通貨のことで、地域内での資源・経済の循環ができる(地産地消の推進)。いろんな国で実践され、日本ではもっぱら経済的効果よりはコミュニティーツールとして普及している。現在、全国で200種類を超す地域通貨が流通し、千葉まちづくりサポートセンターでも2年ほど前から千葉大学の横の「ゆりの木商店街」で地域通貨「ピーナッツ」を発足。店舗が28〜29ほどの商店街ではじめた地域通貨は、最初は1件のみが参加し、現在では20ほどの商店が参加、個人会員も650人を超える。地域通貨会員は加入している商店での支払いの数%を地域通貨で支払える。地域通貨の残高はマイナスになってもかまわず、取引額・残高を地域通貨の通帳にそれぞれ記入する。
ゆりの木商店街では、毎月1回、「土曜市」としてピーナッツを使った市を開催し、また、おなじくピーナッツを実践している野栄町の有機農家の方なども野菜を地域通貨で売りに市にやってくる。そして個人会員は、商店や有機農家のお手伝いなどをして地域通貨を増やすこともある。これからは、ゆりの木商店街と同じ地域で、さらに広域である「松波商店街」でのピーナッツの実践も計画されている。

<地域通貨の現状>
地域通貨の実践には、
1.NPOなどが中心となって実践していくタイプ
2.地域が中心となって実践するタイプ
があるが、流通状態の把握や管理などを考えると、最初はNPOなどが管理しても、やはり将来的には地域内で管理・運営していくのが理想。地域通貨の形式としては、
1.貨幣や紙幣を発行して流通させるタイプ
2.通帳を発行し、取引時にお互いで内容を記入するタイプ
があり、正式には通帳は「地域通貨」と言わず、「トレーディングシステム」と呼ばれる。
それは、1のような本当の「通貨」にすると、その流通量が大きくなると税金の課税対象になる場合があるため、それと区別している(本来は、通貨は国の発行する「円」だけでなくてはいけないらしい)。つまり、通帳タイプにすれば課税など法的には問題は無い。また、通帳の利点としては、「スタート時に手持ちの地域通貨が無くても取引できる」ということ。地域通貨の特徴の1つとして、「残高がマイナスになっても大丈夫」というのがあるが、貨幣や紙幣タイプにすると、取引時にそれを持っていないと取引ができない。
しかし通帳ならば、マイナス残高と記入すればよいので、0からでもスタートできる。ちなみに、日本以外の地域通貨の例として日本と違う点があるのは、例えばイギリスやアルゼンチンなど、階級社会のある国での実践。そこでは、下の方の階級地域では経済が成り立たず、そこで地域通貨を取り入れることにより、いままで商品として価値が出なかった農作物などを地域間で流通することができ、その地域内だけで経済を成り立たせることができる。

<地域通貨の可能性>
○「インターネット・ハイテクを利用した地域通貨」
現在では、インターネット上での地域通貨もあるらしい(僕は知らなかった(^^;))。ネット上でお手伝いやリサイクル品の販売などを地域通貨を使って取引するらしい。また、栗原さんの話では、将来的な可能性として、腕時計型の機械を使って、駅の「suica」のように、「握手」をするだけでその機械同士で地域通貨の情報をピピッと交換できるようなものも可能という話。
○「地域通貨から地域通貨」
 1つの地域通貨から、ある分野で限定した地域通貨などを分化することも考えられる。これは、地域通貨にはいろんな種類があり、利用する人は自分に合った地域通貨を選べるという方が参加しやすいということが背景にある。さらに分化したそれぞれの地域通貨で相互乗り入れ(違う地域通貨でも同じように取引できるようにする)することで、全体としては大きな地域通貨の流通が保持できる。
○「デポジットと地域通貨」
デポジットとは、例えばイベント会場での食べ物販売の時に、プラスチックの食器などをお店から消費者がお金を出して借り、使い終わったらお店に返せば、お金も戻ってくるというシステム。これにより、紙のお皿、割り箸などのゴミの低減もできる。これをスーパーなどでデポジットを採用し、その際に地域通貨を利用することで、ゴミの低減・リサイクル率アップにも活躍できる。
<まとめ>
地域通貨は、貨幣・紙幣タイプや通帳タイプ、NPO中心や地域中心など、いろんな形式はあるにしろ、「結局のところは『人』である」ということに尽きる。
人と人が会い、交流する・・・。地域通貨はその通貨の流通のシステムではあるが、その真髄は人と人の交流にある。特に日本の場合は経済的効果よりもコミュニティーツールとしての度合いが高い。地域通貨を通じて、地域の活性化・人のふれあいが生まれ、地域のみんなに笑顔が増えることが地域通貨の本当の目的なのです。

笑顔で自然とのふれあい「野草を食べる会 」

千葉市稲毛区 大野 理恵子 

朝から小雨の降るあいにくの天気。ところが、集合場所へ行ってみると、みんな万全の格好で、これくらいの小雨なら問題ないよ、という感じ。噂に聞いていた谷津田に向かって歩くと、一面につくし。「うわぁつくしだぁ」と思っていると、皆さんの手によって、あっという間にたくさんの野草が集められてきた。感激、食べられる野草がこんなにあるなんて・・・。早速私もワラビを採ろうとはりきって歩いてみるが、思うように見つける事が出来ない。夫もかなり草をかき分けて草むらに入って探すが、似ているけど違うものだったりで、思ったより難しい。でも楽しい。よもぎくらいは知っているつもりだったけど、本当にこれかな?たんぽぽはどこででも見られるけれどこれも食べるの?初めて見るもの、よく見るけど名前は知らないもの、食べることが出来るなんて知らなかったもの。私から見ると単なる雑草が、野山の達人の目に留まると、素敵な食材となった。野草を採る人、洗う人、料理する人、皆さん手際が良く、あっという間においしい天ぷらの出来上がりとなった。小川ではザリガニや小魚がとれ、焚き火では竹の手作り飯ごうでご飯も炊けている。観察隊の方からも花の事を教わり、田舎で育った私も体験した事がないことばかりで感動の連続でした。
普段、なかなか草木と向かい合う事もなく、雑草だと思うと興味もわいてこなかったが、小さな草ひとつひとつの名前を教わったり、おいしくいただいたりすると、自然の中でたくましく生きている姿に気づかされ、もっと守りたい、仲良くしたいという気持ちになってきて、草木に対する気持ちが違ってきた。
大人も子供もみんな笑顔で、泥んこになりながら焚き火を囲み、楽しい時間を過ごすことが出来ました。自然の中でたくましく育った命をいただいて、私自身、エネルギーをいっぱいいただけた気がします。是非また家族で仲間入りさせて下さい。
誘って下さった及川さん、会を支えて下さっている皆さん、本当にありがとうございました。

フリーマーケットに参加しませんか?   

  千葉市若葉区 中村 幸   

私がごみゼロネットちば21(通称GONET:ゴネット)でフリーマーケット初体験してもうすぐ1年になります。フリーマーケット(flea market)のfleaとは「ノミ」という意味で、「のみの市」ということです。
 参加第1の目的は、「不用品をごみにせず使ってもらえる人へ渡す」ということです。値段はどうであれ、買ってくれる人がいることに毎回感動します。
 いつかは使う…とあたためていても結局は使わないものは多いのではないでしょうか?我が家の不用品を見直し、その多さに反省させられます。どういうものが不用品になるかというと、壊れて修繕しないで放置しているもの、昔は使用目的があったが今はないもの、マイブームの終了、衝動買いで使わなかったものなどでしょうか。
 知人に譲るといっても希望にそえないものは多いし、リサイクル店へ持って行っても断られるものが結構あります。インターネットオークションも挑戦しましたが、送料がかかりますし、良品や価値のあるもの以外は売れません。フリーマーケットは切り札ではないかと思います。子どもの頃やってみたかったお店やさんごっこが実現する場でもあります。
 ちょっと探すとフリーマーケットっていろいろな所で行われています。商品を磨いたり、修繕したり、余り布を使って手作り品を作ったりと前準備が必要なことはありますが、ものへの愛着がわいてきたり、「何で買ってしまったんだろう」「これからの買い物は良く考えてからにしよう」とか"ものと生活"について学べることが多くありました。
 考えすぎかもしれませんが、人はいつ、どんな事故があって命を落とすかもしれません。私が死を迎えたとき、私の持ち物はほとんどごみになるでしょう。ごみを残すより身辺整理をし、常にシンプルな生活を心がけたいと思っています。
 フリマ貯金はGONET活動資金に使う予定です。フリマ貯金を災害への寄付に使っている方もいると聞きました。頭が下がります。 新しいものを買う前に、不用品を捨てる前に、フリーマーケットに足をはこんでみませんか?結構はまりますよ。


5回 ちば環境情報センター・環境活動実践ワークショップ
「2002年こんなことやりたい!!!」

環境問題に関心があって、「こんなことやってみたい」あなた、仲間作りや実行計画づくりにお役立て下さい。
子育て中のお母さん大歓迎!!(託児付き!)今年も、お母さんも参加できるよう、学生ボランティアによる託児をもうけます。
日 時:2002年5月25日(土)10:00〜 26日(日)1泊2日
場 所:一宮少年自然の家 長生郡東浪見7493-2,TEL.0475-42-5711
集 合:JR外房線上総一宮駅改札口9:30
費 用:6,000円(宿泊費1泊3食,参加費,保険代を含む),子ども2,500円(食事を必要とする場合)
主 催:ちば環境情報センター
申込み・問合せ先:ちば環境情報センター(TEL&FAX 043-223-7807),高山邦明(mail:kuni@eastcom.ne.jp)
第29回「下大和田谷津田の観察会とゴミ拾い」
千葉県立中央博物館友の会会長で、植物に詳しい岩瀬徹氏を講師に、谷津田の生き物を観察
日時:2002年6月2日(日)10:00〜14:00
場所:千葉市緑区下大和田谷津田
集合:中野操車場バス停10:00
持ち物:筆記用具,弁当,水筒,敷物,長靴,軍手,ゴミ袋
参加費:300円(保険代)
主催:ちば・谷津田フォーラム   共催:ちば環境情報センター
ちば環境情報センター
第3回CEIC・トワイライトサロン
日時:2002年5月16日(木)18:00〜20:00
場所:ちば環境情報センター事務所
話題提供:ラディック・鯨井氏(masterキートン,SEED作者)
つやまあきひこ氏(学研連載環境漫画マジンジラ作者)
ちば環境情報センター企画・運営
大宮公民館環境学習講座「気づこう!千葉の自然と環境」

ちば環境情報センター企画・運営による環境講座,私たちの日々の生活で気になる飲み水とゴミを中心に、身近な環境問題を学びます。
第1回 6月 6日(木)「都川の上流を訪ねて」網代春男氏
第2回 6月 9日(日)「都川で川遊び」田中正彦氏
第3回 6月20日(木)「飲み水を検証してみようー家庭の水を調べてみよう」小倉久子氏
第4回 7月 4日(木)「ゴミと暮らしを考えるー家庭のゴミをはかってみよう」伊原香奈子氏,中村幸氏
第5回 7月14日(日)「エコ・クッキングーゴミを出さない料理づくり」志自岐百代氏,福満美代子氏
☆講座全体のファシリテーターは小西由希子氏
会 場:大宮公民館,都川
参加者:3回以上参加できる一般成人(2・5回は子どもの参加も可)30名〈先着順〉
主 催:千葉市大宮公民館  連絡先:大宮公民館043-265-2284(担当:布施)
ちば環境情報センター  総会と交流会
日 時:2002年6月16日(日) <総会10:00〜12:00,交流会12:00〜14:00>
場 所:ちば環境情報センター事務所  参加費:交流会のみ500円

編集後記 連休後半、那須に出かけました。誰もいない新緑の森で、二抱えもあるブナの大木を見上げると、大空に広がる葉の重なりが鮮やかな緑の階調を作り出していました。自然に対して、畏敬の念を心に刻んだ一時でした。 mud-skipper