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千葉市緑区 高山 邦明
今年で5回目を迎えるちば環境情報センターのワークショップが、2002年5月25?26日に一宮町の船橋少年自然の家で開催されました。恒例のこの集まりは環境問題に関心があって「こんなことをやってみたい」と考えている人、「今の活動をもっと充実させたい」と願っている人たちが仲間を見つけ、その思いを実際の行動に移す手助けをする研修会で、今回は21名が参加しました。昨年に続き託児を引き受けるボランティアの協力により、幼児1名と小学生2名を引き受けました。
緊張の面もちでやって来た参加者もアイスブレーキングで行った自分の感覚を知る楽しい理科実験を終える頃には肩の力も抜け、昨年の活動報告にワークショップへの期待を高めていきました。初日の午後は一宮のまち探検。さわやかな五月晴れの下、歴史、くらし、自然の3グループに分かれ、一宮の中心街周辺を散策し、その様子を発表し合いました。グループそれぞれに様々な出会いや発見があり、みんな一宮町をとても気に入った様子でした。
夕方からいよいよ「2002年やってみたいこと」の話し合いに入り、各自がこれまで思い描いてきた複数の提案をし、似ているテーマをまとめるところまでを初日に行いました。
夕食後のナイトハイクでは見事な満月を眺めながら散歩をし、ネイチャーゲーム「魔法の黒い鍋」でその日のあるいはそれまでの自分をふり返ったり、夜の雰囲気を静かに味わったりしました。そしてお楽しみの懇親会では以前からの知人のようにお互いにうち解けて、環境についての熱い議論から笑い話まで時間を忘れて語り合いました。
早朝デートにはじまった2日目はいよいよ行動計画作りです。初日に分けたテーマの中で自分が取り組みたいものを決めてできあがったグループは、子供たちを対象とした環境活動を行う「こどもグループ」,環境に関する講座を企画・運営する「ニッチカフェ」,環境活動の効率的な広報を考える「PRチーム」,谷津田の保全を目的とした「谷津田まるごと図鑑プロジェクト」の4つです。グループごとに活発な話し合いをして作り上げた計画は具体的で、いつものように「○月○日××で△△をする」というところまで決めました。各行動計画の詳細な内容はこのニュースレターの2〜3ページをご覧下さい。どのグループもやる気満々、活動は魅力一杯で、最後の記念写真は皆さん満足感でとても素敵な顔をしていらっしゃいました。
研修会に参加できなかった皆さんも各グループの活動に興味を持ったら、ぜひ情報センターまでご連絡下さい。参加大歓迎です。ワークショップに参加された皆さん、スタッフとしてご協力下さった方々、本当に有り難うございました。今年も張り切って行動しましょう。
<研修会参加者>
浅尾公司,井上健治,伊原香奈子,小川晃弘,小沼良子,籠谷公輔,小西朝希子,小西槙希子,小西由希子,
清水茂憲,高山邦明,田中正彦,中村彰宏,平田和博,福満美代子,古川美之,町田徳子,南川忠男,
宮川沙弥香,毛木仁,渡邊英二
【2002年度活動グループ】
1.ニッチカフェ(井上健治,籠谷公輔,平田和博)
ニッチとはすき間,カフェはみんなが気軽に話し合える場所を意味します。ちば環境情報センターが主催する「トワイライトサロン」を補足する講座として発案しましたが、さまざまな環境講座やシンポジウム,保全活動を補足するためのプチシンポです。いつでも、どこでも、だれでも気軽に開催・参加できるイベントですので、機動性にも富んでいます。「ニッチカフェ」のネーム使用,web転送など自由です。
皆様の活動に積極的に活用していただければ幸いです。
第1回ニッチカフェ
テーマ:地域通貨の実践「私たちの地域で地域通貨を使おう」
日 時:2002年7月11日 18:00〜20:30
場 所:ちば環境情報センター事務所(千葉市中央区中央
1-6-9)
参加費:200円
2.こどもグループ(小西朝希子,清水成憲,古川美之,町田徳子,南川忠男,宮川沙弥香)
こどもグループは独自企画として、CEICパラサイトイベントを考えました。企画内容は、ヤゴ救出大作戦,こどものための夏休み宿題対策としてのこども環境問題講座(化学物質−食の人体への影響),森で絵本を作ろう,野焼きで陶芸の4つです。
CEICパラサイトイベントはエコクッキングの講座で、食の安全や化学物質の危険性について考える,川遊びをしながら郷土についての話をする,こども環境講座の企画などです。これらのイベントを通して、子供達の身の回りで起こっている環境問題や自然について知ってもらい、私たちも楽しめる企画作りを目指したいと思っています。
3.谷津田まるごと図鑑プロジェクト
(小川晃弘,小沼良子,高山邦明,田中正彦,福満美代子,毛木仁,渡邊英二)
長年の稲作の伝統と豊かな生態系の谷津田の保全を推進したいと願う参加者が集まり、その方策の一つとして一連の「谷津田まるごと図鑑」を作ろうという計画が作られました。図鑑は大きく、いきもの図鑑とくらしの図鑑の2つに分けられます。
いきもの図鑑は谷津田を訪れる人々がそこに生きる動物や植物を知るのに役立つもので、季節ごと、土地ごとにわかりやすい冊子を作りたいと思います。対象地は参加者のこれまでの活動から、夷隅町、一宮町松子、千葉市下大和田の3地区とします。今は見られない昔はその場所に生息していた生き物についても地元の方の話を聞いてもコラム的に掲載する予定です。また、食べられる山野草の情報も入れたいと思います。
くらしの図鑑は谷津田の伝統を伝えるもので、下大和田を対象として、歴史、米づくり、行事などについて地元の方からの聞き取りで集めた情報をまとめたいと思います。並行して昔ながらの米づくりなどの技術をビデオに収録していく計画です。この図鑑作りを通じて地元の方との交流をはかることも期待しています。
図鑑づくりからは離れますが、谷津田で自然物を使った楽器作りとその演奏会を開きたいとの声があがり、下大和田谷津田プレーランドプロジェクトの活動として実施することになりました。
谷津田まるごと図鑑プロジェクトをぜひ応援して下さい。興味のある方の参加は大歓迎です。
4.PRチーム(伊原加奈子,小西由希子,中村彰宏)
環境保全活動にたくさんの人が参加し、もっともっと活動が元気になるためにはどうすればいいかを話し合いました。
@仲間拡大プロジェクト・・・新入会員さんなど何かやりたいと思っている人にこちらから積極的に声掛けして活動に誘う。
AIT広報プロジェクト・・・環境に関するさまざまな情報(安全な野菜を売っているお店の紹介とか)を充実したホームページをつくりたい。
B対外連携プロジェクト・・・会の活動を知ってもらうよう行政へもアピールするとか、イベント広報をお願いするマスコミリストを充実する。
C思い立ったが吉日プロジェクト・・・「オレンジページ」「たまごクラブ」など、環境にそれほど関心を持たない人も読んでいる雑誌に、気軽に取り組める環境のことなどを投稿する。
Dブッチッチ(分野別活動紹介チラシ)企画・・・地球温暖化・食の安全・里やま保全など、テーマごとに県内の保全活動を紹介したチラシを作りフリマなどイベント時に配布する。補助金をもらって実現したい。
環境問題に関心があって何かやりたい人が行動できる環境作り(仲間増やし)が私たちの今年の課題です。
研修会に参加して 千葉市緑区 小川 晃弘
今回の研修会で、僕は大きな財産を得ることが出来たような気がします。その財産とは、多くの個性的な方々と出会えたことです。僕は、ちば環境情報センターのイベントに参加したことはありましたが、研究会に参加するのは今回が初めてでした。自分は自然や環境に関わる活動がしたいと前から考えていましたが、具体的に自分が何をしたいのか、どうすればいいのかが分かりませんでした。そこで僕は、この研修会とめぐり合いました。
研修会では、昨年の活動の発表やナイトハイク、早朝デート、そして今年の実践計画とあり、プログラムは盛りだくさんで、内容の濃い二日間をでした。同じ想いを持った人たちと過ごした時間は本当に楽しかったです。僕は、去年はイベントに参加していましたが、今年はイベントのスタッフをやることになりました。この研修会がきっかけでやってみようという勇気が出ました。この機会を与えてくれた主催者の皆さんありがとうございました。
今年の研修会の成果
ちば環境情報センター代表 小西 由希子
今年の研修会の特筆する成果の一つは、昨年参加者だった皆さんが今度は実行委員(福満美代子、高山邦明、中村彰宏、小西朝希子)として関わって下さったことにあります。昨年の研修会で計画した活動を見事やりきり、今年は新しい参加者を巻き込むスタッフとして活躍して下さったことです。日程・会場決めやさまざまな準備に始まり、参加者集めという最難関にも取り組んでくれました。これこそ"気づき"が"行動"に移ったまさにその瞬間だったのではないかと思います。そしてもう一つ、日頃から環境学習に取り組んでいる教員の方が4名も参加してくださったこと。これをきっかけに、教育者が市民活動にもっともっと参加してくださればよいと思います。
参加者の皆さん,裏方で支えて下さったたくさんの方々、本当にありがとうございました。
成田市 富重 正蔵
本会は3年前に立ち上がり、2001年末現在、約50数名の会員で構成されています。本会の目的は、成田市およびその周辺の里山を守り育てることです。また、その活動をとおして、地域の人びとどうしの親睦や、環境に関する意識の高揚も期待しています。
活動資金は主として、会員からの年会費2000円と、各種の催しのときの単発の集金ですが、成田市からも本会の活動が理解され、若干の助成金をいただけるようになりました。NPO化も検討中です。
活動の内容には次のようなものがあります。
・森や林の手入れ(枝打ち、下草刈り、竹類の間引きなど)
・植林(桜の木など)
・炭づくり(竹炭、竹酢油)
・きのこづくり(シイタケ、マイタケなど)
・畑作業(大豆の収穫から味噌づくり、大根の収穫から沢庵づくり)
・レンゲ草の種まき
・屋内勉強会(樹木や水のことなど、いろいろな問題に関する専門家の講義)
私はときどき自分のとども(4人)を活動に参加させるようにしています。無理強いをせず、そのときどきで、都合のつく子だけを連れて行きます。ことさら環境学習ということでなくとも、この「里山の会」、家庭菜園、身近な森の散策などをとおして、いつのまにか子供の環境への関心や理解が深まっていくようです。子供のエコマインドの醸成といえるでしょう。
私は学生のとき電子工学を専攻し、仕事はずうっと飛行機の整備関係でしたので、植物や動物などのことは知りません。それでも、最近は余暇活動をとおして、自然の環境へも目が向くようになりました。この活動は精神衛生にもよさそうです。ちば環境情報センターの方たちにも教わりながら、みんなで楽しくて有意義な人生をおくりたいものです。
千葉市美浜区 東 光弘
5月26日、千葉での1回目のアースデイを千葉市稲毛海岸で開催しました。神がかり的な天気にも恵まれ、集まった多くの方たちの協力と善意のおかげで雰囲気の良い非常に感動的なイベントを開催でき本当に嬉しく思っております。稲毛海浜公園を初めて市民に開放してもらったのですが、なかなか行政の手続きは大変で「環境パートナーシップ」の中岡さん(元NPOせっけんの街代表)のご紹介がなかったらまず無理でした。つくづく横の繋がりに感謝です。行政とのつきあいが初めてだったので苦労しましたが、これで実績ができて良かったなと思っています。良い経験をしました。
これまで東京のガイア時代より多くのエコロジーイベントを企画してきましたが今回のお祭りは自分の人生の中でも大変意味の大きな祭りとなりました。エコロジーを広く一般の方々に広めるよう活動してきたつもりでしたが準備を進める中で、どうしても視野が狭くなっていることに改めて気がつけたのです。街のお年寄りに喜んでもらえることがラスト1ヶ月、大きなテーマとなり取り組みました。おかげで素朴すぎて形にすることが難しい事が表現できて本当に嬉しく思っています。これからは「祭り」もエコロジーの一部として取り組んでいきたいと思いました。
今後はこの「アースデイ千葉実行委員会」を年に一度のお祭りの為の会ではなく、一年間を通じて活動し、多くの環境に携わる方たちと繋がり、学ばせていただきながらひげ根のように成長していきたいと考えています。また、稲毛海浜公園を使ったイベントや催しをなさる方にはアースデイ千葉の名前を使っていただけたらと思いますしまたは今回生まれた行政のパイプをご紹介できたらと思います。来年は皆さまと一緒にお祭りをできたら嬉しく思います。
全景 | |
馬頭琴の演奏 |
編集後記:6月2日、夷隅郡市自然を守る会主催の大原ゲンジボタル観察会に参加しました。午後7時過ぎ、辺り一面から湧き上がるように現れて、約4秒周期で同期明滅を繰り返すホタルの大群に時を忘れて見入ってしまいました。 mud-skipper