ちば環境情報センター
2002.9.6 発行    ニュースレター第62号
代表:小西由希子

目次
  1. 「南房総の谷津田ものがたり」を作りたい  
  2. がんばる☆ワカゾー 〜世代を超えて〜
  3. EM菌の体験をとおしたメッセージ@
  4. <換エネ>をめざそう!!ソーラー会 第一回報告

「南房総の谷津田ものがたり」を作りたい  

館山市 森岡 節夫  

一家総出で谷津田の作業。昼食はムシロを敷いた上に腰をおろして。一人が何げなく田んぼの枚数を数えたら、どうしても1枚足りない。大騒ぎになって、気が付いてみたら、1枚はムシロの下にあった。畦のクロ塗りをすると、田んぼの泥がなくなってしまう。田植えの苗は田んぼ1枚に1束で足りた。そんな谷津田にまつわる昔話が、南房総地方のあちこちにころがっている。
安房の北東部から夷隅の南部にかけては、サル,シカ,イノブタなどが出没するので、谷津田はすべて金網や高圧電流線で囲まれている。内陸部丘陵地を流れる渓谷沿いの畑が田んぼに変わったのは、明治になって揚水用の蒸気機関が普及してから。それに蛇行する川の2点を結んで、川回しの隠田を作った昔の苦労話もおもしろい。
両総台地のように、どこにでもわき水があるというわけではない。「デスイ・出水」のある「デド・出どころ」を探し、鍬をかついで行って小さな田を作る。そんな話もお年寄りの話に登場する。
いま、その谷津田が減反政策の大波をうけてどんどん荒れて行く。きっと大雨で洪水が起きるだろう。水田がダムの変わりをしていたことを知っているのは、学者だけではない。それに谷津田が荒れれば、きっとホタルも繁殖ができなくなる..。
「南房総の谷津田ものがたり」。というのが、2,3年後にはまとめてみたい、調査研究報告である。
このフィールドワークを思い立ったのは3年ほど前に、県の中央博物館に展示されていた、千葉県の谷津田集落の生成過程を見てからである。谷津田っておもしろいなと思い、フォーラムに参加し、そして南房総ではどうだったのだろう、と考えた。
通称の南房総の範囲を厳密に規定するのはむずかしい。第3紀起源の丘陵地帯の北限が、茂原市の南部あたりになる。そこから東西にラインを引いて、その南側一帯を想定してみてはどうだろうかと考えた。2つの目標を設定した。その1は、21世紀初頭の時点で谷津田の稲がどのくらい残されているのかを、地図の上に記録する。その2は、谷津田にしかないような苦労話や逸話など、できれば50例以上を取材して、ものがたりとして残したい。
1については、昨年から炎天下をバイクで走り回って、あと夷隅北部に長生と、市原,君津の南部地区を残すだけになった。2については昨年は1と並行させてみたが、稲のある間の時間が足りないので、残りは1を終わらせてからにしようと考えている。木更津市南部から東へ、夷隅,長生あたりまでの範囲である。
もし、こうした取材を分担ご協力願える上総地域の会員がいらっしゃいましたら、大変ありがたいのだがと願っている。
終わりに、この投稿をお勧め下さった会の田中正彦さんに、この場を借りて厚くお礼を申し上げる。
(連絡先:館山市下真倉563-1 TEL.0470-23-0247)


がんばる☆ワカゾー 〜世代を超えて〜

環境シンポジウム2002千葉会議 第7分科会 千葉市中央区 小西 朝希子 

環境シンポジウム2002千葉会議第7分科会では、「がんばる☆ワカゾー 〜世代を超えて〜」をテーマに、昨年に引き続き学生を中心とした若いスタッフで準備を進めています。もちろん対象は、年齢を問わない『自称ワカゾー』。
「エコ生活・まなび・自然」の3テーマで、それぞれの分野でご活躍の方にアドバイザーとしてご参加いただき、活動の現状や課題、さらにこれまでの活動で感じたことなどをお話していただき、その後ワークショップを通じて参加者みなさんの「やる気」を生かしたイベントを企画してみよういうものです。野外活動や学習会・交流会、もちろんテーマを超えた企画でもOK。未熟だけどきっとみんなを元気にする「ワカゾーパワー」を環境活動のさまざまな分野に発揮していこう!!という作戦です。
アドバイザーは、江戸川大学教授 伊藤勝氏,東京都公立小学校教諭・環境カウンセラー 田中敏久氏,ちば環境情報センター代表 小西由希子氏です。アドバイザーの皆さんも大変真剣に関わってくださっています。
環境にちょっとでも興味がある人,何か取り組みたいと思っている人,もうすでに活動している人も大歓迎です。参加者一人ひとりがこの分科会で何かを感じ,始めの一歩を踏み出していけたらと思います。
11月17日(日)、日本大学津田沼キャンパスでお会いしましょう。


EM菌の体験をとおしたメッセージ@

市原市 今野 正子

「サルビアの色がとってもきれいね!何か使っているの?」
「米のとぎ汁、EM発酵液を薄めてかけるの。EM液は、下水の臭いもとれるのよ。」と、近所の奥さまと私の会話。カラーコーディネーターをしてることもあり、我が家では、道路から丸見えの庭の一部を、毎年テーマカラーを決めて道行く人に楽しんでもらっています。
生ごみEM堆肥で作った野菜は家族で食べきれないので、「良かったらどうぞ」と、ダンボールに書いて置いておくと、近所の人やセールスの人が喜んでもらってくれるから嬉しい。無農薬、無化学肥料で、消毒も酢と焼酎とニンニクで作ったし、土をもっともっと豊かにしたいと思っています。
近所には野菜作りの名人がいっぱいいて、危なっかしい手つきの私に畝作り、種まき、植え付けを手取り足取り教えてくれて、時には「鍛えてあげるか
ら、うちの畑に来い」なんて・・・。
我が家は生ごみを一切ごみステーションに出さないのよ。「卵の殻をごみ入れに捨てないで〜!」「魚の皮が、(下水に)流れる〜!」って、大騒ぎです。2歳の孫は上手に生ごみにEMボカシをかけて、嬉しい顔をしています。
そういえば、この前、近所の奥さまが雑草の処分に困っている様子なので「土の上にEMボカシをパラパラまいて、その上に雑草や花がらを敷いておくと知らぬ間に消えちゃうよ」って教えてあげたけれど、どうされたかしら・・。それにしても春の紫とオレンジのビオラ。4月末は最高にきれいでしたよ。


<換エネ>をめざそう!!ソーラー会 第一回報告

出席者8名 勉強の成果  知っていましたか!!

           船橋市 石黒 照明

1.環境省,千葉県,市町村(全部ではない)など、温暖化防止活動に携わる公的機関の資料では、太陽光発電(風力発電も)はCO2削減効果が省エネと根本的に違う事、すなわち太陽光発電では発電そのものからのCO2排出がゼロであることがはっきりうたわれていない。省エネと"換エネ"(エネルギーを転換すること…・これ今回私が発明した新語)は次元の異なるCO2削減策であることが説明されていない。省エネで足りない部分は"換エネ"しかない事をうたったらどうだろうか。
2.CO2排出量を計算するときに使うエネルギー種別あたりの係数が資料によってまちまちだが何処から引用した係数なのかの記述だけでなく算出の過程を説明しておいてほしい。たとえば電気の場合燃料の燃焼だけをカバーしているのかまた燃料は何を使った場合なのか(全体の平均値なのか)。そうした上で太陽光発電と比較しておけばわかりやすいと思う。
3.そして炭素(C)換算なのかCO2表示なのかがが明確に示されていないペーパーが結構多い。CO2は炭素換算の3.7倍で計算することも説明しておいてほしい。(千葉県発行エコアクション31参照)

太陽光発電装置及びその設置について
1.2kwの装置で150万円程度。工事は3時間。
2.政府の補助金が1kw当たり10万円。地方自治体がこれに上乗せ補助をするケース有り。例として市川市と我孫子市は1kw当たり5万円と聞く。
3.電気の売値と買値の単価は基本的に一緒。すなわち両方とも多くなれば等しく高くなる。
4.2kwの装置で老夫婦(私の場合)の生活での電気の売り買いがほぼバランスする感じ(通年のデータはまだない)。この場合基本料分が持ちだし。概算いままで月6,000円の電気代が売り買いそれぞれ2,000円でチャラ。あと2,000円の基本料を支払うというかんじ。
5.装置には瞬間発電量、一日の発電量、はじめから通しての発電量、それに見合うCO2削減量(s)好きな期間の発電量(毎週とか毎月とか)が表示される。    (次回ソーラー会は9月27日(金)です)


編集後記: 8月30日、名水百選の町山梨県白州町に行って来ました。尾白川の美しい水の流れに、千葉県にもこんな清流があったらもう少し川に親しめるのにと、羨ましく思いました。これからも濁った水での川遊び、頑張るぞ!  mud-skipper