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(株)視覚環境デザイン研究所ヴィヴァン 千葉市中央区 澁谷 晴行
都市にはいつも車が溢れています。国道などの広い通りに出ると、充満する排気ガスで息をするのが苦しいくらいです。不況といっても、相変わらず24時間営業の店舗は増えるばかりで、深夜を過ぎても不夜城のように光が点り、都市には電飾のサインが氾濫しています。スーパーやコンビニエンスストアーには食べ物や商品があふれ、期限切れの食品はどんどん捨てられてゆきます。この国は本当に不況なのだろうかと疑いたくなるほど、現在でも高度成長の時と変わりのない姿を都市は晒しています。わたしたちはお金を出せば何でも手に入る便利な社会に慣れてしまい、明日の社会について考えることを忘れています。
商品の消費は停滞していても、都市の電力を始めとした動力の消費は増えるばかりです。エネルギー問題や資源不足は先送りされ不問にされています。不況の影響から、企業の倒産やリストラで失業者が増え、仕事が減っていることも確かです。それでもアジアの国々の人たちから見れば、日本はパラダイスに映ります。アジアの人たちのなかには、物価の違いはあるとしても、月数千円を稼ぐことが大変なところもあるのです。
これからわたしたちはどのような「街」をつくったら良いのでしょうか。若い世代の人たちにひと言に「街づくり」といっても、どのように取組んだらいいのか、相手が大きすぎて、何から行動を起こしたらいいのか分からないといいます。確かに「これからの街づくり」といっても漠然としていて、問題も山積みにされたままです。なかなかすぐには理解できないものかも知れません。自分の身近な街や問題から関わって行くことが大切ですが、過疎化してゆく地域に住む人たちからみれば、都市はやはり、さまざまな可能性を秘めた場所に見えます。「街づくり」には広域で大きな問題の枠組みを掴みとる側面と身近な問題に関わる側面の両面が必要と考えます。
そこでわたしは、千葉県も提唱している「環境再生」というテーマに基づいて、地域の「街づくり」に取組むための5つのキーワードを考えてみました。それは、A.顔をつくる、B.コミュニティをつくる、C.緑と水に親しむ、D.市民がつくる、E.環境を保つ、です。これらのキーワードに固有な問題と、これらから生じる複合的な問題も理解しておくことが重要と思います。
「A.顔をつくる」とは簡単にいえば、街がそれぞれの街にふさわしい個性あふれた顔を持つこと。つまり、街のアイデンティティを確立するということです。市民の取組みとしては、例えば街の通年イヴェントを企画、開催し、参加する。商店街のネットワークをつくり、情報を発信する。市街地の来訪者へのサービスを充実させ、活性化する。街を知らせる広報活動に参加する。街をきれいに美しくする。街のテーマづくりや活性化計画へ参加すること等が考えられます。
「B.コミュニティをつくる」とは、人と人が分け隔てなくスムースに交流でき、風通しがよく、住みやすい社会をつくること。つまり、自立した地域社会をつくるということです。例えば、農業や自然体験等を通して、都市部と農漁山村との交流へ参加し、地域の資源を理解し、地域における資源循環を可能にする。博物館や美術館等の既存施設を市民の交流拠点として、有効に活用する。外国居住者・留学生・高齢者・障害者・子供等の生活を支援する。地域通貨を商店街に導入し、会員となり地域サービスを流通させ、地域の交流を深める等です。
「C.緑と水に親しむ」とは、都市部においては緑を増やし、水辺に親しめるところを整え、アメニティーあふれた空間をつくること。また過疎部では自然の保全や有効活用をすること。つまり、わたしたち人間を含めた生命が快適に暮らせる場所を整えてゆくということです。例えば、花と緑を街に植え、育てる。遊歩道や緑地スペースの企画へ参加する。私有林の森林を保全するとともに、自然の体験学習を企画し参加する等などがあります。
「D.市民がつくる」とは、自立した市民を中心にして、安心して安全に暮らせるバリアフリーの街をつくり、本当に豊かな街づくりに積極的に参加してゆくこと。つまり、次世代・多世代につながる夢と展望がもてる街づくりをしてゆくということです。例えば、高齢者や知的障害者、身体障害者の介護サービス等の社会サービス事業として、市民事業を立ち上げ、地域の雇用をつくる。それらのNPOやNGOのネットワークづくりに参加する。地域の開発事業に市民の立場から企画し参加する。文化・スポーツ・生涯学習において、さまざまなイヴェントを企画し参加する。住環境のコストパフォーマンスと質の向上のために情報ネットワークや共同のシステムをつくる等などがあります。
「E.環境を保つ」とは、豊かな自然を守り、環境の汚染や温暖化を防ぐこと。つまり、わたしたちを含めた生命環境を浄化・保全し、資源循環を考慮した持続可能な社会を構築するということです。例えば、自ら省エネの生活を試みる。生ゴミ等の生活廃棄物の減量を試みる。子供を中心にした体験的環境学習を実践し、早くから自然の生態系の仕組みを分かるようにする。自ら市民事業として環境ビジネスを立ち上げる。自然環境の浄化と保全の市民活動とネットッワークづくりに参加すること等が考えられます。
こうした「街づくり」に関わる問題は他にもたくさんあり、幅広く、それぞれリンクしています。身近なひとつひとつの問題を捉えると同時に、総合的な視点を持つことが必要です。わたしは実際に環境デザインの仕事をしています。「街づくり」の仕事に関わっていますと、千葉県では群市区町村の横のネットワークを考慮した計画や関係がないことに気づかされます。
「これからの街づくり」において、とくに重要と思われることは、ひとつにはこうした群市区町村間の大きなネットワークの構築と情報交換、もうひとつには学生を含めた若い世代が「街づくり」を学び、関わり、参加できる機会や場をつくる必要を感じます。
今後は、地域づくりともいえる「街づくり」の仕事を通して、千葉県における群市区町村での「街づくり」への取組みについて調べます。市民と行政の役割を理解した上で、それぞれ共同のネットワークをつくるとともに、こうしたことの必要を訴え、具体的な拠点づくりに関わってゆきたいと思っています。
ちばの山を愛する家造りネット事務局 千葉市緑区 柏原 博文
11月9・10日の2日間、千葉県山武郡山武町の山武町ふれあいセンターで、全国森林組合連合会(全国170万人の会員で森林づくりを進める協同組合)主催の森林環境教育全国シンポジウムが開催されました。今回のテーマは、「育み、活かし、つなげよう。森林と私たち−森林環境教育が創る森林と人との新しい関係−」。
基調プレゼンテーションでは7人の分科会コーディネーターのスピーチに対して、参加者全員がその場で意見や感想を用紙に記入し、2日目最後に行われる全体会でコーディネーターがアンサートークを行うという面白い試みが行われ、午後からの分科会に期待を抱かせてくれました。
分科会は、それぞれのテーマで別行動です。私は、「木の文化を伝える森林環境教育」という分科会に参加しました。コーディネーターは、「東京の木で家をつくる会」の稲木さん、地元東金市「さんむフォレスト」の稗田さん、「とやまの木で家を造る会」の池田さんという木の文化を家造りに生かす活動をしている方々です。
1日目の午後は、山武町にある築180年の農村の家などを見学しました。長い年月を生き抜いてきた立派な家ですが、屋根の葺き替えには700万円かかるとのこと。昔はむらぐるみで作業をしていましたが、今では全て個人の負担です。あと何年この家が生き続けられるのかは、地域コミュニティの再生にかかっているようです。2日目はコーディネーターの皆さんが日ごろの活動を事例として、木の文化を伝える取り組みを発表し、質疑応答が行われました。
今回のシンポジウムを通じて、木の文化を知り、生活に生かすことの重要性を再認識しました。しかし、木の文化から遠ざかって久しい私たちの生活を考えると、そこに至るまでの様々な課題が思い浮かびます。私たちは木と触れ合い、林業家と交流することにより森林の現状を学ぶことから始める必要がありそうです。そして、地球環境問題なども絡めて私たちと森林との新たな関係を築き、さらには、木の文化を創り、伝えていくための地域コミュニティの再構築へとつなげていきます。
全体を通して大変有意義なシンポジウムでした。しかし、参加者が林業関係者に偏り、教育関係者や一般参加者が少ないことが残念でした。森林環境教育の重要性を考えると、もっと多方面の様々な人たちの参加が望まれます。今回のシンポジウムをきっかけに、日本各地で、新たな活動が生まれてくればと期待しています。
習志野市 つやま あきひこ
11月17日の第1回の活動をおこないました。以下を参照してください。
http://www.21eco.net/1117.html
船橋市 石黒 照明
・新エネルギー財団(n.e.f)の最新のホームページによると太陽光発電装置は工事代込みでついに1kw当たり39.9万円と40万円を切るケースが出てきました。普通3〜4人家族の使用電気量をまかなうと見られる3kwのシステムで国から10万円/kw,市から5万円/kwの補助金を得れば75万円の出費となります。使用電気代は電気の売り買い単価がほぼ同じゆえほぼゼロになり基本料のみを支払うことになります。
・太陽光発電装置の所有者に設備費として東電から
基本料見合いの支払いを求めたい所ですが最近までの政府方針では今の条件での電気買取以上の負担を東電がするとは思えません。
・だからといって自分で蓄電装置をもって自立型システムを持つ、ということはそれこそ政府の推進策の何処を見ても見当たらず且つ技術/価格の点でもまだまだ先になりそうです。
・それでも屋根があってお金に余裕のある人は太陽光発電装置をもってみませんか。お金では買えない豊かな心を手に入れることができます。
市原市 今野 正子
「あっ、なに!?」我が家の敷地内にある排水槽のふたを開けて思わず叫んだ。「きれい」というより、「清々しい」のだ。不思議な感覚である。我が家では、犬小屋をEM希釈液で洗い流したり、えさにEMボカシを入れたりしている。それが排水槽を変えたのだと気が付いた。
さあ、それからは、「米のとぎ汁EM発酵液」を風呂に入れ流したり、トイレ、洗面所清掃に液を利用したりと、いろいろなものに利用した。EM菌は、排水槽だけでなく、下水管もきれいにする。
下水管から流れる水は汚水処理場〜川〜海へ。浄化槽から流れる水も川〜海へ。近所を流れる神崎川は、村田川へ入って、いずれ東京湾だ。
江戸川、利根川、太平洋、東京湾に囲まれ緑豊かですもの、千葉県ってすごいね。そんな自然を大切にしていきたい。
さあチビ!今日もEMボカシを混ぜた泥だんごを作って、神崎川のヘドロに投げ込みに行こうね。
千葉市稲毛区 平田 和博
旅行していて街にゴミが見当たらないと生活感がないと思い、ごみを見つけるとやはりそうかとうなずく、いやな性格だ。
十年ほど前、仕事でシンガポールへ行ったときの話である。クリーン&グリーン政策のため、タバコの吸殻を捨てても、つばを吐いても罰金を科せられると聞いて緊張した。当時古い町並みが壊され、郊外に新しく高層住宅が建設されていた。シンガポールとしては躍進の時代であった。
たしかに、ビジネス街でも工業地帯でも観光地でも、ゴミが落ちてなく清潔であった。しかし、休日に植物園へ行ったとき、池の端にゴミを発見した。スナックの包みやタバコの空き箱などが風で押し寄せられたのか、水に浮かんでいた。
そのゴミを見てなんとなく安心したのは、見なれた光景だったからだろう。ゴミが捨てられていることに鈍感になっているようで、悲しいことである。
編集後記:11月30日、泉自然公園で行われた台風被害倒木の撤去作業に参加しました。40人以上のボランティアが、無惨に倒れた杉を伐採、撤去していきました。木の断面を見るとほとんどの材は病気だったようで、弱った木が倒れたと想像できました。人が森から離れ、定常的な管理ができなくなったこともその一因でしょうか。 mud-skipper