ちば環境情報センター
2003.7.7 発行    ニュースレター第72号
代表:小西由希子

目次
  1. まっくらな空の原因
  2. 2003年度総会が終わりました
  3. 今年も充実!研修会 
  4. −ごみの話(ごみ袋編)−
  5. CEIC運営委員から6  ゆっくりと、自然に還ろう

まっくらな空の原因

成東町 木下 敬三 

まっくらな空?スモッグ?台風? 40数年前トンボ捕りに夢中になり3mくらいの崖から転落して、少しの傷だったので家族に内緒で痛い思いを我慢した、少年時代の事が昨日のように思い出します。郷里(兵庫県明石市)でその頃の秋の夕刻には、西から東へトンボの大群が毎日のように、空をまっくらにして飛んできます。何故か?西から東へです。東へ行ったトンボは行ったきりなのか?明け方でも東から西に行くのかな?今思っても謎です。石を2つ糸の両端 に結んで空に投げ上げると、糸が羽にからがって必ず一匹は捕れます。もっといっぱい捕りたいときは、長い竹の先に網をつけて崖に登るのです。失敗すると転落して痛い思いをする始末です。
環境破壊が言われる現代ですが、いつから破壊が始まったのかな?動物から人間に進化した瞬間から地球汚染の歴史が始まったと言われています。人間生活のごみ捨て場が、貝塚として残っています。動物として動・植物を食している間は自然再生の範囲内なので環境汚染は起こらないが、人間が多くなり食料や生活用品を"人工的"になったときから著しく汚染が進んだようです。特に日本でも昭和30年代の高度経済成長に合わせて、一見、人間に不要と思われるものがどんどん壊されて来たんですね
千葉にも鴇(トキ)がいたんですね。関東地方の最後が市原市五井の田んぼだったとか、田中先生に教えてもらいました。そう言えば、トキがね・が・東金に・・東金市の名の由来らしい。ある日、山武町の県道を外れ脇道に入ったら谷津田を見つけました。両側の山から湧き出る地下水はセメントの側溝を、音を立てて流れています。きれいな水です。田の中央には1mくらいのU字溝が、そして田んぼはカラカラに乾いています。こんな辺地まで整備(?)されてしまっています。以前にはYPP谷津田のように色んな動・植物がいたんだろうな、と思うと残念です。もちろんドジョウも沢山いただろうな?この田んぼにも鴇がいたのかな?ヤゴもいたんだろうな・・トンボも沢山いたんだろうな。鴇・トンボの姿を思い浮かべます。
そうか!!鴇の舞う空もトンボの舞う空も、生物多様性のある田んぼがあればこそ有ったんだ、遅ればせながら気が付きました。鴇・トンボ・蛍・メダカ・・・その他植物類も雑草として米だけの為に、土地改良(?)の名のもとに消されていったこと。そんなことを知らずにお米を食べていたんですね。まさに、トンボも鴇も食べてしまったのは私たちだったんですね。
ひとつゆめが出来ました。千葉の谷津田に鴇を飛ばそう・トンボを飛ばそう。40数年で壊した自然の再生には400年かかるかも知れません。トンボでまっくらになる空、鴇でトキ色に染まる空・・・途方も無いゆめかもしれないが、ゆめを子どもたちに託したい。だから今、その基礎を作りたいと思います。まっくらな空のゆめです。


2003年度総会が終わりました

6月28日、NPO法人格取得後初めての総会が、ちば環境情報センター事務所で開催されました。
正会員38名のうち出席者は15名(委任状18名)でした。承認された議案は同封の資料のとおりです。昨年度も、会員皆さんの御協力のおかげで、充実した活動をおこなうことができました。昨年10月より福満美代子さんに専従職員としてはいっていただき、運営も順調に進んでおります。
本年4月より監事を加えた新しい体制となりましたが、運営委員の中村幸さんが・・・・おめでたのため、また監事の石黒照明さんが自治会役員多忙のため役員を辞退され、承認されました。会計は、長い間古川美之さんがやってくださっていましたが、臨時総会決定どおり、佐々木典子さんが引き継いでくださることになりました。本年も「できる人ができることから」をモットーに、さまざまな主体と「ほどよい緊張感とゆるやかな連携」をもちつつフットワーク軽く、いっそう元気に楽しく活動していきたいと思います。皆さんご協力どうぞよろしくお願いいたします。             (ちば環境情報センター代表 小西由希子)


今年も充実!研修会 

千葉市緑区 高山 邦明 

恒例のちば環境情報センター実践活動ワークショップが6月14〜15日に開催されました。今年の会場、八日市場の南、野栄町のちばコープ産直にはさまざまな年齢層、はじめての人からベテランまで21名の参加者・スタッフが集まりました。また、託児でお子さんも5人預かりました。
アイスブレーキングなどのアクティビティですっかり打ち解けてから、今年の実践行動計画づくりに入りました。今年はパートナーシップ、情報センターの充実・拡大、谷津田保全の3つの大きなグループができ、最後にはかなり具体的な計画ができあがりました。私は3回目の参加になりますが、年々、確実に充実した計画の内容になっていることを実感しました。
この研修会はさまざまな経験を持つ人が気軽に自由にじっくりと話し合えるのが特徴です。今年は産直の家という素敵な場所を借りて、夜のバーベキューの時に、縁側で、あるいは囲炉裏のまわりで皆さん、熱く語り合っていました。
地元で有機農業をしている熱田忠男さんが奥さんと夜、かけつけて下さり、楽しいお話を聞かせていただきました。その上、翌日の研修会終了後、畑や田んぼを案内して下さり、お土産に美味しい野菜までいただいて、予想外のうれしいオプションにみんな大満足でした。
研修会の詳しい様子や作成した計画は次号のニュースレターに掲載されますので、ぜひご覧下さい。そして、参加できなかった方もぜひ活動にご一緒しませんか?また、来年の研修会へのお越しをお待ちしています。
研修会に参加された方、スタッフとしてご尽力下さった方、本当に有り難うございました。

パートナーシップグループ
『他のNPOや環境活動をしているグループとつながりたい!』という希望がとても多かった今年の研修会で"パートナーシップグループ"が誕生しました。このグループでは主に千葉市内外の環境活動をしているグループの調査、情報収集や自らも他のグループの活動に出かけて行って交流を深めるなどをしていこうと思っています。また調査をもとにした環境グループのリストづくりや、普段はそれぞれ活動しているグループが集まって顔を合わせられるような場づくりにも取り組む予定です。今までも月に一回開いているトワイライトサロンに他のグループの方を招いてお話を伺うといった企画もありますのでぜひご参加ください。『こんなグループ知ってるよ。』『仲間とこんな会を始めました』などどんな小さなことでもかまいませんので情報をお待ちしています(現在は千葉市、市川市。佐倉市、八千代市、四街道市に力を入れて調査中です)。 (文責:宮川沙弥香)

谷津田保全プロジェクト(YHP)グループ
メンバー:小西由希子,清水成憲,高山邦明,田中正彦,中村彰宏,萩原真紀,春山秀司,福満美代子
毎年続いている谷津田グループでは、保全に向けての一歩前進をめざして、4つの柱を中心に活動していきます。
1.谷津田まるごと図鑑: 昨年スタートした図鑑を完成させ、印刷・製本します。今年は特に谷津田での昔ながらの暮らしを調べ、図鑑に盛り込みます。
2.下大和田谷津田の環境整備: 活動の中心である下大和田を整備します。具体的には看板の設置、斜面林の手入れ、物置・トイレ問題の対応等で、地元の関係者とも積極的に話し合います。
3.八日市場里やま観察会:八日市場の自然や町の魅力を発見し、多くの人に伝えることを目的として、まず里やまをテーマに観察会を9月23日に開催します。
4.谷津田保全ビジョンづくり:長期的な視野に立ってどのように谷津田を守ったらよいか考えをまとめ、私たちの活動の位置づけを明確にします。

谷津田に関心のある方、どなたでも参加を歓迎します。ご連絡は高山(e-mail: kuni@eastcom.ne.jp)または情報センターまでお願いします。                    (文責:高山邦明)

CEIC充実化グループ
CEIC充実化グループは、CEICの活動や団体自体を活性化したいという想いで集まったグループです。活動はそれぞれ担当を持ち、福満さん&佐々木さんの「谷津田の古代米で商品開発」、中村の「エコカレンダー作り」、古川さんの「スタッフの研修」、南川さん&中村の「広報を考える会」、茂木さんの「エコバッグ開発」です。何もかもが新しい試みですが、CEICのために、みんなのために試行錯誤でがんばります!    (文責:中村彰宏)


研修会風景

  
2003年度はこんなことをやりたい
なるほどなるほど!
今年度の行事計画立案
今年度の行事計画発表
産直の家をバックに参加者一同

−ごみの話(ごみ袋編)−

千葉市環境事業総務課 神崎 広史

ごみを出す時、指定のごみ袋をお使いですか?千葉,市原,佐倉,八千代,習志野,茂原,四街道,八街,東金,大網白里の10市町のごみ袋を集めてみました。袋の種類は少ないところで2種類(可燃ごみ、不燃ごみ用)、多いところで6種類(燃やせるごみ、埋立てごみ、ビン、缶、紙製容器包装、プラスチック容器包装用)となっています。これには、分別数の違い、コンテナ(ビン缶の回収箱)の利用の有無など収集方法の違いも影響しています。袋の材質はほとんどが「ポリエチレン」で、大きさは20gから45gとするところが多いようです。1人住まいの方が多くなり、「もう少し小さな袋があれば」という声も出てきていますので、今後は大きさの見直しも必要かもしれません。袋に薄い色を付けたり、シンボルマークやごみ減量のキャッチフレーズを入れるなど工夫が見られますが、デザインは古くさいと感じるものが多いのが実状です。景観面で街並みと調和するデザイン、生活を豊かにする、あるいは分別を楽しくするデザインがあってもよいでしょう。住民参加で袋の規格やデザインを考えることができるといいですね。ところで、なぜ、レジ袋ではいけないのでしょうか。千葉市では平成7年に指定袋制度ができましたが、@分別の徹底,A事業所ごみの家庭ごみへの混入防止,B収集作業員の安全確保を目的としました。それまでは、カセットボンベの混入によるごみ収集車両の火災の発生、ごみ収集時に袋が破れたり、ガラス、竹串などで作業員がケガをすることも少なくありませんでした。指定袋制度の導入によって事故は少なくなり、分別状況も以前に比べ良くなっています。私自身ごみ収集を経験しましたが「ごみ」はごみを出した人の人柄を現すものと思っています。作業員が安心して回収できるように分別をきちんとすることはもちろん、指定のごみ袋も使っていただきたいと思います。


CEIC運営委員から6
ゆっくりと、自然に還ろう

      千葉市稲毛区 中村 彰宏

 おもちゃ屋の息子として生まれた僕は、ゲームを作る仕事を夢見てきました。ゲーム漬けの日々を過していた5年前までに比べ、環境活動人生になった今は、いつも目がキラキラするような出会いと発見が広がっています。
 ここに集まる人達の素敵な所は、自分が特別な事をしてると思っていないこと。純粋に、やりたいこと・楽しいことをしたいから、ここに集まっています。ここに来て、「このままで良いんだ」って自分を発見しました。
 今、「癒し」が流行っていますね。いろんな商品が人を癒してくれます。マイナスイオン、やさしい音、良いにおい、心地よい風、ゆったりと流れる時間、ふわふわ、さらさら。。。実はそれは「自然」そのもの。だまされたと思って、一緒に里やまに行きましょう。のんびりと昼寝をしましょう。ムシムシした都会と現代社会からのちょっとした休憩。これぞ最高級の「癒し」。
 今一番の環境問題は、「人間の自然離れ」なのではないでしょうか。


編集後記:6月21日の下大和田古代米の田植えの時、土水路の草刈りを行いました。水路整備までなかなか手が回らず、ショウブやマコモがのび放題になっていました。開放的な水面が少なくなり、メダカも減ってきている気がします。生物多様性を維持するためには、田んぼとあわせて水路の管理も重要なのですね。mud-skipper