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香取郡小見川町 辻井 一恵
私は、ニュースレターを読むだけの会員ですが、先日、久しぶりに小西さんからお電話を頂いたついでに、私の近況をお話している内にこの原稿を書くことになりました。
小西さんとは10数年前、生協活動を通じて知り合いましたが、その後、私は消費生活相談員の仕事に就き、生協活動から離れました。やがて、その仕事の上で、法律を基礎から体系的に学ぶ必要性を感じ、ここ6年間位細々と消費者法中心に学んできました。本年3月に「消費者団体訴訟制度導入の課題とその検討」というタイトルの修士論文をなんとか書き上げ、中央大学大学院を卒業しました。そこで、この制度について、少しお知らせしたいと思います。
この制度は、古くはドイツ・フランスに始まり、その後EU加盟国をはじめアジア諸国にも広く導入されています。わが国では2000年の消費者契約法制定以来、その導入の機運が急速に高まり、まもなく内閣府で本格審議が始まり来年法案が国会に提出される運びと言われています。
この制度には厳密な定義はありませんが、一口で言うと、法により一定の要件を充たした消費者団体が提訴権を付与され、主に抽象的・潜在的な消費者被害に対し、その発生や拡大防止を図る差止請求、または損害賠償請求を行う集団訴訟の一種です。
さて、どうしてこの制度が必要なのでしょうか。それは、近年の消費者被害の急増に対して、消費者政策においては、後追いとなりがちな従来の行政規制中心から、近年民事ルールの強化が図られてきました。しかし、消費者被害は少額多数に及び顕在化し難い性格なので、消費者の権利実現のためには多数の消費者に代って消費者団体に提訴権を認める必要があります。
では、この訴訟の対象は何でしょうか。実は、損害賠償請求には難しい問題があるので、今後まず審議されるのは差止請求権が中心になるといわれていますが、差止の対象となるのは不当条項・不当表示・不当広告・不当勧誘などです。
そして、差止訴訟に至る手順は、例えば、ドイツでは、消費者から相談を受けた消費者団体はまず当該違反事業者に対して警告書を送りますが、それで違反が是正されない場合に弁護士に依頼して訴訟に移行することになります。
すると、多額の費用がかかることになりますね。この消費者団体の財政面の不安がこの制度のネックになっています。特に、わが国の消費者団体の特徴はEU加盟国や台湾等の消費者団体と比べると、規模が小さくしかも法的基盤・財政基盤・人的基盤・情報基盤が脆弱です。法的基盤については、3月に、35年ぶりに消費者保護基本法改正の与党案が国会に提出されました。その与党案では消費者の権利は6つ入りそうですが、消費者団体サイドは8つ入れるべきだと主張しています。消費者団体の権利については、日弁連等が、消費者団体には消費者の権利擁護や市場の監視等の権利があると主張していますが、これから消費者団体が活動実績を積み重ねながらその権利を主張していくことになると思われます。
とにかく、現在、わが国の消費者団体は、既存の消費者団体の他、生協、消費者相談有資格者団体、また、近年、NPO法人格を有する消費者団体、さらに専門分野に特化した市民団体等が誕生して、非常に幅が広くなっています。既に、それらの団体がネットワークをつくり、団体訴権の受け皿となる準備活動を行っています。
この制度は、前述のEU加盟国や台湾のように団体訴権を背景に消費者(市民)が政策に参画し行政と対等の対場で協働する、いわば私権を拡大するための法技術の一つといえるでしょう。但し、消費者の権利が認められると、消費者の自己責任が一層強調されてきます。この点をどのように考えるかも難しい問題です。
この制度に関する今後の審議の大きな論点の一つは「適格団体の要件」だといわれていますが、この制度を実効性あるものにするには消費者団体に対する財政支援の法整備の検討も重要です。更に、この制度は公害・環境訴訟の原告適格の拡大の問題とも関連があります。どうか、今後の審議の動向を注視して下さい。
NPO法人 ちば環境情報センター代表 小西 由希子
本事業は、NPOと行政との協働のモデル事業として県が事業提案を募集し、プレゼンテーションを経て選定され、県から委託されて当会が実施したものです。平成15年8月〜16年3月まで、12回の講座をおこないました。募集20名に対して34名の応募があり、また受講生は20代・・4人、30代・・5人、40代・・9人、50代・・9人、60代・・7人とバランスよい年齢構成でした。
成果:受講生自身が居住する地域の谷津田でそれぞれに活動をはじめたり、今後活動していきたい希望を持つことができました。最後の講座では、以下の4つのアクションプランができあがり、2004年度受講生らによって実施されることとなり大きな収穫でした。
アクションプランその1 | 「やつだ・さとやまレンジャー養成講座」 2004年4月〜2005年3月 |
アクションプランその2 | 「谷津田レンジャー養成講座のテキスト作成」 4月24日スタート! |
アクションプランその3 | 「谷津田で大運動会」 1.秋の谷津田 大運動会in下大和田 日程:2004年10月16日(土) 2.どろんこたんぼスタート・・・5月8日(土) 3.遊びの基礎講座 |
アクションプランその4 | 「田んぼ作り」 1.千葉市緑区下大和田「マイ田んぼ」の準備 第1日目:4月24日 2.八千代の田んぼ 「休耕田で緑米づくり」 第1日目:5月16日 3.木更津の田んぼ 竹林の見学会と手入れ 秋に開催 |
課題:
@関係課との協働・・・当初、本事業は県庁関係課との連携・協働を目的の1つとしていましたが、本事業に関係する農林水産部(みどり推進課、農林振興課)と環境生活部(環境政策課)とは、事業開始時に一度懇談しただけであり、十分な協働はおこなわれませんでした。行政側の、本事業そのもののへの理解・関心・講座による効果への評価・市民との協働への理解が少々不足しているように感じられました。関係課の方もぜひ活動に積極的に関わっていただけたらよかったと、大変残念です。
A千葉県里山条例における保全対象に谷津田をきちんと位置づける必要があると考えます。
今後:谷津田や里山にかかわる研究者・地権者、農業者・行政・他団体の方々とも今後一層つながりを密にし、活動の広がりと協働を進めていきたいと考えます。
詳細は、千葉県ホームページをご覧ください。
千葉市緑区 小田 信治
本講座に参加して、千葉の財産でもある谷津田の自然を、私たち市民が保全していくには、楽しみながら自然と触れあうこと、地域の歴史や生態学的知見を学ぶこと、人的情報ネットワークを広げることが重要であることを楽しく勉強できたと思います。
講座の中で、特に感心したことは、「生き物のための田んぼをする」ということを知ったことです。水田が生き物にとって重要なハビタットであることは知っていましたが、耕地整理や放棄水田等で農業がエコロジカルでなくなり、メダカさえも絶滅危惧種になっている現在、「生き物のための田んぼをする」という発想は新鮮でした。市民は農業が生業ではないですが、「生き物のため」に市民が農業できる社会システムが必要だと思います。
本講座では、下大和田の谷津田で実施されてきた季節ごとの保全活動をベースにして、座学と地域交流を織り交ぜてプログラムがうまく組まれており、スタッフの方々の準備のご苦労を察しますが、参加していて無理を感じさせないものでした。このことは、この講座の継続性の可能性を示唆するものと考えます。
私自身は、建設会社で環境調査や建設現場での環境保全活動の技術的支援等を仕事にしています。本講座は、当然仕事とは関係なく、地元市民としての参加ではありますが、今後、建設業が地域とどのように係わると企業として社会に貢献できるのか、仕事柄、考えざるを得ませんが、講座で得た体験を活かすことができればと思っています。
インドネシア 三井 和美
2月の末、もう届かないのではないかと、半分諦めていたところ、ある日突然巨大な段ボールが届きました。一瞬何なのか分からず、よく見てみるとあて名は私の名前でした。 そこで、「あぁ、やっと無事届いたんだ!」と、皆様からの大切な荷物を確認することができました。
箱は税関で開けられたのか全開でしたが、中身は無事でした。私も、一緒に活動している友人達も皆、目を疑う程、服のコンディションが良く、古着とはとても思えない!!というのが皆の第一印象でした。あまりに状態が良いので、ひょっとしたら子供達は売ってしまうのではないか!?と心配し、少しずつ配る事にしました。ところが彼らは皆大興奮で、半分取り合いになってしまう始末。きちんと洗濯してね!と念をおして1人ずつに配りました。それから数日後、彼らからの提案で何かお礼がしたいとの事。普段から絵を描く事が好きな彼らは、今回送らせて頂いた時計を製作する事にしたのです。見た目は少々?な時計ですが、どうか大切に使ってあげて下さい。一緒にお礼のカード(*)と写真を同封します。とてもやんちゃな彼らの姿が分かることと思います。彼らのバックグラウンドは本当に様々ですが、毎日楽しく協力しあいながら生活しています。世間で言う"良い子"とは程遠いかも知れませんが、とても素直で話のわかる子供たちです。日本の皆様の心からのプレゼント、本当に皆で感謝しています。ありがとうございました。
追伸;報告が遅くなって申し訳ありません。
(*)『服を送ってくれてありがとう。』『もう着ています!』『いつインドネシアへ来ますか?』など
大網白里町 中村 栄一
皆さん、こんにちわ、私 、大網に住んでおり、会社勤めもしております(兼業農家ということです)中村と申します。 縁あって、今回(平成16年度から)情報センターにお世話になることになりました。
10年ほど前までは、両親と一緒に野菜作りをし、野菜を市場に出荷し、そして出社と、そんな生活を、しておりましたが、今は
お米のみです(親が、畑仕事ができなくなったためです)。お米は、5月の連休と、そして土・日を利用して、できますので。
前々から、自然・環境ということには興味がありました。40年前には近くの小川には鰻がおり、そしてしじみ蜆がとれました。今は、「川」を見ると、水に洗剤の泡が浮き、これが同じ川かと驚きます。蜆どころか鮒もみえません。 「食」の安全にも、関心と興味を持っています。もともと食いしん坊のせいもありますが(もちろん料理も得意ですよ)。
前置きが長くなりましたが、今年からお米の「無農薬栽培」をやってみたいと考えています。田圃の一部、30アールです。そして、できたら次は、有機栽培をやってみたいと考えています(夢ではありませんが、かなり難しいですね)。「無農薬栽培」をやってみようとしている場所、水田は、「陸田」でと、考えています。
「陸田」って、知っていますか?畑を土手(堤)で囲み、井戸を掘り、この水で、稲を栽培します。汲み上げた水ですので、水路(両総用水)から汲み上げた水より安全かも?
「無農薬栽培」ですので、ひえ稗などがはえます、何方か、この稗取り・除草を手伝っていただけませんか?5月の下旬・6月下旬、そして7月の下旬の3回です。勿論、ここで採れた「お米」を、秋にはお分します。
話が、変わりますが「畑」があいています。場所は、大網で、JR大網駅
から車で、5分位のところ、広さは、20アール位です。家庭菜園をするとすれば、10人くらいができるはずです。(格安でお貸しします
。トラクターで耕す、費用ぐらいを負担していただければと
考えています)。興味のあるかたは、電話をください。(0475-72-2623 土曜日もしくは日曜日
)
千葉県環境研究センター 千葉市美浜区 小倉 久子
今年も、千葉県(水質保全課)では、県内河川の水生生物による水質調査を、市民のみなさんのご協力を得て実施します。
もう、あらためてご説明するまでもありませんが、水生生物(川の中の生き物:サワガニ,トビケラ,カゲロウ,カワニナ,ザリガニ,ユスリカ,など)を調べると、その川の通常の水質などを総合的に知ることができます。(水質調査では、採水した瞬間の水質しかわかりません。)また、調査自体にはむずかしい技術や高価な器械がいらないので、誰でも行うことができます。市民団体の調査活動,学校の生物(科学)部の活動,総合的な学習,親と子でできる夏休みの自由研究などとして、ぜひご参加ください。
調査結果は県がとりまとめて環境省に送りますが、千葉県だけの結果を毎年マップにしています。参加してくださった方にはマップをお送りしていますので、自分の調査結果を県内全体の生息状況と比べてみることができます。
調査参加の申し込みは、5月14日(金)です。説明会も6月に予定されていますが、日時は未定ですので、下記にお申し込み、お問い合わせください。(締切日を過ぎた場合も、問い合わせてみてください。)
お申し込み・お問い合わせ先:
千葉県環境生活部水質保全課 水質指導室(細野)
〒260-8667 千葉市中央区市場町 1-1
TEL:043-223-2816 FAX:043-222-5991
なお、今までの調査結果をまとめたマップが残っています。ご希望の方にお送りしますので、送付先の住所とお名前を、下記のメールかFAXにお申し込みください。
マップ送付の申し込み受け付け:千葉県環境研究センター 水質環境研究室
小倉久子e-mail:h.ogr3@mc.pref.chiba.jp
FAX:043-243-2960
編集後記:4月24日、下大和田での田おこしは、過去最高の46人もの人が集まりました。大人も子どもも思い思いに鍬を振るったり、草を抜いたり。重労働のはずが、みんなにこにこしながら汗を流していました。おかげで、草ぼうぼうの田圃1枚がよみがえるすてきな1日となりました。いよいよ米作りの幕開けです。 mud-skipper