ちば環境情報センター ニュースレター 

ちば環境情報センター > ニュースレター目次>ニュースレター第139号 

2009. 2.6 発行    代表:小西 由希子

目   次

  1. 割り箸リサイクル富津拠点から、南房総のエコ発信拠点めざして
  2. 八ッ場ダム問題を考える2こんなものいらない! ムダなダム~千葉県と八ッ場ダム~
  3. 「どんと焼きと昔遊び」参加者の感想~ボートレースで優勝したよ~ 

割り箸リサイクル富津拠点から、
南房総のエコ発信拠点めざして

富津市 エコウィンド 竹内 好美 

  「環境のために、何かしたいけど、何をすれば良いのかわからない。」と、保育園の送迎の際に打ち明けてくれた、おそばやさんの若奥さん。彼女とは、お互いの長男、長女が同級生だったことで、長い間親しくさせて頂いておりました。その言葉を聞いて思いついたのは、おそば屋さんにはつきものの、割り箸の回収でした。使い捨てのライフスタイルを考え直すきっかけになり、おそばやさんのエコ活動としてセールスポイントにもなるのでは?と提案させてもらったのは、2年程前。とはいっても、送料をどうするのか、考えもまとまらないままのスタートでした。とりあえずエコウィンドの活動の一つとして、フリーマーケットに出店した売り上げなどを使い、愛知の王子製紙さんの工場に送る活動を続けるうち、回収に興味を持ってくれたラーメン屋さんも参加してくれるようになり、本格的に資金が必要になりました。折に触れ、あちこちで相談するうち、木更津にペットボトルのキャップを買い取ってくれる工場があるから、集めて資金にしてみては?とアドバイスを頂き、キャップの回収も始めました。しかし、それは思うような収益にはならず、何か他の方法を、と考えていた頃、読売新聞に割り箸プロジェクトの紹介記事が載ったのです。
 以前から、環境情報センターにはお世話になっていましたし、割り箸プロジェクトの事も知ってはいたのですが、場所が離れていることや、大きくPRすることにもためらいがあり、一緒にやることは考えていませんでした。しかし、エコウィンドという環境活動を始めて4年目、社会全体の環境に対する意識が上がったとはいえ、実生活の中で何かが改善された実感はなく、本当に地道な活動に、どこかで頼りなさを感じていたのかもしれません。少しでも同じ想いを持った者同士がつながって、点が面になるように、想いを広げていくイメージに、希望が見えたように思いました。
記事を切り抜いて、電話をするまで、少し間が開きましたが、ちょうど9月のミーティングを控えた時期だったので、お誘いを頂きました。そこで、割り箸の納入も兼ねて、早速参加させてもらうことにしました。このように、千葉に行くついでに車に割り箸を積んで行けば、送料の負担も減ると考えたのです。

 ミーティングの席で目にしたのは、おっぱいを飲ませつつ進行を務める伊原さんの姿。実は私も5人目の子をお腹の中に抱えての参加だったので、親近感もわき、富津の回収拠点とさせて頂く事を決めました。子供というのは、親にとって、大きな原動力になるのですね。
12年前に長女を授かってから気づかされたいろいろな事は、私の人生を大げさではなく本当に大きく変えてくれました。石鹸との出会い、散歩に行く海岸で目にする沢山のゴミ、母乳に含まれるというダイオキシン、子供との時間をどんどん削られる社会の流れ。誰もが薄々、何か変だと感じていながらなすすべも見つからず、変える勇気も持てずに過ごしている現状にも触れました。ところが私には、幸か不幸か、生活を変える動機として十分な出来事がタイミングよく訪れたのです。そしてついに5年前、エコ雑貨を扱う店を開店させ、翌年にはエコウィンドを立ち上げました。以来、富津市では珍しい市民活動、しかも環境をテーマにしているということで、少しずつ活動を知って下さる方は増えてきました。それでも、目に見える変化というのは何も無いのが現実です。そんな中、一歩ずつ進める勇気を与えてくれるのは、仲間の力だとは感じていました。だからこそ、あの記事に目が留まったのでしょう。そして、仲間に加えて頂き、また一歩前進できたこと、本当に嬉しく思います。
 その大切な仲間である、割り箸回収のきっかけを作ってくれたおそば屋さん、高砂家さんを紹介します。当初、割り箸のみを分けて回収するという作業は、忙しい仕事の中で、一つ手間をかけることになるので、戸惑いもあった様です。でも、そのうち、習慣になって苦ではなくなったと報告してくれました。それだけに留まらず、学校のPTA役員になった際には、自ら企画して、スラムの子供達の生活を紹介をするような授業を実施したり、ゴミ拾いイベントに積極的に協賛して下さったりと、すっかりエコ仲間となってしまいました。
 最後に、割り箸の回収をするだけでなく、マイ箸の利用も薦めている報告として、エコ雑貨の店「白い風」も少し紹介させて頂きます。手作りのマイ箸袋や、おなじみ「石けんの街」の商品、フェアトレードの食品など、子育てをしながら、自分が選んで使ってきた商品を仕入れ、週3~4日のスローなペースで営業している、小さな店です。子供達の行事や、地域のボランティア活動などを優先してやっているため、店としては全く不親切ながら、安心して使える物を求めて来て下さるお客様に支えられて、妊娠、出産、育児をしながらも続けてくることができました。今後も様々な転機はやってくることと思いますが、エコウィンドのテーマである、「美しい地球を未来に残すために、今、私達ができることを考え、行動していく」という軸を中心に、ひとつひとつの選択を大切にしていきたいと考えています。
 割り箸プロジェクトの富津拠点としてだけでなく、南房総のエコ発信拠点となったらいいなぁ、と夢も広がっています。どうぞ宜しくお願い致します。

八ッ場ダム問題を考える2
こんなものいらない! ムダなダム~千葉県と八ッ場ダム~

佐倉市 大野 博美 

 千葉県から200㎞も離れた群馬県の美しい吾妻渓谷に、巨大なダムが作られようとしています。連日重機が音をたてて、山肌を削り、岩を穿ち、付け替え道路や付け替え鉄道の工事が進んでいます。山も川も悲鳴を上げ続けています。
◆千葉県は水あまり
 八ッ場ダムは東京、千葉、群馬、埼玉、栃木、茨城の水がめとして計画されました。しかし、これら1都5県は現在水あまり状態で、これ以上の水がめは必要ありません。
千葉県の水需要予測は文末の図のように、バブル期のような右肩上がり。2007年には下方修正したものの、実際の水使用量よりもかなり多目を見込んでいて、「だから八ッ場ダムを作る必要がある」と強弁しています。でも実情は折れ線グラフのように、水需給は伸び悩み、人口もこれからは減少傾向。八ッ場ダムがなくても水は十分足りています。

◆洪水にも役にたたない!?
では、ダムのもうひとつの役目「治水」はどうでしょうか? 実は八ッ場ダムが造られるきっかけとなったのが1947年のカスリーン台風。このときの雨量を元に、八ッ場ダムを含む利根川上流のダム群建設が計画されたのです。
ところが昨年、国交省は「カスリーン台風と同規模・同パターンの台風が来ても、八ッ場ダムの治水効果はゼロ」と発表しました。
県議会でも、「どうしても八ッ場ダムが必要だというのなら、千葉県にとってどれだけの治水効果があるのか示せ」との質問に、県は「具体的な効果は分かりません」と答弁でした。
何の根拠も示せないものに、千葉県は八ッ場ダム建設の負担金として、総額760億~1,000億円も投入しようとしているのです!
◆必要なのはお金の賢い使い方
2009年度、千葉県の県債残高(借金)は一般会計だけで2兆6,140億円。昨年より約1,000億円増えました。特別会計などを入れると3兆8,000億円以上に達する見込みで、赤ちゃんからお年寄りまで、県民一人当たり約62万円の借金を背負うことになります。普通預金に当る「財政調整基金」は10年前に底をつき、口座はからっぽ。
予算のほとんどが人件費や社会保障費、公債費に消えてしまう現状では、福祉や医療にお金がなかなか回らず、きめ細かな住民サービスは後回しになっています。こんなときこそ、八ッ場ダムのような不要不急の国直轄事業の負担金を凍結し、事業から脱退すべきです。
◆1都5県の議会の動き
 昨年5月、地元群馬県の県議を中心として、「八ッ場ダムを考える1都5県議会議員の会」が立ち上がっています。八ッ場ダムに関わる利根川流域の議員たちが連携して、「こんなダムはいらない!」と議会で声をあげていくことが、1都5県の住民訴訟ともあいまって、大きな世論を作っていけると確信しています。

グラフは「水源問題全国連絡会」の共同代表、嶋津暉之さんが作成しました。

「どんと焼きと昔遊び」参加者の感想
~ボートレースで優勝したよ~ 

               千葉市緑区 小学4年 山本 いおり
 ぼくは家族で1月18日の下大和田谷津田のどんと焼きに参加しました。
 まず火起こしから始めました。かん単かと思ったら、とてもつかれました。他の人が起こした火で、かかしや竹を結んで立てたものをもやしました。火で遊んだりしたから楽しかったです。次は紙ヒコーキ大会をしました。結局大人の人が勝ちました。
お昼ご飯を食べたらいよいよボートレースです。やり方はかん単です。用水路で木片をボートにして、長いぼうで押して進めます。ぼくは予選で一位でした。これが本番だったら良かったのにと思いました。
いよいよ本番です。最初からとばして二位でした。と中でボートをぼうで飛ばして、だんとつ一位になりました。ヤッタ~!一位の賞品は、谷津田でとれた無農薬の米1㎏と手作りのモーモーバッチでした。モーモーバッチはとても気に入りました。
最後に探検に行きました。背より高いささの中を歩いて行くと開けた場所に出ましたが、足もとは水でぬかるんでいました。なのでまた3月に行くことにしました。もらったお米は最高でした。モーモーバッチもうれしかったです。また参加したいです。

※ニュースレター138号に掲載した「自然の実験場としての学校ビオトープ~もう一度意義を考えよう~」の続きは、都合により次号140号に掲載することになりました。ご了解下さい。

発送お手伝いのお願い

ニュースレター3月号(第140号)の発送を 3月 6日(金)10時から事務所にておこないます。
発送のお手伝いをしてくださる方を募集しています。よろしくお願い致します。


編集後記: 千葉市緑区下大和田の谷津田ではニホンアカガエルの産卵が始まりました。網代春男さんの報告によると、1月30日に米作りをしている田んぼ一帯で、合計369個の卵塊があったそうです。26日にはなかったとのことですので、この間に産卵されたのでしょう。生きものでにぎわう春の谷津田に会えるのももうすぐですね。 mud-skipper