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ちば環境情報センター > ニュースレター目次>ニュースレター第170号 

2011. 9.7 発行    代表:小西 由希子

目   次

  1. 千葉市特有! 夏の過ごし方
  2. 身の回りの化学物質シリーズ5「インゲン豆の三角関係」 
  3. 米作り講座に参加して
  4. 千葉県内の活動団体紹介 5

千葉市特有! 夏の過ごし方

千葉市若葉区 土井 麻記子 

 夏。 風が強い日に、家がすごく汚れませんか?
 千葉市に越してきて3年たち、だんだんと環境に慣れてきたところで、やっぱりおかしいと思うことが。気のせいとか、たまたまの出来事では無い!ですよ。夏になって暖かく強い風が吹くと、部屋中に黒いざらざらしたものが沢山入ってくるのです。洗濯物はざらざら、窓を開けておくと部屋中にススだらけ、床を歩けば足の裏が真っ黒、風が強いほど汚れが顕著で粒も大きい。床が非常に汚れた日、フローリングウェットシートで床を掃除したのが写真1です(6月24日、午前9時から12時までの3時間での汚れ)。みなさんは経験ありませんか?
 そして、どこから何が来ているの?分からなければ、おちおち窓も開けていられません。そして、これ吸い込んで体にどうなの?大丈夫?私の周囲の話ですが、夏になると急に喘息を患う人、肺炎にかかる人、気管支炎をこじらせて長引く人がいます。実は、わたしも子供も千葉に来てからその傾向が出た一人です。原因が分からないと対処しようがないし、余計な心配も募りますよね!

   


汚れ、何がどこから来てるの?
部屋が汚れた日は南西の風。自宅からまっすぐ南西方向を地図(航空写真)で検索すると、広大な土地に屋外ストックされている製鉄原料がありました。この3年間での再現性や、位置関係等の物理性から因果関係を推し量れば、ここが発生源だと概ね見当がつきました。大気の専門家や製鉄関連エンジニアの意見を聞いてもみたし、常識的に考えても科学的に自然な結論です。その後、フローリングウェットシートで、リビングの網戸2枚分を挟み拭きして汚れを拭きとり、汚れを集めました。水洗で落としてから(写真2)、沈んだ汚れをペットボトルに集めたのが写真3で、結構な量の粉塵に驚き!

粉塵を避けるポイント!
 来年の夏になればまた粉塵がやってくるのは確かなので、できるだけ避ける生活を心がけたいです。風向きと風速の予報もあるので、ある程度は粉塵飛来の予測もできるし、現状をさらに調査することでリスクを回避できるようになりそうですね。みなさんは、どうすればいいと思いますか?

 ちょうど粉塵が飛んでくる時期(6月末~9月頭)は、夏休みもあるので、思い切って遠方へ逃げるのも一つ。症状があれば、回復できます。逃げられないなら、風向きをしっかりチェックして、マスクをつける、洗濯干しと換気のタイミングを見計らう、周囲と繋がり意見交換や情報収集をする等で自己防衛ができます。さらに、行政や企業と連携すれば、リスクも減るのかもしれません。まずは、現状をうまく伝えて、穏やかに前向きに相談をしてみることも有効かもしれませんね。
 実際、スポット的に高い場所が、結果的に監視網から漏れることもありえます。市民も客観的に実態をまとめておくと、保健課まで相談に伺う際のよい資料となるはずです。読者の方からも、ぜひ声をお寄せ下さい。何ができるか、一緒に勉強してみませんか。
 そうそう、台風は南東の風なので助かっています。予想した通り、全っ然、お部屋がざらざらしな~い(笑)。場当たりで、びくびく窓を開けるより、ずっと安心になりました。

身の回りの化学物質シリーズ5「インゲン豆の三角関係」 

市原市 南川 忠男  

 インゲン豆はその葉がナミハダニに食われ始めると揮発性の情報化学物質(インフォケミカルと呼ぶ)を発散させ、その虫の天敵であるカブリダニを呼び寄せ、ナミハダニを食べさせます。これ以上食害されないようにするインゲンマメの巧妙な防御システムです。Web:実生家庭菜園・キッチンガーデニングの写真引用
 ハダニと天敵のカブリダニそして植物のインゲンマメは三角関係を構成しています。ヒトの三角関係はどうも得にならないことが多いし、収拾がつかなくなることがありますが、インゲンマメはまるで用心棒を雇うような関係です。これは進化の過程で二次代謝物質が食う虫の天敵に情報伝達できるようになった賜物です。情報伝達物質なるものを植物が放出して、自身の加害されるのを防いでいます。植物とカブリダニのように種が違う場合に作用する物質はアレロケミカルと呼ばれ、アレロケミカルは他種に影響する意味のアレロパシーが語源です。同じ種であれば、生殖の関係でのフェロモンは一般用語にもなっているくらいでよく聞く言葉です。

 

 フェロモンとアレロケミカルを合わせて情報伝達物質と呼びます。特に性フェロモンは交尾可能なことをオスに知らせる生殖に関係する物質です。他のフェロモンとして「道しるべフェロモン」は蟻が自分の通った道を知らせ、ミツバチなどはスズメバチが近寄ると「警報フェロモン」を発し、仲間に危機を知らせます。モンシロチョウがアブラナなどを中心にだけ産卵できるのはアブラナなどがアリルイソシアネートという物質を発散させているからです。他の植物もこのような関係になっていると聞き、天敵の存在関与や加害の大きさでインフォケミカルの放出量や放出速度更にその割合も変えており、植物は非常に精巧な化学物質の合成と放出のメカニズムをもっています。まるで高等動物のようです。進化の過程でホモサピエンスが地球上では最も高等な生き物に分類されていますが、植物もインフォケミカルの分泌など複雑なシステムを持っています。
 リンゴが虫にやられないように利用されている商品名コンヒューザーAという名の情報化学物質はオスをおびき寄せる性フェロモンに似た物質でメスをめがけて飛んでいってもメスがおらず、撹乱され交尾機会がなくなり虫の繁殖が抑えられ、結局 りんごは虫にやられない。
 私の実家は伊勢茶生産農家で高齢のため11年前の4月末の遅霜被害を契機に廃業しましたが、お茶の栽培は他の植物に比べ多くの肥料を要し、害虫駆除や防止のため茶色の瓶にはいったパラチオン(今は法律で使用中止)を2000倍くらいに井戸水で希釈して3日かけて散布していました。今思えば、あの頃に微量で効く合成インフォケミカルが発見されて利用されていれば、農家の方々は楽だっただろうなあと思います。農業生産が増産になったり、大量の農薬を使用しなくても済んだり、人工フェロモンの大規模採用で農家の方々の被毒も少なくなるし、自然環境への有機リン系殺虫剤などの強毒性の農薬が拡散しないしくみに変わるのではないかと未来が広がる予感がします。しかし、このような害虫防御の化学物質がトンの単位で生産され、農業に役立っていることはうれしいことですが、その時は使用OKとなった農薬のDDT,絶縁油のPCB,オゾン破壊の特定フロンは生産され始めてから40年後に製造中止になった歴史を思い出すと、今は効果がもてはやされ、現在の短期間の薬の評価システムでは見えてこない想定外のマイナス側面が発現しないことを願っています。

米作り講座に参加して

千葉市美浜区 原 純子 

 昨年の夏よりビジター参加させていただき、今年より正式な会員となりました。ベイタウンに越してきて6年、利便性や治安のよさなどの条件に魅かれて選んだ土地ですが、全て人工的に作られた環境に、いつしか物足りなさを感じるようになりました。
 私自身が実は鳥取の田舎育ちで、家のすぐ裏に田んぼがありました。春はじゅうたんのように田んぼを埋めつくしたれんげの花で遊び、夏の夜は蛙たちの大合唱を聞きながら、ほろ酔い加減の父とお風呂上りにぶらりと蛍狩りに出て、家の中に放ったりしてました。秋は稲わらを干してある竿のまわりをぐるぐる駆け回って鬼ごっこをし、冬は田んぼにはった薄氷を、片っ端から踏んづけてまわっていました。

 

 私の子供時代には、田んぼや四季折々の風景がすぐそこにありました。
 8歳と6歳の二人の娘にも自然に囲まれた環境の中でもくもくと遊んでほしい。お米の作り方については二の次でもよいから(問題発言???)、鳥のさえずりとか、湧き水を触った感触とか、草や土のにおいとか、冬のきーんとした山の空気とか、簡単に絵や言葉にできない自然を感じてほしい。そんな思いで参加を決めました。
毎回谷津田に来ると、子供たちはすぐ生き物を探しに出かけてしまい、私が黙々と作業をしている・・・といった予想通りの展開になっていますが、親子で楽しく参加させていただいています。特にあのような自然の環境があまり好きではなかった次女も、今では蛙を手にのせて、いとおしく背中をなでてやれるくらいにまでなりました。
 以前川崎市内に住んだことがありますが、谷津田のような場所に行こうと思ったら、渋滞覚悟で、気合を入れて出かけなければなりませんでした。千葉だとそんな大変な目にあうこともなく、里山にたどりつけます。海も近いです。このめぐまれた環境の中で、米作りプログラム、楽しませていただいています。
 今後ともよろしくお願いします。


千葉市中央区 田崎 稔 

 農業体験に以前から興味があったのですが、とっかかりとして、どうすれば良いのかなかなか踏ん切りがつかないまま年月がすぎていたのですが、私の以前の仕事場近くで活動している皆さんを見たことを思い出しインターネットで調べると平行して開催している自然観察会にもとても面白そうだなと思いまして、谷津田米作り講座に参加する事に決めました。

 

 そして去年の秋から一緒に活動させてもらうと、皆さんの動植物に対する知識に毎回楽しみながら体験実習できる環境が改めて素晴らしい体験だなと思ってます。
 そして今年の谷津田米作り講座が始まりましたが、知っていることと言ったら、5月に田植えに9~10月頃に稲刈りなんじゃないの?って事くらいで、始まりと終わりしか知らずの食べる専門の私でした。
 しかし今年の講座が始まってまず4月に苗床を作り去年の種籾をはつがさせてから苗床に蒔き、田植えにする前に硬くなった田んぼを田越しして水を入れて、、、
 そこでやっと私が始まりと思っていた田植えが登場したのです。私たち夫婦は講座と平行して田んぼお借りしてMY田んぼとして、田越し、田植え、草刈など皆さんの助言を受けながら楽しく作業をしています。稲は梅雨の雨にも負けず、夏の日差しも栄養に変えてグングン成長したわわに実を稔らせてます。(人間にとっては、雑草となる草もグングン成長してますが笑)
 そして今月念願の稲刈りがあります。私たちも収穫し脱穀したお米を早く食べてみたいです。親や友人も私達が作ったお米を食べてみたいと言ってくれるので、コレがまさに作る楽しみではないかと最近良く思います。また今年の種籾が来年の稔りに繋がるというサイクルを実感できるのが素晴らしいと感じました。


   

千葉県内の活動団体紹介 5

<団体名   亀成川を愛する会

 川ではシジミがとれ、タナゴはいくらでも釣れて、夏はホタルが家まで入ってきて、野っぱらにはオミナエシが乱れ咲く……昭和30年代なら、どこにでも見られた里山の風景です。千葉県北西部に位置する亀成川は、つい最近まで、生きものがいっぱいで四季折々の美しい草花が見られていました。けれども、亀成川のほとんどの支流を含む源流域は、千葉ニュータウンの造成地となっているため、治水対策として大改修工事が行われました。今年度の改修工事を最後に、童謡に歌われているような川が姿を消します。
 
 昨年の6月、この亀成川をなんとか守れないだろうかと、手賀沼流域で保全活動をする人たちが集まって、会を立ち上げました(代表 一島正四)。改修工事に伴う生きものの救出作戦を決行すると同時に、行政などの関係機関に要望書を次々に提出した結果、最終工事については、千葉県でもトップをきって、多自然工法となることがきまりました。すでに工事が終了したところは、自然の回復を早めるお手伝いとして、土嚢を設置し、マコモを植え付ける河川再生事業を実施しました。
 また、水源である源流域(千葉ニュータウン21住区)の開発によって、希少で豊かな生態系が破壊されることがないよう、生態系と水循環を活かしたまちづくりの要望書を提出し、その結果、専門家による検討委員会の設置にこぎつけることができました。
 現在は、生物多様性の保全を願う市民の意見を取り入れたまちづくりを提案するため、里山シンポジウム分科会として、市民参加のワークショップを3回(3回目9月17日)開催して、具体的なまちづくりのデザインを描き、関係機関に要望書を提出します。
 現在の活動は、河川に関しては、再生事業箇所のモニタリング調査、21住区については、生きもの調査が主なものですが、一般を対象とした行事としては、最後の改修工事に合わせて、9月23日と24日に、亀成川生きもの救出作戦、10月に観察会、冬には野鳥観察会や、地元の谷津のごみ拾いなど計画しています。ホームページなどをご覧ください。

お問い合わせ先

 問合せ先 kamenarilove@yahoo.co.jp
 ホームページ:http://www.kamenari-love.com/   

【発送お手伝いのお願い】

ニュースレター10月号(第171号)の発送を 10月 7日(金)10時から事務所にておこないます。発送のお手伝いをしてくださる方を募集しています。よろしくお願い致します。


編集後記: 習志野の森の保全に尽力されたやひろ学園園長の松村洋子さんが8月4日にご逝去されました。当会会員で、長年園児たちの環境教育にも熱心に取り組んでこられました。自然のすばらしさはきっといつまでも子どもたちの心に鮮やかに刻まれ続けることと思います。ご冥福を心よりお祈りいたします。 mud-skipper