ちば環境情報センター ニュースレター 

ちば環境情報センター > ニュースレター目次>ニュースレター第180号 

2012. 7.6 発行    代表:小西 由希子

目   次

  1. 定期総会が終わりました
  2. 新事務局スタッフ紹介
  3. 2011年3月11日に始まる阿部農園だより −阿部一子さん講演会報告−
  4. 世界禁煙デーに合わせて全県調査、県民より高い議員の喫煙率
  5.  千葉県内の活動団体紹介 12

定期総会が終わりました

NPO法人 ちば環境情報センター 代表 小西 由希子

 おかげさまで2012年の定期総会が終わりました。全ての議案に承認いただき、新たな活動のスタートをきることができました。
 谷津田では、生き物を育む米作りにまた新たな仲間が加わり、若者や元気な子どもたちの声が響いています。環境学習では、暮らしの中の化学物質やごみ問題など、様々な分野に取り組んできました。割り箸プロジェクトは、飲食店や大学の学園祭だけでなく、企業の参加も増えてきました。さらに、粉塵問題にパートナーシップで取り組む活動や、月1回ネイチャークラフト教室も始まりました。

 

 新理事に土井麻記子さんを迎え、平均年齢もぐっと若返りました。さらに事務局も古川美之さんから吉田紀恵さんにバトンタッチです。どうぞよろしくお願いします。
 総会後、福島で農業を営む阿部一子さんをお迎えし、除染の取り組みや放射能汚染の不安の中での梨作りの様子をお話していただきました(詳細は2ページをご覧ください)。
 原発事故後多くの人がエネルギーや生物多様性について考えるようになりました。“気づきを行動”へつないでいくために、今私たちにできることはたくさんあるはず。活動への参加やご提案、どうぞよろしくお願いします。

新事務局スタッフ紹介

地域パートナーシップによる公害予防取組

新理事 千葉市若葉区 土井 麻記子 

 このたび、ちば環境情報センターに新理事として迎えていただくことになりました。どうぞ宜しくお願いいたします。私は、昨年の夏から黒い粉塵(通称:フンジン)について取り組んでいて、アトリエマザリーという名前で、主婦仲間の協力でフンジン予防の提案を行うグループも主宰しています(ブログ:てしごとを楽しむ)。

 

 私が重要だと考えてきた事は、問題を解決しようと思う時に、相手を絶対に批判しないということです。相手のためを思って批判しているつもりでも、批判することによって関係がこじれて、問題の解決ができなくなってしまうということもあると考えています。相手の立場を重んじて、じっくり「できること」を探すことで前進したいと考えています。
 さて、前置きが長くなりました。すでに、ニュースレターでもお伝えしてきましたが、「フンジン問題にパートナーシップで取り組む」という政策提言を行って、環境省のコンペにおいて準優秀を頂きました(2012年3月)。時を同じくして、環境省が「新しい地域パートナーシップによる公害予防取組指針」をまとめており、6月22日に指針として公開しました。この指針を勉強し、フンジンの取組に活かそうということで、7月6日に環境省から講師を招いて勉強会を行うことになりました。この勉強会には、まさしくパートナーシップを進めたいと思っている各セクターの方々がご参加くださいます。今後の動きにご注目ください。


「NO NUKES!」

新事務局専従 千葉市稲毛区 吉田 紀恵 

 はじめまして 吉田紀恵です。四月からCEICの事務所のお手伝いをさせて頂いています。小二を筆頭に二男一女の母です。
 「子供と一緒に環境の事を学びたい」と下大和田のYPPに毎回楽しく参加させて頂いておりましたら、このほど大役を仰せつかってしまいました。こんな私でお役に立てる事があるならと、お引き受けした次第です。

 「環境の事なら何をやってもいいのよ。」と小西さんに言われつつもなかなか『これをやりたい。』というものが見つからず、田んぼの手入れの時ばかり張り切っております。
 そんな私ですが、会員さんの皆さん等から貴重なお話を伺い刺激され、少しづつ進化しております。
 この先CEICの活動に結びつけていくことが出来るのか不明ですが、まずは自宅の屋根に太陽光パネルを乗せてみることにしました。
 小さな家なので2.6Kwくらいしか発電せず、主人の「止めておけ」の言葉に背いての決行です。私も母親ですNO NUKES!です。モニターとにらめっこして節電の知恵なんかが判ったらお知らせしますね。今後ともよろしくお願い致します。

2011年3月11日に始まる阿部農園だより
−2012年度 ちば環境情報センター総会後の阿部一子さん講演会報告−

千葉市花見川区 長谷川 淳一  

 文字起こしではありませんので正確なものでない事はお断りしますが、阿部さんのお話の中で特に印象に残ったことをまとめました。
 梨の木の皮剥ぎについては、ちば環境情報センターのニュースレター175号(2012年2月6日発行)でも紹介されていましたが、JAふくしまでは「皮剥ぎを行わない農家の梨は出荷しない」という方針だそうです。
 梨の木の皮剥ぎは防虫のために何年かに一度は行うので木がダメになるわけではありませんが、壮年の阿部さん夫婦にとっても大変な重労働で、高齢で後継者のいない梨農家ではこれを機会に(市場に出ないように)梨の木を切り倒し廃業してしまったそうです。

 

 水田についても行政からゼオライトが無償で配布され散布後に鋤き込みを行うよう指導があるそうですが、梨の場合と同じく高齢な農家には大変な負担を強いられる作業です。
 阿部さんは自分の水田以外の2軒分の散布もお手伝いしたようですが、「農業の高齢化、後継者不足」に原発事故がさらに追い打ちをかけている現状がわかりました。
 個人的な感想ですが行政(農政)の指導は(負荷が高くて手が回らないというのは理解できますが)画一的な印象をもちました。阿部さんが「取水口にもゼオライトを」を提案しても採用されなかったそうですが「田んぼ一枚一枚条件がちがう」稲作を一律的にゼオライト散布+カリウム追肥で対処できるものなのかという点が気がかりです。
 あと、すこしつらい話ですが昨年の夏ニセコ在住で阿部さんと長谷川弘美(子どもを放射能からまもる会 in ちば代表)の共通の友人の方が奔走してくれて、阿部さん一家の北海道での保養が実現したことはここでもお伝えしました。

   

 その時受け入れ側から「福島の人が来るというので警戒している方もいる、北海道にくる前に洗車してください」と言われたそうです。それでも「福島県内でも『南相馬の避難者が放射能を持ってきた』と言われたこともある」(阿部さんの実家は南相馬)「漁が再開されたが福島の水産物には手が伸びなかった」と率直に語って他人の無理解を責めようとはしない阿部さんの姿勢には感銘を受けました。
 農家の阿部さんとしては今年の梨や米のセシウム量が一番気がかりで、「ふくしま土壌クラブ」の仲間と表面汚染計を自費で購入して農地や樹木を測定して記録しているとのことです。
 現地の行政の支所にも市民が自家製の作物や山菜を持ち込んで測定してもらえる測定所があるそうですが、逆に阿部さんが持ち込んだ梨の実は「流通、販売を目的とした作物は受け入れ外」と断られて苦労されたそうです。
 講演の後の交流会で「ちば市民測定室」で阿部さん達をなんとか支援できないか、話し合いが持たれました。

世界禁煙デーに合わせて全県調査、県民より高い議員の喫煙率

タバコ問題を考える会・千葉 船橋市 島崎 洋一 

 タバコ問題を考える会・千葉(大谷美津子代表世話人、事務局船橋市)は、5月31日のWHO世界禁煙デーに合わせて2008年から毎年、県内の市町村を対象にアンケート調査を実施しています。今年のテーマは、「県内自治体議会の喫煙率調査および議員控室状況」。県議会および全54市町村議会のうち、所属議員の喫煙率を調査しているのは34議会(61.8%)でした。県議会、千葉市、船橋市、柏市議会など大規模議会で軒並み調査していないのは残念です。
 調査している議会の議員660人のうち喫煙者は158人で、喫煙率は23.9%。千葉県が実施した平成23年度生活習慣アンケート調査の全体(2,694人)喫煙率17.4%よりかなり高くなっています。議員控室の禁煙率は74.5%。

 

 議員控室は、41市町(74.5%)で禁煙でした。議員控室の状況については2009年にも調査しており、同年の禁煙率は64.3%(36/56:当時。県議会は対象外だった)でした。全体的にみれば禁煙率は高まっていますが、一部で禁煙から喫煙室が設けられたり(匝瑳市)、仕切られていないながらも喫煙スペースが限られていたのに喫煙可能となった(旭市)のは残念。
 2009年より議員控室の禁煙率が高まったのは、西地域と南地域で、東地域と中央地域では変化がありませんでした。喫煙率の高い南地域でも議員控室の禁煙率は上がっており、喫煙率が40%を超える議会の議員控室もほとんどが禁煙。議員の喫煙率と議員控室の禁煙率との相関関係は、あまりないようです。
 タバコの毒性除去には消臭剤や空気清浄機は無効であり、臭いの少ないタバコや香料入りタバコも毒性が少ないわけではありません。今後は控室禁煙化が後退することのない事を願っています。なお、調査結果の詳細については、当会ホームページからダウンロードできます。


   

 千葉県内の活動団体紹介 12

−いちはら里山クラブ−

                            市原市 風間 俊雄

 市原市からこんにちは!!「いちはら里山クラブ」を紹介します。
活動場所は市原市内5カ所の里山「いちはら里山クラブ」は市原市を拠点に里山保全活動を行っているボランティア団体です。
 市原市は南北に長い市でありますが、私達の活動場所は市内5カ所で、北は能満(竹林)から南は古敷谷(雑木林・杉林・田畑・池、その他)まで。その間に、安須(雑木林)、高坂(竹林・雑木林)、天羽田(雑木林)とそれぞれに特徴がある場所です。

 クラブ立ち上げは平成元年から
 当クラブは平成元年に、当時ゴルフ場開発に地権者が反対し買収に応じなかったところを私達の先輩方がその主旨に共鳴し、その地を保全し里山の原風景を残すためにクラブを立ち上げました。クラブの代表は現在で4代目です。会員数も年々増加しており現在55名の会員がいます。
 会員はほとんどの人がサラリーマン卒業生と主婦、現役のサラリーマン家族等で構成されています。また会員さんは県内各地からも参加されており、千葉市、袖ヶ浦市、鴨川市、御宿町等からも参加していただいています。
 
 活動内容は竹林整備や自然観察会等々
 活動は月に4回が定例であり、その他臨時での活動を必要に応じて実施しています。千葉県の里山条例にのっとり活動しており、“千葉県教育の森”の指定も2か所受けています。活動の内容は、竹林整備、下草刈、ビオトープ作り、雑木林の保全、竹炭作り、自然観察会等々多岐にわたっており、また一般の方々を対象に年数回のイベント(里山活動体験、自然観察会等)も開催しています。その他千葉県、市原市、ちば里山センター主催等の各種イベントにも参画しています。
 私達は里山整備のみならず、海岸のごみ拾い活動も実施しており、里山から里海を体感しています。私達の活動はボランティア活動のため、活動参加は自由(強制は無し)の精神と、運営は会員の総意で(会員の意見を聞く)をモットーに日々活動を行っています。皆様も市原の里山へ是非一度遊びに来てください・・
連絡先:「いちはら里山クラブ」代表 風間俊雄 Tel:090-3286-0004
      e-mail: toshi_kazama@yahoo.co.jp

【発送お手伝いのお願い】

ニュースレター 8月号(第181号)の発送を 8月6日(月)10時から事務所にておこないます。発送のお手伝いをしてくださる方を募集しています。よろしくお願い致します。


編集後記: いよいよ梅雨も後半戦。九州は大雨が続きますが、千葉ではそこそこいい天気です。気温は例年に比べて低いようで、いつもなら汗だくになるのに、比較的しのぎやすい日が多いようです。今日7月5日の午後、シンシンに赤ちゃんが誕生したとか。空調完備のパンダ舎では、梅雨のじめじめも気にならないのでしょうね。 mud-skipper