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ちば環境情報センター > ニュースレター目次>ニュースレター第183号 

2012. 10.7 発行    代表:小西 由希子

目   次

  1. 貝のよもやま話
  2. 行ってみっぺ東北
  3. 鎌ケ谷 水事情Ⅲ.大切なフィールド 鎌ケ谷市民プール 2
  4. 千葉県内の活動団体紹介 15

貝のよもやま話

千葉港ポートパークかもめのクリーン隊 千葉市中央区 谷口 優子

 ことしの日本自然保護協会の毎年恒例の参加型調査『自然しらべ2912』は「貝がらさがし!」でした。注目の貝20種を見つけて報告するというものでしたが海好きのわたしでさえ猛暑のあまりほとんど海岸に出られない状態でした。

 
千葉ポートパーク前の海に発生した青潮
 

 秋分の日の9月22日から北風が吹き、東京湾に大規模な青潮が発生しました。海のようすを見にホームグラウンドの千葉ポートパークへ行ってきました。青潮は海が酸欠になって一時的にドブのような状態になる現象です。海水の硫黄分がまるでバスクリンに牛乳を入れたような色に見えるのが特徴です。二枚貝は青潮に非常に弱く多数の貝が死んでいました。「貝がらさがし!青潮篇」を作ってみました。調査対象の種類で見つかったのは残念ながら殻の細長いマテガイ、ホンビノスガイだけでした。参考までに下の段はアサリとシオフキです。海岸にはシオフキがいちばん多く打ち上がっていました。青潮に強いとされる殻の厚いホンビノスガイも犠牲になっていてちょっとおどろきました。

 
 貝殻探し!青潮編
マテガイ(上段左)、ホンビノスガイ(上段右)
アサリ(下段左)、シオフキ(下段右)

 ホンビノスガイ(本美乃主貝)は千葉ポートパークでは2000年代に入ってから確認された外来種です。「ビノス」とは学名の属ヴィーナスをもじってつけられた和名です。北海道にはビノスガイ、銚子以北にはビノスモドキというおなじグループの貝がいますがいずれも在来種です。味はよく、某デパートでは小粒のものが高価で売られています。大きいものは硬いので小ぶりのほうがおすすめです。ニューヨークではクラムといえばホンビノスガイのことをいい、大きいものを「チェリーストーンクラム」小粒の貝を「リトルネッククラム(ニューヨーク近郊の漁港のなまえ)」という出世貝になっています。カキのようにレモンをしぼってかけて生で食べる人気メニューだそうです。
 『自然しらべ』は身近な自然を知るすばらしい教材です。調査期間は9月30日で終わってしまいましたが、海へ出るときに貝拾いの参考にしていただきたいと思います。そして何がとれたかわたしにおしえてください。データを積み重ねていくことによって千葉県の海の変化の生きた資料になります。
 これから何回かにわたって身近な貝の紹介をしていきたいと思っています。どうぞよろしくおねがいいたします。

行ってみっぺ東北

東金市 中村 真紀 

 9月18~19日、昨年の東日本大震災で大津波に襲われた宮城県陸前高田市へ一泊旅行に行ってきました。
 もうすぐお彼岸だというのにとにかく暑い日で、陸前高田市では射すような陽の強さに驚かされました。辺りを見回すと津波に流された一帯は市役所や市民会館、スーパーやマンションといった3階建て以上の建造物のみで、草が一面に生え、なんだか千葉でいうところの放棄田が広がっているような、もしくは開拓中の幕張のような感じがしました。5階のみがそのままのアパート、4階まで波が来たことがわかります。風になびくカーテン、今にも落ちてきそうな割れたままのガラス、市役所などの残った建物は順次解体していくそうですが、中も瓦礫の山、正面の時計が2時10分を指していました…。

   

 少し高台にある“希望の灯り”という、3.17神戸からの分灯を見に行きました。そこからは太平洋に天使の梯子がかかり、とても美しく輝いて見えました。そこの管理人の方から地震や震災後のこと、“奇跡の一本松”のお話を伺いました。7万本の松林から唯一残った一本松は、立ち枯れの状態から少し前に切り倒され、現在はレプリカにされる作業中だそうです。1億5000万円かけて、幹に何か詰め、葉を作って枝に付け、元の場所に戻されるそうです。お金がまだ十分には集まっていないそうですが、樹齢350~400年、最後まで頑張ってくれたその松をそのままゆっくり眠られてあげたい、とその方はおっしゃっていました。本物を見ていない私でさえも、映像で見たあの綺麗な一本松は目に焼き付いています。
 それから震災後に新しくできたプレハブの商店街に行きました。駄菓子屋や居酒屋、洋品店やプロジェクト会社が入っていて、外のスペースに子供たちが作った“あかり”という3m位のカラフルなオブジェがあったり、壁には津波に流される以前の市内の写真が飾られていました。海で遊ぶ子供たち、美しい松林の道、道の駅で買い物する人の笑顔、震災後の陸前高田しか知らない私に本当にここにも私たちと同じ日常があったことを改めて教えてくれました。
 夜は市内の激安温泉宿に泊まりました。そこも震災直後は被災された方々を受け入れ、無料で温泉を開放していたそうです。今でも利用されている地元の方が震災の時のことをお話して下さいました。

   

 2日目は陸前高田を出て、気仙沼、南三陸、石巻、とお土産を買いながら海沿いを南下しました。気仙沼には大きな船が打ち上げられていて、そのままの姿で私たちにあの日の様子を語ってくれているようでした。所々に瓦礫の山も残っていますが、震災直後から何度も被災地にボランティアで行っている夫たちの話では、でこぼこ道も舗装され、通行止め解除も多く、瓦礫も片付き、復旧が進んでいるようです。
 子どもたちの休憩も兼ね、何度か商店街に寄りました。どこも1階建てのプレハブ造りで、お土産ものや日用品、美容室、食堂などがあり、なんだか小奇麗でオシャレ、規模も大きくないので買い物しやすく、お店の人たちもやさしく、良いものが色々買えました。
 東北では到る所に「がんばっぺ」「がんばってます」「がんばろう」の文字があり、震災から1年半、たくましく前に進んでいるように見えました。 

鎌ケ谷 水事情
Ⅲ.大切なフィールド 鎌ケ谷市民プール 2

鎌ヶ谷市 倉田 智子   

 前回はフィールド紹介に終始した。だが、たかがプール、自然ではないと軽くあしらう方が多い。また鎌ケ谷の取り組みがプール掃除の際の捕獲作戦に留まっていないことを、なかなか認識してもらえない。ある時、教員養成大学の学生が「こんなにうざうざいるんだ。保護する気になれないね。」と感想を漏らした。多分これが大多数の認識だろう。数が多かったら保護する対象ではないのだろうか?水辺が減り、さらに水質悪化があるから、プールにやってくるのだろうに。
 学校からヤゴを持ち帰った一年生の保護者から飼い方の説明がないという苦情が、当方に寄せられたことがあった。実際に、水のないバケツにヤゴが一匹入っているのを、ある玄関先で見かけたこともある。飼い方が分からなかったら、聞いたり、調べたら、と言うのは簡単だが、虫に興味がなければ、それは無理というものだ。
 プールに出かけてくれる家族は別として、一般的に虫はなんでも不快!こわい、気持ち悪いという認識、偏見がある。害虫も益虫も、みーんないっしょくた!虫はいないのが都市の快適生活らしいが、虫さえも存在しない暮らしの方がよほどこわいことを、分かってほしい。

   

 プールは身近なところでたくさんの生きものに出会える場である。こどもたちには、「一度にたくさんの生きものを見られるのはプール!ここでいろいろなものを見て、力をつけて大自然の中に出ていこう」と言っている。
 鎌ケ谷での観察会は「プールの生きものを見てみよう」といい、年に数回実施する。ただ実施するだけではない。周囲の木の剪定に伐りすぎないよう立ち合い、また改修時には観察会日程との調整をお願いした。
 ヤゴは天候の影響もあり、冷夏の年は成長が遅かった。水温が上がることで動きが活発になり、餌を多く取るからこそ、大きくなるのだ。またある年、ヤゴの数が少なかった。どうしたのか、見まわしたところ、南側の緑が少なく、水中の堆積物はほとんど見られなかった。強い剪定が施されていたのだった。掃除に際し、底泥が多いと費用がかさむならば掃除を手伝いたいと、申し入れた。費用は同じという。ならばなぜ?市から指定管理者にと体制が変わり、申し送りがされなかったのだ。
 長い間利用してきた市民プールが昨年から運用停止となった。近隣の例では3年で下水臭がし、生きものは生存しなくなっている。まずは市民プールの生きものたちが生息できる水質を保つために、よいと思われることはすべて実行した。まずはプールサイドの落ち葉掃き、これはかなりの量になった。そして水中に落ち込んだ浮遊ごみの撤去、藻の除去、と試行錯誤の作業は続き、さらに有機物を吸収する水草植栽を試みた。そして迎えた今シーズン、水質は良好で水底まではっきり見える。雨の多さに助けられたようである。
 しかし問題が生じていた。落ち葉掃きにより、水中の堆積物は泥化し目減りし、「食」を提供できない状態に陥っていた。水を換えることは、いのちの循環を一度断つことと考えていたが、そうばかりではなかった。春先の落ち葉の投入を試みる。水草は鉢を逃げ出して群落をつくっていたことが唯一の希望であった。
 手賀沼流域フォーラムにおけるここ数年のテーマ「水辺のいのちのにぎわい」に参加して平成21,23年度に鎌ケ谷地域企画として市民プールを取り上げた。23年度は全体会において発表の役も担った。
 23年度に作成した冊子には他市の仲間から「プールの生きもの調査という形でプールの存在意義を問いかけた皆さんの活動に敬意を表します。こういう問いかけもあったのかと目からうろこでした。生物多様性は生き物好きの人間にとっては当たり前のことですが、そうでもない人にとっては余り賛同が得られないようで、身近なところで、どのように活動を進めればよいか悩みが尽きません」という感想が来た。
 今年度は「ビオトープ化」を計画している。そうはいっても、取り壊しの時は迫る。あと何年使えるのだろう。跡地には小さくていいから、ビオトープを設けて欲しい。水系が多数ある鎌ケ谷、生物多様性にはこの水系も重要な要素として関わってくる。狭い市域だからといって、一地区に集約させるのではなく、水系ごとの施策を望みたい。 

千葉県内の活動団体紹介 15

 -原発被害救済千葉県弁護団-

松戸市 及川 智志 

1.原発被害救済千葉県弁護団とは
 当弁護団は、東京電力福島第一原発事故によって被害を受けられた方々の救済を目的として、千葉県弁護士会所属の弁護士有志が結集して、結成された弁護団(団長:福武公子弁護士(福武法律事務所)です。当弁護団には、現在、58名の弁護士が加入して、活動を行っております(平成24年9月25日)。

2.活動内容
 今回の原発事故により、千葉県内にも、風評被害等の損害を被った事業者の方々や県外から避難を余儀なくされた個人の方々が多数いらっしゃいます。そこで、当弁護団では、このような方々の損害の完全な賠償がなされ、被害の救済が実現されることを目指し、次のような活動を行っています。

 

(1) 無料相談の受付
 随時、原発事故による被害を受けられた方々から、無料相談を受け付けております。ご相談を希望される方は、下記①又は②の方法で、ご相談をお申し込みください。
① 電話でのお申込み…当弁護団事務局である藤井・滝沢綜合法律事務所(電話:043-222-1831)
② ホームページからのお申込み…次のURLからメールフォームに必要事項を入力し、送信してください。 http://gbengo-chiba.com/
(2) 無料説明会・相談会の実施

 千葉県弁護士会や市町村の主催により、千葉県内の各地で、定期的に、原発事故によって被害を受けられた事業者及び個人の皆様を対象とした原発事故による損害賠償に関する無料説明会・相談会を行っています。
 無料説明会・相談会では、参加された皆様に対し、東京電力株式会社に対する損害賠償請求の方法等についてご説明を行うとともに、弁護士による無料相談を実施しております。
 当弁護団は、このような無料説明会・相談会を、今後も継続的に行う予定です。
弁護士から直接損害賠償に関する説明を受けたり、疑問点を相談したりすることができる機会ですので、分からない点や心配な点がある方は、お気軽にご参加ください。
 今後の説明会・相談会の開催予定につきましては、決まり次第、当弁護団のホームページ上に情報を更新していきますので、随時、ホームページをご覧ください。

(3) 東京電力株式会社に対する損害賠償請求手続

 原発事故による被害を受けられた方々からのご依頼により、東京電力株式会社に対し、直接交渉,原子力損害賠償紛争解決センターへの和解仲介(ADR)申立て,訴訟提起等の手段を用いて、損害の賠償請求を行います。
 原発事故による被害を受けられた方々が、被害の実態に即した損害の完全賠償を実現するためには、その損害額を適切に算定して、請求を行っていく必要があります。
 しかしながら、被害を受けられた方のみで、そのような対応を行うことは困難な場合が多いのではないかと考えます。
 そこで、当弁護団では、弁護士が皆様の代理人となって、損害額の算定を行い、最もふさわしいと考えられる手続を選択して、損害賠償の請求を行います。なお、弁護士に依頼をする場合の費用については、折り込みチラシまたは事務局にお問い合わせください。


※ 地球マンは、しばらくお休みします。

【発送お手伝いのお願い】

ニュースレター 11月号(第184号)の発送を11月 7日(水)10時から事務所にておこないます。発送のお手伝いをしてくださる方を募集しています。よろしくお願い致します。


編集後記: 台風17号が上陸しました。最も発達した9月25日の中心気圧は905hPa,最大風速55m/s。16号は同900hPa,55m/s、15号は910hPa,50m/sと猛烈に発達した台風が、たてつづけに発生しました。海面温度が高いからだそうですが、これは想定内の結果。今後この猛威にどう向き合っていけばいいのでしょう。  mud-skipper