ちば環境情報センター > ニュースレター目次 > ニュースレター第103号
2006.2.6発行 代表:小西由希子
おもちゃ病院副会長 浦安市 嶋田 弘史
おもちゃドクターの大半は、60歳代の後半から70歳代の後半に属する高齢者の集まりで、モノのない時代をすごした戦中派です。当然のことですが、おもちゃとは自分で作るものであって、親から買ってもらえる幸せな環境ではありませんでした。
昨今は大きく様変わりして『おもちゃとは、件るモノではなく買うモノ』であり『こわれたら直すモノではなく、捨てるモノ』と思っている大人達が多くなったように思います。
我々のおもちゃ病院活動を通じて感じることですが、子供世代はそのように考えていないのではと思うことが沢山あります。永年なれ親しみ、遊んできたおもちゃに生命を感じているように思われる場面を経験することがあります。手垢にしみた抱き人形であったり、中間ケーブルの切れかかったバーコードリーダー付きレジスターを持ち込む子供達はハツキリロに出しませんが、見上げて来る寂しげな瞳にそれを充分感じます。その、おもちゃを大切に思っている気持ちにこたえ、なんとしても新しい生命を吹き込んであげたい、直ったときの、ささやくようなちいさな『アリガト』そして『信頼のこもった輝く笑顔』使い捨ては、次代でまた大きく様変わりすると信じます。
今、県内で常設されているおもちゃ病院は松戸市,浦安市,市川市,船橋市,習志野市,年2回開催される市原市と数少なく、やや県北部に片よっています。もっと増やし、県内どの地域の子供達とも仲良くしていきたいと思います。
おもちゃドクターになるには『おもちゃ病院連絡協議会主催、養成講座』が早道です。来る2月11日〜12日に東京中野区にて開催されます。是非多くの方に参加頂きたいと思います。開院につきましては喜んで支援、協力申し上げます。
連絡先:〒165−0026 中野区新井2−12−10 03−3387−6120(月〜水)
2006年1月23日、千葉県NPO活動発表会中央地域大会(主催:千葉県,事務局:NPO法人ちば環境情報センター)が、八千代市福祉センターで開催されました。当日は快晴の下、定員100名に対して118名もの者参加者があり、会場は熱気に包まれていました。
広報力,資金調達力,事業開発力,組織力・人材育成力,ネットワーク力という視点から、6つの団体が事例発表をした後、各団体が中心となって分科会が実施されました。どの分科会でもNPO活動の問題点などが熱心に話し合われました。ふりかえりの結果、日本ファイバーリサイクル連帯協議会が2月25日の県大会へ出場することになりました。
ちば環境情報センターが事務局としてとりまとめを行い、多くの会員の方々にスタッフとして協力していただき、盛況のうちに会を終えることができました。ご協力いただいた皆様に紙面をお借りしてお礼申し上げます。
NPO法人 ちば環境情報センター 代表 小西由希子
千葉市緑区 小田 信治
2005年12月25日(日)クリスマス13:00〜17:00明治神宮にて、都市鳥研究会(代表:唐沢孝一氏)主催の「第5回都心におけるカラスの集団ねぐら個体数調査(2005年)」に参加しました。ちば環境情報センターからは、小西由希子代表,田中正彦さん,柳沼薫さん,小西朝希子さん,大友英寿さん,小田の6名が参加しました。ボランティア総勢28名の参加です。
都市鳥研究会では、都市環境に生息する野鳥の生態を解明するため、その代表格であるカラスを1985年から5年ごとに個体数調査を実施しているもので、20年目の調査に参加することができました。今回、23日,25日の2日実施され、23日には豊島ケ岡墓地(文京区)と 自然教育園(港区)の2カ所で調査が行われました。カラスは冬季に集団ねぐらを形成するため、この時期が個体数を把握するには適しているのです。
当日は好天に恵まれ、風もなく、絶好の調査日和で、明治神宮前に集合して唐沢さんから調査の説明後、私たちは代々木公園とNHK放送センターを結ぶ歩道橋の上から調査を行いました。小西代表,田中さん,小西朝希子さんのチームは西方向を、柳沼さん,小田のチームは東方向を同じ歩道橋の上から、10分ごとにねぐら入り(代々木公園方向)と出(NHK方向)の個体数をカウントし、記録します。カラスの他にも、出現した鳥類を記録します。調査では、ヒヨドリ,スズメ,ドバト等の都心でおなじみの小鳥が多かったですが、上空では、ノスリがカラスにモビングを受ける場面や、トビ,ミサゴもみることができました。13:40開始し、17:10に終了しましたが、結構、忙しくて、アッという間に時間が過ぎました。16時頃からは冷え込んできて、終了時には体がすっかり冷えてしまい、小西代表、田中さんたちは温かいものを食べに行かれたようでしたが、クリスマスでもあり、失礼して家路に急ぎました。楽しく貴重な調査に参加できた一日でした。この調査結果は、2006年の都市鳥研究会誌(Urban Birds)に掲載される予定です。
からす調査隊の面々(2005年12月25日) | ハシブトガラス | ハシボソガラス |
都会のカラス〜その被害と私たちにできること〜 環境省パンフレット(2000年3月)より |
さて、カラスってどんな鳥?
まちなかでよく見るカラスには2種類あります。1種は、嘴が細いのが特徴のハシボソガラス、「ガーガー」と濁った声で鳴くことが多いカラスです。そしてもう1種は、嘴が太いのが特徴のハシブトガラス、こちらは「カーカー」と澄んだ声で鳴くことが多いカラスです。これらの間ではすみ分けがあって、農耕地、河川敷など開けたところにはハシボソ、都市部になるとハシブトが多く生息しています。ですから「権兵衛が種まきゃカラスがほじくる」のカラスはハシボソだと思われます。また、ハシブトは英語でジャングル・クロウと言って、もともとは森林性の鳥です。一見すみにくそうな都市を好むのは、ビルが林立する環境、いわばコンクリートジャングルが森林に似ているからでしょうか。
御存知の方も多いと思いますが、カラスはめちゃくちゃ頭がいい!例えば、仙台市ではクルミを自動車に轢かせて、殻を割って食べるカラスがいるそうです。東京のゴミ集積場では4羽のカラスがやってきて、1羽が見張りをし、2羽がゴミ集積場のネットを持ち上げ、残りの1羽がゴミ袋を引きずり出すという連係プレーが目撃されたそうです。滑り台で滑って遊んでいたというカラスの目撃例もあります。また、若いカラスたちは群をつくって餌のありかなどを見つけやすくしているそうです。どうです、カラスって賢いですね。
それもそのはず、哺乳類で最も進化しているのはヒト、鳥類で最も進化しているのはカラス科の鳥なんだそうです。だから、カラス退治で目玉風船やCDをぶら下げても、すぐに見破られてしまうのです。唐沢先生(都市鳥研究会)、杉田教授(宇都宮大学)の著作には詳しく述べられています。
近年、東京圏ではカラスが増加しています。昭和60年には7千羽だった都内のカラスは、平成13年には3万羽にまで増加し、東京都は石原都知事の大号令で大々的なカラス駆除を開始しました。その甲斐あって、都内では若干減少しつつあるようですが、東京都が公表している統計データは専門家から疑問視されています。なお、昭和60年の7千羽の数値は、都市鳥研究会の調査結果によるものだそうです。
さて、1月16日、唐沢先生から参加者に調査結果速報のお知らせがありました。なんと、5年前の前回調査と比べて40%の減少で、15年前の1990年のレベルまで激減しているという結果でした。東京都が取り組んできた捕獲対策やゴミ対策がどのように影響しているのか興味のあるところです。都市鳥研究会の解析と論文の公表が楽しみですね。
(広報東京都,2004. 3) | (朝日新聞,2004. 3.26) |
東京圏内(50km)には、日本野鳥の会によるとカラスは約14万羽いると推定されおり、その中で3大ねぐらは、越谷市・久伊豆神社(約5,300羽)、千葉市・柏井町の森(約7,200羽)、明治神宮(約6,900羽)です。
都市部でカラスが増え続ける最大の要因は、人が出す大量の生ごみ。そのほかカラスに餌付けをする人がいるのも原因となっています。つまりカラスをここまで増やしてしまった最大の原因は、我々人間が作り出しているのです。そう、カラスたちが悪いんじゃないんですね。ただ、このカラスの増加によって様々な影響が出てきているのも事実です。1つは自然生態系への影響。カラスが増えたことで小鳥などの繁殖率が低下した地域や、数が減少してしまった地域があります。そしてもう1つが人への影響。カラスに威嚇された、蹴られた、生ゴミをあらされたなど被害報告は増加の一途をたどっています。特に繁殖期(4〜6月)に巣の下を歩くと、カラスが卵やヒナを守るために威嚇することが多いので要注意です。
こうした背景から冒頭でも述べたように、東京都では平成13年9月にカラス対策プロジェクトチームを発足させ、定期的に捕獲トラップの設置や巣落とし等を実施して、カラスの駆除を行っています。平成15年度は1万3千羽の駆除を目標に捕獲トラップを120基設置し、また、ゴミの夜間収集の促進などを区市町村に働きかけるなど、ごみ対策の促進にも努めているとのことです。いずれにしてもカラスを減らすために、ゴミの出し方に気をつける(ポリバケツの蓋をしっかり閉める、ネットをしっかりかける)、ゴミを出す時間に気をつける(前日から出さない)など、いろいろと我々でもできることがありそうです。
千葉県立中央博物館 千葉市美浜区 林 浩二
(株)水圏科学コンサルタント 品川区 亀山 華枝
佐原市を流れる小野川でサケの自然産卵を観察したので報告します。
小野川は利根川水系に属し千葉県北東部を流れる小河川です。わたしたちは、小野川に生育するナガバコウホネ(Nuphar japonicum DC. var. stenophyllum Miki)の調査をしており、産卵行動を直接見たわけではありませんが、2005年12月15日にサケの自然産卵と思われる様子を観察しました。
サケ(Oncorhynchus keta (Walbaum)、シロザケとも言われる)は産卵のために河川に遡上(そじょう)することが知られており、国内における自然分布は、太平洋側では利根川以北、日本海側では九州北部以北ですが、それよりも南の河川で遡上が観察されることもあるとされています。県内では、利根川、江戸川、印旛沼、栗山川などで記録されています。栗山川(小野川よりも南に位置し、太平洋に流れ込む河川)では、現在も採卵・放流事業が行われているそうです(谷城勝弘
1999. 2002)。
写真1.死亡して間もないようで新鮮そうなサケ | 写真2.産み落とされた卵 |
わたしたちが小野川で見つけたのは体長約 65cmのメスと思われる死亡個体で、まだ死亡して間もないようで新鮮でした(写真1)。場所は、佐原市の市街地よりも上流の水田の間で、川幅約3メートル、東関東自動車道の南東側、千葉県メッシュ14-63、北緯35度51分、東経140度32分付近の佐原市多田です。付近では流下した卵もいくつか観察されました(写真2)。参考までに、当日午前10時の現場での環境条件は、気温
6.5℃,水温 8.5℃,水深 20cm程度。プロペラ型の流速計による流速は 0.58 m/s
でした。底質は砂が主で小さな石を含みます。
この場所のすぐ近くでは、2005年11月の調査の際に、川底を掘ったところサケと思われる卵(イクラ)が観察されていますので、わたしたちが観察した個体も、遡上した複数個体の一部と見るのが妥当と思われます。なお、観察当日に、やはり小野川の現場よりやや下流の場所で作業中に、通りかかった地元の男性に尋ねたところ、ここ1、2年、遡上するサケを観察しているとのことでした。
ところで、サケの産卵には砂礫質の川底が必要らしいので、小野川で産卵したとしても、実際に孵化、流下まで生き残れるのはごく小さな割合に限られてしまいそうです。
佐原市の伝統的街並みである、重要伝統的建造物群保存地区(伝建地区)と景観形成地区(景観地区)の中央を流れているのがまさにこの小野川です。あの街並みの中をサケが遡上している光景を直接に目にしたわけではありませんが、想像するだけで楽しくなります。ナガバコウホネと同様、自然に遡上・産卵するサケも小野川の重要な仲間と考え、見守っていきたいと思います。
引用文献
谷城勝弘(2002) 第4章後生動物亜界 第12節脊索動物門 5)サケ目。(財)千葉県史料研究財団編
千葉県の自然誌 本編6 千葉県の動物1 陸と淡水の動物 県史シリーズ45. p.669-672 (財)千葉県史料研究財団,
千葉市。谷城勝弘(1999) 千葉県の淡水魚類. 千葉県生物学会(編) 千葉県動物誌.
p.856-872. 文一総合出版, 東京.
千葉県環境研究センター 千葉市美浜区 小倉 久子
千葉県では三番瀬再生事業の一環として、市民と合同の自然環境調査を実施しています。17年度は底生生物(アサリ,ゴカイ,など)をテーマとして、10月の調査に続いて3月にもう一度調査を行います。
事前勉強会:2月19日(日)
現地調査 :3月19日(日)
ソーティング:3月25日(土);ソーティングは現地で採取した試料(小石や貝殻を含んでいる)の中から生物を選分ける作業。
現在,新規参加者を20名募集しています。申し込みの締め切りは2月6日ですが,それ以降のお申し込みは環境政策課(TEL 043-223-4135)に直接お問い合わせください。18年度の参加者も募集中です。
詳しくは, http://www.pref.chiba.jp/syozoku/e kansei/sanbanse/bosyu/17-2.pdf をご覧ください。
(TEL:043-243-2935,E-mail: h.ogr3@mc.pref.chiba.jp)
東金市 雑貨&カフェ ルバーブ 順
チョコレートのおいしい季節です。日本は世界第7位のチョコレート消費国ですが、原料となるカカオの約80%がガーナから輸入されていることをご存知ですか?ガーナやその周辺の国々の農村では、一人15ドル〜30ドルでブローカーに(時に騙されて)引渡され、大規模カカオ農園で働かされるこどもが大勢います。女の子は性的搾取の対象にされる場合もあります。
「フェアトレード」は、貧困のない公正な社会〜児童労働や、こどもの人権が脅かされることのない社会〜を目指して、作る人・売る人・買う人が、お互い顔の見える関係を築きながら取り組む新しい貿易のスタイルです。
例えばチョコレートだったら、ボリビアの小規模農家組合のカカオや伝統的な製法のフィリピンの黒砂糖を使って、フェアトレードの理念を共有する家族経営のスイスのチョコレート工場で作られています。生産のどの工程でも、こどもが無理矢理働かされることがなく、大人が正当な賃金を得て仕事ができるよう、また、できるだけ環境に負担をかけない農法、製法(有機栽培や無農薬/科学的な処理をしない)や、伝統技術を受け継げるような生産方法を取り入れます。
上質なカカオや砂糖を使い、職人さんが手間隙かけて(「練り」に72時間かけます)作ったチョコレートは、いちど口にしたら忘れられないおいしさです。
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編集後記:ニュースレター103号は本文が5ページになりました。イベントも66本といつになく多かったため、本文とあわせて8ページのニュースレターをお届けすることになりました。多少見難くなったかもしれませんが、ご容赦ください。 mud-skipper