ちば環境情報センター ニュースレター第111号

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2006. 10.6 発行    代表:小西 由希子

目 次

  1. 素敵に、マイ箸を持ち歩きましょう!
  2. 農業やりたい!(前号からの続き)
  3. エコニコ妊婦 ♪
  4. 割り箸リサイクルの報告
  5.  谷津田たんけん

素敵に、マイ箸を持ち歩きましょう!

八街市 佐藤 寛子 

 私たち割り箸リサイクルプロジェクトは、使われてしまった割り箸をごみとして扱うにはあまりにも忍びなく(何しろまっさらな木をかつら剥きにして、芯まで使い切って作るのですから)、資源として生まれ変わらせ、ゴミの減量化と環境意識啓発を図っていくのが目的です。しかし、何でもそうですが、「リサイクル」というのは4つのRの最後の手段、リフューズ(断る、やめる),リデュース(減らす),リユース(再使用)の後に来るものです。日本ではリサイクル流行りですが、リサイクルはエネルギーもコストもかかります。私たちの一番の願いは、割り箸のリサイクルを定着させることではなく、みんなが割り箸を使わなくなることなのです。そこで、今回は今、静かなブームになっている、マイ箸について取り上げてみたいと思います。

 マイ箸は、文字通り、自分の箸を持ち歩くものですが、昔のカタカタ鳴る箸箱よりも、布製の素敵な箸袋が主流で、大変人気があります。マイ箸は、歌手の加藤登紀子さんや、『地球村』の高木善之さんなども提唱していますが、最近では、大手居酒屋チェーンのマルシェグループが、全国約760店舗で割り箸を全廃し、さらに同グループが「愛のマイ箸1億人運動」と称し(同封のチラシをご覧ください)、各界の著名人や、広く国民に呼びかける運動が注目され、TVや新聞などで、その取り組みが頻繁に取り上げられるようになりました。
 日本で1年間に消費される割り箸は248億膳(実に新築の木造住宅2万件分)、うち中国からの輸入分は97%以上を占めます(林野庁2004年)。おりしも中国では、日本の割り箸生産の需要に応え続けた結果、実に森林が国土の17パーセントまでに激減し(森林が国土の3割を切ると、国として成り立たないと言われています)、洪水の被害の増大などが深刻化しており、中国側は昨年末30%の値上げを実施し、さらに今年3月から20%の値上げを通知したものの、市場の混乱を避けるために当面延期されているのだそうです。
このような背景が、さらにマイ箸ブームの追い風となってきています。割り箸の全廃は、おそば屋さんやお寿司屋さんなど、お店によっては難しいところもあるし、洗い箸に変えるには、コストもかかります。しかし、国民みんなが、当たり前にマイ箸を持ち歩くようになれば、そのあたりのことは、一挙に解決します。
 外食する、しないに関わらず、いつもマイ箸を持ち歩くことを習慣にしてみませんか?おしゃれに、スマートに、そして地球を大切に、食を大切に、マイ箸には、そんなメッセージが込められています。あなたが持つことであなたから、広がります。みんなの意識が変わっていって、森を守り、地球を守る意識が育っていったら、すばらしいと思いませんか?

農業やりたい!(前号からの続き)

千葉市稲毛区 大友 英寿

 こんな自然農に魅せられていた私は御縁あって、昨年春にちば環境情報センターのYPPの田起こしにお誘い頂き、初めて田んぼの作業を経験しました。下大和田でのお米作りは耕したり草をとったりするので自然農ではありませんが、無農薬、有機栽培、天日干しでかなり近いと思います。
田起こしに続いて田植え、草とり、かかし作り、稲刈り、おだ作り、おだがけ、脱穀と、様々な作業を経験させていただきました。その過程で一番驚いたのは、田んぼに住む命の多さです。ザリガニ、メダカに加え、泥の上に芸術的な曲線を描きながら歩き回るタニシ、稲の間に巣をはりめぐらす様々なクモ、水の上の草々の上を渡り歩くキアゲハの幼虫、小さな虫達を探して稲から稲へと渡り歩くカマキリ達、色とりどりで大きさも様々なトンボ達、そして夏の夜には沢山の蛍まで…。素足で田んぼに入り、沢山の稲穂と小さな命達に囲まれる瞬間は思わず泣きそうになるくらい幸せでした。冬には収穫したてのお米をいただきました。成長の過程をこの目で見ていることもあり、一粒一粒の生命力をより深く感じられる気がしました。
現在、お手伝いさせていただいている田んぼも生き物が沢山います。水路や畦を直す時に地面を掘りかえしてはカエルやおけらを起こしてしまって「ごめんなさい」とぺこぺこしながらやってます。3月に畦の補修をしていた頃にウグイスがなき始め、何か月も元気にないていました。雨の日に見回りに行くと、他の鳥は休んでいるのか静かなのに、ウグイスだけがないてて不思議に思った事もありました。4月には草がみるみる地面を覆い始め、緑の眩しさが素敵でした。5月には色とりどりのトンボや蝶が舞い始めたり、オタマジャクシ達に足がはえ始めたりする中、田起こしをしました。
5月の最後の週に田植えをしました。終わった後、「田起こしが間に合わなかった残り半分の田んぼは自由にやっていいよ」と師匠が仰ってくださり、見習い初年度から自然農に挑戦してみる事ができました。

自然農では田起こしは不要ですが、初年度だけ最初に排水用の溝を掘ります。シャベルの刃の幅で、深さは30〜50センチ位、1畝(30坪、約100平方メートル)に数本なので、鍬による田起こしよりはずっと楽な作業です。しかし、田植えは大変でした。苗を植えたい所に生えている草を刈ったり踏み倒したりした後、鎌でT字型の切れ込みをいれて土の表面をめくり、苗を挟み込む。この一連の作業をするのに、初めは1株あたり平均1分くらい、慣れてきた最後の方でも20秒くらいかかりました。やる前は「川口さんのように条間40センチ(草刈りなどの作業に必要な幅だそうです)、株間40センチの間隔でやろう」と思っていたのですが、いざやってみると一人ではとても時間がかかる事が分かり、すぐに縦横60センチの間隔に変えました。植える量は減りましたが、それでも1日1畝のペースでした。梅雨入り後は雨の日が多く、2週間ほどかかって5枚の田んぼ、計約7畝の田植えが終わりました。
川口さんの真似をして1本植えをした事もあり、植え方が悪かったり、他の草に負けたりして1週間もしない内に枯れてしまう苗もありました。でも「仮に稲が育たなくとも、他の草も全く育たないという事はない」と思い、水をはった状態で秋まで過ごしてみる事にしました。自然農は年々、続ければ続けるほど草々が地面に積み重なり、楽になるものだそうですから、年ごとの変化を見るのも面白い事でしょう。
田植えをしていて分かったのは、自然農でもかなりの数の命を殺してしまうという事です。畦直しや溝掘りの時はもちろん、田植えで鎌を使う時も土中のザリガニやミミズを沢山殺してしまいました。そして1枚目の田植えが終わった後に水を入れたのですが、その時になって初めて、土の中には水を入れる事で死んでしまう生き物達が沢山いるであろう事、そして地上の草達も大部分が弱って死んでしまうであろう事に気づきました(水を入れるのは草達の勢いを削ぐのが主目的であるのに、それをきちんと認識していませんでした)。
昨年の内に「農業とは殺生無しにはできないもの」という覚悟を決めていたのですが、殺生を最少限にとどめる自然農でさえ大量の殺生をしてしまう事をはっきり認識し、なかなか「いつも心穏やか」というわけにはいきません。それでも沢山の命達が次々生まれてきて、綺麗な花を咲かせたり、クモが虫を捕まえて食べたり、みんな一所懸命に生きているのを見ると顔がついほころんだり、気が引き締まったりします。それに、田んぼがあるところには色々な生き物が集まってくるのは去年一年間で十二分に実感できましたから、彼らに「農薬のない田んぼでお米作りをしてくれて、自然農でお米作りをしてくれてありがとう!」と言って貰えたらいいな、と自分勝手ながら思いつつ、沢山の小さな命達に元気を貰いながら、日々田んぼに立っています。
見習い初年度から自然農の試みも含め、沢山の事を学べた事、これは本当にただただ感謝です。師匠はもちろん、田んぼを探していた時に師匠を紹介して下さった地主の方、その方を紹介して下さった情報センターの方々、昨年4月に情報センターと田んぼを紹介してくださった方、その方に出会うきっかけ(畑仕事のお手伝い)を下さった方。その方には昨年4月に浜辺のごみ拾いの際にお会いしたのですが、そのごみ拾いは情報センターの会員の方主導で近所の浜辺で開催されていたものでした。情報センターのみなさんの繋がりの中をとんとん拍子で田んぼまで、そして自然農実践の夢まで導いていただいたように思います。この場を借りて、改めて深くお礼申し上げます。

最後に一句…
       この命 あまたの命を いただきて成る
       そのひと雫 感謝あふるる

エコニコ妊婦♪

千葉市花見川区 伊原 香奈子 

 ついに私、妊娠10ヶ月目に入りました。出産の用品もなんとかそろってきましたが、私の場合、おしゃれな妊婦服や、出産カタログには目もくれず、ひたすらリユース活用に精を出してきました。知り合いの方で、そんな私のジンクスを組みとって、リサイクルショップでかわいい妊婦服を買ってプレゼントしてくれた方がいた時は、超うれしかったです!
日頃からエコな生活をするのが好きな私ですが、ツワリや体のだるさから、せっかく買ったお野菜を腐らせてしまい、反エコロジーな生活に落ち込んだ事もありました。でも「できることを、できる範囲でやっていこう!」と切り替えて、今は再びエコクッキングやリユース活用を、可能な範囲で楽しんでいます。できれば、出産の際に出る胎盤(臍帯血)も、白血病患者に提供したいと思っていたのですが、私のお世話になる病院では、残念ながら、医療廃棄物扱いのようです。一時は提供病院への転院も考えましたが、遠方になるため断念っ。他のできることを考えていこうと思い直しました。
最近では「譲ってほしいリスト」を作り、いろんな方のお下がりを、ありがたく使わせてもらうことにしています。最初はためらっていましたが、今では「出産祝いも、リサイクル品で〜っ!」と、お願いしています。この際だから、とことん「リサイクル品で楽しむ子育て生活」を追及してみよう!と思っていますが、ここまでこだわってしまうと、ちょっとオタクっぽいですね・・・・。

割り箸リサイクルの報告

あすみが丘小学校 5年 千葉市緑区 江澤 千春 

 私と近所の小柴さんで、創造の杜という所でやるお祭りで、割り箸回収BOXを設置する計画を立てました。最初にお祭りの主催者の人に電話をかけて、BOXを設置していいか聞きました。一週間ぐらい経って、「OK」という電話がきました。そこで、小柴さんとBOXにつける看板をつくりました。ダンボールに、ペンで文字や絵をかきました。BOXと合体させて飾り付けすれば、BOXの完成です!

いよいよお祭りの会場に行って、BOXを設置します。BOXに台を取り付けて、燃えるごみのごみ箱とカン,ビンごみのゴミ箱の間に置きました。しばらくして見回りに行くと、いくらかはたまっていました。
1日目は、割り箸を使っている人に声かけや宣伝をしました。それと、ごみ箱の中にある割り箸を、BOXに移し変えたりしました。2日目は、少し見て回っただけで、あまり宣伝はしませんでした。割り箸を移し変えたりもあまりせず、自分達で遊びまわっていました。
お祭りの次の日、割り箸を洗って干して数をかぞえました。そうしたら1日目が657膳,2日目が654膳でした。重さは2日分合わせて7kgでした。
今年の反省点は、2日目に遊んでしまったことと、回収BOXが少なかったことです。チョコバナナのチョコを落とすのが一番大変でした。反省点をいかして、来年も頑張りたいと思います。

谷津田たんけん

大椎小学校4年 千葉市緑区 木山 慧 

2006年8月6日に千葉市緑区下大和田で実施された「千葉市エコ体験スクール」(主査:千葉市,企画・指導:ちば・谷津田フォーラム)に参加した木山慧さんから、当日の感想が届きましたので掲載します。

 夏休みの八月六日、ぼくは、下大和田の谷津田たんけんに行った。谷津とは、台地に枝のように入りこんだ谷で、谷津ではあちこちから水がわき出して小川となり、二千年前から稲作が行われてきた水田が谷津田だ。そこで、初めてどじょうにあった。ほかにも、めだかがいた。ぼくのグループたん当のスタッフが、小川に入ってとってくれたのだ。ぼくも小川に入ってみようと思った。
 バケツよし、アミよし、長ぐつよし、りっぱな戦闘じゅんびだ。(どんなめにあうかもわからないからね。)ぼくは心の中で目の前の小川に宣戦布告をする。だけど、その勝負は小川の圧勝となった。

 足が重い。鉄のくつでもはいているようだ。なぜか? 答えは長ぐつに水が大量に入ってきたからだ。「重い。重い…」。
 ボソボソつぶやきながら生き物をさがす。最初は水が浅かったので、水は入ってこなかったが、奥(奥といっても陸から一メートルぐらいしかはなれていない。)に入れば入るほど、長ぐつに水が大量に入ってくる。(このままじゃ大変なことになる!)そう直感したぼくは、陸に向かおうとしたが、足がぬけない。ぼくは、全身の力を使って、やっとこさ、陸にはい上がる。長ぐつに入った水を出すと、今度は別の方向に続く小川に入ってみる。「ザバッ」
 音と同じに足がぬけた。だけど、そのひょうしにバランスがくずれた。二秒後、ぼくの体は小川に落ちた。どこもけがはしなかったけれど、ズボンがビショビショにぬれた。「はあ…」
 ため息をつきながら、ふと下を見ると、カマキリが泳いでいるのが見えた。カマキリは泳げると聞いたことはあるが、実際に見たのは、今日が初めてだった。ザリガニもいた。
 ぞう木林にもどっておべんとうを食べた。ここは木かげだけど暑いので水とうのお茶をいっぱい飲む。午後は、イベントの一つの、「クモ合戦」をする。それは、二ひきのコガネグモをつかまえて、あらかじめ用意しておいた道具にクモをおいて戦わせる競ぎだ。やはりクモは人気がないのか、集まったのは、ぼくと、同じ小学四年生の男の子だけだった。暑い中、小四組二人と、たん当のスタッフの若い男の人計四名がコガネグモさがしに行くことになった。えん天下の中、「クモ合戦」ご一行達は、一所けんめいにコガネグモを求めて、道を歩いた。畑に入っていった時、スタッフの一人が一ぴきめを発見!? 手でクモを包みこんでつかまえた。五分ほど歩いて、二ひきめをつかまえた。そして、道具に二ひきを乗せる。けれどもなかなか戦おうとしないので、しばらくまったがいさぎよくあきらめた。
 この日、ぼくはクモ、カブトムシ、クワガタ、どじょう、めだか、ザリガニ、カマキリ、バッタ、カエル、アリ、アリジゴク、タマムシ、ゴキブリ、トンボに出会った。たくさんの自然の生き物とふれあうことができて、とても楽しい一日だった。また谷津田に会いに行きたいと思った。

発送お手伝いのお願い

ニュースレター11月号(第112号)の発送を11月6日(月)10時から事務所にておこないます。発送のお手伝いをしてくださる方を募集しています。よろしくお願い致します。


編集後記:エコ体験講座や環境漫画教室には、たくさんの小中学生が参加してくれました。そこで感じたのは、自然に触れるとき、こどもたちは目を輝かせ鋭い感性を発揮するということでした。家でゲームばかりしているこどもでも、場を提供すれば埋もれているこの感性をきっと呼び覚ますことができるでしょう。    mud-skipper