ちば環境情報センター ニュースレター第113号

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2006. 12.6 発行    代表:小西 由希子

目 次

  1. 約束を守る大切さ
  2. 第6回秋の収穫祭雑感
  3. NPOとの交流セミナーを受講して
  4. 布類のリサイクルについて

約束を守る大切さ

市原市 南川 忠男 

小学生の頃、放課後にグランドで戦争あそびをした時は、人間戦闘機の勝ち負けや捕虜を取り戻す条件はルールできめてあり、皆そのルールを守って、3組に分かれて戦いました。ルールがあることでずるいことをする子供はおらず、一生懸命戦えました。タッチしていないのにタッチしたと言い張り、ゲームを中断させたこどもは指弾されました。指弾を受けると精神的な苦悩と受けたことでしょう。これが抑止力となっていたように思います。

時を経て大人になり、更に21世紀にも入り、こどもの遊びの約束に相当する大人の社会のルールであるいろいろな法律が一部の方々に守られていないことが多くなりました。株のアウトサイダー取引、労働局の公金の不正支出、首長と癒着したおかしい談合落札、医療検査記録・原子炉検査記録の改ざん、高校の履修不足問題、研究費の不正流用、タウンミーティングでのやらせ質問、飲酒運転事故、いじめを先導するだめ教師、喫煙できない場所での勝手な喫煙など。止むことなく続いております。
身近なところではこの10月に千葉市緑区下大和田地区への浴室改修のタイル・コンクリート廃材の不法投棄が起こっております。工務店の所長は不法投棄したことは工事支出明細簿かマニフェスト票を見れば判るが、搬出した方に尋ねればすぐに判ります。おそらく所長が指示し、部下は反対できず会社ぐるみでやっているのでしょう。不法投棄した工務店は廃棄物処理費用を浮かしたことになるが、投棄場所での有害な物質の浸透防止処理や産廃処理費用の税金による支出などで数倍の費用がかかります。

●会社・学校・役所などで起きたコンプライアンス違反は、そこや地域だけの問題にとどまらず、その会社のグループ全体あるいは学校/病院全体の評判と信頼性を失墜させるので影響が大きい。

●不正が起こる心理的原因には最初は少しぐらいなら大丈夫あるいはヤバイけどまあいいかと思い、道を踏み外し始め、その後会社のためだから、ずっとやってきたから、上司の指示だから、皆がやっているからと自己正当化がエスカレートしていきます。
●カラ出張請求も内部告発があるまでそのような背景で長く続くがいつかは発覚するものです。人は弱い存在なので、自分で自分に監視カメラをつけたり、工務店でも学校でも役所でも病院でも、上司や周囲の不正を戒める勇気などお互いを指摘しあえる良い緊張関係が不正を防ぐ上で必要です。不祥事が起こった時に会社の利益を優先した結果だろうといわれますが、本当に株式市場の要請に応えるにはきちんとコンプライアンスを徹底することが大事です。
●それぞれの行動において以下のことを念頭にいれると約束を守らない大人は減っていくと思っています。
     ★「その日の仕事を終え自宅に帰って、今日の仕事を胸を張って話せるでしょうか。」
     ★「見つからなければいいだろうと思っていないだろうか。」
そのような大人のまなざしに囲まれ、守られながら約束を守るこどもは育つのではないかと思います。
法を破って利にさといものより清廉で確固たる信念を持って約束や法律を守る生き方・仕事の仕方が望まれるのではないでしょうか。もしも現在も約束・ルール・法律を守れていない方はこの機会に遵守意識をもう一度甦らせて自覚し、昔の日本人が持っていた高潔な精神性を次の世代に伝えたい。

第6回秋の収穫祭雑感

千葉市稲毛区 石橋 紘吉

11月12日、前日の雨も上がり会場には水溜りもありましたが、大勢の人が参加くださって楽しい収穫祭となりました。スタッフの方々の準備は大変だったと思い感謝を込めて色んなものを美味しくたらふく腹へ入れました。穂田流(ホタル)通貨もなかなかのアイデアで大人も楽しみ、孫を連れてくれば良かったと思いました。
収穫祭の雑感を時間を追って31文字に託して表してみました。

昨日の 雨もあがりて 肌寒き 早めに谷津田 収穫祭に

ぼつぼつと 人が集まり 広場では スタッフの方が 料理の準備

焚き火して 火の温もりを 感じつつ 童心帰る 大人たちかな

飛び火には 注意を払い 焚き火する そろそろ恋し 火の温もりが

用意した さつまいもをば アルミハク 包みて焼きし 秋の味覚かな
参加印し ドングリ入れて 可愛い声 ホタル通貨が 出てくる仕掛け

この会場 だけの通貨の ホタル銭 両替しては ほしい品買い

一ホタル 出して手作り ペンダント 孫の土産に 二個買いたり

十ホタル 出しておにぎり 買い求む 更に十ホタル もう一つ買う

魚係り 焼き鳥係り いか焼きに 炊飯係り 汁物係り
  
イカ焼けて ほうばりながら これ旨い 次から次へ 皆の腹へと

新米を 一釜炊いて うまそうと あっという間に 釜は空っぽ

マグロかま イシモチ開き 焼きあがり これは旨いと われもぱくつく

焼き鳥は 人気の一品 焼きあがる 暇なき如く 皆ぱくつきし

巨大なる 冬瓜きりし つゆのみに われ二杯も食い 腹はパンパン

汁の実を なれぬ手つきで 切りそろえ 祖父と孫ペア 絵になる姿 

腹満たし 次はゲームの 時間なり 竹きり競争 皆必死にと
  
最後には われが模範 して見せし 鋸の選びと 引く力見せ

くやしいか ゲーム終わるも 竹きりに 挑戦するも 指けがせし児

ジュズ玉を 口に含みて 飛ばしては 歓声あげし する人見る人

親子して バッタ追いかけ 捕まえて 運動会も 馬鹿受けたりし

ゲームでは 四点セット 最後には しりとりゲーム 皆な頭悩ます

大人たち 童心かえって ゲームにと 子供に負けまい 張りきる母さん

スタッフの 献身努力 実を結ぶ 収穫祭の 楽しさ皆に
最後には 集合写真 カメラにと 向ってにっこり 収穫祭かな 風に乗り 

すすきの穂飛ぶ 小さきの 落下傘の如し しばし見とれる

産廃の 不法投棄を させまいと 見渡せるよう 草を刈り払う

NPOとの交流セミナーを受講して

千葉県NPO活動推進課 大網白里町 野口 博美 

1.はじめに
今回初めてNPOとの交流セミナーに参加させていただきました。
参加の動機は、9月1日付でNPO活動推進課に人事異動になり、慌てて今回申し込みました。私のNPOに関する知識といえば「民間非営利組織だっけ?」程度の知識だけで、仕事が出来るとは到底思えず、あまりに今まで自分が社会の流れに無関心であったかを反省しました。NPOについて1から教えていただかなくてはと、必要に迫られて申し込んだというのが真相です。
2.研修の概要
5日間の日程で行われましたが、メインのNPO活動体験は3日間でした。私は、千葉市中央区の「ちば環境情報センター」で体験学習を行いました。「ちば環境情報センター」の活動内容は、環境保全に関する情報の収集発信と地域における環境学習の推進です。今、環境問題は行政も重要な課題として取り組んでいる問題ですが、NPOはこの問題にどういう形で取り組んでいるのか興味がありました。必要性は叫ばれているが、活動を行うことで見えてくる問題の解決が、なかなか見えづらいと思ったからです。また、身近な問題として興味を引くことも難しいのではないかとも思いました。
活動体験1日目 千葉市の谷津田で、環境漫画家の津山先生を講師に四コマ漫画を作成したり、里山の観察会を行いました。
まず私が驚いたのは、「千葉市にこんなところがあったのか」ということでした。私が子供のころに見たことがある、とても田舎で心が落ち着く風景でした。人間の気配があまりないが、荒地ではなく、程よく手入れされているという里山で、古代米が作られていました。水路にはザリガニ・タニシがたくさんいて、田んぼの周りにはバッタ・野草と見るものには事欠きません。イベント参加者は、親子連れや子供(小学生)のみでの参加もあり、自然の中でザリガニやタニシを捕まえたり、植物を見たりそれぞれ楽しんでいました。また、自然のなかで思い思いに鉛筆を動かして、疲れるとまた遊ぶというように自然を満喫していました。
活動体験2日目 事務所にて、ニュースレターの発送を行いました。350部位のレターを6人ほどで封筒につめる作業でした。年齢も20代の方から60代の方まで色々で、皆で世間話や気になることを話しながら、3時間で終わりました。
活動体験3日目 千葉市の長作公民館で、草木染の講習会スタッフで参加しました。参加者は60代前後の女性10名でした。種類の違う草や葉を大きななべで煮だし、そのなべの中で、模様になるように輪ゴムで縛った木綿の布を一緒に煮て色を付ける。私は、玉葱の皮の液と、ビワの葉の液で煮てみました。それを取り出し、色が定着するように媒染剤に着けるのですが、それも鉄とアルミと2種類あって、同じ葉で染めたものでも媒染剤を変えると、色が変わったりするのでとても面白く、皆ワイワイ言いながら取り組んでいました。また、布を煮ている間に皆で公民館の周りの谷津田や山道を、生物の先生の解説付きで見学しました。
お昼には、参加者が持ち寄ったお米と漬物で、新米を味わいました。

3.研修成果
前述のように、研修というより一緒に活動に参加させていただき楽しんで終わってしまった3日間という感じでした。
環境学習は難しいのではと思っていましたが、学習というより楽しいイベントで、小学生からお年寄りまで楽しみながら参加して、その中から知識を得て意識を変えるという手法で、とても勉強になりました。NPO活動を知るという目的はもとより、その活動に参加させていただき環境に対する勉強もさせていただきました。
NPOの活動は、対象者ごとにとてもきめの細かい、地域に密着した活動であり、行政には苦手な部分の活動です。行政とNPOがお互いにできない部分を補って、より生活しやすい社会が実現できれば皆が幸せになれる。これが協働の理想形だと思いました。本来の目的を達成しつつ、協働していくために自分は何をしたらいいか考えながら、仕事をしていこうと思います。
4.おわりに
セミナーに参加して、今まで自分のこととして捕らえていなかったことを、改めて認識させてくれる体験をさせていただいたと思います。また、皆で集まって、一つのことを行うという活動は、人間関係が希薄になっている現代であまり経験できないことであり、自治会の集まりのようなあったかい体験ができたことで、環境や人間のつながりを守っていかなければならないと思いました。


布類のリサイクルについて

千葉市稲毛区 深山 貴道 

 とてつもなく頭の痛い問題です。業界にいるのによくわからないことばかりの布類リサイクル。今回はこの問題を取り上げたいと思います。
 リサイクルには受け皿が必要です。鉄なら鉄鋼メーカー、紙なら製紙メーカー、その後に製品を使用する製造業や小売業など、そして最後に消費者と様々な受け皿が必要です。しかし、その受け皿がどうにも見えてこないのが布類なのです。
 布類の使い道は「ウエス」と呼ばれる雑巾やマットレスなどの間に使用するとか大した使い道がありません。工場がオート化し、しかも海外に移転する企業が多い中、雑巾の需要など高が知れています。
 どうやら一番多いのは古着としてそのまま衣類になるケースのようです。そして国内で捌けないものは海外に輸出することになります。
 しかしここで素朴な問題がおきます。日本は春夏秋冬がはっきりしていますから服は黙って4種類あるわけですが、輸出先は東南アジアがもっとも多いらしいのです。・・・・冬ありません。
色々な人に話しを聞くと、それはそれで必要とされる国に送られるらしいのですが、こちらでは行き先がわかりません。布類を扱う業界を「ウエス業界」と呼んでいるのですが、得意分野に特化している傾向もあるようで実態がつかめません。ただ、僕が言いたいのは、そういう業界がこのリサイクルを支えているということなのです。古紙や鉄は使い道や流通経路がしっかり出来ており生産者であるメーカーも責任を負っています。静脈産業である収集・選別加工業界は景気に大きく左右されるものの何とかルートを確立してきました。
平成に入り古紙も鉄も一時は供給過剰に陥り出口となる受け入れ先がない状態になりましたが、海外市場等の活性化によってこの問題は一先ず落ち着きを取り戻しています。
しかし、服にはそれがありません。リサイクルが出来る、また必要な布類ですがその割にはあまりにも業界まかせじゃありませんか。
「拡大生産者責任」が大きく取り上げられ、家電や自動車にも法律によるリサイクルの義務付けがされている中で、「リサイクル出来る、しかし需要の乏しい」衣類などの布類に対して誰も責任をとらない(某量販店が店頭で回収をしていますが、あれはそもそも業界ではごみなのです)のは何故でしょうか。
アパレル業界は華やかで巨大な産業です。季節毎に新しい服などが売り出され、その度に同じ量の古着が着ないから(流行から外れた)という理由でリサイクルとは名ばかりのごみとして排出される。大量生産大量廃棄を見直そうと言っているそばから衣類等だけは未だに変わらないのです。衣類等に限らず、このままだといつかそのツケを払うことになると思いませんか。


【ニュースレター原稿,イベント情報の募集】

 身近な環境の話題,提言,書籍・環境グッズなど多くの方達に知って頂くよい機会になると思います。
字数はおおむね200〜1,600字までで、数行程度のミニ情報も歓迎いたします。図表や写真を入れることも可能です。
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発送お手伝いのお願い

ニュースレター1月号(第114号)の発送を1月10日(月)10時から事務所にておこないます。発送のお手伝いをしてくださる方を募集しています。よろしくお願い致します。


編集後記:12月2日、千倉町にある小松寺に行ってきました。朱塗りの仁王門や茅葺きの本堂,国の重要文化財である銅像十一面観音座像など見所満載です。そして何より紅葉とイチョウの黄葉が美しく、県の郷土環境保全地域にも指定されています。房総の小京都ともいわれる小松寺にみなさんも是非一度お出かけ下さい。 mud-skipper