ちば環境情報センター > ニュースレター目次>ニュースレター第116号
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千葉市中央区 角川 浩
はじめに
竹、特に孟宗竹については 好む人、嫌う人がいます。TV番組でも時折、竹の拡大を憂える視点から番組が制作されています。私自身、確保している土地の一部に竹林があり、この両者の気持ちを同時に持っていますので単純に伐採すればよいというわけにはいかず調整に頭を悩ましました。数年の総合的な取り組みでほぼ納得できる状況になりましたので参考までに紹介します。
1.拡大阻止
ア.空堀り(溝)を掘る。これ以上来て欲しくないところに幅60p,深さ1m,長さ30m位の堀を業者にユンボで掘ってもらいました。地下茎はせいぜい地表から30〜40pのところに延びていることがわかります。平地なら60p程度の深さでよいようです。
緩やかな傾斜では里山に多くみられるように竹は上り下りしますが、垂直な穴ではそれもできず効果100%です。数年たって切り口の中腹から地下茎の先端が顔を出すこともありますがそのまま枯れています。掘った土は堀に沿って置くだけでも造園あるいはビオトープの点からの効果がうかがえます。堀の中では多湿を好む植物が生えてきます。
イ.薄いセメント波板を埋める。4枚位埋めてみました。自分でできるのが利点です。ただし地下茎の先端が波板にぶつかってそこで停止しているのか方向転換をして他に延びているのか見えないので確認はできません(いまのところ先に生えている形跡はありませんが)。セメント波板は丈夫で腐らないのが長所ですがアスベストが含まれていないか確認をすべきです。
2.利用による調整
ア.これが本来望ましいもので、NG0,NP0,ボランティア団体による活動も散見されます。しかし全竹林(竹藪)に対して一体何%に手が入れられているのでしょうか。いくらマスコミに取り上げられても一過性のきわめて微少な対応では効果がありません。よく竹炭、竹酢液をつくる、竹細工をつくるといったことが唱われますが「飽きる」「長時間かかる」点からだんだん行われなくなります。
イ.私は、「70歳の人が」「一人で」「思い立ったらいつでも実行でき」「定期的な補充を必要とする=消費量の確保」のが全国的な視野からすると望ましい利用形態かと思います。この点からコンクリート柱あるいは木柱と竹の組み合わせによる竹フェンスを考案しました(仮称「角川式バンブーフェンス」)。瀟洒な和風庭園でみられる竹垣ではありません。要は、竹を一定の長さに切ってわくの中に放り込むだけです。
第1案は横に並べるものですが、竹は前後で口径がかなり異なってくるので不都合なことがわかり第2案として縦に並べるものになりました(写真1)。
3.竹の効用と倒壊対策
建築家が多用するものですが、そばの見たくない高さのある光景(工場,アパートの裏等)を嫌みにならない形態で遮る方策して孟宗竹は効果的です。私も1カ所境界ぎりぎりに迫っている隣家裏側(トイレ,台所等)を目に入れたくないので活用しています。
しかし、15mから20mの高さは相当に風圧を受けるもので、強風を受けて途中から折れることもあります。そこで登山道具のカラビナとロープでひとかたまりの竹を束ね、それをロープで土地に埋めた基礎(重量ブロックを鉄筋でT字型に結束したもの)に結ぶという方法をとっています(写真2) 。
4.竹への積極的攻勢
竹は幹を切ることは比較的容易ですが、辺り一面にはびこっている地下茎を取り去ることは重機でも使わない限り無理です。しかし、だからといって荒らされたままにするのも悔しい気がします。何とか常緑広葉樹を植えて対抗させられないか考えました。
ここで、とても奥深いことを優しい言葉で教えてくれる宮脇 昭博士の著にヒントを得て深根性・直根性のクスで勝負させることを思いつきました。前述のように竹の地下茎は深くありません。従って周囲の竹を切り払って採光を確保することと竹の地下茎の下までクスの根が伸びる手だてをしてあげれば十分に生育できるのではないかというものです(仮称「角川式孟宗竹積極的攻勢法」)。「竹の地下茎の下までクスの根が伸びる手だてを」というわけは、竹の地下茎を一定範囲切断して良い土壌を補充してそこに他の樹木の苗を植える実験したところ、竹も利口で、新たに地下茎を延ばし始め、後から植えた苗の根をまるで首を絞めるように迫ってくるのがわかったからです。
そこで、鋸やナタで地下茎を切断した深めの穴にコンクリート排水マスやブロックをセットし、ちょうどこれを底のない植木鉢のようにしてクスを植えてみました。500年後見に来てトトロの木のようになっていれば嬉しいのですが(写真3)。
終わりに
この竹林を含む私設環境実験アトリエはまだ作成途中ですが、独立型太陽光発電,雨水利用,毛管現象活用土壌浄化式トイレはできあがっているので、ライフライン不要の生活が可能となっています。06年11月にはタンザニア共和国で国立公園を所管する公務員(女性管理職)の訪問をいただきました。
連絡先(角川):e-mail: yume8k@khaki.plala.or.jp
山武市 木下 敬三
45年間電気技術者として生きていた者が、どうして山を?
地球村で環境を習って、夢のまちから子育て支援のネットを立ち上げ、ゴルフ場頓挫の里山を旧成東町に“里山活用財団”を提言したが合併で頓挫、なかばジレッタクなり山主に成ってしまいました。(山武市旧成東町早船地区の山林11,000uを個人で昨年12月に購入)里山・自然・環境・農・・テーマの講座・シンポジューム・フォーラムに参加して、俗に言う“耳年増”になりました。実践は米作り3年、と言え今年初めてお米を食しました。完全無農薬米、うむッこれは美味い!!
里山の活動をしていると、山主に悲哀をよく聞きます。その山主になってしまいました。主なればこそ歓喜に満ちた山林に、活かし利用してこそ“里山”です。幸いにも3年前からお借りしているタンボに近接しているのでタンボと山を自由に使えるようになりました。そうだ!おツ!これは!?昨年新聞記事で見た、たんぼアート、色の違う稲を植えて絵を描く、それを山の上から眺められる・・最高!!
よく見ないで手に入れましたが、先日友人と歩いてみたら斜面の多い場所でした。斜面だから杉の造林をしていなかったのか?雑木が多くあります。一部孟宗竹林あり春には筍掘り放題です。放置の林にご多分に漏れずアズマネザサも相当生えています。原則、“何も足さない、何も引かない“どこかのウイスキーCMではないですが、伐採・植樹は出来るだけしないで、現状を活かした利用を考えています。活動費・税金の為に多少の収入を画策しなければ持続可能な活動にならない。シイタケ・薪燃料・筍・バイオマス発電・・・想いはドンドン広がります。
子育て支援・環境教育・自然体験・・・今まで断片的にしてきた活動がここで全て繋がりました。障害者・健常者・老年層・若者層・子ども・田舎人・都会人・・老齢者には生きがいを、親育ち子育ちの場・引き篭もりや自閉症者の社会復帰、障害者の自立への足しになれる場所になっていければ幸いです。神崎で行なわれた森林セラピー講座の実験台になり、低山でもセラピー効果が実証されました。この山でもセラピー効果を狙って活動できます。この夏には若者のキャンプ山林コンサートを予定しています。
利用するには楽しく使いましょう。ツリーハウスやツリークライミング、そこから眺めるアート田んぼ・ホタル・・はたまた遠い将来には朱鷺も・・・この地区には私の他に2グループが活動しています。広大なこの地区を合わせて遊べるのも大きなメリットです。ご一緒に遊びませんか? ご連絡ください。
連絡先(木下) Tel:090-2723-1511,Fax:0475-80-2661
千葉市稲毛区 石橋 紘吉
自分が子供の頃は物が無く、自分たちでいろいろ工夫して遊び道具や方法を見つけて遊んだものである。遊びと言うより生活の一部であった。
1.コマ廻し(秋,冬)
コマはベイゴマではなく、直径7〜10cmの木ゴマで分厚い鉄輪をはめ込み、回転軸根には四角い鉄片を打ち込んだものであった。
遊び方は順番を決めて廻すが、相手のコマに力一杯打ちかけるものであった。鉄輪が無ければ軽くて簡単に弾き飛ばされるか、時には割られてしまうほど激しいものであった。コマの紐は今のように色々の紐は無く、藁縄で何回か使うとぼろぼろになった。木ゴマと鉄輪を買ってきて、鉄輪を火の中に入れて加熱し、それにコマを焼嵌め,更に水につけて木の膨張を利用して鉄輪が取れないようにした。
2.ラムネン玉(秋,冬)
これはビー玉のことでラムネのビンにビー玉が入っていることから「ラムネン玉」と呼ばれたと思う。
遊び方は地面に三角形の図形を描き、その中に各人3〜5個のビー玉を出し合って並べ、三角形から約5m離れところに線を引き、そこから三角形にビー玉に当ててはじきだすのである。はじき出したビー玉はもらえるが、はじき出されるビー玉が三角形内のビー玉に触れるとアウトになり、その人はプレイが出来なくなる。それと相手のビー玉に当てれば当てられた人はアウトになった。かなり頭を使い技術も要する遊びであった。ポケットに何十個ものビー玉を入れて遊びに行き、時にはすっからかん、時にはポケット一杯となり楽しい遊びであった。
3.パッチ(秋,冬)
パッチとはメンコのことである。われわれは丸型のもので、当時はプロ野球選手の絵がほとんどであった。遊び方は3〜4人で数枚ずつ出し合って裏返しにして積み上げ、順番にパッチを地面に打ちつけて、その時の風で積み上げられたパッチを崩して表返しをするものである。表に返したものはゲット出来た。出来るだけ風を送りたいので少し大きめの服を着たり、指先を地面にこすりつけるようにしてパッチを返したものである。このため指先が血だらけになることもあった。
自分の打ちつけるパッチが裏返しになると無効となり、そのため自分の打ちつけるパッチは油をしみ込ませ重みをつけ跳ね返ったりしないように工夫した。こうした遊びも楽しいものであり、数百枚ものパッチを持っていた。
4.缶けり(冬,春)
この遊びは多くの人が経験したものと思う。農家の広い庭(どの家も籾乾しのため広い庭があった)。の真ん中に空き缶を置き、鬼の人が缶を護り,逃げ役の人を見つけ出すものである。鬼が逃げ役を見つけて缶を踏めば逃げ役はアウトとなり、逃げ役が鬼より早く缶を蹴れば、アウトの人も生きかえった。農家には納屋などあり隠れるところは沢山あり結構走り回って遊んだものである。
5.水中鬼ごっこ(夏)
缶けりの代わりに川の中で複数の鬼を決め、逃げ役を捕まえる。捕まった人は鬼の基地で手を繋ぎ助けを待つのである。鬼に捕まらずに逃げ役がアウトの人に触れればアウトの人も生き返るのである。
川幅もそう広く無く、水深は1.5mほどであったが川の水がそれほど綺麗でなかったので川底すれすれを潜って逃げればなかなか捕まらなかった。こんなことをして泳ぎも達者になった。水がきたないとか不衛生とかは関係なく、大水がでればそこが遊び場で道路が冠水すればその道路を渡り歩いたり、時には泳いだりした。
6.竹筒鉄砲や竹トンボ(秋)
笹竹で筒とサヤを作り、榎木の実やヤツデの実を筒の先に詰め、もう一方に木の実を詰めて、サヤで筒の中の空気圧を利用して発射するものである。相手をめがけて打ってあそんだものである。大きな筒の場合は、新聞紙を丸めて噛んで固め玉とした。
竹トンボ作りも楽しいもので竹細工に欠かせない小刀が必需品で何時も持っていた。
7.スズメ捕り(秋,冬)
スズメ捕りは3つの方法があった。
@ レンガの仕掛け…レンガ2個を使いレンガとレンガの間に餌の米を撒き、一方のレンガを細い小枝で支えて傾け、スズメが餌につられて小枝に触れればレンガが倒れてスズメをゲットできる。この方法はかなり確立が高かった。
A 木の枠に網を張ったものを棒で支え、餌を撒き、棒に紐をつけて遠方から紐を引っ張ってスズメを生け捕りするものである。この方法は見張りをしなければならず根気がいるもであった。
B ゴム銃…Y字型の木の枝を切り出し、これにゴム紐をはり小石を飛ばして当てるものである。スズメに当てることはなかなか難しかった。
東京都文京区 荒尾 稔
日本に渡来する白鳥群は、一昨年の12月の大雪で新潟の「瓢湖」の白鳥群が大規模な移動を行い、千葉県下にも銚子に近い東庄町の「夏目の堰」に400羽以上が渡来して越冬しました。この群れは、一度餌付けされた個体群でありながら、そこから逸脱し、餌付けを嫌う、全く新しい、ガンダムではないが「ニュータイプ」でした。
今年も120羽以上が渡来していて、毎日、夏目の堰から、コウノトリの飛来した旭市へ飛びたち、田んぼで採餌しています。でも餌を与える方が多いので、困ってはいます。
同じ千葉県での白鳥渡来地である本埜村の個体群は、大きく変化しています。福島県,茨城県,埼玉県とも、3年前と対比すると、白鳥の個体数は殆ど変わりなく渡来しています(昨年度は新潟豪雪もあって、異常値と考えます)。
唯一大きく減少したのが、本埜村の個体群です。昨年の1,350羽が450羽までに落ちこみ、しかもその多くが栄町の新海秀次さんの田んぼに移動したりで不安定。新たなネグラの形成も噂されている状況です。
これは明らかに餌付けを抜け出した、ニュータイプの白鳥の増加が予想されています。人々の自立を促すような、先取りかも知れません。継続して調査を行っていきます。
千葉市花見川区 伊原 香奈子
ちば環境情報センター割り箸リサイクルプロジェクトで一緒に活動している、四街道市在住の小池正孝さんが、中国(香港)から招かれて、芸術披露を行います。
小池さんは、使い終わった割り箸から、とても素敵な寄木細工模様の海の生物を作り出す芸術家です。芸術評価も高く、今までにもテレビ「伊東家の食卓」やNHKなどでも何度も放映されています。実演の為に小池さんが海外に行っている日は、3月13日〜19日。香港の割り箸アートの展示は、3月17日〜4月1日まで、場所は China Hong Kong City (九龍にあるショッピングモール)で行われるそうです。「割り箸がもったいない」から始まった小池さんの割り箸芸術活動、芸術だけでなく、その背景の思いなども海外の皆さんの心まで届くといいですね。
発送お手伝いのお願いニュースレター4月号(第117号)の発送を4月 6日(金)10時から事務所にておこないます。発送のお手伝いをしてくださる方を募集しています。よろしくお願い致します。 |
編集後記:3月3日、いすみ市大原のNPO夢鯨主催の「講演会とスナメリウォッチング」に参加しました。東京海洋大水口憲哉名誉教授の「沖にはいすみ市と同じくらいの面積のいすみ根(器械根)があり、1886年には750トンのアワビが捕れたが乱獲により5年後には捕れなくなってしまった。人による管理漁業がいかに大切であるかの失敗例だ」という言葉が印象的でした。 mud-skipper