ちば環境情報センター ニュースレター第9号

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1998. 4.1 発行    代表:小西 由希子

目 次

  1. ゆたかなまちづくり
  2. デポジット法制定シンポジウムに参加して AIKA  
  3. 「里山の自然しらべ」 結果報告
  4. 小さな グリーンコンシューマー
  5. 公園丹後堰公園に行ってみませんか
  6. 知っていますか? NACS−Jの自然保護活動

ゆたかなまちづくり

いちはら市民ネットワーク 山本 友子  

今、国では財政危機が叫ばれ、私達の市でも地方債(つまり借金)が年間予算より大きくなっているにもかかわらず、バブルのころに計画した大規模開発をすすめようとしています。いったん立ててしまった計画は修正したり止めたりできないものでしょうか。かつてのような産業誘導は難しいし、売れる見通しのない宅地開発はせっかくの田畑がペンペン草の生えた荒涼たる墓場を量産するようなものだと思えてなりません。
 日本の農政では、農家が農業を止め土地を手放す方向を止めることができないのが現状です。土は保水力を失い、里山,谷津田は消えていきます(こんなことでいいのかな)。人口が減少し高齢化を迎えるこれからは、すでにある街の整備を進め、身体が弱ってからも自由に買い物に出掛けられる。また声を掛け合える寂しくないまちづくりをめざすことの方がずっと大事だと思えます。大型店舗は時代の流れだと言うけれど、私は「コミュニティとしての地域商店街に元気になってもらいたい」と切実に思います。
便利になって近所付き合いが希薄になれば、人々はバラバラになっていきます。便利な郊外型のお店で買い物をしている間に地域のお店が次々つぶれていったら、私達は効率や安さと引き換えに、街に大きな空洞を持つことになります。それは、集団の無意識の中に大きな寂しさをかかえることになるのではないかと思います。整然としているわけではないけれど、何となくホッとする街,ちょっとぶらぶらしたくなる街,そんな「まちづくり」を地区計画というかたちで、「仲間づくり」もいっしょにわいわいできないか。このころはそんなことばかり考えています。
縁があって、仲間がいて、安いお酒が飲めるお店があって、障害者の施設も町中にあるような、そんな街を、いっしょに夢見ませんか。

デポジット法制定シンポジウムに参加して AIKA  

長谷川 繁子

 「デポジット法制定」をめざす・・・この言葉をどんなに待ち望んでいたでしょう。
 3月21日「デポジット法制定」をめざすシンポジウムがありました。
 今日は木曜日、ビン・カンの回収日で市の車が街をめぐります。この容器、たった一度の使用でお役御免は本当にもったいない。近所の林には千葉の文化財「滑橋貝塚」の金属板(教育委員会)、また「保存樹林」指定(千葉市)、投棄すると法律で罰せられます(千葉東警察署)等々の立て看板が廃棄物の中に立っています。この辺で100個のカンを拾うのにそう時間はかからないでしょう。自然観察も自然半分ゴミ半分、一掃しても寸時にもとのもくあみなのです。この資源を循環できたらどんなによいでしょう(資源物ばかりではありませんが)。
 シンポジウムでは、行政・消費者・事業者の立場からより具体的,建設的な内容のお話がでましたが、法制定までの道のりの遠さも再確認しました。国で根本的な法制定をしなければ、何も始まらないと思います。そこで、
 提言T・・・デポジット法制定に向けまず容器代に差を付ける。たとえばガラスを安く、カン−ペットボト       ルを高くするなど。
 提言U・・・行政は裏道,川べり,干潟などの清掃に力を入れ、市民も積極的に参加する。
 川に没しているゴミを一掃したら、どんなに気持ちよく、有害な物質も流出しないか。そして残念ながら、ポイ捨て防止条例や監視体制も実施せざるを得ますまい。町中には自動販売機があふれ、まだまだ増えつつあります。空きカンを入れるとお金が返ってくる機械が欲しいですね。24時間稼働している自動販売機の電気代は高くしてもいいのでは・・・(本来はなくしたいから)。
月1回の千葉ゴミ0デーを決め市民も参加してはいかがでしょうか。大量消費と利便性追求は徹底的にストップさせましょう。今後デポジット法が制定されるには、私たち消費者を含め三者に相当の意識改革が求められています。

「里山の自然しらべ」結果報告

松山 みよ子

  日本自然保護協会が昨年実施した、全国の「里山の自然しらべ」の結果が下記のように発表されました。
 全国933カ所の里山について2469名の方が報告をよせました。
 A.自然の状態も人のかかわり合いも非常によい里山  221カ所
 B.自然の豊かさが目立つ里山            256カ所
 C.適切な人の関わりが目立つ里山          359カ所
 D.里山にはむずかしい状況,その他          97カ所
 私達「ちば環境情報センター」も仁戸名(斜面林タイプ),川戸(平地林タイプ)にある2カ所の里山を報告しました。どちらもBにはいります。
 人と自然がかかわり合いながら共生し、受け継がれた里山。住んでいる生活圏の中にある里山は、遊びなが            
ら自然の大切さを身近に感じられるフィールドです。この雑木林(落葉樹林)の下には、今頃紫色のカタクリの花,白いイチリンソウやニリンソウ,カンアオイなどの植物が花を咲かせ、ミドリシジミなどが飛                          び舞います。 
しかし近年、里山は人間の生活と切り離され、荒れて下草も刈られずゴミ捨て場となっているところさえあります。とても悲しいことです。もう一度、里山と人間とのかかわり合いを新しい見方でとらえ、自然公園やエコミュージアムとしてそのまま残し、市民がボランティアとしてかかわり保全していく事がとても大切なのではないでしょうか。

小さなグリーンコンシューマー

小西由希子 

 3月19日、さわやかちば県民プラザ環境学習コーナーにやってきた松戸市和名ヶ谷小学校4年生の皆さんと「ゴミ」についての楽しい体験学習「買い物ゲーム」をおこないました。
1年間リサイクルやゴミのゆくえについて学習してきたということで、まずは「どうしてゴミはできるんだろう」とみんなで一緒に考えました。
そしていよいよ楽しい「買い物ゲーム」のはじまりです。「友だちが遊びに来るのでおいしい紅茶とお菓子を用意しよう!」という設定で、さっそく私はお店やさんに変身。買い物袋を提げた子供たちに、あらかじめ用意したいろいろな種類の紅茶(箱入りの茶葉、缶入り紅茶、ペットボトルの「午後の紅茶」、アルミパック入りティーバッグなど)とお菓子(ポテトチップや「ばかうけ」せんべい,ラーメンスナックなど)の中から1つずつ選んで買い物をしてもらいました。あーでもないこーでもないと班のみんなで話し合って選んだ商品。選んだ理由を尋ねると、「箱がリサイクルできるから」とか「袋がもう一度使えるから」とか「おいしいからきっと友だちも好きだと思う」など、子供たちは一人ひとりしっかり考え、はっきり自分の意見を言ってくれました。生活の自然な営みの中で環境についても考える―――小さなグリーンコンシューマーを心から応援しています。(今回の「買い物ゲーム」は、京都のNGO「環境市民」の皆さんが考えたものを基にしたものです。)

公園丹後堰公園に行ってみませんか

 千葉駅からバスで20分ほどの都川立会橋近くに、ハンノキの大木やオニグルミの茂る湿地の公園があります。木道も整備され、夏になると今ではあまり見られなくなったツリフネソウも可憐な花を咲かせます。当センター有志により、毎月第1日曜日(10:00から12:00)、ごみ拾いをしてその後周辺を歩いて自然観察会を行っています。大きなごみの処理には千葉市の行政の方のご協力も得られることになりました。ご一緒に参加なさいませんか。
(連絡先:松山 043-265-8802)

知っていますか? NACS−Jの自然保護活動

(財)日本自然保護協会・NACS−J(ナックス・ジャパン)=NATURE CONSERVATION SOCIETY OF JAPAN 

 海も湖沼も川も森もよりよい姿で残したい。個々のいきものだけでなく、それをとりまく環境との「つながり」を守りたい。もちろん、人の暮らしも含めて。
 NACS−Jは自然保護のために科学的な根拠に基づいた具体的な提言をおこなっています。これまでに、愛知県瀬戸市海上の森(万博会場)や沖縄島北部のやんばる地域の森林などの自然保護問題や法制度の改善に取り組んでいます。また「レッドデータ・ブック」のまとめなど独自の研究活動や、自然かんさつ指導員の養成,自然保護セミナーの開催などもおこなっています。会員からの会費と寄付を主な財源とする独立した民間の団体で、だれでも会員になれます。
会員には、会報「自然保護」の送付,刊行物の割引,資料の閲覧,自然に親しむ宿「ネイチャーイン」の利用など。
年会費 個人会員5,000円 ファミリー会員8,000円郵便振替口座=00150-2-51775(財)自然保護協会
 お問い合わせの方にはパンフレットをお送りします。あなたも会員になって自然保護活動を応援して下さい!

編集後記

・ 千葉市の泉自然公園、今カタクリの花やニリンソウが春の訪れをつげています。これが発行される頃は桜も満開でしょう。
  うららかな一日足を運んでみませんか!(松山)
・ 冬のインフルエンザの後遺症と花粉症で苦しみました。暖かい陽ざしが病を優しくいやしてくれます。
  健康が第一です。(病みあがりの長さん)